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2022/04/29

令和3年度「花形演芸大賞」に「桂小すみ」

やや旧聞に属するが、令和3年度「花形演芸大賞」受賞者は下記の通り。
<大賞>
桂小すみ(音曲)
<金賞>   
神田伯山(講談)
瀧川鯉八(落語)
古今亭志ん五(落語)
笑福亭べ瓶(上方落語)
<銀賞>   
柳家わさび(落語)
柳家㐂三郎(落語)

ここで注目されるのは、大賞を受賞した「桂小すみ」だ。音曲師が大賞を受賞するのは、花形演芸大賞史上初となる。
落語や漫才、講談に比べて地味な存在ながら、音曲は寄席になくてはならぬ色物だ。特に「膝」と呼ばれるトリの前の出番では、音曲が使われることが多い。
後継者育成のために国立劇場では「寄席囃子」の講座を持っていて、若手のお囃子を送りだしているが、高座に上がる音曲師になる人は少ない。三味線と唄の他にトークが必要で、客の反応をみての即興性も求められる。
桂小すみの高座は二度ほどみたが、久々に腕の立つ若手が出てきたなという印象だった。
彼女は大学時代にはウイーンに国費留学の経験を持ち、音楽教員を経て国立の養成所で学び、お囃子(下座)を経て2018年に桂小文治に入門し音曲師としてデビューした。
まだトークの部分では柔らかさが要ると思うし、当方の好みから言わせて貰えば色っぽさが欲しいところ。
彼女の大賞受賞で音曲の分野に光があたるのを期待したい。

2022/04/28

防衛費倍増の先は、いずれ「徴兵制」か

自民党は、安全保障政策としていわゆる「敵基地攻撃」と「先制攻撃」能力、防衛費を対GDPの2%とする倍増計画を立案しようとしている。その他「核保有」も今後の検討課題としている。
これらは従来の専守防衛の基本方針から大きく逸脱するものであり、「非核三原則」の見直しや、さらには憲法9条の改正にまで踏み込むことになる。
連立のパートナーである公明党からは慎重な意見が出ているようだが、維新の会という強力な援軍が存在するので、このまま一気に突き進む可能性もある。
敵基地攻撃というと、いかにも効果がありそうだが、1990年代に起きたNATOによるセルビア空爆、これはNATOが一方的にセルビアを攻撃したものだが、目標への命中率は40%に終わっている。目標が移動性のものであったことと、セルビアの対空防衛が意外に巧妙だったためだ。そのため民間人への犠牲が大きく、NATOの目論見は大きく外れてしまった。
防衛費倍増の件に移るが、2021年度は総額でおよそ5兆3千億円だった。これを倍増するとなると、財源は税金だ(国債発行も最終的には税金)。この分はそっくり増税で賄うしかなく、恐らくは消費税増税に進むだろう。
軍拡というのは常に相手のあることで、こちらが軍事費を増やせば、相手国もよりいっそう軍拡を進めることになる。
防衛費倍増についての大きな問題点として、いくら兵器を増やしてもそれを扱える人間がいなくては意味がない。それに対応した自衛隊員の増員がどうしても必要になる。
ところが、現在の自衛隊では慢性的な定員割れが続いている。
自衛隊の定員は247154名に対し、人員は227442名で、充足率は92.0%だ。陸上,海上、航空、統合幕僚監部ともに定員割れで、隊員の一番下の階級である「士」に至っては、充足率は77%とかなり低い(データはいずれも、2020年3月現在)。
もし防衛費を2倍にした場合に自衛官も2倍になるとしたら、新たにおよそ25万名の人員の確保が求められることになる。
その一方で、我が国の働く世代の人数は年々減少している。
防衛費倍増は5年後を目標にしている様だが、短期間にこれだけ大幅な増員としようと思ったら、
①自衛官の待遇の改善、具体的には給料の値上げ
②志願に頼らず、徴兵制を導入する
といった手段が考えられる。
しかし、自衛官だけ給料を上げるというのは、他の公務員とのバランスの問題もあり、かなり難しいだろう。
残るのは、「徴兵制」か。
これが杞憂に終われば良いのだが、対象となる若者世代は、この問題をどう考えているのだろうか。

2022/04/26

山本圭になれなかった

俳優の山本圭が3月31日に亡くなった。81歳だった。私のほうが少し年下だが、ほぼ同年配だ。
思い出すのは1966年にTV放映された連続ドラマ『若者たち』だ。両親を亡くした5人兄弟(男4人、女1人)が、逞しく歩き続けて行く青春ドラマで、ディスカッション・ドラマだったと記憶している。
山本圭は三男の役で、爽やかで正義感の強い男を演じ、憧れの存在だった。ああいう男になろうと思ったが、ダメでした。
先ず外観がいけてない。
初対面で出会う時に、こちらの特長を伝えるのだが、「頭が白く、顔が黒く、目つきの悪いのがいたら、それが私です」と言っておくと、「イヤーOOさん、初めまして」と直ぐに分かってしまう。刑事に間違えられたことが2回、ヤクザに間違えられたことが1回と、およそ山本圭にはほど遠い。
正義感はそこそこあるのだが、爽やかさは皆無。
山本圭になるのは、無理でしたね。
ドラマの主題歌『空にまた陽が昇る時』も流行った。「君の行く道は はてしなく遠い」は今でもソラで歌える。ギター漫談家のペペ桜井がこの歌を、ハモニカを吹きながら歌ってみせる芸を披露している。

