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2022/07/14

統一教会と右派政治家が、なぜ結びついたのか

安倍元総理の銃撃事件で、「旧・統一教会(世界平和統一家庭連合)」と日本の右派政治家との結びつきが改めて脚光をあびている。
その結びつきの最大の理由は「反共」の一点だ。
カギを握るのは、「東西冷戦」と「安保反対運動」だ。
1960年の安保改定に反対するデモは、数十万人のデモ隊が国会や首相官邸を取り囲むまでに発展し、岸信介政権は警察力だけではデモ隊を阻止できないとして、全国のヤクザを集めて支援を要請した。
1970年の「安保破棄」を求める運動は、1960年代後半から学生を中心に激しさをまし、大学紛争で授業を停止する事態にまで追い込まれた。
政府は、この事態に危機感を持った。
この時期に統一教会を母体とする反共政治団体「勝共連合」が韓国で、次いで1968年4月には日本で設立される。この設立に岸信介が関与し、岸と教祖の文鮮明との交流は長く続く。これが岸・安倍家との源流となる。
引き換えに統一教会は、日本での布教活動を手にいれる。
勝共連合の会員たちは、自民党などに所属する右派の国会議員にくい込んでゆく。
その影響力は絶大で、1986年7月の衆参同日選挙では、150人の衆参両院候補を応援し、自民、民社両党を中心に134人を当選させたとしている。選挙後には、これらの各勝共推進議員一人ひとりに勝共理念の研修を受けてもらったという。その結果、彼らの機関誌によれば134人全員が勝共理念を理解し、国会議員のそれぞれの地元でも勝共連合支部との関係が密接になった、と伝えている。
議員からすれば、会員は固定票だし、無償で選挙運動を手伝ってくれる。こんな有難い話はない。
なかには、議員の秘書になり国政選挙に立候補する者まで現れた。
勝共連合の支援で当選した議員たちは、勝共連合の理念を国政に反映させる義務を負うことになる。
以下は、その主な理念だ。

勝共思想の定着をはかる
共産主義の脅威から我が国を守る
ジェンダーフリーや過激な性教育の廃止
選択的夫婦別姓に潜む共産主義の策動を阻止
子供の人権政策に潜む共産主義の策動を阻止
青少年健全育成基本法の制定
男女共同参画社会基本法の改廃
憲法改正(自主憲法の制定)
緊急事態基本法の制定
スパイ防止法の制定
日本版NSCの設置
集団的自衛権の行使容認
非核三原則の改廃
武器輸出三原則の改廃
防衛産業を成長戦略に
宇宙の軍事利用を促進

見て分かる通り、自民党安倍派など右派の議員たちが主張している政策とピッタリ重なる。つまり代弁者になっているとも言える。
日本の未来が統一教会の思い通りになっていいのか、今回の事件を機に改めて問い直してみるべきだろう。

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