【ウクライナ】これは戦争なんだぜ
ロシアが発電所などのウクライナのインフラへの攻撃を強めていることに対して、ゼレンスキー大統領はこれはテロだと強く反発している。
劣勢に立たされているロシアは戦争に勝つために必死だ。
ロシアにとって冬季こそ味方に出来ると考えるのは、過去のナポレオンやヒットラーとの戦争の記憶が残っているせいだ。こうした勝利の経験の記憶というのは国民の間にも深く根付いているだろう。太平洋戦争の時に、日本国民の多くが神風を期待していたように。
ウクライナのインフラを破壊し、国民が冬の寒さに耐えられなくなってネをあげるのをロシアは期待しているのだ。
また、ウクライナの国土の泥濘がロシアの戦車の進軍を阻んできたが、冬季になって国土が凍結すれば戦車にとって有利に働くという計算もある。
もちろん、ロシアの行為は非人道的であるのは論を俟たない。
しかし、人道的な戦争というのは過去にあっただろうか。
1945年の米国は日本に降伏を迫るため、焦土作戦を行った。空爆で日本の都市を焼き尽くし、住民を殺害するという作戦だった。
都市は焼け野原となり、数十万人の人々が殺害された。
最後に広島と長崎に原爆を投下し、日本は降伏した。
この非人道的な行為を誰か非難しただろうか? 当時は誰も非難しなかった。
それどころか、被害にあった日本は空爆した米国の指揮官に勲章まで授与している。
戦争というのは、かくも非人道的なものなのだ。
人を殺してはいけないという大原則さえも、戦争になれば敵は殺してもいい、否やむしろ殺さねばならないとなる。
こうなると、人間の倫理観のタガが外れてしまう。
だから絶対に戦争してはいけないし、国の指導者は戦争を回避するためにあらゆる努力をせねばならない。
ロシアの暴走を止めるためには、ウクライナとロシアの間で早期の停戦交渉を進めるしかない。
数か月前にこういう事を主張すると叩かれた。
しかし今は、西欧各国の首脳の中からもこうした声があがっている。
一つには「支援疲れ」という現象が起きている。自国の物価高騰でそれどころじゃないというのが本音だ。ロシアへの経済制裁の影響が、国民の生活にジワリと響いてきていることもある。
プーチン大統領の失脚を期待する声もあるが、仮にそうなるとしてもロシアがウクライナから全面撤退することはないだろうと見ている。
戦況が有利なうちに、ウクライナはロシアとの停戦交渉を早めた方がいい。今なら仲介の労をとってくれる国や指導者が出てくる筈だ。
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