山本圭さん、心から哀悼の意を表します。

2022/04/24

第72回「大手町落語会」(2022/4/23)

第72回「大手町落語会」
日時:2022年4月23日(土)13時
会場:日経ホール
<  番組  >
前座・柳亭さん坊『寿限無』
三遊亭わん丈『星野屋』
柳亭こみち『妻の酒』
柳家権太楼『天狗裁き』
~仲入り~
三遊亭兼好『粗忽の使者』
柳家さん喬『百年目』

コロナ禍に自身や家族の健康問題もかさなり、寄席や落語会への足が遠のいてきたので、久々の外出となった。
2列目の通路側という理想的な席だったので、演者の仕草がよく見られた。

さん坊『寿限無』、このネタでミスするようじゃ。

わん丈『星野屋』
師匠だった円丈の死去にともない、三遊亭天どん門下に移ったと報告。この人と小辰は抜擢で真打にあげても良いと思うのだが。最近は、圓朝作品のネタ下ろしに挑むなど、意欲的な試みを続けている。
この演目は、妾の母親を除く全員が騙し騙されるので、恐らくは水商売を生き抜いてきたであろう母親のしたたかが印象的。
わん丈の高座は、各人物の演じ分けが明瞭で良い出来だった。登場人物がいささか現代的に見えるのは致し方ないかな。

こみち『妻の酒』
久々だ。ネタは有崎勉(柳家金語楼のペンネーム)が作った昭和の新作落語で、酒飲みの夫が妻から嫌な顔をされるというと、友人からそれなら妻に酒を飲ませたらどうかと助言。妻は飲むにつけ酔うにつけ次第に乱れてきて、夫が注意すると「昨日の貴方の真似をしただけ」でサゲ。途中ちょっとダレ気味だった。美声をいかして「心残り」を披露したのはご愛敬。

権太楼『天狗裁き』
マクラで、1月末にコロナに感染したことと、会う人ごとに後遺症について訊かれるが、この年になるとどこまで後遺症か区別がつかなくなると、言っていた。症状が軽かったのは何より。
お馴染みのネタだが、夢を見た男が女性の名を呼ぶが、これが全てお囃子の人の名。最後に出てきた「エリちゃん」は、もしかすると「恩田えり」かな? 権太楼の自由自在の世界。

兼好『粗忽の使者』
マクラで、幼稚園児の娘が「今日、パパは12時過ぎになるの」と言ったら、別の園児が「オペなの?」で爆笑。高級住地にお住まいなんですね。
侍の粗忽ブリと、兼好の目力の組み合わせが、可笑しい。

さん喬『百年目』
トリらしい大ネタだった。花見で番頭が酔って遊ぶ所で、忠臣蔵の「七段目」の「由良さん、こちら」を使ったのは工夫。こういう手があるのかと感心した。
反面、いくつかの疑問。
①花見の場面で、周囲の女性が「番頭さん」「旦那さん」と呼んでいたが、あそこは「旦那さん」に統一すべきだろう。
②翌朝の大旦那が番頭に説諭する場面で、番頭が子どもの頃にお灸をすえると「熱い熱い」と泣いたという話を3度繰り返したが、くどい。
③上記を含め、言動が大旦那としての風格に欠ける。米朝や圓生の高座と比べるのは酷かも知れないが。

2022/04/22

この分じゃ「トンボ」にも負けるぜ

1955年の1年間だけ、パ・リーグに「トンボ・ユニオンズ」という球団があった。
未だ子どもだったが、とにかく弱いチームだという印象だけは強かった。
どれくらい弱かったというと、シーズン中に監督がノイローゼになり、休養するほどだった。唯一のスター選手は、プロ野球の黎明期を支えたスタルヒン投手だったが(通算303勝、最多勝42勝、通算防御率2.09)、なにせ最晩年でこの年に引退した。
スポンサーがトンボ鉛筆だったし、名前から弱そうだった。
成績は42勝98敗で勝率は0.300に終わり、チームはこのシーズンだけで終わった。
さて、今季の阪神タイガース、4月21日現在で3勝19敗で勝率は0.136。
「トラ」が「トンボ」に負けてるぜ。

