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2023/12/20

嫌いな歌謡曲

好きな曲については以前に書いたが、嫌いな曲もある。
ここでは有名な曲を4曲とりあげる。
①二葉百合子「岸壁の母」(オリジナルの菊池章子歌唱はOK)
②島倉千代子「東京だョおっ母さん」
③森進一「おふくろさん」
④美空ひばり「柔」
4曲に共通しているのは「押し付けがましい」だ。
①の「岸壁の母」はとても良い曲だ。
戦後、主に当時のソ連に抑留されて、いつ日本に帰国できるか分からない息子を日々待ちわびる母親の姿を描いたもので、菊池章子が歌って大ヒットした。菊池章子はこの曲を何度も泣きながらレコーディングしたと言う。
そうした名曲を二葉百合子は過剰なお涙頂戴なクサイ歌唱で台無にしている。こういう曲だからこそ、抑制的に歌わねばならない。
②から④に共通しているのは「押し付けがましさ」だ。
これらは歌唱の問題ではなく、曲自身が嫌いだ。
「東京だョおっ母さん」は、戦前ヒットした「九段の母」の焼き直しといって良い。歌詞も曲も古臭い。
「おふくろさん」「柔」は、教訓臭が強すぎる。歌で説教されたくないね。
②③は母子の情愛を歌ったものだが、心に響かない。
これが山口百恵「秋桜」だと、何度聴いても涙が出てくる。
私は母親との折り合いが悪く、結婚で家を出るときに母から「お前のただ一つの親孝行だ」と言われた。
私は私で解放感に浸った。
そういう経験が「秋桜」の涙として反作用を生んでいるのかも知れない。
歌を聴くときも、自分の人生が反映されるのだ。

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コメント

ご自身の経験が歌の好悪に反映されているんですね。
たしかに「押しつけがましい」のはイヤです。
>過剰なお涙頂戴
>抑制的に
「芝浜」でも言えるのではないでしょうか?

福さん
「芝浜」は3代目三木助が最高というのも、理由はそれです。

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