「ふるさと納税」制度は間違っている
「ふるさと納税」は、日本で2008年(平成20年)5月から開始された、地方と大都市の格差是正・人口減少地域における税収減少対応・地方創生を主目的とした寄附金税制。
地方出身者は、医療や教育等の様々な住民サービスを地方で受けて育つが、進学や就職を機に生活の場を都会に移し、現住地で納税を行うことで、地方で育った者からの税収を都会の自治体だけが得ることになる。そこで寄付先を納税者自らが選択できるようにした。
寄附額を確定申告することにより寄附分の一部が控除されることから、希望自治体へ住民税の一部を納税するというもの。
別に地方出身者でなくても、旅行などで思い出となった地方や、その地方自治体の取り組みに共感して寄付をしたいという方もあるだろうし、趣旨自体は賛成できる。
問題は、寄付に対して「返礼品」が贈られる点だ。
寄付というのは飽くまで善意に基づくものであり、私も少額ながら毎年NPOなどの組織に寄付を行っている。大半の組織からは領収書と丁重な礼状が送られてくる(日本赤十字の様にそれすら省略というケースもあるが)。それで十分なのだ。
寄付に返礼品を贈ると言う制度は、倫理観や道徳観の退廃を招きかねない。
現に、ふるさと納税がその趣旨に反して自治体間の返礼品競争に陥っている。都市部の自治体の中でさえ、返礼品をエサにしてふるさと納税を呼び込む所も出ている。
日頃から倫理道徳の大切さを説いている自民党が、この制度の旗振りをしているのは呆れるしかない。
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