ウクライナはロシアとの停戦交渉を急いだ方がいい
つい一月前ごろには、ウクライナ戦争でロシアが苦境に立たされており、プーチンがいつ失脚するかという論調が流れていた。
処が、最近になってむしろロシアが攻勢に出てウクライナが苦境に陥っているとの観測が西側のメディアから報じられている。
冬季になってからロシアは得意の後退や停滞の戦術をとり、ウクライナ軍を追い詰めている模様だ。
ウクライナ軍の損耗は激しく、死者が一日当たり250人とされる。
戦闘機の数は開戦当時に比べ半減しているようで、専らNATOから供与された無人機に頼っている。
消耗戦は国土も国力もロシアに比べ劣るウクライナには不利に働く。
戦争報道というのはかくも不確かなもので、日本の場合、西側からのプロパガンダや偏った情報が飛び交いがちになるので、、そうした情報に踊らされるぬよう注意が必要だ。
こうした情勢もあり、先日ゼレンスキー大統領は急遽アメリカを訪問し、バイデン大統領との首脳会談や議会での演説を行った。
TV中継もされた演説は熱烈歓迎だったようで、20億ドルの地対空迎撃ミサイル「パトリオット」の供与を取り付けた。
しかし、現地からの報道によれば、ゼレンスキーの議会演説では下院の共和党議員の多くが欠席していた。共和党の関係者からは、ゼレンスキーは生活保護の不正受給者だという非難の声もあった。今アメリカでは物価高騰による生活困窮者が増え、ウクライナどころではないという状況もある。
今後、下院で多数を占める共和党の発言力に押され、アメリカからの援助が細る可能性が高い。
また、ウクライナ軍によるロシア本土への攻撃(敵基地先制攻撃)には、これ以上のロシアとの対立は避けたいホワイトハウスから釘を刺されている。
ゼレンスキーが、キーウのロシア正教教会を「スパイの巣窟」だと決めつけ破壊し、神父らを拘束していたことも、アメリカの保守派宗教団体からの反発もある。
アメリカからの援助抜きでは、ウクライナは戦闘を継続できない。
こうした状況を勘案すれば、ウクライナはロシアとの停戦交渉を急いだ方がいい。
「一将功成りて万骨枯る」になっては困るのだ。
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