被侵略国への殺傷能力のある兵器の輸出には反対だ
自民・公明の与党は、このほど被侵略国への殺傷能力のある兵器の輸出を認めるとの方針を固めたと報じられている。
いま、ウクライナ戦争で欧米各国がそろってウクライナへの武器支援を行っているが、かなり特殊なケースと言えよう。
例えば、今回のウクライナ戦争によく似た侵略戦争が、第二次世界大戦の開戦直後に当時のソ連によって引き起こされている。
ドイツへの進軍を企図したソ連が、フィンランド占領すべく同国へ一方的に侵入した。
ソ連とフィンランドとは国力も戦力も大人と子供ほどの差があり、勝敗は目に見えていた。
フィンランドとしては欧州各国からの支援を期待したが、結果はどの国も支援をしなかった。欧州の各国は対ドイツへの防衛に力を注がれ、他国への支援どころではなかったからだ。
ソ連からフィンランドへ侵入するルートが限られていて、道幅もあまり広くなかった点に注目したフィンランドは、進入路の道に穴を掘り兵士を潜めさせて、近づいたソ連の戦車のキャタピラの下に爆弾を投げ付けて動くけなくした。投げた兵士も即死するという過酷な作戦だったが、動けなくなったソ連の戦車隊をフィンランドはサイドから攻撃を加え、侵入を阻止した。
この戦いは何年も続き、フィンランドは一部の領土を割譲したが、第二次世界大戦を通じて欧州で一度も占領されたことがない数少ない国となった。
今度はソ連への侵攻を図ったドイツがフィンランドに攻めこんだが、これも撃退し、ユダヤ人をドイツに引き渡すことを阻止した.
フィンランドは大きな犠牲を払ったが、独力で戦ったためにフィンランドの戦後の中立政策が実現できたとも言える。
だから、被侵略国への殺傷能力のある兵器の輸出の方針など軽々に決めるべきでない。
アメリカが起こしたアフガニスタン戦争やイラク戦争では、日本はどっちの国に武器支援することになるのだろう。
被侵略国のアフガニスタンやイラクへの武器供与をするつもりだろうか。
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