2022/04/21

「ドツボにハマってさあ大変」なプーチン

月刊誌「選択」4月号によると、ロシアのケメロブ州で地元の集まりがあり、州知事のセルゲイ・ツィビリョフが挨拶を始めると、聴衆から「私たちは騙された」「ウソつき」という声があがった。
ある女性が知事に「あんたの息子さんは何をしてるのさ」と大声でさけんだ。
「ウチの子は大学で学んでます」
「ウチの子は騙されてウクライナに送られたよ。ひどいじゃないか」
「騙すなんてしてませんよ」
別の女性は「ウチの子も今じゃ大砲の餌食さ」と怒鳴った。
今では閲覧不能になったが、この動画はロシア中に拡散した。開戦から1週間ほどのことだ。
先の女性が「あんたの息子は」と言ったのは、州知事の夫人はプーチン一族の人間で、当然だが息子は徴兵とは無縁なのだ。
徴兵がウクライナに送られているという噂はロシア全土にひろまり、慌ててプーチンは「徴兵は一人も送られていない」と言明した。いかにプーチンが国民感情を恐れているかが分かる。
ただ、この嘘はやがて暴かれることになる。3月下旬時点でウクライナ領内にいるロシア兵は十数万人で、その4分の1が徴兵で構成されていると見られるからだ。
ロシア側の発表によれば、ウクライナでの戦死者は3月末で1351人としている。
一方、米軍情報機関によれば、死者は7000人としており、アフガンやイラク戦争での米軍死者数を上回っている。
「早く軍事的成果をあげろ」と命令されて、将軍自らが前戦に立つことになった。その結果、既に7名の将軍が戦死している。
いくら誤魔化しても、いずれ死者は家族に伝えられる。
これ以上の死者を出さないようにと、ロシアは遠距離から都市部にミサイル攻撃を行ったが、この攻撃により多数の民間人の犠牲が出して、これが国際世論の反発をさらに招いてしまった。
プーチンは完全にドツボにハマった。
しかし「窮鼠猫を噛む」の例えあり。追い詰められたプーチンは何をしでかすか分からない。
「この男、凶暴につき」である。

2022/04/20

書店員って皆さん読書家ですか?

最近、目につくのは書籍の広告に書店員の推薦がのっているこっとだ。書店に行くと平積みの本の背後に、やはり書店員の推薦文がたてられている。そればかりか、書店員が選ぶ賞まで存在する。
書店員って、一般の人と比べ読書家なんだろうか?
若い頃、神保町の古書店をみて歩くことが多く、店のいちばん奥に店主の席があり、例外なく本を読み続けていた。当たり前だが本は売るほどあるし、古書店の本だから読み終わったあとも商品として売れる。こういう人が読書家で、書籍に詳しいのは納得できる。
しかし、新刊の書店員はどうだろうか。忙しく働いていて、勤務時間中の本を読む暇はないだろう。それなら普通の勤め人と条件は変わらず、書店員だけが特別に読書家にはなりえない。
一つ言えるのは、新刊を片っ端から読める経済力があるのかという疑問だ。古書店とはちがって、読み終わった本は新刊で売るわけにはいかない。おそらく日々数十冊の新刊が発行されているだろうし、それを読むためには購入せねばならず、かなりの費用がかかる筈だ。書店員の人たちは特別に給料が高いのだろうか、そうとも思えない。
考えられるのは、出版社が新刊書籍を宣伝用として、無料で書店に配っているのではという疑問だ。それなら経済的な問題は解決する。
もし、そうした事が慣例化しているとすると、その分に掛かったコストは、私たち一般読者が負担していることになる。
どうも、モヤモヤしてしまう。
私の勝手な予想が外れていたら、ゴメンなさい。

2022/04/18

事件や事故現場での「献花」への疑問

いつの頃からか、事件や事故の現場に花や菓子などがそなえられるようになった。被害者への悲しみや遺族へのお悔やみという気持ちは分かる。しかし、それらを毎日のように片づける人への負担を考えたことがあるだろうか。近所の方が片づけるようだが、ものがものだけに簡単に廃棄するわけにもいかず、処分に困るらしい。
そっと手を合わせるだけで十分ではないか。
勝手な善意は迷惑になるだけだ。
大きな事故や事件だといる、時に記念碑をたてたりする例がある。また、毎年の発生日には遺族の方が集まって現場で祈りをささげるのをニュースで目にするが、遺族の中には負担に感じる人もいるのでは。
人にもよるだろうが、辛い思いは忘れたい遺族もいると思う。
よく「事件を風化させないように」という言い方で、風化を否定的に使っている表現にぶつかることが多いが、もし死にたくなるほどの辛い思い出をずっと引きずっていたら、人は精神的に壊れてしまうだろう。風化は人間が生きてゆく上での知恵ではなかろうか。
家族の法事でも、故人を偲ぶのは3回忌までで、7回忌以降は親戚同士の交流会の趣きになる。
どんな事が起きようと、残された人は生きてゆかねばならぬ。配偶者を亡くした人なら再婚することもあるだろう。兄が亡くなって初七日の時に、義姉には良い人がいたら再婚して下さいと伝えた。
これから生きてゆくことの方が大事なのだ。

