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2022/07/20

高峰秀子『血染めのブロマイド』

Hideko_takamine
『文藝春秋』8月号に高峰秀子が書いた『血染めのブロマイド』が紹介されている。1968年7月号に掲載されたものを改めてとりあげた格好。
高峰秀子(1924年3月27日 - 2010年12月28日)、若い方には馴染みがないかも知れないが、日本映画を代表する名女優だ。5歳で映画デビューした天才子役で、「子役は大成しない」というジンクスを破った人でもある。
2014年の『キネマ旬報』発表の「オールタイム・ベスト日本映画男優・女優」で、女優部門で第1位となった。
歌手としては「銀座かんかん娘」がヒットし、文才があって数多くの著書がある。
『血染めのブロマイド』
前線に送られる兵士の慰問袋の中に、既にスターだった高峰秀子のブロマイドが入れられていた。戦地でブロマイドを見た兵士からの手紙を彼女は続々と受け取る。
「ある兵士からは『もし、生還できたら、あなたの様な人をみつけて結婚したい』と書いてあり、ある兵士からは『私は明朝、突撃隊として出撃する。慰問袋に入っていたあなたの写真を今日まで胸のポケットに抱き続けてきたが、戦死の道連れにするに忍びないので』と、わざわざブロマイドを送り返してきた。また、ある母親からは『戦死した息子の遺品の中にありました』と、血に染まったブロマイドを送り返してくれたこともあった」
この文章は、戦後23年経ってから書かれたものだが「私の心の中では、戦後は終わっていない」
明朝、特攻機で出撃する航空兵を慰問した帰り道。「慰問隊の乗ったトラックに手を振りながら、いつまでも見送っていた特攻隊員たちの『さようなら、さようなら』という叫び声は、いまも耳にはっきりと残っている」
「だから、いまの日本の若者たちが『戦争はカッコいいな』などと無造作に言い放つのをみると、本当に飛んでいって殴ってやりたくなる。私は、もう戦争はイヤだ」
いま、各国が軍拡を競いあう時代に入りつつあるが、あらためて高峰のこの文章を読み、立ち止まって考える必要があるだろう。

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