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2023/01/16

アスベストに罪はない

20代から30代前半にかけて、ほぼ毎日にようにアスベストを扱ってきた。当時は仕事で使う手袋がアスベスト製だった。もちろん、当時から肺に吸い込むと危険だとされていたので、極力防塵マスクを着けての作業だったが、完全に防げたかどうかは疑わしい。
30代のある時期には、アスベストに代替できる材料をさがす仕事に取り組んだことがある。驚いたのは、アスベストは実に多数の分野で使われていたことだ。家庭用の器具から学校の教材まで、自動車の部材にも使用されており、およそ熱を扱う場所にはアスベストは無くてはならぬ存在だった。
色々な材料を取り寄せて試験したが、試験が進めば進むほどアスベストの性能の素晴らしさ気づかされた。
いまアスベストに代替されている材料も一通り試験したが、アスベストの足元にも及ばないものばかりだった。
アスベストの特性は次の通り。
①耐熱性、高温に強く特に燃えないこと。
②繊維としての「しなやかさ」を持っていること。これは他の鉱物性繊維には無い。
③アルカリによる浸食がない。長期使用しても劣化が起きない。
④電気絶縁性が高い。電機部品に広く使われていたのはそのためだ。
アスベストには毒性がない。誤って飲み込んでも危険性はない。ただ肺に吸引した時だけが有害となる。長期にわたって吸引すると肺がんや中皮腫などの疾患をはじめとした健康被害を引き起こすこともあり、日本では使用禁止となっている。
どんな材料でも、使い方を間違えれば危険にさらされるし、時には生命が奪われることになる。

石綿病に似た症状に「珪肺症(けいはいしょう)」がある。私の若い頃は専らこの病気が問題とされてきた。もちろん、今でも恐い病気だ。
珪石(石英、シリカ)の粉塵を吸入したことが原因となって肺が永久的に瘢痕化してしまう病気で、運動中に呼吸困難をきたしたりするほか、悪化すると安静時でも息切れがするようになる。肺が損傷を受けているため酸素の血液中への取り込み能力が低下することから、心臓にも負担をかけることになる。
しかし、珪石は使用が禁止されていない。今でも多くの産業で使われている。
この差はどう生じているのだろうか。
青酸化合物は猛毒で知られており、微量でも人を殺すことができ、過去の犯罪でも殺人に使われてきた。
しかし、一部の産業では無くてはならない材料なので使用禁止にはなっていない。
和歌山カレー事件で脚光を浴びたヒ素も同様で今でも使われている。
アスベストは100%天然品だ。
いま、その代替物質を別の資源とエネルギーを使って製造し、しかも性能は遥かにアスベストに及ばない。
材料を活かすも殺すも使う人間次第だ。
材料には罪がないのだ。

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