「強盗の論理」プーチン
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2月21日、親ロシア派が実効支配するウクライナ東部の親ロシア派が名乗る「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立との承認と、平和維持の名目でウクライナ東部にロシア軍部隊を派遣する命令を出した。
他国の領土の一部をロシアの領土と宣言したわけだ。
プーチンはまた、「ウクライナは我々が(旧ソ連時代に)彼らに与えた全てのものを無駄にしただけではなく、彼らがロシア帝国から受け継いだ遺産、なかでもウクライナを併合したエカテリーナ2世がもたらしたものまで台無しにした」と演説の中で述べている。
歴史まで持ちだして自らの主張を正当化する、正に「強盗の論理」といえる。
私見だが、今回のプーチンの行動の背景には、次の点があると思う。
①米国の、相対的な力の後退。この程度のことでは米国は動かない(動けない)と見ている。
②国内に親ロシア派をかかえるウクライナ政府が、ロシアに対して毅然とした態度を取れなかった。
③NATO諸国の中の足並みの乱れ、特にドイツの動向。ドイツは国内の急激な脱炭素というエネルギー政策により、ロシアからの天然ガス輸入に頼らざるを得ない状況にある。自然エネルギーへの転換が、かえって自然を破壊するという論理矛盾に陥っている。
かつてのソ連時代に、ソ連邦に加盟していた諸国にはロシア人が定住しており、今回の「プーチンの論理」が通れば、いつでも他国の中にロシア領土が作れることになる。
プーチンの野望を止めるために、欧米諸国が一致した行動に出られるが、今後のカギを握っている。
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