2022/04/16

小室夫妻を温かい目でみられないものだろうか

米国に在住の小室圭さんが、ニューヨーク州の司法試験の合格者名簿にのっていなかった事が話題になっている。
この件について世間(週刊誌やネット)の反応の多くは、同情や励ましではなく、ざまあみろといった論調が多い。なぜ彼にそれほどの憎しみを持つのか理解できない。皇族の娘と結婚したことで、あの野郎うまくやりゃがってと嫉妬しているとしたら、なんとケツの穴の小さい心の狭い人たちだろうと思ってしまう。
日本人がアメリカに留学して法律を勉強し、司法試験に挑戦しているのだから偉いと思う。私など逆立ちしてもできないね。
妻の眞子さんは、現在メトロポリタン美術館(MET)でボランティアスタッフとして勤務しているとのこと。
彼女は、国内の大学で美術・文化財研究の学芸員資格を取っているし、イギリスの大学で美術史の学位や文学修士の学位を取得している。METが運営するウェブサイトに絵画作品の解説文を寄稿しているそうだから、いずれは正規職員として働くつもりかも知れない。
METで仕事している日本人は少数なので、こちらも頑張って欲しい。
目標に向かって前向きに進んでいる二人に対し、世間はもっと温かい目でみられないものだろうか。

2022/04/15

フロントがアホやから

プロ野球の開幕を前にして、今シーズンの阪神タイガースには二つのリスクがあると書いてきた。
一つは、守護神スアレスにかわる抑えの投手が決まっていないこと。
もう一つは、矢野監督自身がリスクであること。
17試合戦って未だ1勝しかできない現状をみると、悪い予感が当たってしまたようだ。
ある会社で新年度をむかえて人事も整い、さあこれからという時に、社長がいきなり「私は今年一杯で会社を辞めるから、後は君たちで頑張ってくれ」と言い出したらどうなる。そんな会社はつぶれまっせ。
こんな非常識なことが、今年の阪神タイガースで起きたのだ。
これを許したのは、すべて「フロントがアホやから」。
もう今年は休場にしましょうや。
そして体制が整ったら、再出場する。

2022/04/14

President Zelensky, are you okay?

German President Frank-Walter Steinmeier announced on April 12 that he and the leaders of other European Union member states had proposed a visit to Ukraine, but the Ukrainians rejected the proposal. Steinmeier, a former foreign minister, had been pro-Russian in the past, but now admitted that his goodwill toward Vladimir Putin was a mistake.
Ukraine receives various kinds of support from Germany. To refuse a visit by the head of state of that partner country would be a lack of courtesy. President Zelensky had also complained about the German response when he addressed the German Parliament on March 18.
We do not know how the German people reacted, but it must not have been a good feeling.
Each country has its own unique circumstances, and the way in which it provides support is not uniform. President Zelensky needs to understand this.
It is also important to point out that while many countries are outraged by Russia's atrocities and sympathize with Ukraine, they do not necessarily support the Zelensky administration. He should not be mistaken there.
We cannot predict how this war will end, but what is clear is that after the war is over, the great mission remains to rebuild Ukraine. That will require continued aid from other countries.
As a politician, he have to be able to foresee that as well, or he will be asked to his ability is doubted.

【Translated with www.DeepL.com/Translator (但し一部を修正した)】

ゼレンスキーさん、大丈夫ですか?

ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー大統領は4月12日、他の欧州連合(EU)加盟国首脳と共にウクライナ訪問を提案したものの、ウクライナ側から拒否されたことを明らかにした。元外相のシュタインマイヤー氏は、過去にロシア寄りの姿勢だったが、現在はロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対する親善的な姿勢は間違いだったと認めていた。
ウクライナはドイツから様々な支援をうけている。その相手国の国家元首の訪問を拒否するのは礼儀に欠けていると言わざるをえない。ゼレンスキー大統領は3月18日にドイツ議会で演説した際にも、ドイツの対応に不満を述べていた。
ドイツ国民がどう反応したかは分からないが、決していい気分ではなかろう。
各国にはそれぞれ個別の事情があり、支援の仕方も一様にはいかない。そこはゼレンスキー大統領も理解する必要がある。
もう一つ指摘しておきたいのは、多くの国がロシアの非道な行為を怒り、ウクライナに同情し心を寄せているが、ゼレンスキー政権を手放しで支持しているわけではない。そこは勘違いしてはいけない。
この戦争がどう終結するかは予測できないが、はっきりしていることは終戦後にはウクライナを復興させるという大きな使命が残るということだ。それには、引き続き各国からの援助が必要だ。
政治家としてはそこまでも見通しておかないと、鼎の軽重を問われることになる。

