フォト
2023年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« 拉致問題の解決と田中均への仕打ち | トップページ | 三遊亭圓窓の死去を悼む »

2022/09/18

第22回「朝日名人会」(2022/9/17)

第22回「朝日名人会」
日時:2022年9月17日(土)14時
会場:有楽町朝日ホール
<  番組  >
前座・春風亭いっ休『牛ほめ』
柳亭市弥『紙入れ』
三遊亭金朝『殿集め』
柳家三三『宿屋の仇討』
 ― 仲入り ―
柳家権太楼『らくだ』

市弥『紙入れ』
9月下席より真打昇進し8代目柳家小燕枝を襲名する。柳の大名跡だが、6代目柳家小燕枝(7代目は空位)が柳家さん遊に改名したため、空いていた。最近は若手に大きな名前を継がせる傾向にある。
このネタ、艶笑噺なので演者が照れてはいけない。大真面目に演らないと客はしらける。そこが先ずダメ。襲名に至る経緯をマクラに振ったが、ムダに長すぎる。それほど興味ないし。

金朝『殿集め』
たぶん初見。ネタは初めて。師匠の3代目三遊亭小金馬(故人)がたまに高座に掛けていたという珍しい噺。元は上方落語のようだ。
評判の器量良しの娘が、何を思ったのか浅草の観音様の五重塔から飛び降りるという。評判を聞きつけて大勢の男たちが集まり、飛び降りの理由や、娘を助けてからの妄想やら、勝手に大騒ぎしている。結末は、娘がいい男をさがすための芝居だったが、「これだけ殿御を集めても良い男はいない」。
演者の力量は感じたが、ネタは大して面白味がなかった。

三三『宿屋の仇討』
コーヒーをこぼして火傷をしたということで、左手の掌に包帯を巻いていた。
軽佻な江戸っ子3人と、謹厳な侍と、その間を取り持つ宿屋の若い衆を描いたもので、三三はテンポ良く随所に独自のクスグリを入れて好演。
このネタは、三三の様にスマートに演じるのが正解。

権太楼『らくだ』
この日のお目当て。寄席でもこのネタを掛けることがあるが、時間の制約から前半で切ることが多い。しかしこの噺は後半の葬礼にまで行かないと完結しない。
このネタは演者を選ぶ。一番肝心なのは、酔ってからの屑屋の凄みが出せるかどうかだ。らくだの兄貴分がタジタジとなる程の凄み。それは屑屋が日ごろから虐げられてきた悔しさをぶつけることから来る凄みでもある。同時に権太楼の描く屑屋は、恵まれない人たちに対する優しさも持っている。焼き場の隠亡とお互いに共感し合う屑屋の姿は、社会の底辺に置かれている同士の連帯を感じる。
東京で『らくだ』が演じられるのは権太楼だと思っていたが、その期待に違わぬ熱演だった。

« 拉致問題の解決と田中均への仕打ち | トップページ | 三遊亭圓窓の死去を悼む »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

金朝は金兵衛時代に「お血脈」を聴いたことがあります。
顔を真っ赤にして汗だくになりながらの熱演。
例のプラチナ奴という洒落で笑いました。

さて、この『殿集め』ですが、筋からすると、
今人気の桃花に合うかな、そんなことを思いました。
すました顔でサゲを言って・・・

福さん
真打クラスでも未見の人がいて、良い機会だと思いました。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 拉致問題の解決と田中均への仕打ち | トップページ | 三遊亭圓窓の死去を悼む »