« 2022年6月 | トップページ | 2022年8月 »

2022/07/31

追悼演説さえ決められぬ自民党のテイタラク

7月8日に安倍元総理が銃撃により死去して3週間以上経つが、未だ衆議院での追悼演説の日程さえ定まらない。
今回の追悼は単に故人を偲ぶだけではなく、議会としてかかる暴力を絶対に認めないし再発させてはならないという強いメッセージを発する場でもある。
従って、事件後に速やかに実施することが望ましい(浅沼稲次郎の場合は事件の7日後に行われていた)。
しかし、肝心の自民党の動きは鈍く、追悼演説の人選さえ党内調整がつかず、未だに日程が決められない状況だ。
いつまでも選挙勝利に浮かれている場合じゃないと思うのだが。

| | コメント (0)

2022/07/30

日本は「同調圧力社会」

作家・吉村昭の『東京の戦争』で、「戦時中は軍と警察が恐ろしかったといわれいるが、私の実感としては隣り近所の人の目の方が恐ろしかった」と書いている。そう感じた人は多かったのではなかろうか。
隣組の防空訓練に病弱のため参加しなかった主婦を、組長がその家に行って非国民だとののしった。50代のその男の顔には、独裁者のような傲慢の表情が浮かんでいた。
灯火管制が敷かれると、隣組の幹部が家々を巡回し、電光が漏れている家があると怒声をあげて注意する。
日本は「ムラ社会」の特徴である「同調圧力社会」でもある。

政治の世界では、1940年に多くの既成政党が解散し、大政翼賛会を結成する。ナチスと同様の一党支配になるのだが、政党の解散は法律によるものでもなく政府の命令でもない、「自主的」に解散したものだ。
1940年には第二次世界大戦の端緒となるドイツの進撃が始まると、それがメディアを通じて日々報道され、国民の多くは喝采をもってこのニュースを迎えた。いずれイギリスが降伏するのは時間の問題だし、ソ連も敗北するという見方が拡がっていた。現地の外交官からは、こうした安易な判断に警告する声があったが、メディアや国民の熱狂にかき消されてしまった。
「バスに乗り遅れるな」がスローガンになり、日本も従来の英米偏重から、これからは欧州を制覇するドイツというバスに乗っかるべきというわけだ。
こうした背景があって、メディアと国民は「日独伊三国同盟」を熱狂的に支持し、対米戦争に突入していく。
私たちは、当時の政府や軍がメディアや国民の声を統制し、無謀な戦争に突入していったと教えられてきたが、実際は政府や軍がメディアや国民の声に押されて、戦争を拡大していったという面が強い。
戦時中の言論統制にしても、もちろん政府の意向があったにせよ、メディアの側が積極的に加担していた。言論統制の責任者が、当時の新聞社の幹部で占めれていたのがその証拠だ。

「同調圧力社会」では、組織内は「同質性」が求められる。企業にせよ学校にせよ、異論は排除される。
かつて同僚だった社員が役員に意見を具申したところ、「君は共産党か」と言われたと憤慨していた。
それは今の日本でも続いている。

| | コメント (0)

2022/07/28

安倍晋三元首相への国会の追悼演説の人選

自民党が安倍晋三元首相への国会の追悼演説を巡り、盟友の甘利明前幹事長を立てる方向で調整していることに関し、与野党から疑問の声が上がっている。過去には自民の首相経験者に対しては野党党首級が演説してきたし、野党の党首クラスの場合は与党が追悼演説を行ってきた慣例がある。自民党は「遺族の意向を踏まえた判断だ」としているが、追悼演説は議会として行うものであり、遺族の意向は関係なかろう。
例えば、1960年に社会党委員長・浅沼稲次郎が演説中に、右翼によって刺殺されるという事件があった。
この時の議会の追悼演説は、反対党を代表して池田勇人首相が行っている。思想や政策の違いを超えた名演説とされている。
以下、後半部分を紹介する。

