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2023/06/28

古今亭八朝の死去

落語家の古今亭八朝が6月26日、老衰のため死去した。71歳だった。
八朝の経歴は、1970年4月に三代目古今亭志ん朝に入門。73年5月に志ん吉の名で前座。75年11月、二ツ目昇進し、八朝に改名。1984年9月に真打に昇進した。
残念ながら八朝のナマの高座には接していないが、ラジオ番組に出演した時の録音が残っていて、マクラで自己紹介をしている。
時期は不明だが、これから入院するような事を語っていたので、もともと持病があり、それが71歳で老衰になった原因だったのかも知れない。
前座時代に、柳家権太楼や立川談四楼と共に「仁義なき落語会」という名称の会を開いていたと言う。前座は独自の落語会を行うのは禁止されていて、それが師匠の志ん朝にばれて大目玉を食ったとある。
演じたネタは『真田小僧』だったが、志ん朝の芸風を継いだものだった。
ご冥福を祈る。

2023/06/27

京王線刺傷事件の男、お前は落語の『刀屋』か

6月27日に京王線刺傷事件でのいわゆる“ジョーカー男”の初公判が開かれたが、服部被告の弁護人が事件の動機について、
「被告は中学3年の頃から付き合っていた交際相手と婚約をして同棲していたが、誕生日に別れを告げられた」
「その後、女性が別の男性と結婚したことを知った。仕事のトラブルもあり、『死にたい』と考えるようになった」
と語ったとある。
しかもこの男は、腹いせに関係のない人に危害を加えた。
アホか!
中学時代に付き合っていた男女がそのまま結婚する例はむしろ稀だろう。
ヴェルディの有名な歌劇『 リゴレット』のアリアに『女心の歌』があるが、日本語訳の中で、こう歌われているではないか。
♪風の中の 羽のように
 いつも変わる女心
 涙こぼし笑顔つくり
 うそをついて だますばかり
 風の中の 羽のように
 女心かわるよ
 ああ 変わるよ

この男の話をきいて、落語の『刀屋』(『おせつ徳三郎』の後半)を思い出した。
お店のお嬢さんの「おせつ」と深い仲になった奉公人の「徳三郎」は、それが元で店から暇をだされる。
処が、ある日おせつが婿を貰うことになったと知った徳三郎は、刀屋で入手した刀で婚礼の席に乗り込み、新郎新婦を殺害しようと企てる。
この噺では、おせつが心変わりしていない事が分かり、事件は起きずに済むのだが、現実はなかなかこうは行かない。
女心は風の中の羽根のようにいつも変わるものなのだ。男心についても同じことが言える。
長い人生、出会いもあれば別れもある。
そんなものに振りまわされて人生を棒に振るなんぞ、愚かとしか言いようがない。

 

2023/06/25

IZUMIとオレの物語(下)

IZUMIとのことは余り内緒にできないので、妻に話すことにした。
妻は「その子と逢ってみたい」と言う。IZUMIに話したら「私も奥さんに逢いたい」、となった。
そのころIZUMIは前にいた店が閉店となり、銀座の別のスナックで働いていたが、その店に夫婦で出かけ、店がはねてから3人で合うことにした。
妻はめずらしく和服姿で、事情を知っているスナックのママから、「奥さんは勝負服ね」とからかわれた。
銀座の深夜営業していた店に超ミニ姿のIZUMIがで来て、お互い挨拶を交わした後で会食。
なぜか妻とIZUMIは和気藹々で、オレそっちのけで二人で盛り上がり、「今度は二人で会いましょう」なんて言いあっていた。
妻はIZUMIのことを可愛がって、旅行に行ったとき「IZUMIちゃんにお土産、どれがいいかしら」なんて探していたほどだ。
でも、この一件があってからIZUMIはオレから引き始めた。
やがてIZUMIが、前の男と分かれ別の男と同棲を始めたと言ってきた。
相手は酒屋のボンボンで遊び人という。写真をみたらいかにもそれらしい男が写っており、この相手なら上手くいくかも知れないなと思った。
しばらくして、IZUMIへの電話もメールも通じなくなり、ここいらが潮時だったんだなと悟った。
およそ2年間だったが、けっこう密な付き合いだったかな。
それから1年以上経って、IZUMIから突然電話がかかってきた。
何か用件がありそうな口ぶりだったが、こっちもいい加減に冷めていたので、「また都合の良い時に電話して」と言って切ってしまった。
3か月ほどでオレは定年を迎え、携帯も会社のものから個人に切り替えたが住所録の移転が上手くいかず、IZUMIへの連絡先も消えてしまった。
これで、お互いの連絡手段がなくなり、IZUMIとオレの物語は終了。
これは以前のことだが、IZUMIにSMに興味があると聞き、かつてSM雑誌の編集長をしていた男を知っていたので紹介してやった。
そうしたら、二人で会ってSMプレイをしたと男から報告があった。
「IZUMIって変なヤツだね」と言うから、その通りだと答えたら、「あんたも変だよ」と言われてしまった。
まあ、そうかも知れないね。
IZUMIは元気で幸せにしてるかなと、ふと思うことがある。
(完)