2022/04/13

ヤクザの番付「近世侠客有名鏡」と「天保水滸伝」

明治23年に作られた「近世侠客有名鏡」は、博徒の番付ともいうべき資料だ。名前をみるとこの時点では既に亡くなっている人が多く、19世紀半ばの天保年間に勢力をふるったヤクザの親分衆をランク付けしたものと思われる。
講談や浪曲、時代劇などでお馴染みの名前が並んでいて、大関のふたりは、武蔵の大前田英五郎と伊豆の大庭ノ久八。上野の国定忠治は関脇、甲斐の「ドモ安」こと武井安五郎は小結。前頭で私が知っている名をさがすと、下総の飯岡助五郎、同じく勢力富五郎、同じく佐原ノ喜三郎、甲斐の黒駒ノ勝蔵、武蔵の小金井小次郎、駿府の清水次郎長、下野の日光ノ圓蔵といったところ。勢力富五郎の親分である笹川繁蔵の名は見あたらない。
地方の名前を見ると分かるとおり、関東地方が圧倒的だ。この時代にはいると、
一つには、商品経済が発達して各地で名産品が生まれて百姓の間に格差が生じたこと
二つには、河川など流通を握った者が力をつけたこと
三つには、天保の大飢饉で食べられなくなった百姓が、職を求めて仕事がある地方に集まったこと
四つには、民衆が娯楽を求めて芝居(地方歌舞伎)や相撲、賭博などに人気が集まり、それらを主催する者が勢力を伸ばしてきたこと
などから、関東地方に有力な博徒が出現した。

ここで「天保水滸伝」の話題にはいるが、下総には干鰯(ほしか:鰯を乾燥したもの)と醤油という特産物があり、利根川を通じて江戸など消費地に運ばれていた。その中で九十九里浜の飯岡地域で勢力を伸ばしたのが飯岡助五郎だ。助五郎は相撲取りを目指すが挫折、その後は漁師の網本を経て博徒に。
徳川幕府の政策として、関東周辺には大大名を置かず、小大名や旗本が入り組んだ形で支配していた。幕府は治安維持のため関東取締出役(しゅつやく)を設置し、関八州一帯を取り締まる権限を与えた。しかし彼らは現地の情報を知らず、そのため特に博徒の情報に詳しい者を「道案内」に任命した。この道案内に飯岡助五郎が就き、いわゆる「二足の草鞋」で勢力を拡大してゆく。
一方、笹川河岸を拠点としていた笹川繁蔵も相撲取り崩れであり、両者は相撲興行権をめぐって争い、天保15年(1844年)に関東取締出役が助五郎に、繁蔵の捕縛を命じる。これを機に、両者が利根川を挟んだ「大利根の決闘」が起きる。いよいよ「天保水滸伝」の幕が切って落とされた。
さあ、ここからが面白くなりますが、ちょうど時間となりました、この続きは又の機会に。

2022/04/12

SNSをやらない理由

ツイッターやフェイスブック、インスタグラムといったSNSはやらないし、他の人のSNSを見ることもない。
理由は、つながりたくないからだ。
ネットを通して多数の人と交流するなんざあ、真っ平ゴメン。
例外にLINEがあるが、これも相手は子どもや孫たちだけだ。友だち申請には友人知人の名もあるが、申し訳ないが全てスルーしている。
自分の主張が正しいから、多くの人に知って貰いたいなんて気はサラサラない。
当ブログのタイトルを「ほめ・く」としているのは、宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」の中の、「ホメラレモセズ クニモサレズ」から採っている。
要は、世の中の役に立たない、どうでもいいことを書くのが信条だ。
性格が曲がっているので、世の中が揃って右に向いていると、ついつい左に向きたくなる。
付和雷同を嫌うから、フォロワーだのイイネだの、その数を競う世界には馴染めない。
この性分は治りませんね、この年になるとなおさら。

2022/04/11

ウクライナに対するNHKの報道姿勢

休みの日に娘が家に来て、「仕事に疲れた家でTVをつけると、またウクライナのニュースでしょ。どっと疲れが出ちゃうのよね。だからニュースは見ないことにしている」と言っていた。
気持ちは分かる。
確かにウクライナの人々には同情するし、ロシアへの怒りもわいてくる。
しかし、NHKニュースの様に毎日、朝昼夜とトップニュースで、どこの村でこんな事が起きたと、微に入り細を穿つ報道を映像を交えて報道するのは行き過ぎな気がする。昼のニュースだと、いったんローカルニュースに移ったあとに、もう一度ウクライナの同じニュースを繰り返している。
公共放送にはバランスが必要だ。海外での戦争や内戦は頻繁に起きているが、過去にこれほど熱心に報道した例はないだろう。
アメリカのアフガンやイラク侵攻の時はどうだったろう?同じロシアのアフガンやチェチェン、ジョージアへの侵攻やシリア内戦への介入の時は?アメリカや欧州各国のリビアやセルビアへの爆撃は?
それらでは、民間人への被害はなかったのか?残虐行為はなかったのか?
果たして実態をNHKは正確に伝えていたのか?
そして今なお続くミャンマー軍事政権による弾圧や虐殺に対して、NHKはどれほどの熱意で報道しているか?
過剰ともいえるウクライナ報道には、政府の意向など何か他意でもあるのかと、ついつい訝ってしまいたくなる。

2022/04/10

ヤングケアラーって、不幸ですか?

