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2023/06/23

IZUMIとオレの物語(上)

IZUMIに出会ったのは、時々行っていた銀座の店でIZUMIがバニーガールをしていた頃だった。
オレは57、IZUMIは23だった。
何人かいるバニーガールの中で、IZUMIは美人タイプじゃなかったが、一番グラマラスで愛嬌があったので人気が高かった。
こういう場でオレは、女性たちに社交辞令の様に「一緒に飲みに行かない」「美味しいもの食べに行かない」と声をかけることにしている。大概は「嬉しい!」とやはり社交辞令が戻ってきて終わりだが、IZUMIからは「いつ連れて行ってくれるんですか?」と言われ、こりゃ本気なんだなと思い、「今週の金曜日でどう?」で日にちが決まった。
店がサラリーマン相手だったので土日は休みだったから、金曜ならユックリできるからだ。
金曜日の店が終わってから、二人で深夜営業で個室がある新宿3丁目の和食屋に向かった。
店に着いたのは深夜0時を回っていた。
二人は歳が30歳以上離れていたし、会社員と水商売で生きてきた世界が違うのだが、やたら話が弾んで早朝まで飲み続けた。もっともオレは専ら聞き役だったが。
そこから何度か二人で飲みに行くことがあった。
ある時、行きつけの歌舞伎町のスナックで二人で飲んでいると、IZUMIが「この前やっちゃいました」と言ってきた。
「何だお前、オレにはダメだと言っていて、そいつとはやったのか」と、ここからは強面モードに切りかえた。
「そいつを呼んでこい!」と言うと、IZUMIが相手の男にこっちに来るように電話した。
オレと二人だし、時間が11時を回っていたたのでどうかと思っていたが、それから30,40分して本当に男が現れた。惚れた女の力は強いんだな。
名刺交換したら男は精密機器メーカーのエンジニアで、色白で眼鏡を掛けていかにもそれらしい外見だった。
「あんた、IZUMIとやったんだって?」
「はい」
「結婚する気はあるんか?」
「そうしたいと思っています」
「じゃ、飲もう」
「私、酒は飲めないんです」
「何言ってんだ、とにかく飲め!」
と無理に勧めたら、男は2,3杯で酔いつぶれ、カウンターに突っ伏して寝てしまった。
IZUMIは隣でニヤニヤ笑っていたが、
「こいつ、目障りだから連れて帰ってくれ」と頼み、タクシー代を渡してIZUMIに男の自宅まで送らせた。
あの二人じゃきっと上手く行かないなと、そう予感した。
スナックのマスターが、「どうなるかと思っていたら何も起きなかったね」と言うから、「ゴッツイのが現れたらどうしようかと思っていたよ」と答えた。
マスターは昔の新宿のことをよく知っていて、オレとウマが合ったのでこの店にはよく通うようになっていた。
くだんの男から後日、これからも色々相談に乗って欲しいとのメールがきたが、「断わる」と返信した。
(続く)

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