2023/06/23

IZUMIとオレの物語(上)

IZUMIに出会ったのは、時々行っていた銀座の店でIZUMIがバニーガールをしていた頃だった。
オレは57、IZUMIは23だった。
何人かいるバニーガールの中で、IZUMIは美人タイプじゃなかったが、一番グラマラスで愛嬌があったので人気が高かった。
こういう場でオレは、女性たちに社交辞令の様に「一緒に飲みに行かない」「美味しいもの食べに行かない」と声をかけることにしている。大概は「嬉しい!」とやはり社交辞令が戻ってきて終わりだが、IZUMIからは「いつ連れて行ってくれるんですか?」と言われ、こりゃ本気なんだなと思い、「今週の金曜日でどう?」で日にちが決まった。
店がサラリーマン相手だったので土日は休みだったから、金曜ならユックリできるからだ。
金曜日の店が終わってから、二人で深夜営業で個室がある新宿3丁目の和食屋に向かった。
店に着いたのは深夜0時を回っていた。
二人は歳が30歳以上離れていたし、会社員と水商売で生きてきた世界が違うのだが、やたら話が弾んで早朝まで飲み続けた。もっともオレは専ら聞き役だったが。
そこから何度か二人で飲みに行くことがあった。
ある時、行きつけの歌舞伎町のスナックで二人で飲んでいると、IZUMIが「この前やっちゃいました」と言ってきた。
「何だお前、オレにはダメだと言っていて、そいつとはやったのか」と、ここからは強面モードに切りかえた。
「そいつを呼んでこい!」と言うと、IZUMIが相手の男にこっちに来るように電話した。
オレと二人だし、時間が11時を回っていたたのでどうかと思っていたが、それから30,40分して本当に男が現れた。惚れた女の力は強いんだな。
名刺交換したら男は精密機器メーカーのエンジニアで、色白で眼鏡を掛けていかにもそれらしい外見だった。
「あんた、IZUMIとやったんだって?」
「はい」
「結婚する気はあるんか?」
「そうしたいと思っています」
「じゃ、飲もう」
「私、酒は飲めないんです」
「何言ってんだ、とにかく飲め!」
と無理に勧めたら、男は2,3杯で酔いつぶれ、カウンターに突っ伏して寝てしまった。
IZUMIは隣でニヤニヤ笑っていたが、
「こいつ、目障りだから連れて帰ってくれ」と頼み、タクシー代を渡してIZUMIに男の自宅まで送らせた。
あの二人じゃきっと上手く行かないなと、そう予感した。
スナックのマスターが、「どうなるかと思っていたら何も起きなかったね」と言うから、「ゴッツイのが現れたらどうしようかと思っていたよ」と答えた。
マスターは昔の新宿のことをよく知っていて、オレとウマが合ったのでこの店にはよく通うようになっていた。
くだんの男から後日、これからも色々相談に乗って欲しいとのメールがきたが、「断わる」と返信した。
(続く)

2023/06/22

♪自衛隊に入ろう♪

「自衛隊に入ろう」
作詞:高田渡
作曲:高田渡

みなさんこの中に
自衛隊に入りたい人はいませんか
ひと旗あげたい人はいませんか、
自衛隊じゃ人材求めてます。

♪自衛隊に入ろう 入ろう 入ろう
 自衛隊に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな
 自衛隊に入って花と散る

