中国の海産物禁輸政策には静観するしかなかろう
福島原発からの処理水の海洋放出が始まり、中国政府は日本産海産物の全面輸入禁止という措置をとった。
これに対して日本政府は、科学的根拠に基づき禁輸を解除するよう説得するとの対応を示している。
ただ、今の中国の主張は元々科学に基づいたものではない。処理水に含まれるトリチウムなのか、あるいはALPSで完全に除去できない放射性物質が問題なのかさえ、明確にしていない。ただただ原発の汚染水を海へ垂れ流しているのが許せないと主張しているのみ。
国民の多くは今のところ政府の主張を鵜呑みにしているようだし、果ては日本の各施設に「日本人は馬鹿か」という嫌がらせ電話をかけて来ている。
ここまで来ると、もはや宗教的信念に達したと言っても良く、科学は立ち向かえない。
日本の漁業者にはなんらかの補償を行いながら、中国の興奮状態にはしばらくは静観するしかない。
いずれ時間が解決してくれるだろう。
【追記1】
言論の一部に処理水放出を諾とする者を「愛国」、否とする者を「反日」とする主張がなされているが、こうした無意味なレッテル貼りはやめようではないか。
この件は、科学的検証という共通の土台で議論すべきだ。
【追記2】
日本産海産物の輸入禁止について、たとえば中華人民共和国海関総署の2023年公告103号によれば、日本を原産地とする水産物の全面的な禁止は「暫停(暫定停止)」、つまり一時的と表現されているようだ。
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