だから右翼は嫌われる
レッキとした右翼言論人でも、右翼と呼ばれるのを嫌がり否定する人が多い。
「左翼崩れ」という言葉はあるが、「右翼崩れ」という言い方はない。崩れようが無いと見られているからだろう。
右翼の中でも真剣に取り組んでいる人もいるが、少数のようだ。
戦前あれほどの影響力を持っていた右翼が戦後に凋落したのは、戦前は「鬼畜米英」の旗を振りながら、戦後は一転して「アメリカ万歳」に転向したためだ。しかも、なぜ心変わりをしたのかの説明もない。そのため一気に信用を失ってしまった。
その理由は、戦前戦後を通じて右翼の頭目だった「児玉誉士夫」の生き方にそのヒントがありそうだ。
戦時中、児玉は海軍航空本部に納入する資材を独占的に納入し、莫大な資産を得た(今の金額にしておよそ1兆円という試算もある)。敗戦の直前に中国大陸に置いていた資産を密かに飛行機で日本に持ち帰った。大半は金銀財宝と見られ、元はいえば政府が国民から強制的に徴収したものだが。
それを資金として政治工作を行い、戦後はフィクサーとして君臨する。
A級戦犯容疑者として収監されるが釈放となり、CIAのエージェントなど米国の協力者になる。
ロッキード事件で明らかになったように、ロッキード社の日本人代理人となり暗躍する。この事件では専ら田中角栄が悪者になっているが、本当の巨悪は児玉誉士夫だった。
戦前は海軍相手に商売していたから鬼畜米英で、戦後は米国の代理人になったからアメリカ万歳と、実に分かり易い。
要は、金のある方へ転ぶ「不見転(みずてん)」だったという分け。
愛国が聞いて呆れる。
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