戦後、同志とともに、いち早く日本社会党の結成に努力されました。昭和二十二年四月の総選挙において同党が第一党となり、新憲法下の第一回国会が召集されますと、君は衆望をになって初代の本院議運委員長に選ばれました。書記長代理の重責にあって党務に尽瘁するかたわら、君はよく松岡議長を助けて国会の運営に努力されたのであります。幾多の国会関係法規の制定、数々の慣行の確立、あるいは総司令部との交渉等、その活躍ぶりは、与・野党を問わず、ひとしく賛嘆の的となったものであります。
翌二十三年三月、君は、日本社会党の書記長に当選、自来、十一年間にわたってその職にあり、本年三月には選ばれて中央執行委員長となり、野党第一党の党首として、今後の活躍が期待されていたのであります。
かくて、君は、戦前戦後の四十年間を通じ、一貫して社会主義政党の発展のために尽力され、君自身が社会党のシンボルとなるまでに成長されたのであります。淺沼君の名はわが国政治史上永久に特筆さるべきものと信じて疑いません。
君がかかる栄誉をになわれるのも、ひっきょう、その人となりに負うものと考えるのであります。
淺沼君は、性明朗にして開放的であり、上長に仕えて謙虚、下僚に接して細心でありました。かくてこそ、複雑な社会主義運動の渦中、よく書記長の重職を果たして委員長の地位につかれ得たものと思うのであります。
君は、また、大衆のために奉仕することをその政治的信条としておられました。文字通り東奔西走、比類なき雄弁と情熱をもって直接国民大衆に訴え続けられたのであります。
 沼は演説百姓よ
 よごれた服にボロカバン
 きょうは本所の公会堂
 あすは京都の辻の寺
これは、大正末年、日労党結成当時、淺沼君の友人がうたったものであります。委員長となってからも、この演説百姓の精神はいささかも衰えを見せませんでした。全国各地で演説を行なう君の姿は、今なお、われわれの眼底に、ほうふつたるものがあります。
「演説こそは大衆運動三十年の私の唯一の武器だ。これが私の党に尽くす道である」と生前君が語られたのを思い、七日前の日比谷のできごとを思うとき、君が素志のなみなみならぬを覚えて暗たんたる気持にならざるを得ません。
君は、日ごろ清貧に甘んじ、三十年来、東京下町のアパートに質素な生活を続けられました。愛犬を連れて近所を散歩され、これを日常の楽しみとされたのであります。国民は、君が雄弁に耳を傾けると同時に、かかる君の庶民的な姿に限りない親しみを感じたのであります。君が凶手に倒れたとの報が伝わるや、全国の人々がひとしく驚きと悲しみの声を上げたのは、君に対する国民の信頼と親近感がいかに深かったかを物語るものと考えます。
私どもは、この国会において、各党が互いにその政策を披瀝し、国民の批判を仰ぐ覚悟でありました。君もまたその決意であったと存じます。しかるに、暴力による君が不慮の死は、この機会を永久に奪ったのであります。ひとり社会党にとどまらず、国家国民にとって最大の不幸であり、惜しみてもなお余りあるものといわなければなりません。
ここに、淺沼君の生前の功績をたたえ、その風格をしのび、かかる不祥事の再び起ることなきを相戒め、相誓い、もって哀悼の言葉にかえたいと存じます。

| | コメント (0)