スポーツに感動した方がいましたら
今すぐ自衛隊におこし下さい
やりでも鉄砲でもなんでもありますよ
自衛隊は体が資本です。

♪自衛隊に入ろう 入ろう 入ろう
 自衛隊に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな
 自衛隊に入って花と散る

日本の平和を守るためにゃ
鉄砲やロケットがいりますよ。
アメリカさんにも手伝ってもらい、
悪いソ連や中国をやっつけましょう

♪自衛隊に入ろう 入ろう 入ろう
 自衛隊に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな
 自衛隊に入って花と散る
 自衛隊に入って花と散る
 自衛隊に入って花と散る

 

2023/06/11

マイナンバーカード騒動に見る官僚の劣化

河野太郎デジタル担当大臣は6月7日、「マイナンバーカードに、本人ではない家族名義の口座が紐付けられている事例が見つかり、件数はおよそ13万件あると確認された」と明かした。全く知らない他人名義の口座が登録されているケースも748件あった。
原因としては、
①乳幼児など銀行口座を持っていない国民がいる
②銀行口座は氏名が「かな表記」であるのに対しマイナンバーカードでは「漢字表記」になっているため照合ができない
などがある。
起こるべくして起きたミスなのだ。
マイナンバーカードと銀行口座を紐付けるには、
①予め国民全員に銀行口座を設けさせる
②そのためには乳幼児など本人自身が口座開設できない様な場合のルールを作っておく
③マイナンバーカードの氏名は漢字とかなの双方を表記させる
この様にしておけばミスは防げた筈だ。
問題は、こんな誰でも分かることが何故できなかったかだ。
一口でいえば日本の官僚の劣化だ。自分の頭で考えずに上から言われたことだけを実行しているからこういう結果になるのだ。
恐らくはこうした手直しのために、場合によてはシステム自身の作り直しなどで何兆円もの予算がかかることになろう。
やれやれ。
責任者出てこい!

 

 

2023/06/07

「入管法改正」難民を受け容れる覚悟はあるか

現在国会では「入管法改正」いついて審議が行われているが、議論が隔靴掻痒の感がある。つまり本質論に踏み込んでいないのだ。
従来の日本政府の方針は「難民を受け容れない」というものだった。だから難民認定を渋り、彼らをなかば犯罪者扱いにしてきた。暴力を振るい嫌がらせをして「来るな!」サインを送っていた。国民の多くはこれを気にもとめず、結果としては黙認してきた。審議はここから出発すべきだった。
理由としては、難民の多くが中東やアフリカの人たちで、極東の島国である日本は蚊帳の外の位置にあったこと。旅行者以外の外国人を移入させることに抵抗感が国民にもあったことなどがあげられる。
しかし近年ではアジア諸国でも難民が発生しており、とりわけ今後は
①中国の台湾への軍事侵攻
②北朝鮮の金王朝の崩壊による(例えば斬首作戦)混乱
といった事態になれば、日本としてかなりの数の難民を受け容れることになるだろう。
それでなくとも、人道上の観点からも先進国として相応しい役割が求められているのだ。
その一方、難民受け容れ時に政権を揺るがすような大きな問題に発展する可能性もある。難民の人々の住居の確保から始まり、生活を維持してゆくための援助が必要だ。
これらを巡って国民の間に不満が高まり、欧米では世論の分断や極右勢力の台頭を招いている。
そうした覚悟を含めて、これからの難民政策の転換について国会では基本的な掘り下げた議論が必要だ。

2023/06/03

上岡龍太郎の死去を悼む

上岡龍太郎が2023年5月19日に死去していたことが報じられた。享年81歳だった。
漫画トリオの一員の時より、グループ解散に伴うピンになってからの印象の方が強い。
流暢な喋りが特徴だったが、珍しく知性を感じる芸人でもあった。
週刊誌の連載で上方の芸人たちを論じていたが、これがなかなか的確で面白かった。たとえば桂文珍の芸は、丹波出身による劣等感の裏返しだと断じたり、当時人気の女流漫才師には面白くない(同感!)と切って捨てたり、毒舌がさえていた。
フジTVの「上岡龍太郎にはダマされないぞ!」では、番組冒頭でTV局の方針とは正反対の政治的主張を滔々と述べたり、いかにもこの人らしさが出ていた。
21世紀には自分の芸が通用しないと2000年に芸能界から引退したのも、上岡らしい美学と言える。
心より哀悼の意を表する。
合掌

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