今のロシアはかつての日本と重なる
つい数か月前にはウクライナ戦争でロシアは敗北し、プーチンは失脚するという報道がなされていたが、どうやら西側の希望的観測だったようだ。
一部には戦争に反対する声があるようだが、大半のロシア国民はこの戦争を熱狂的に支持し、プーチンへの支持率も低下していない。
彼らは、ウクライナのファシストによる侵略からロシアを防衛するためという大義名分を信じている。つまり彼らにとっては祖国防衛戦争なのだ。だから一歩も引けない。
翻ってアジア太平洋戦争の時の日本はどうだったが。
中国へ侵出を始めた当初、軍の幹部は3か月で片づけてみせると大見得を切った。自国の戦力を過信し、相手を甘くみたツケが泥沼の戦争になっていった。
アメリカに宣戦布告した際に、日本国民は熱狂した。学者や文化人たちも一部の人を除き、対米戦争を熱狂的に支持した。なぜなら、これは日本にとってはやむにやまれぬ防衛戦争だと信じていたからだ。
開戦からおよそ半年は戦果をあげたので、国民はますます熱狂した。
しかしその後は敗退が続いたが、政府は事実をひた隠しし戦局は有利に進んでいるような情報を流していた。
戦局が不利になると言論統制を強める点も、当時の日本も今のロシアも同じだ。
ロシア経済が大打撃を受けているとの報道があるが、2022年のGDPは対前年比でー2.1%で、むしろ底堅さを感じる。
ウクライナ戦争はまだまだ楽観を許さない。
この戦争でウクライナの市民の犠牲は、1年間で8000人にのぼるとされている。
アジア太平洋戦争では、1945年の8か月間だけで米軍により数十万人の日本の一般市民が殺害された。
いつの時代でも戦争の犠牲になるのは一般市民だ。
日本のウクライナへの支援は着実に進んでいるが、既に5万人の死者をだしたトルコ・シリアへの支援はどうなっているんだろう。
昨年のパキスタンの水害被害といい、どうも日本政府はアジアや中東には冷たいようだ。
G7の一員となって、すっかり白人気分か。
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ロシア…というより、プーチン大統領にとっては、'22.2/24侵攻以来、数日間でウ国大半を掌握できると考えていたとされ、その時点では“戦後”のことも考慮していたのでは…と言われていました。先手必勝を想定しながら、“開戦”以降1年を数えることは、文字通り“想定外”だったのかと思います。ウ軍の予想外の健闘や、米欧諸国からの軍事支援もプーチンにとってはジレンマとなっているようですが、それでもロシアの敗戦は考え難いところではないでしょうか?
ウ軍はロシア領への攻勢は掛けていないし、ロシアが“伝家の宝刀”核兵器を持ち出す以前に、中国・イラン・北からの軍事支援が顕在化するでしょうし、長期化するとウ国の方が明らかに“体力負け”すると想像します。米欧もロシアへの経済制裁の影響力が捗々しくなく、ウ国への経済・軍事両面での支援疲れも見えてくると思います。
80年前に真珠湾から太平洋戦争を開戦した日本との類似点も見受けられるところですが、まずロシアが完全に敗北するとは考えられない。報道では希望的観測として、ウ軍の反転攻勢や、プーチンの健康障害も流れていますが、自分の素人目による予想では、ある時点でロシアにとって有利な条件での停戦(一時終戦)処理が行われると思います。ただ停戦後も両国国境付近での紛争が散発する可能性は大で、世界中の期待通りプーチンの「死亡」か「失脚」とならない限り、平和的な終戦は訪れないと思います。
それにしてもロシア人の民度は世界最低。病院や学校、児童・老人施設への攻撃や、容赦ない民間人への虐殺や強奪等、まるで第二次大戦終戦直前の満州や北方領土で行ってきた所業が再現されるような映像を視ると、怒りを禁じ得ません。ちなみに私の大叔父にあたる人物は民間人でしたが、シベリア抑留の果て消息不明となったとのこと。自分的には“希望的観測”ではなく、ヒットラーのようにプーチンにも窮地に陥って悲劇的な最期を迎えてくれるのを期待しています。
投稿: 与太 | 2023/03/02 18:57
与太さん
プーチンの失脚か死亡により戦闘は停止する可能性がありますが、国民の大半がプーチンを支持している状況では、根本的な解決への道のりは遠いでしょう。
投稿: home-9 | 2023/03/05 09:19