2022/07/26

統一教会を刑事告訴できないもんだろうか

旧統一教会が霊感商法などで信者から集めた金は、弁護士に寄せられた相談だけでも、相談件数で3万4千件以上、被害総額は1237億円に達している。
かつて統一教会と同様の手口で金を集め、幹部が霊感商法に関わる詐欺罪で摘発され解散に追い込まれた宗教団体「法の華三法行 (ほうのはなさんぽうぎょう)」があった。
教祖・福永法源は、宇宙からの数々の啓示「天声」を聞くことができ、宇宙のエネルギーを取り込み、それを天行力として放出することにより、これを浴びた人は体の中の悪いもの、悪い霊はすべて浄化されるという教義を作り上げた。
教団は足裏診断と称する個人面談において、「前世の悪い因縁を放っておくとガンになる」「このままでは2001年に人類は滅亡する」などと恐怖心を煽り、「特講」という名の集中セミナー、足裏診断、掛け軸や福永の手形、釈迦の骨(ニセモノ)を法外な値段で売って、金集めに奔走した。
又、著名人(マザー・テレサ、ビル・クリントン、サッチャー、サイババ、アグネス・チャン、吉村作治ら)との会談を機関紙に掲載し、宣伝に使った。
被害総額は600億円に達する。
1999年11月19日、栃木県警が信者らを摘発した。同年12月1日、強制捜査に着手。12月7日には関東在住の被害者5人が教祖である福永をはじめ13人を告訴した。
2000年4月28日、福岡で法の華に対し初めての損害賠償判決が下る。そして5月9日には福永法源は逮捕され、12月25日に東京法の華第1次訴訟で被害者らが全面勝訴した。
2005年7月15日、福永法源は信者から巨額の金を騙し取った詐欺罪に問われ、東京地方裁判所で懲役12年の実刑を言い渡された。
その後、2008年8月29日上告棄却したため、有罪判決が確定した。公判においては教団の組織犯罪行為が認定され、その他の元幹部に対しても各々有罪が確定した。

上記の様に、法の華の大まかな手口は統一教会と大差ない様に見える。
この裁判で注目したのは、判決文で「福永被告が、『天声』を聞くことができ、足裏を見て病気などを治す力を持っているというのは、明らかに虚偽」と、断定している点だ。
特定の宗教の教義について、相当に踏み込んだ判決だと言える。この理屈が通るなら、世の中の怪しい宗教はみな引っかかるのではなかろうか。
地裁判決が確定しているということは、日本の司法はこの判断に立っていると考える。
それなら、統一教会を刑事告訴できないもんだろうか。
可能性はあると思うのだが。

| | コメント (2)

2022/07/25

祝・5割復帰の阪神タイガース

阪神タイガースが、オールスター前の最後の試合でようやく5割復帰を果たした。
開幕9連敗して借金は最大16になり、勝率が.063と日本プロ野球史上最低を記録したのがウソのようだ。
最大の要因は投手力にある。
1962、1964年の優勝時のような小山、村山、バッキーといった絶対エースこそいないが、先発のコマが揃い、特にリリーフ陣が素晴らしい。
投手力だけ見れば、過去のタイガースのどの時代より充実してると言ってよい。開幕ダッシュの失敗さえなければ、今頃は首位を争っていてもおかしくない。
このままセ・リーグの後半戦の台風の目になるだろうし、仮に優勝に手が届かなくても、AクラスいりしてCSで暴れまわって欲しい。

| | コメント (2)

2022/07/21

派閥の長が統一協会票を割り振っていた

自民党 の青山繁晴参院議員によると、旧統一教会が自民党候補を組織的に支援していて、その票の差配に派閥の長が関わっていたという。
当の青山議員が直接、その派閥の長に確認したところ、「あ、やっているよ」、「全部丸抱えで当選させるわけじゃなくて、足らざる部分を補うんだ」という。
旧統一教会の票は派閥の長に預けられ、それをどう配分するかは派閥の長が決めるというシステムになっていた。
それによって最も効果的に旧統一教会の票を活用できるし、その権限を利用して派閥内の支配力を強化できる。まさに一石二鳥だ。
問題は、そんな実情を知らずに投票していた有権者だ。

青山議員は、その派閥の長の名前を公表していない。
でも、多分『アノ人』でしょう。
だって、その人の総理秘書官を務めた人物が旧統一教会の「賛同会員」となっていて、旧統一教会の関連団体の支援を受けて、めでたく参議院選で当選しているもの。

| | コメント (0)

