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2022/02/21

【赤木さん裁判】裁判で真実が明らかになるとは限らない

森友学園問題で公文書の書き換えを命じられ、自死した財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが起こした裁判が、実質的な審理に入らないまま終結した。昨年12月15日に、被告の国が雅子さん側の言い分を認め、請求された約1億700万円全額を支払うと表明したためだ。
遺族としては、賠償金が目的ではなく、夫が死に至った真相を知りたいとの思いから提訴したものでだった。国の「認諾」により、関係者の証人尋問などは行われずに終わった。
雅子さんの悔しい気持ちはよく分かるが、裁判を通して真実が明らかになるとは限らない。
これは民事、刑事裁判で共通だが、原告・被告双方が証拠や証言をもとに主張をぶつけあい、裁判官が判決をくだすが、真実が明らかにならなかった事例も少なくない。

今世紀に入ってから日本で起きた主な凶悪事件は、次の通り。
①2001年におきた「大阪教育大付属池田小学高事件」、宅間守が学校に侵入し、児童8人を殺害、児童と教職員15人を負傷させたもの。死刑判決をう受けて被告は控訴したが、その後取り下げたため、一審で死刑が確定した。
②2008年に起きた「秋葉原無差別殺傷事件」、加藤智大が外神田交差点に車で突っ込み、さらに車からおりて刃物で倒れていた人を刺すなどして、7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。裁判は最高裁まで争われ、2015年に死刑が確定した。
③2016年に起きた「相模原障害者施設殺傷事件」、植松聖が「津久井やまゆり園」に侵入し、刃物で入所者19人を刺殺し、入所者・職員計26人に重軽傷を負わせた。2020年に一審で死刑判決を言い渡され、控訴を取り下げたことで死刑が確定した。
④2018年に起きた「京都アニメーション放火事件」、容疑者・青葉真司がアニメ制作会社「京都アニメーション」の第1スタジオに侵入し、ガソリンを撒いて放火したことで建物は全焼、社員36人が死亡し33人が重軽傷を負った。容疑者も重傷を負ったため回復を待ち、2020年に起訴されたが初公判の時期も未定。
⑤2021年に起きた「大阪市北新地ビル放火事件」、男がビル4階の「働く人の西梅田こころとからだのクリニック」に侵入して放火、26名が死亡し2名が負傷した。容疑者は谷本盛雄と断定されたが、死亡したため書類送検となった。
①と③については1審で死刑が確定してしてしまった。②については最高裁まで争い死刑が確定したが、被告は判決に納得せず再審請求を行っている。
いずれの事件も真相が明らかになっておらず、メディアも事件の背景を「心の闇」とか「孤独感、孤立感」といった抽象的な解釈で済ませている感がある。
この様に、もともと裁判制度は真実を明らかにすることを目的としたものではない。
今回の赤木さん裁判の結果も、制度の限界を示したものだ。

 

【訂正とお詫び】当初の投稿に一部誤りがあり、訂正しました。

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