恐怖心は人を狂わす
以前にイスラエルを訪問した際に、現地ガイドに、なぜイスラエルという国はあそこまで攻撃的なのかをたずねた。ガイドの答えは、「イスラエルの人は怖いんです。何もしないと、いつやられるか、怖くて仕方ないんです。だから過剰反応してしまう」。納得。
ユダヤ人の歴史をみれば、常に迫害を受けてきたわけで、そうした恐怖心に支配されたしても不思議ではない。
翻って、今のプーチンによるウクライナ侵略だが、根底にあるのは恐怖心だろうと思う。
ソ連崩壊後のロシア経済を立て直してきたが、気がつけばかつてのソ連邦の構成国や衛星国が、次々とNATOに加盟し、遂にはお膝元のウクライナまで加盟を図っている。
城に例えるなら、既に外堀は埋められ、遂には内堀が埋められる事態に至った。
ロシアは大国だが、ロシア革命以後は常に外国からの干渉戦争に脅かされてきた(日本も参戦していた)。共産主義が広がらぬうちに叩き潰しておこうと、周囲の国は考えたわけだ。その典型はナチスドイツだ。
今は、誰もロシアを征服しようなどと思っていないだろうが、ロシアにしてみれば決して安心していられない心境だろう。
加えて、プーチンは恐怖政治で国内を支配してきた。そうした独裁者は、何かのきっかけで民心が離れてしまうと、待ち受けるのは処刑であることは歴史が証明している。
プーチンは怖いのだ。その恐怖心が判断を狂わしているのだろう。
日本でも、ウクライナの状況を見て、明日は日本の運命だと恐怖心が煽られている感がある。
日本の安全保障に関しても、過剰に浮足立つことなく、冷静な議論が望まれる。
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