2022/07/20

高峰秀子『血染めのブロマイド』

Hideko_takamine
『文藝春秋』8月号に高峰秀子が書いた『血染めのブロマイド』が紹介されている。1968年7月号に掲載されたものを改めてとりあげた格好。
高峰秀子(1924年3月27日 - 2010年12月28日)、若い方には馴染みがないかも知れないが、日本映画を代表する名女優だ。5歳で映画デビューした天才子役で、「子役は大成しない」というジンクスを破った人でもある。
2014年の『キネマ旬報』発表の「オールタイム・ベスト日本映画男優・女優」で、女優部門で第1位となった。
歌手としては「銀座かんかん娘」がヒットし、文才があって数多くの著書がある。
『血染めのブロマイド』
前線に送られる兵士の慰問袋の中に、既にスターだった高峰秀子のブロマイドが入れられていた。戦地でブロマイドを見た兵士からの手紙を彼女は続々と受け取る。
「ある兵士からは『もし、生還できたら、あなたの様な人をみつけて結婚したい』と書いてあり、ある兵士からは『私は明朝、突撃隊として出撃する。慰問袋に入っていたあなたの写真を今日まで胸のポケットに抱き続けてきたが、戦死の道連れにするに忍びないので』と、わざわざブロマイドを送り返してきた。また、ある母親からは『戦死した息子の遺品の中にありました』と、血に染まったブロマイドを送り返してくれたこともあった」
この文章は、戦後23年経ってから書かれたものだが「私の心の中では、戦後は終わっていない」
明朝、特攻機で出撃する航空兵を慰問した帰り道。「慰問隊の乗ったトラックに手を振りながら、いつまでも見送っていた特攻隊員たちの『さようなら、さようなら』という叫び声は、いまも耳にはっきりと残っている」
「だから、いまの日本の若者たちが『戦争はカッコいいな』などと無造作に言い放つのをみると、本当に飛んでいって殴ってやりたくなる。私は、もう戦争はイヤだ」
いま、各国が軍拡を競いあう時代に入りつつあるが、あらためて高峰のこの文章を読み、立ち止まって考える必要があるだろう。

| | コメント (0)

2022/07/18

統一教会と日本の安全保障

「世界平和統一家庭連合」(以下「統一教会」とする)及び勝共連合などの関連団体から支援を受けている政治家に問う。
①アメリカ合衆国下院調査小委員会の報告書では、統一教会について朴正煕大統領の個人的な指示の下、韓国の政治的目的を達成する為にKCIA(大韓民国中央情報部)部長金鍾泌により設立されたとされている。
②文鮮明の教義の一つとして、文教祖の恨(ハン)を晴らすのは「エバ国家日本をアダム国家韓国の植民地にすること」「天皇を自分(文教祖)にひれ伏させること」としている。
③「サタン(悪魔)の国であるエバ国家日本は「金のなる木」の場所として、アダム国である韓国と国内外の統一教会に全てを捧げる教義が教えられている。
④幹部の一人だった副島嘉和は、1970年代の10年間で日本から韓国へ約2000億円が送金された事など、文藝春秋1984年7月号に18頁に渡る手記を内部告発した。
⑤フランスとロシアでは、統一教会を安全保障上の問題があるとして規制と監視対象とした。
先ず、統一教会及び勝共連合などの関連団体から支援を受けている政治家に問いたいのは、上記の教義や実態についてどう思うのかだ。
日本で集められた資金の大部分が韓国の本部に流れているが、それだけではない。日本で集められた情報もまた、韓国の本部に流されているは容易に想像できる。
政治家にくい込んで得られる情報は、政府や政党の実態から、個々の政治家の考えや動向まで、幅広い。
韓国の情報機関としてはいずれも貴重な中身だ。
フランスとロシアが、統一教会を安全保障上の問題があるとして規制と監視してるのは、その為だろう。
日ごろ、愛国心だの国益だのを声高に主張している議員たちが、これに真っ向から反する行為を行っているのだから、呆れるしかない。

| | コメント (0)

