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2024/06/28

AIゆりこで「待てばカイロの日和あり」

都知事に立候補を予定している小池百合子、公務で忙しいからと本人に成り代わって「AIゆりこ」に過去の実績や政策を語らせている。
小池は、今は旗色が悪いとみて自民党隠しで選挙戦に臨んでいるが、元々が自民党の議員だったし(森派)、いずれ国会議員になって総理の座を狙っているのだから、その場合ももちろん自民党だ。
現職の強みに加えて自民、公明両党からの実質的な支援を受け、さらに労組の「連合」までが支持するとあれば鬼に金棒、もう本人は当選を確信しているのだろう。
「金持ち喧嘩せず」で、AIゆりこでお茶を濁しておけばいい。
他の候補はなめられたもんだ。
学歴詐称(事実なら公選法違反だが)など何のその。小池にしてみれば
「待てばカイロの日和あり」。
虚飾にまぎれた人間を、こう易々と都知事に再選させるのは甚だ面白くない。
そう考える都民が他にいないもんだろうか。

2024/06/26

落語『文違い』の魅力

江戸時代に四宿、つまり日光・奥州街道の千住、中山道の板橋、甲州・青梅街道の内藤新宿、東海道の品川の四つの宿場をいう。
それぞれの宿場は岡場所にもなっていて、特に品川は繁盛していたようだ。
落語の廓噺の舞台は圧倒的に吉原が多いが、四宿を舞台にしたものもあり、落語『文違い』の舞台は内藤新宿だ。
『文違い』は好きなネタの一つで、登場人物の性格や人間関係がまるで心理劇を見ているような気分にさせられる。
普段の寄席では高座にかかる機会が少ないので、以下にあらすじを紹介する。

内藤新宿の遊郭の女郎のお杉は、間夫(本命)の芳次郎から目の治療費20円を用立てるよう頼まれる。
馴染みの客で我こそはお杉の間夫を自認する半七に、金をせびる父親との縁切り金として20円を無心するが、半七は半額の10円しか集められなかった。
困ったお杉は、別の馴染み客である田舎者の角蔵に、母親が病気で治すためには高価な唐人参を食べさせなけれならないと言って、角蔵が仲間から預かった15円を強引にふんだくる。
お杉は半七のいる部屋に戻ると、金を出すのを渋る半七から5円ださせ、20円というまとまったを持って1階の密会の小部屋に待っていた芳次郎に渡す。
お杉は芳次郎に、今晩泊まってくれと頼むが、芳次郎はこのままでは失明するが、シンジュという20円もする薬を塗れば良くなるし、一刻を争うので今直ぐに医者の治療をうけねばならないと言って、お杉を振り切って杖をつきながら表に出る。
てっきり治療に向かうと思われた芳次郎だが、杖を捨て近くに待機させていた人力車の乗って去る。
この様子を不審の目で見たお杉が、忘れ物を取りに二人の密会の場所に戻ると、そこに置き忘れた芳次郎宛の女からの手紙。
開けてみると、女が身請けの話を断るために20円が必要だと芳次郎への金の無心。眼病だと偽ってお杉から20円騙し取るという手口まで書かれていた。
ここでようやく、お杉が芳次郎に騙されたことに気づき、怒りに震えながら元の自分の部屋に戻る。
一方、半七はお杉の抽斗の中から、芳次郎からの手紙を見つける。
そこには、芳次郎が「眼病を治すために20円が必要で、半七という客から父親との縁切り金として・・・」とあり、騙されたと知った半七もかんかんだ。
鉢合わせした二人は掴み合いの大げんかを始めた。
この騒ぎを部屋で聞いていた角蔵は若い衆に、「早く行って止めてやれ。『15円やったのは色でも欲でもごぜえません』ちゅうてな」
「あ、ちょっくら待て、そう言ったら、おらがお杉の色男だちゅうことが知れやしねえかな」
でサゲ。

