【大相撲春場所】影の殊勲者は「正代」かな
「荒れる春場所」の諺とおりに、本命の横綱照ノ富士が早々と休場して混戦模様となったが、高安との決定戦を制し、関脇若隆景が初優勝。新関脇の優勝は86年ぶり、福島県出身の力士が優勝したのは50年ぶりという記録ずくめとなった。故郷の福島に明るいニュースが届けられたのは良かった。
祖父の若葉山は私が小学生時代に活躍した力士で、「足取りの若葉山」として有名だった。若隆景はそうした奇襲ではなく、強烈な「おっつけ」で相手の体を下から起こし攻め立てるという技能派のイメージだったが、今場所はそれに「強さ」が加わった。幕内力士としては小柄の方だが、かつての千代の富士を思わせるような精悍な取り口を見せる。
ただ、ここのところ、照ノ富士を別にすれば優勝しても後が続かない力士が多いので、若隆景についても来場所の成績に注目したい。
もう一人場所を盛り上げた高安だが、終盤戦に崩れて、絶好のチャンスを逃してしまった。過去にもこうした傾向がみられ、精神的に脆いのだろうか。実力は折り紙つきなんだから、来場所からの捲土重来に期待したい。
出だしで連敗が続き、「不甲斐ない、やる気がない、大関失格」と散々叩かれた大関正代だったが、終盤は見違えるような相撲っぷりで、面目を保った。特に14日目の若隆景と千秋楽の高安と、二日続けて優勝候補を破り場所を盛り上げた。優勝決定戦という舞台を整えた点で、影の殊勲者は正代と言える。
逆に不甲斐なかったのはもう一人の大関貴景勝で、8勝してカド番を脱出して気が緩んだか、終盤は精彩を欠いた。
新大関の御嶽海は11勝をあげて及第点だ。ここから上を目指すなら、時折り見せる脆さを克服する必要があろう。
若手では、琴の若の活躍が目についた。父親に似た長身を活かした突き押しで相手を圧倒する取り口は魅力だ。未だ技術的には粗削りだが、スケールの大きい力士になることが期待できる。
昨年、2度ほど国技館に足を運んだが、その時に注目したのは若隆景と、もう一人明生がいた。その明生の方は、今場所は別人のようで1勝14敗の成績に終わった。TV画面で見る限りでは、体が小さく見えて、どこか具合が悪いのだろうか。元々は力のある力士なので、来場所以降の活躍する姿を見たい。
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