2022/07/16

文藝春秋『日本左翼100年の総括』

月刊誌「文藝春秋」8月号は『日本左翼100年の総括』を特集している。100年としているのは、今年で日本共産党が創立100周年を迎えるのに合わせたものだろう。中身も左翼全般を扱っているが、やはり共産党への批判が中心だ。
目玉は「池上彰X佐藤優」という二人の知性の対談だ。記事にして25ページを割いているが、内容としては特に目新しいものはなく、新たな視点も見当たらないので、ちょっとガッカリ。
当方の見解を補足すると、もし宮本顕治がいなければ、とっくの昔に共産党は消滅していた。ミヤケンの最大の功績は、それまで党の財政は海外の社会主義国からの援助に頼っていたが、それをやめさせ、党の財政基盤を確立したことだ。その結果、1960年代の中ソ論争(ソ連と中国の共産党同士が主導権をめぐって争った)では、その双方を批判し自主独立を貫くことができた。他の外国の党の多くが、そのどちかについて、やがて崩壊していったのと対照的だ。
対談のなかで佐藤が、「連合」の芳野会長が共産党を排除する主張を繰り返していることに、戦後の2・1ゼネストや1964年の4・17ストを持ち出しているが、時代錯誤だ。「連合」は、もともと総評を潰すために財界主導で作られたもので、骨の髄から反共なのだ。
対談の終わりに、池上が「共産党のような存在が全くいない社会は、ちょっと怖いなと私は思う」、対して佐藤は「ただ、それが多数派になってしまったら困りますけど」と受けているが、妥当なところだろう。もっとも多数派になることは今後もあり得ないが。
筆坂秀世が、「宮本顕治と不破哲三」と題する記事を書いている。
筆坂は、セクハラで最高幹部から一気に平党員に降格され、今では内部情報を切り売りして糊口を凌いでいる。情ない話しだ。
田原牧の「重信房子」ついての記事では、周囲の人間が彼女を伝説化していった経緯がよく分かった。世間で言われる程の人ではなかったようだ。
樋田毅が、1970年前後の学生運動、特にセクト同士の暴力の応酬について書いている。私は運動の外側にいたので知らなったことが多く、興味深く読んだ。いわゆる「内ケバ」は凄惨を極め、およそ100人もの学生が命を落としたとある。犠牲になった方には申し訳ないが、なんていう無意味な事をしたんだろう。
暴力からは何も生まれなかった。

| | コメント (0)

2022/07/14

統一教会と右派政治家が、なぜ結びついたのか

安倍元総理の銃撃事件で、「旧・統一教会(世界平和統一家庭連合)」と日本の右派政治家との結びつきが改めて脚光をあびている。
その結びつきの最大の理由は「反共」の一点だ。
カギを握るのは、「東西冷戦」と「安保反対運動」だ。
1960年の安保改定に反対するデモは、数十万人のデモ隊が国会や首相官邸を取り囲むまでに発展し、岸信介政権は警察力だけではデモ隊を阻止できないとして、全国のヤクザを集めて支援を要請した。
1970年の「安保破棄」を求める運動は、1960年代後半から学生を中心に激しさをまし、大学紛争で授業を停止する事態にまで追い込まれた。
政府は、この事態に危機感を持った。
この時期に統一教会を母体とする反共政治団体「勝共連合」が韓国で、次いで1968年4月には日本で設立される。この設立に岸信介が関与し、岸と教祖の文鮮明との交流は長く続く。これが岸・安倍家との源流となる。
引き換えに統一教会は、日本での布教活動を手にいれる。
勝共連合の会員たちは、自民党などに所属する右派の国会議員にくい込んでゆく。
その影響力は絶大で、1986年7月の衆参同日選挙では、150人の衆参両院候補を応援し、自民、民社両党を中心に134人を当選させたとしている。選挙後には、これらの各勝共推進議員一人ひとりに勝共理念の研修を受けてもらったという。その結果、彼らの機関誌によれば134人全員が勝共理念を理解し、国会議員のそれぞれの地元でも勝共連合支部との関係が密接になった、と伝えている。
議員からすれば、会員は固定票だし、無償で選挙運動を手伝ってくれる。こんな有難い話はない。
なかには、議員の秘書になり国政選挙に立候補する者まで現れた。
勝共連合の支援で当選した議員たちは、勝共連合の理念を国政に反映させる義務を負うことになる。
以下は、その主な理念だ。