厚労省によれば「ヤングケアラーとは」、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされている。最近の調査によれば、小学6年生の6.5%がなんらかの家事にたずさわっているという。
気になるのは、ヤングケアラーが否定的に扱われていることだ。
厚労省のHPでは、ヤングケアラーについて次のように結んでいる。
”「子どもが子どもでいられる街」を、みんなでつくっていきませんか。それはきっと、すべての人が幸せに暮らせる社会をつくる一歩になるはずです。”
ヤングケアラーの子どもたちが、学校教育や部活、友人関係などでハンディを負うことを心配しているようだが、家族の一員として大人がやるべき家事や家族の世話の一部を子どもが日常的に分担することは、決して悪い事とは思えない。
私事にわたり恐縮だが、私の妻は子どものころは典型的なヤングケアラーだった。
家が農家だったので、小学低学年のころから畑仕事を手伝っていた。11歳で実母が亡くなると、それに加えて家事全般から幼い妹や弟の世話まで、彼女の肩に負わされた。
だからか、小学から中学を通して家で勉強した記憶がなく、高校に入るための受験勉強も特にしなかったと言っている。
しかし、そうした経験が彼女の生き方や人生観、仕事に対する取組み姿勢に大きな影響を与えたように思える。看護師という仕事を選んだのも、その一つだろう。
それは、私の妻だけの特別な事情ではなく、同世代の農家に育った子どもたちの多くが同様の状況にあった。都会の子どもたちも、家が商店など自営業の場合は、店を手伝ったり弟妹の面倒を見たりしていた。
ヤングケアラーだからといって、一律に「子どもが子どもでいられない」なんて事はないのだ。

2022/04/08

難民受け入れの覚悟

欧州各国に歩調を合わせ、政府はウクライナの難民(区別するために避難民としているが)を積極的に受け入れている。従来の日本は、「難民鎖国」政策をとってきたことから大幅な転換だ。正義と人道にもとづき、難民についても先進国の役割を果たす姿勢は評価できる。
但し、戦争や内乱などで、過去にも、そして現在も世界各国で多くの難民がうまれている。今後は、そうした事態に対応した難民受け入れができなければ、アジアや中東、アフリカの人々に対する差別と言われも仕方ない。
果たして、政府はこの姿勢を貫く覚悟があるだろうか。
政府ばかりではない、国民もまた覚悟がいる。
欧州各国が難民受け入れをめぐって国論が二分され、これを背景に極右勢力が伸張しているのはご存知の通りだ。
先年、中東のレバノンを訪れたが、かの国には国民の数の2割近い難民(パレスチナ及びシリア)が暮らしている。滞在期間も数年から十年単位と長期におよんでいる。
難民の人々も生活のために働かなくてならない。その結果、レバノン人の仕事が奪われたり、賃金低下を招いたりする。
また、援助だけで暮らす難民もいるが、これはこれで国民の不満の的になる。
難民は早く自国に戻ってほしいという声が高まっているが、その自国は未だ混乱が続き、容易には帰れない。
その結果が、国民との軋轢を生み、時に大きな政治問題にまで発展する。
難民問題は、長期にわたる継続的な課題なのだ。
だから、最初は歓迎するが、時間がたつと邪魔者あつかいすることのないよう、私たちの心構えが求められる。

2022/04/06

18歳成人に、何をいまさら

今年の4月1日から、成人の年齢が18歳に引き下げられた。つまりは、18歳になれば、精神的にも肉体的にも大人であることを法律で認めたわけだ。
処が、今頃になって18歳では親の承諾なしに色々な契約ができるのだの、詐欺にあわないか心配だという声があがっている。なかには学校教育の場で注意を喚起して欲しいという意見もあるようだ。
過保護もいいとこだ。
先日、国会で18歳以上で20歳未満の人がAV出演契約をした場合は、親が取り消しができるように主張した議員がいた。
冗談いっちゃいけねえ。
18歳だろうと20歳だろうと、娘がAVに出たり風俗で働いたりするのを、承諾する親がどこにいる。親には内緒にするに決まってるだろう。
ひと昔前の春歌じゃないが、
♪ひとり娘と~~時は、親の承諾得にゃならぬ♪
を思い出してしまった。
もう一つ分けが分からないのは、酒とタバコとギャンブルは20歳過ぎてからって、何でこんな例外を作ったのだろう。
18歳は成人なんだから、そこは自己判断にすべきだろう。
酒やタバコは健康上の問題があり、ギャンブルは依存症になるからということらしい。
それなら、酒やタバコを18歳から始めた場合と20歳から始めた場合の、健康状態の比較データを示すべきだ。
ギャンブル依存症がどうのと言っておいて、カジノは推進するというのは平仄が合わない。
私が若いころは、大学生になるか、就職して社会人になれば、酒もタバコもギャンブルもOKという暗黙の了解があった。
それで、どんな弊害があっただろか、訊いてみたいもんだ。
もう一つ、地方自治体でおこなっている成人式、あれこそ無意味だ。
成人を祝ってくれる人は、親や保護者や親類、社会人になっていれば上司や同僚、それで十分。
アタシの頃は成人式なんざぁ無かったが、それでもこんなリッパな大人になってます。