この噺の要点は、「間夫は勤めの憂さ晴らし」という言葉にある通り、通ってくる客はみな我こそが間夫だと見栄をはっている。
そこを女郎のお杉はつけ込んでまんまと大金をせしめるが、実はお杉自身が間夫から騙されていたというストーリー。
この噺のもう一つ面白いのは、払う方が相手に謝りながら金を受け取らせるという点だ。
騙す方が相手の弱点につけこみ、脅しをかけながら金を絞り取るのだ。
お杉→半七 夫婦になるのに邪魔な父親との縁切り
お杉→角蔵 夫婦になるのに母親が重病だから治療費が要る
芳次郎→お杉 既に夫婦気取りの間柄で、相手が盲人になったら大変だ
この様に相手の事情に合わせて騙すテクニックは、今の詐欺にも見られもので、この噺が現代でも受け入れられているのは、その為だろう。
しかも、上手く騙して金をせしめたと思われた芳次郎が、実は貢いでいる相手がいたという、どんでん返しが気が効いている。
各登場人物の性格付けや人間関係が明確なのも魅力だ。
知る限りでは、古今亭志ん朝の高座が光る。

2024/06/24

私たちは沖縄には「借り」がある

6月23日は沖縄慰霊の日で、沖縄戦が終結した日を記念した日だ。
戦後、日本は1955年に講和条約を結び独立を果たしたが、沖縄は除外され引き続き米軍統治下に置かれた。
沖縄の施政権が返還されたのは1972年になってからだ。
その間、日本本土では米軍基地反対運動が全国に広がり、米軍統治下に沖縄に移転されて、今では米軍専用基地の実に70%が沖縄に集中してしまった。その広さは東京23区のおよそ半分にもなるという。
1945年の沖縄戦は凄惨を極め、日本側の死者は188千人で、うち民間人が94千人だ。
これは当時の沖縄の人口の4分の1にあたり、つまり4人に一人の犠牲者を出したことになる。
沖縄戦は日本軍部が唱えていたいわゆる本土決戦の前哨戦として戦われたもので、アメリカ側の死者は20千人でこの数は第一次世界大戦以後のアメリカ軍の損失で3番目の多さだった。
米軍司令官の戦死も第二次世界大戦ではこの沖縄戦だけで起きている。
アメリカ政府はこの結果に大きな衝撃を受け、のちの日本本土侵攻作戦の方針決定に大きな影響を及ぼした。
沖縄では民間の犠牲者があまりに多く、軍隊は国民を守らなかったと言える。
①本土決戦の前哨戦としての沖縄戦での多大な犠牲者
②日本が独立したのに沖縄は置いてけぼりにしてしまった
③米軍基地の多くが沖縄に集中している
だから、私たちは沖縄に「借り」があるのだ。
微力なら、かつては沖縄返還を求める集会やデモに何回か参加した。
また、郊外の景信山山頂で、元旦の日の出にあわせて毎年行われていた沖縄返還を求める「あかつきの大合唱」にも参加した。
いま一部の日本人の中で沖縄の基地返還運動や、辺野古基地の反対運動を揶揄するような者がいるが、私にはその神経が分からない。