勝共思想の定着をはかる
共産主義の脅威から我が国を守る
ジェンダーフリーや過激な性教育の廃止
選択的夫婦別姓に潜む共産主義の策動を阻止
子供の人権政策に潜む共産主義の策動を阻止
青少年健全育成基本法の制定
男女共同参画社会基本法の改廃
憲法改正(自主憲法の制定)
緊急事態基本法の制定
スパイ防止法の制定
日本版NSCの設置
集団的自衛権の行使容認
非核三原則の改廃
武器輸出三原則の改廃
防衛産業を成長戦略に
宇宙の軍事利用を促進

見て分かる通り、自民党安倍派など右派の議員たちが主張している政策とピッタリ重なる。つまり代弁者になっているとも言える。
日本の未来が統一教会の思い通りになっていいのか、今回の事件を機に改めて問い直してみるべきだろう。

| | コメント (0)

2022/07/12

三人の女性の「敗戦日記」

月刊誌『図書』7月号に、斎藤真理子「三人の女性の『敗戦日記』が掲載されている。
いずれも日本が敗戦となった1945年の日記だ。
一人目は、作家の野上弥生子で当時60歳。北軽井沢に疎開していた野上は、畑仕事や炊事をこなし、息子たちの家族がおとずれれば孫を含む大所帯の世話をやき、その傍ら読書を続けてた。
驚くのはその食生活で、甘いもの好きな夫のために揚げまんじゅう、汁粉などを作っていた。大分の実家からは味噌、醤油、塩が送られてきて、米も豊富で白米をまとめて炊いて、おにぎりや弁当にして近所に配った。「しかし白米のご飯をもてあまして、他人に食べて貰うということは、今ではよそではできないゼイタクさであろう」と日記に書いているが、ある所にはあるもんだと感心するしかない。
5月7日の日記には、「こんな家事的なゴタゴタした数日のあいだに、ヨーロッパはすっかり別の姿になった」として、ムッソリーニの最期やヒットラーの死(この段階では戦死とされていた)いついて書いている。「ヒットラーは、自分に偶然にあたった弾丸に感謝すべきであろう」と手厳しい。
二人目は、後に家事評論家となる吉沢久子、27歳。住んでいた家は、後に夫となる評論家の古谷綱武の阿佐ヶ谷の家で、出征した古谷から頼まれて、「あくまで東京に踏みとどまって、外部のさまざまな変化から心持の変化まで、出来るだけ詳しい記録を残してくれること」を依頼される。
1945年3月になると、毎日新聞の記者だった綱武の弟綱正が、社員寮が爆撃で住なたくなったので、同僚と共に阿佐ヶ谷の家にやってくる。以後は、男性二人の下宿人の寮母の様な立場で奮闘し、ヤミの食材の調達に手腕を見せる。
電車で神田の事務所に通いながら、不規則な新聞記者の面倒を見るのは大変だったろう。一方でジャーナリストが傍にいるので、情報が伝わるのが早かった。
5月9日の日記では、「今日は各新聞がいっせいに大ニュースとして『独全軍が無条件降伏』を発表新聞記者の皆さんから何となくきいていたので驚きはなく、むしろ私の気持ちは軽くなった。日本はこれからどうしてゆくのだろう。ソ連と手を結んでゆくのかだろうか。私には分からないことだが、偉大な外交官がいてくれたらと思う」と書いている。
三人目は後に作家となる田辺聖子、この年に18歳となる学生だった。ドイツの降伏という事態に対して、5月23日の日記にはこう書いている。「日本の国民は違う。ドイツは遂に屈したが、日本はあくまで一億が玉砕するまで戦うであろう」
田辺はその頃、勤労学徒として寮に住み込み、航空機の部品を作っていた。野上や吉沢にあったような情報力は田辺にはない、食料もない。7月29日の日記には、「米はこの頃足りず、大豆をすりつぶしてメリケン粉と混ぜた代用品食ばかり作っている」とある。こちらの方が、当時の食料事情として一般的だ。
8月15日の日記には、「何事ぞ! 悲憤慷慨その極みを知らず、痛恨の涙、滂沱として流れ、肺腑は抉られるばかりである」「嗚呼日本の男児何ぞその意気の惰弱たる」と文語体で書かれている。
10代で敗戦を経験した人の率直な気持ちが表れている。同時に、前の二人と比べ、情報リテラシーの差を感じるのだ。
その一方で、ドイツの降伏に際して野上が書いた、「これで日本が全世界を相手にイクサすることになった」。ソ連の参戦に際して田辺が日記に「いよいよ、日本は世界を相手に戦うことになった」と記している。年齢も置かれている状況も異なるにも拘わらず、日本の孤立ぶりを同じ様に書き残している点は興味深い。

