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2023/08/05

落語『永代橋』

落語のネタに『永代橋』というのがある。
圓生や彦六の正蔵の録音があるが、私もナマの高座で聞いたことがなく珍しいネタに属するだろう。
このネタを紹介しようと思ったのは次の理由による。
①文化4年(1807年)8月19日、深川八幡の祭りの日に永代橋が群衆の重みで落下し多数の犠牲者を出した実際の事件がテーマになっている珍しいネタであること。
②勤務先の関係で数年間は、毎日バスで永代橋を往復していたこと。
③舞台となった深川八幡の周辺は飲み屋街で、夜な夜なこの辺りを飲み歩いた思い出の街であること。

【あらすじ】
深川八幡祭りは、赤坂日枝神社の山王祭り、神田明神の神田祭りとともに「江戸三大祭り」の一つ。8月15日を中心に例祭が行われるが、文化4年は天候の関係で8月19日に日延べとなっていた。この日、一ツ橋公が船で永代橋下を通るということで午前11時頃までは橋は通行止めになり、橋の周辺は群衆で溢れかえっていた。通行が解除されると群衆は一斉に橋の上に殺到し、その重みで足下駄が折れ大勢の群衆が川に落下していく大惨事となった。
遺体が引き上げられ身元が判明したものは各町内の大家に通知が届き、大家は遺体の引き取りの責任を負う。
神田たて大工町の大家・太兵衛の元に役人から、支配下の武兵衛が水死したのでと、遺体の引き取りを命じられる。現場に向かおうとしていたら当の武兵衛が歩いてきた。それなら本人に引き取らせれば間違いないと、大家は武兵衛を伴って遺体安置所に行く。
遺体を確認すると武兵衛はこれは俺じゃないと言い出し、大家と喧嘩となる。
事情を聞いた役人が、遺体が身に着けていた武兵衛の名札の入った紙入れを示すと、武兵衛は自分のもので、祭りに行く途中で掏られたもので、そのため永代橋に行かなかったと説明し、役人も納得する。遺体はスリだったのだ。
収まらないのは大家から死人扱いされた武兵衛で、大家を訴えると息巻くが、役人が、
「大家は太兵衛で、お前は武兵衛、太兵衛に武兵衛(多勢に無勢)でかなわない」
でサゲ。

全体の構図は『粗忽長屋』に似ているが、サゲがイマイチのせいで高座にかかる機会が少ないのだろう。
ドキュメンタリーを織り込んだ珍品ではある。

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