2024/06/23

「悪目立ち」の時代

現在行わている東京都知事選立候補者のカオスを見ていると、「悪目立ち」という言葉が浮かぶ。
「露悪=欠点や悪いところをわざとさらけ出すこと」と言い換えても良いかな。
いつの間にか選挙に出ることが金儲けになる、そんな時代になってしまった。
なかには掲示板そのものを金にする団体まで現れた。
供託金さえ払えば、公共の掲示板や公共放送で自分の名前と顔が売り込める。あるいは選挙運動の様子や主張、相手陣営への妨害行為をネットにアップできる。
SNSやyoutubeでこの映像や画像を公開すれば売名にもなるし、アクセスする人が多ければ収入になる。
悪名は無名に勝るとばかり話題になることが目的となり、そのためには世間から叩かれようと非難されようと一切意に介さない。
裸の女性のポスターを掲示した候補者がいて、都の迷惑防止条例に抵触するということで撤去になったが、これで候補者もモデルになった女性も元が取れるのだ。この候補者は過去にも騒動を起こしており、確信犯だ。
首長選挙にも拘わらず、自党の公認候補を多数立候補させるという論外な政党があるが、批判に党首は居直っている。
今は「欠点や悪いところをわざとさらけ出すこと」が、むしろ恰好の宣伝材料になっている。
こうした行為は、民主主義の根幹というべき選挙制度を揺るがすものだ。
ただ、彼らを非難する前に、私たちの民度が問われている。
彼らの行為を面白がり、ネットでの画像や映像を視聴することで、彼らの目的を手助けしてはいまいか。
公選法の改正の議論も必要だが、要は有権者の良識が肝要だ。
もっとも、経歴(学歴)詐称の疑いが濃い人物を都知事にし、今また再選になりそうな気配で、これはこれで大きな問題ではあるが。

2024/06/20

好きな民謡7選とその歌詞

民謡が好きで、かつては町田佳聲(まちだかしょう)のラジオ番組「民謡を訪ねて」を毎週欠かさず聴いていた。
町田佳聲は全国を歩いて各地の民謡を採取し、それを五線譜に乗せるという作業を行い、民謡を広めた功労者だ。
同時に新民謡を手掛け、『チャッキリ節』などを作曲した。
民謡も全国化するにはスターが必要で、津軽民謡を広めたのは成田雲竹の功績だ。
『津軽山唄』は、木々の間を通る風の音の様に唄うのだそうだ。
相馬地方の民謡を全国に広めたのは鈴木正夫の美声だ。
映画『警察日記』では、会津地方の民謡が全編にわたって流れていた。
特に好きな民謡を下記に示すが、『新相馬節』と『最上川舟唄』は、伝統的なものではなく新しく作られた作品。
民謡の歌詞はそれぞれの地方の特長を読み込んだものが多いが、『相川音頭』と『稗つき節』は、共に源平合戦を題材にしている。

『津軽山唄(青森県)』
♪ヤーエデャー 
 十五や 十五や七がヤエ 
 十五になるから 山 山登りヤエ
 山を登るに 笛 笛吹けばヤエ 
 峰の小松が 皆 皆靡くヤエ

『さんさ時雨(宮城県)』
♪さんさ時雨か 萱野の雨か
 音もせできて 濡れかかる
 ショウガイナ

『南部牛追唄(岩手県)』
♪田舎なれども
 南部の国はヨー
 西も東も
 サーアーエ
 金(かね)の山
 コーラサンサエー

『最上川舟唄(山形県)』
♪ヨーエ サノ マッガショ エンヤ コラマーガセ 
 エエヤ エーエヤ エーエエーエヤ エード 
 ヨーエ サノ マッガショ エンヤコラマーガセー                                                        
 酒田(さがだ)さ行(え)ぐさげ達者(まめ)でろちゃ
 ヨイトコラサノセー
 流行風邪(はやりかぜ)などひかねよに

『新相馬節(福島県)』
♪ハアー 
 はるか彼方は相馬の空かよ 
 ナンダコラヨト
 相馬恋しや懐かしや
 ナンダコラヨト

『相川音頭(新潟県)』
♪ハイハイハイ
 どっと笑うて 立つ浪風に
 ハイハイハイ
 荒き折節 義経公は
 ハイハイハイ
 如何にしつらん 弓取り落とし
 ハイハイハイ
 然も引き潮 矢よりも早く

