林家正楽の訃報
落語フアンならこの人の名前を知らぬ人はいないだろう。
紙切り芸の第一人者である林家正楽(3代目)が、1月21日亡くなった。76歳だった。
直前まで寄席に出ていたそうで、とても残念な気持ちだ。
紙切りという芸は、当日客席からのリクエストがあればその場で紙を切り抜いてゆく芸で、事前の準備ができない難しい芸だ。
客層は子どもから老人まで幅広く、テーマも具体的なことから抽象的なものまで(例えばその年の芥川賞の作品というリクエストもあった)あるので、膨大な情報を頭に入れる必要がある。
同時に紙を切ってる間を客が退屈しないようにせねばならない。
正楽の場合は前後に体を揺らせながらトークを入れていた。このトークも楽しみの一つだった。
寄席ではトリの前に出る「ひざ代わり」の出番が多く、トリの口演時間の関係で数分ということもあれば十数分も時間を繋ぐこともある難しい役目だ。
あの芸をもう一度見たいと願うファンも多いだろう。
ご冥福を祈る。
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正楽は大好きな芸人でした、とても残念です。
某年、冬の池袋。
「火焔太鼓」というリクエストのとき、下座さんが「一丁入り」を流してくれたのは粋。
この日は他に下記のような次第。
文左衛門 千早振る(変わりバージョン) 喜多八 粗忽の釘 笑組 漫才
小袁治 不明。2人の恐妻家がなんとか先生のところに相談しに行くが、その先生も実は恐妻家だった、という話。
菊之丞 元犬 左龍 引越しの夢 トリの喬太郎 一日署長(新作)
投稿: 福 | 2024/01/29 06:31
福さん
紙切りの時、お囃子がテーマに沿って即興で演奏する技術にはいつも感心させられました。
投稿: home-9 | 2024/01/29 16:05