爺さんたちのゴキゲンな歌声
ユーチューブを見ていると、思いがけない懐かしい歌声に出会うことがある。
「フォーラッド」という男声コーラスグループが1953年に歌って大ヒットした「イスタンブール」という曲がある。私が未だ小学生の頃だったが、日本語に訳した歌が様々な歌手によって歌われていた。
歌詞の中に「イスタンブール、昔のコンスタンティノープル」というフレーズがあり、これは歴史の勉強になった。
このメンバーが年代は不明だが、すっかり爺さんになって、あるコンサートホールで歌っているシーンがユーチューブにあった。
声こそ若い頃にはかなわないが、歌唱力はさほど落ちていないように思え感心した。
彼らの発音では、イスタンブールを「イスタンブー」と聞こえる。
日本人の場合、庄野真代の「飛んでイスタンブール」の影響からか、語尾の「ブール」にアクセントを置いてしまうが、現地での発音は「イスタンブー」に近かった。
もう一組、「ダイヤモンズ」という男声グループが1957年に大ヒットした「リトル・ダーリン」という曲がある。軽快でコミカルな曲で、日本語訳の歌も多くの歌手によって歌われヒットした。
このメンバーが、再結成して2004年にライブを行っていたシーンがユーチューブにあるが、いい爺さんになった彼らが、若い頃に負けない愉快なパフォーマンスを披露している。
こういう姿を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。
両方のコンサートとも、歌い終わると観客がスタンディングオベーションで大きな声援と拍手で応えていたのが印象的だった。
まさか全員が歌手と同年代とは思えず、レジェンドを讃える姿は清々しい。
こういう所は、私たちも見習う必要があるかも。
人間、歳をとれば声は落ちるし、それをカバーしようとして歌唱力まで落ちてしまがちになる。懐メロ番組で感じる事が多い。
しかし、歌手によってはそうならない人もいる。
例えばイブ・モンタンは、若い頃より年配になってからの方が歌に深みが増して心に響く。
だいぶ以前のことだが、「ペリー・コモ」の来日公演があったが、もう年齢が70代後半になっていたので期待できないとみてチケットを取らなかった。後日、TVで公演の録画があったを見て失敗したと思った。楽譜を片手に歌っていて、声は全盛期には及ばないが、歌唱力はペリー・コモそのものだった。行けば良かったのだ。
同様の時期かと思うが、柳家小三治が米国に行った時、たまたまペリー・コモのライブを見に行って同じ様な感想を述べていたっけ。
こちらもユーチューブで見ることが出来る。
自分が80歳に近づき、体が段々いう事を聞かなくなってきたので、爺さんたちの歌声には励まされる。
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