『稗つき節(宮崎県)』
♪庭の山椒(さんしゅう)の木 
 鳴る鈴かけて
 ヨーホイ 
 鈴の鳴る時ゃ 
 出ておじゃれヨー

2024/06/17

ミュージシャンに愛された「八代目三笑亭可楽」

柳家小三治が、最も好きな落語家として名前をあげたのは八代目三笑亭可楽だ。
ある落語会で顔を合わせた時に、あまり好き過ぎて声も掛けられなかったとマクラで語っている。
二人の芸風は似てないが、客に阿るところが無いのが共通点と言えるか。
古い記憶だが、可楽の高座というのは顎を引いてやや上目つかいで、低い声でボソボソと喋っていた。
ネタが決まれば、マクラからサゲまで全く同じに演じていた。ブレない。
当時の寄席で、明るい酔っ払いは柳好(三代目)、暗い酔っ払いは可楽と言われていた。
確かに十八番の『らくだ』にしても『味噌蔵』にしても、登場人物は心から楽しく酔ってるわけではない。
特に『らくだ』の屑やが、それまで従順に酒を飲んでいたのが、「ふざけんねえ、ふざけんねえ」のセリフを機に、怒りを爆発させる演出は見事だ。
ミュージシャン、それもジャズ演奏者に可楽フアンが多かったことでも知られる。ジャズと可楽の語りにはどこか親和性があったのだろうか。
フランク永井も可楽フアンを公言していた。
不遇で下積みが長く、晩年人気が出た矢先に病死してしまったのが残念だ。

2024/06/16

又も負けたかタイガース

阪神タイガースは6月16日のソフトバンク戦に敗れて、セ・リーグ順位で第4位、遂にBクラスに転落した。
交流戦ではパ・リーグ全球団に負け越しが決まり、成績も12球団中11位となった。
戦時中に「又も負けたか8連隊」と言われていたそうだが、その伝でいけば「又も負けたかタイガース」だ。
最大の原因は極度の打撃不振で、交流戦16試合で32得点しかあげられず、文字通りの「2点打線」なのだ。
投手陣はそこそこ踏ん張っているが、相手チームを1点以下に抑えないと勝てないというのは余りに厳しい。
リーグ戦が始まる前に岡田監督は、連覇するためには去年のままでは戦えず、新しい戦力が必要だと語っていた。
処が、現状では「昨季の戦力ー主力選手の不振+新戦力0」であり、今のままでは連覇は困難だ。
なにしろ、一時期は大山、佐藤輝、ノイジーといった昨季のクリーンナップを打っていた選手が揃って二軍行きだ。
先ずは主力選手が力を取り戻すことが必須。
キャンプで話題になった選手たちも何人かいたが、現状では前川が何とか一軍の戦力になりかけている程度で、他の選手は2軍にくすぶっている。この中から一人でも二人でも頭角を現す選手の出現に期待したい。
投手では、夏場から後半戦にかけての山場に、青柳、岩貞、湯浅、高橋らの復調がなるか、その辺りが鍵を握っている。
リーグ連覇をあきらめず、最後までもがいて欲しい。

2024/06/13

我が青春の愛読書(下)

高校生になった頃というのは誰もがそうだと思うが、人生の生き方に悩む時期だ。
読書も、その答えのヒントとなる様な書籍に向かう様になる。
高一になって、最初に大河小説それも戦争に関係した作品を選んだ。
・トルストイ「戦争と平和」
・ショーロホフ「静かなドン」
・マルタン・デュ・ガール 「チボー家の人々」
この中で最も心に響いたのは「チボー家の人々」で、主人公の一人であるジャックの真っ直ぐな生き方に魅かれ、自分もそういう人生を歩もうと決意した。
・オストロフスキー「鋼鉄はいかに鍛えられたか」
その「青さ」が、その後の人生に良い面があった反面、周囲の人との摩擦を生むことになる。
推理小説を読み始めたが、松本清張のいわゆる社会派推理小説から、次第にノンフィクション作品に興味が移る。
・松本清張「昭和史発掘」「日本の黒い霧」
黒い霧シリーズでは、米国占領下の日本が置かれていた状況がよく分かった。
哲学や社会論に関する書籍にも目が向くようになる。
・石母田正「歴史と民族の発見」
マルクスの盟友にして、労働運動家でありながら経営者でもあったエンゲルスの著作に興味を持った。
・エンゲルス「空想より科学へ」「家族・私有財産・国家の起源」「フォイエルバッハ論」
その一方で
・菊池寛
・山本周五郎
の時代小説を読み漁った。