2022/04/04

柳家小三治とその周辺(下)

月刊誌「図書」4月号に、矢野誠一「柳家小三治とその周辺(下)」が掲載されているので、概要を紹介する。
落語家は住んでいる地名が綽名となっていることは、ファンならご存知のとうり。8代目文楽なら黒門町、5代目小さんなら目白、6代目圓生なら柏木、小三治は高田馬場に住んでいたので「馬場の師匠」あるいは「馬場」と呼ばれていた。
余談だが、楽屋で師匠がたが「馬場は」という会話を交わしていたら、傍できいていた前座が「馬場なら10年前に死んでますよ」と言って大笑いになったという。ジャイアント馬場と勘違いしたのだ。
高田馬場駅のホームから、線路を挟んだ目の前に小三治宅があった。
ある夏の日に、小三治がパンツ一丁で屋根にのぼり、TVのアンテナを直していたところ、ホームにいた入船亭扇橋が「なにやってんだ」と声をかけた。小三治が「見りゃ分かるだろう。テレビのアンテナを直してるんだ」と答えた。この会話をきいたホームの乗客たちが爆笑して、後日小三治は扇橋に、「あんなとこで芸をやらされるとは思わなかった」と言った。いかにも、この二人らしいエピソードだ。
「東京やなぎ句会」では100回の吟行を重ね、そのうち10回は海外だった。どうやら行く先でトークショーを開いて、旅行費の足しにしてようだ。その際は、扇橋と小三治は落語を披露していた。時には落語なしの場合もあり、小三治は「着物を持っていかなくていい旅って、本当に楽なんだ」と言っていた。
香港経由でバリ島に行く句会では、出発になって航空機のトラブルで降ろされてしまった。こういう時は、ただ一人英語が話せる加藤武だけが頼りになった。加藤によると航空会社への抗議の仕方も国柄が出ていて、英国人とオランダ人は論理的、米国人や韓国人は感情的、そして日本人は「何とかしろ」の一点張りだったとのこと。
空港内なら何を食べても無料という食事券が配られ、オイルサーディンを頼んだら、缶詰のまま出てきた。矢野誠一が「ひどいね、せめて皿に移せよ」と言うと、小三治が「非常時だよ、我慢おし」とたしなめた。
結局、その日は飛行機が出発せず、一同は手配して貰ったホテルに送られたら、そこは天井と壁が鏡張りでベッドは円形、ボタンを押すと真ん中が浮き上がるという仕掛け。こんな部屋に二人で泊まるわけにはいかず、全員が一部屋に集まって一晩中バカ騒ぎ。
この旅行を手配した永六輔が責任を感じてしょげかえっていると、小三治が「旅はこうでなくっちゃ面白くない。トントン行ったんじゃ想い出にならない」と慰めると、永は号泣した。
小三治は、オートバイが趣味の一つで、よく同好の士と共にツーリングに出かけていたが、リュウマチを患ってから乗れなくなってしまった。「今でもオートバイに乗ってる夢を見るんだ」と言ってから、「そのうち落語演ってる夢を見るんだろうな」と続けていた。
オートバイに乗れなくなってからの小三治は、読書三昧の日を送るようになる。最初は大佛次郎の本を方端から読み漁り、次は永井荷風に傾倒する。きっと、荷風の生き方に感じるところがあったのだろうと、矢野は推定している。
東京五輪の開催には批判し続けていた。
著者の矢野が小三治と最後に会ったのは、2021年9月14日の紀伊国屋ホールでの「桂八十八襲名披露興行」の楽屋だった。
2021年10月7日に小三治が死去すると、「東京やなぎ句会」のオリジナルメンバーで残ったのは、矢野だけになってしまった。10月17日の第626回をもって、句会の名称は故人に返上することになった。
最終回で詠んだ、小三治(俳号は土茶)への追悼句は次の通り。
小首傾げ一サ苦吟や柳散る 倉野章子
ゴム留めの手紙の束や美男葛 小林聡美
冷まじやま・く・らを永く抱きにけり 中村梅花
どささんのほがらかにいた日のたのし 南伸坊
曲がらずに曲がらずに往く神の旅 矢野誠一
名月や幕降りてなほ頭垂れ 山下かほる