| | コメント (0)

2022/07/10

やはりあの「宗教団体」の名が

安倍元総理を銃撃し死亡させた山上容疑者は「宗教団体のメンバーを狙おうとしたが、難しいと思い、安倍元総理を狙った」と供述した報じられていたが、その宗教団体とは多分アレだと思った方が多いだろう。私もそう思った。
「現代ビジネス」(7/9(土) 23:22配信)では、宗教団体の名が「旧・統一教会(世界平和統一家庭連合)」だと明らかにしている。かねてより霊感商法や集団結婚で話題になってきた韓国で生まれた新興宗教だ。国内外に多くのフロント組織を持っている。
山上容疑者は「自分の母親が統一教会の信者で、安倍晋三が統一教会と親しいと知って狙った」と供述している。
韓国の宗教団体と自民党右派の結びつきを怪訝に思う人もいるだろうが、ごく最近までは右派は親韓国だった。それは今でも続いている。
政治団体である「勝共連合」の設立には祖父である岸信介が協力しているし、父親の安倍晋太郎は有力な「韓国ロビー」で、文鮮明主催のパーティーに参席したり、同僚議員を教義セミナーへ勧誘するなどして尽力していた。
2021年9月12日(日本時間)に開催された統一教会系の「天宙平和連合主催」のイベント『THINK TANK 2022 希望前進大会』には、安倍晋三はビデオメッセージを寄せている。
統一教会が支援している国会議員は他にも沢山いるが、山上容疑者が特に安倍元総理が特に親しいと考えたのは理由があったということだろう。
こうして見ていくと、今回の事件はいわゆる「政治テロ」というよりは、「個人的な怨恨」、それもかなり屈折した怨恨、ないしは逆恨みによる殺人事件の様相を呈している。
もちろん、動機や犯行理由にかかわらず許されるものではないのは、言うまでもない。

| | コメント (2)

2022/07/09

安倍元総理が銃撃され死亡

昨日7月8日、奈良県西大寺で選挙の応援演説を行っていた安倍元総理が、背後から銃撃をうけて死亡するというショッキングな事件があった。
殺人未遂の疑いで逮捕されたのは奈良市に住む、元海上自衛官で現在は職業不詳の山上徹也容疑者。
現在のところ容疑者は、「特定の宗教団体に恨みがあり、その宗教団体と関係がある安倍元総理を狙った」「安倍元総理が奈良に来ると知り犯行を決意した」という趣旨の供述をしているという。
計画的な犯行で、強い殺意があったことだけは確かだ。
事件の背景や動機についてはこれから取り調べで明らかになるだろうが、今のところいわゆる政治テロなのか、犯人の勝手な妄想によるものかは不明だ。
警察の警備体制についても検証が必要だ。
いずれにしろ、暴力で言論や政治活動を封殺することは許されない。
今日が選挙の最終日となる。
模倣犯が生まれぬよう、厳重な警備体制で臨んでほしい。

| | コメント (4)

