プーチンによる教科書の書き換え
ロシアのプーチンは、2000年から現在までの22年間(厳密にいえばそのうちの4年間は首相だが)大統領として君臨してきた。これによりロシアの民主化はブレーキがかかり、プーチンによる独裁体制が出来上がった。
この任期中にプーチンが行ったことでは、ソ連時代の政策を肯定するという特長がある。
第二次世界大戦でソ連はナチスドイツを破り、戦争を終結に導いた。その一方、そもそも第二次世界大戦が開始したのは、1939年の「独ソ不可侵条約」の締結により、ポーランドに対しドイツが西側から、ソ連が東側から侵入したのがきっかけだった。プーチンはこれをロシアの黒歴史ととらえたのだろう、第二次大戦の開始を1941年の「独ソ戦」に変えてしまった。
さらに、大戦の戦中や戦後にソ連が行った侵略行為を無かったことにした。こうした自国に都合のよい「歴史修正主義」に基づき、教科書の書き換えを行った。
教科書の記述は単に教育だけにとどまらず、国にとっては正史となる。プーチンのロシア国内の支持率が高いのは、こうした誤った愛国心を国民に植え付けてきたためだろう。
我が国でも、右翼政治家が教科書に書かれた過去の日本の行った行為を「自虐史観」と攻撃して書き換えを求め、一部は既に書き換えが行われている。この勢力が、改憲に前のめりになっていることも偶然ではない。
私たちはプーチンの行為を「他山の石」とすべきだろう。
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