最後に、矢野誠一が選んだ小三治の秀句5句。
煮こごりの身だけよけてるアメリカ人
ひといきに葱ひんむいた白さかな
鶯のかたちに残るあおきな粉
旧姓に戻りましたと秋めく日
(追悼小沢昭一)
もう一度上がってたもれ冬の寄席

2022/04/03

それではペナント九連敗

原典「それでは勲章九連隊(くれんたい)」
それではペナント(優勝旗)九連敗(くれんぱい)
阪神タイガース、開幕から破竹の九連敗で、ついにセ・リーグ新記録樹立!
やれやれ、今夜もヤケ酒を呑むのか。
♪誰のせいでもありゃしない、みんな矢○が悪いのよ~♪

2022/04/02

又も負けたか八連敗

原典「又も負けたか八連隊」
阪神タイガース、開幕から八連敗。
こうなりゃ、「便所の火事」で「ヤケクソ」。

戦争とルッキズム

「ニューズウィーク日本版」(電子版)に、興味深い記事がのっていた。欧米各国が一斉にロシアを非難し、ウクライナの人々に救済の手をさしのべているのは、「肌の色が同じ」である事が大きな理由ではなかろうかと。これが同じ境遇のアフリカや中東の人たちであったら、反応は違っていたのでは、というもの。確かに、戦争、紛争での被害を受けた人々がアフリカ人やアラブ人、アジア人だった場合に比べ、欧米諸国の反応が異なっているのは否定しようがない。
戦争もルッキズムの影響を受けるということか。
太平洋戦争を描いたアメリカ映画をみていたら、出征する米軍兵士に上官が、「黄色い猿どもを皆殺しにしろ」と訓示している場面があった。かつてのベトナム戦争でも、同様の感覚だったのかと思ってしまった。
ルッキズムを戦争に最大限に利用したのがドイツのヒットラーだ。金髪碧眼のアーリア人は優等民族で、ユダヤ人や共産主義者(=スラブ人)は劣等民族とあり、劣等民族は根絶やしにしろと命令し、それを実行させた。
独ソ戦では、当初ドイツはソ連兵の捕虜を全て殺害した。しかし、これがソ連兵の死にもの狂いの反抗を呼びおこし、ドイツの敗北の原因のひとつとなったのは皮肉である。勝利したソ連は、ドイツに侵入して同じように復讐を果たすのだが。
さて、日本人はどうかだが、外見はアジア人だが、心は白人(名誉白人?)である。だから、欧米人と足並みを揃えることができるのかな。

 

2022/04/01

盗人(ロシア)にも三分の理

「盗人にも三分の理」
意味は、盗人にも、盗みをするにはそれ相応の理由がある。非難すべき行為におよぶ者にも言い分はある。また、どんなことにも理屈をつけようと思えばつけられること。(「コトバンク」より)
世の中、ウクライナ支援とロシア非難の一色だが、私の家族や知人たちは、異なる主張をもっている。いまだと、袋叩きにあうので世間に公表するのは控えているようだが。
先の諺にあてはめれば、ロシアにもウクライナに侵攻する三分の理があったのではという意見だ。その理由にあげているのが、NATO(北大西洋条約機構)の存在だ。
第二次世界大戦後のいわゆる「ヤルタ体制」により、欧州の東西分割が行われた。やがて「冷戦」の時代になり、米国を盟主とする西側はソ連の共産主義勢力の拡大をおさえるためにNATOを結成した。これに対抗するために、ソ連を盟主とする東側はワルシャワ条約機構を結成した。双方ともに軍事同盟だ。戦後の世界情勢は、この二つの陣営の対立を軸に動いていた。
1991年にソ連共産主義体制が崩壊し、同時にワルシャワ条約機構も解体した。
ところがNATOは当初の目的がなくなったにも拘わらず存続し、さらに旧ソ連同盟国にまで勢力を拡大させた。
それだけならNATOが脅威となるとは言えないが、1999年に起きた旧ユーゴスラビアの内戦にNATOが介入し、NATO軍によるセルビア(親ロシア政権)への空爆が行われた。これは明らかにNATO地域外での軍事行動であり、ロシアとしては警戒心を抱かざるをえなかったろう。
NATOの勢力拡大が、旧ソ連を形成した国にも及びつつあり、これをロシアが安全保障上の脅威としても、そう不思議ではない。
NATOは軍事同盟であり、現状ではNATOはウクライナの加盟を認めない。「火中の栗を拾う」気はないからだ。
ウクライナのゼレンスキー大統領が、なぜ実現不可能なNATO加盟を主張し出したのかは、謎である。
以上が、「ロシアの三分の理」と思われる。

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