だからイスラエルは嫌われる
「AERAdot.」に国立ヘブライ大学教授のDanny Orbach(以下DOと略す)という人が、「なぜユダヤ人は不人気なのか」という記事を寄稿している。
中身を見るとタイトルとは異なり、日本がイスラエルに冷たいという趣旨になっている。ユダヤ人=迫害というイメージから、敢えてこうしたタイトルにしたものと思われる。
DO氏の主張は、今回のハマスによるイスラエルへの殺戮行為に対して、イスラエルが報復攻撃を企図していることに、バイデン大統領は明確な連帯を表明し、他の敵が第二戦線を開くのを阻止するために米海軍機動部隊を派遣した。英国、フランス、イタリア、ドイツ、インドもイスラエルに味方している。
それに対して日本政府は、ハマスの大量虐殺行為に対する非難と、民間人を殺害したイスラエルの対応に対する同様の「懸念」との「バランス」をとっているというのだ。
この断定もやや乱暴で、米国の場合国内に750万人のユダヤ人がいて、上流階級の人が多いため政治への発言力が大きい。政府としてはイスラエル支持だが、米国民全体がそうなっているわけではない。それは他の西欧諸国も同様と考えられる。国内にはパレスチナ支持の人も少なくない。
日本には「判官贔屓」という言葉があり、これは不遇な人や弱い者に同情し、味方になることのたとえだ。ハマスへの非難と同時に、気の毒なパレスチナへの同情心があるから、バランスが生まれる。
他にも、日本のエネルギー政策から中東諸国とは友好的に接したいという事情もある。
DO氏の主張もそうだが、イスラエルには反省という概念がないのだろうか。
他人様(ひとさま)が住んでいた土地にいきなり入ってきて、ここは元々我らの土地だと宣言して国を創り、先住民を力で追い払い国土を拡げてきた。これが正当化されるなら、ロシアのウクライナ侵攻だって許されることになる。
イスラエルには「反省」や「惻隠の情」という概念がないのだろうか。
« イスラエルという国の怖さ | トップページ | 阪神タイガース日本シリーズへ »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 海外は右翼、国内は保守のダブスタ(2024.08.25)
- 日本のウクライナ支援は立ち止まってみてはどうか(2024.08.14)
- Terrorism by Israel and NATO(2024.08.11)
- イスラエルによるテロとNATO(2024.08.11)
- 株の乱高下で右往左往(2024.08.07)
コメント