芸能人に「清廉潔白」は求めない
以前に作られた映画をみていて、この俳優近ごろ顔を見ないなと思い調べてみると、何かスキャンダルを起こしてスクリーンやドラマから遠ざかっていた。
もったいないと思ってしまう。
もちろん刑事事件の被告になったようなケースは別だが、個人的なスキャンダルなら気にする必要はないのでは。
芸能人が不倫しようと浮気しようと、それは本人と家族の問題であって、我々には一切関係ない話だ。
芸能ニュースというと、とかく誰と誰がくっついたの離れたのという話題ばかりがとりあげられる。私はこれを「芸能人下半身ニュース」と名付けている。
本来の芸能記事というのは、新作映画ではあの俳優の演技が光っていたとか、今度の舞台ではこんな意欲的な取り組みをしているとか、そういう事を報道すべきじゃないの。
私たちにとって関心があるのは、芸能人のパフォーマンスであって、人格や素行ではない。
卑近の例で、マスコミを賑わした香川照之のスキャンダルを見てみよう。経過は次の通り。
・2019年7月に香川氏はその他3人と一緒に銀座のクラブを訪れた。
・個室で接客したホステスのAの服の中に香川は手を入れ、ブラジャーをはぎ取り、そのブラジャーは同行した客3人に渡され、全員がその匂いを嗅いだり、卑猥なことを言ったりした。挙句、香川はAにキスを強要し、乳房を直接なでまわすなどした。
・その後に心的外傷後ストレス症候群(PTSD)を患ったAは、2020年5月に、香川の乱行を止められなかったということで、クラブの女性経営者を被告として損害賠償を請求する裁判を起こした。
・Aが女性経営者に求めた請求額は330万円だった。訴訟は2021年に取り下げられた。訴訟を取り下げるにあたって、Aには330万円以上の示談金が支払われた。
もし、香川が強制わいせつ罪で訴えられていれば、状況は変わってきた。
しかし、被害者Aは経営者に対して民事訴訟を起こしたが、示談となって訴訟は取り下げられている。
つまり形式上は、香川は当事者ではない。
無論、経営者が支払ったという示談金の一部又は全部を香川が負担している可能性があるが、示談の際には協議内容などについての公開禁止条項を付けるケースがあるので、その場合は明るみに出ない。
トラブルが起きたのは3年前であり、1年前には示談が成立していて、法的には何も問題を残していない。
これが果たして香川の俳優生命に係わる程の事柄なんだろうか、どうなんだろう。
« 【統一教会と自民党の癒着】ジャーナリズムの怠慢 | トップページ | 岸田政権は短命の予感 »
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- やはり「男の上半身と下半身は別人格」(2024.02.05)
- 正司歌江の死去を悼む(2024.01.26)
- 中村メイコの訃報(2024.01.10)
- ジャニーズ事務所ってどんな犯罪を行ったのだろうか(2023.11.25)
- 日劇で見た笠置シヅ子ショー(2023.10.23)
コメント