2022/07/07

岸田外交の危うさ

米国のバイデン政権は、ロシアと中国を同時に敵にまわす二正面政策を外交の基本にしているようだ。これはケネディからトランプに至る代々の政権が、懐柔ないし宥和により、中露いずれかと友好的な関係を保ってきたのと大きな違いがある。
岸田首相はバイデンの政策に追従し、米国の希望通りに防衛費の倍増を計っている。
ウクライナ戦争はいずれ終結する。
問題は、その後のロシアと中国との関係をどうするかだ。
いまNATOはウクライナ支援に力を注いでいるが、毅然としてロシアに対峙しているのは、ポーランドなど少数だ。
米国を別にすれば、英仏独伊はいずれも腰が引けてる。特にドイツは顕著だ。それはウクライナ戦争後のロシアとの関係を考慮しているからだ。資源大国のロシアとは友好的な関係を保ちたいというのが本音だろう。
とりわけ日本にとっては、中露とは「お隣さん」同士だ。そこは両側を太平洋と大西洋に囲まれている米国とは大きな違いがある。
その米国にしたって、対中国の関税を一部撤廃すると報じられている。国内のインフレ抑制のためだというが、中国への圧力を強めるという基本政策を逸脱しているかに見える。やはり国益が大事なのだ。
日本も、長期的な視点から対ロシア、対中国との関係をどう築くのか、そういう外交政策を練ることが喫緊の課題だろう。
明日にでもロシアや中国が日本に攻め込んでくるような情報を煽っている向きがあるが、少なくとも戦後70年以上彼らが日本へ軍事行動を起こしたことも、具体的な計画を立てたこともない。
警戒心を持ちながらも、厄介な隣国とのお付き合いの仕方を考えるべきだ。

| | コメント (0)

2022/07/03

NATOがいつも正義とは限らない

ロシアのウクライナ侵攻により、米国とNATOが正義で、ロシアは悪玉と言うのが通説になっている。
しかし、歴史を振り返ればそう単純な話ではない。
1999年にはNATOによるユーゴスラビアへの空爆がおこなわれた。国連決議無しで、米国空軍を主力にして、英国やドイツなどNATO軍も加わった。
発端は、ユーゴスラビア国内でアルバニア系住民に対する虐殺が行われたというものだったが、今日ではこれが戦争広告代理店による巧みな情報操作によるものとされている。
空爆は78日間に及び、当初は軍事施設を目標としていたが民間施設も被害を受け、子どもを含む沢山の民間人が犠牲になった。
中国大使館も爆撃を受け、29人の死傷者をだしている(NATOは誤爆だと主張しているが真相は不明)。
この時は、ロシアは米国とNATOを強く非難していた。
それが今度は、ロシアがウクライナに侵攻し、米国とNATOがこれを非難。そうするとロシアは、米国だって同じことをしていたではないかと反論している。
どっちもどっちである。
どちらに正義があるかどうかなんて、分かったもんじゃない。

| | コメント (0)

2022/07/01

ゴキブリをわし掴み

ここ2、3年ゴキブリの姿を見なくて安心していたら、3日前と今日と続けて1匹づつ現れた。
これが過去形なのは、既に処理が済んでいるからだ。
我が家には、老妻という頼もしいゴキブリキラーがいる。素手でゴキブリを捕まえてギュッと握り潰し、トイレにポイと捨てて一件落着。
普段はスローモーションの様な動きなのに、ゴキブリ相手だとなぜあんなに俊敏に動けるのか謎である。そして、妻を前にするとゴキブリの動きが止まる理由もこれまた謎だ。
一方、以前に壁に止まっていたゴキブリに殺虫剤をかけていたら、いきなり私へ向かってブンと飛んできた。その時に逃げ回ったトラウマで、ゴキブリを眼にすると怖気づいてしまう。
今日も、妻が奮闘している姿を遠くから眺めていただけ。我ながら情ない話しである。

| | コメント (0)

« 2022年6月 | トップページ | 2022年8月 »