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« Two Significances of the Condemnation of Russia for Invading Ukraine | トップページ | ウクライナ問題に関する多様な意見を排除すべきでない »

2022/03/19

「ウクライナ大統領の国会演説」には慎重であるべきだ

ロシアによるウクライナ侵略に対する当方の姿勢は明確で、当ブログでもロシアを非難し、ウクライナへの支援を訴えてきた。この態度は今後も変わることがない。
しかし、ウクライナ大統領が日本の国会で演説することに関しては異論がある。
先ず考慮せねばならないのは、これが今後の前例となることだ。前例は基準となるので、これから同様の事象が起きた時に、国会で同じ対応が取れるかどうか、取るべきかどうかが問題となる。
世界的に見れば、ある国(個別又は集団)が自分たちの主張を押し通すために他国に侵攻したり、軍事行動を取ったりしていた例は、枚挙に暇(いとも)がないほどだ。
思いつくだけでも、
・ロシアによるチェチェン及びジョージアへの侵攻
・アメリカなどによるアフガニスタン及びイラクへの侵攻
・NATO軍によるセルビアへの空爆(1万人の市民が犠牲になった)
・アメリカとNATOによるリビアへの軍事介入
・サウジアラビアとイランによるイエメンへの軍事介入
上記のうち、アフガニスタン、イラク、リビアに関しては、専制政治から民主主義国家への移行という大義名分があったが、その結果は国内の部族や政治勢力の対立を招き、長期にわたる内戦が続いて、その被害はウクライナ戦争の比ではない。当時の日本政府の立場としては、いずれも欧米側を支持していたが、今となってはその判断は誤りだったと言わざるを得ない。
現在のロシアのウクライナ侵略が最後のケースになってくれる事を祈るが、そう断言はできない。
それらを考慮するなら、ウクライナ大統領が国権の最高機関である国会での演説に対しては、慎重であるべきと考える。もし行うなら、別の形態を取った方がいい。

次に、ウクライナ側の現状や主張は日々細かく報道されており、ウクライナ大統領が国会で演説しても、今と異なった状況は生まれまい。打つべき手は打ってあるし、日本として出来る事には限度がある。例えば、ウクライナが要求している領空の飛行禁止は、日本としては手の出しようがない。
日本が、ウクライナの難民を積極的に受け入れるのは大いに賛成だ。その際に特例措置を検討しているようだが、他の難民との扱いに不公平が生まれないよう考慮すべきだ。ミャンマーなどアジア諸国で弾圧されている人々も、今後は積極的に受け入れる覚悟と、国民的合意の形成が必要だ。

コロナ感染が起きれば「非常事態法」を制定しろとか、ウクライナ問題が起きれば「核保有」とか、近ごろの世論は浮足立っているのでは。
こういう時こそ、冷静な態度が求められる。

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