2024/06/10

死語事典

戦後に日常的に使われていたが、現在では死語となっている言葉を集めてみた。
【パンパンとオンリー】
パンパンとは、不特定多数の米兵相手の娼婦をさす。派手なワンピースとハイヒール姿で街を闊歩していたので直ぐに分かった。
戦災で親や親族を失った女性が、生きてゆくために身を落としたケースもあった。
オンリーとは、特定の米兵を相手にしていた娼婦で、実際は妾(めかけ)や二号、あるいは愛人と言った方が実態に近い。
某有名女優が、戦後しばらくは米軍将校のオンリーだったのは世に知られている。
【モク拾い】
モクとは煙草のことで、モク拾いとは、道端に捨てられていた煙草の吸殻を拾う行為、又は拾う人をさす。
集めた吸殻はほぐして紙煙草として再生する。紙の上に吸殻を並べて紙煙草に成形する簡単な道具があった。
再生した煙草は自分で使うか、他人に売るかしていた。
【にこよん】
政府や地方自治体が失業対策として、失業者に軽作業を行わせ賃金を払っていた。
賃金が日給で240円と決まっていたので、にこよんと呼ばれていた。
にこよんをテーマにした鶴田六郎「天下の為さん」がヒットし、紅白歌合戦にも出場した。
【犬殺し】
狂犬病を予防するため野犬を狩った。狩られた犬は保健所で薬殺されていたのでこの名がついた。
公共事業で行っていたのに、担当者はこんな侮辱的な言葉で呼ばれて気の毒だった。
【傷痍軍人】
広くは戦争で負傷した元軍人をさすが、生活の為に街頭で募金活動をしていた人を傷痍軍人と呼んでいた。
腕や足を失った人や失明した人たちが、だいたい二人一組で白衣を着て軍隊帽をかぶり、片方がアコーディオンで軍歌を弾いている姿が多かった。
なかには偽物もいたようだが。
【DDT】
DDTとはdichlorodiphenyltrichloroethane(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)の略。
戦後、衛生状態が悪く伝染病やハエ、蚤、虱などが蔓延していたのでDDTが盛んにまかれた。
空中散布や児童の頭にまかれる事があったが、人体に有害であることが分かり現在は使用が禁止されている。
【銀シャリ】
戦後、都市部では食べ物が無く米は憧れだった。
銀シャリとは米だけの飯をさすが、当時は大変な贅沢品だった。
【浮浪児】
戦災によって親を失った子どもをさす。
上野駅の地下道に住んでいる子が多く、子どもたちのホームレスだった。
戦後しばらくして収容施設ができ始め、そちらで生活を送る子が増えた。
NHKラジオドラマの「鐘のなる丘」は、そうした施設を舞台にしていた。

2024/06/09

我が青春の愛読書(上)

中学頃に読んだ小説を思いだすままに列記してみる。
12歳年上の兄の本棚を漁って最初に目に留まったのは次の通り。
・芥川龍之介はほぼ読了 「蜘蛛の糸」「杜子春」「藪の中」「鼻」「地獄変」「侏儒の言葉」「トロッコ」が印象に残る また「歯車」は龍之介が私と同じ症状だったので親近感を覚えた
・志賀直哉の短編 「清兵衛と瓢箪」「正義派」「城崎にて」「菜の花と小娘」が印象に残る 後年「暗夜行路」を執筆した旅館に泊まりに行った
兄が2年間ほど単身赴任していて、週末に家に帰る時に「夏目漱石全集」を1冊ずつ買ってきたので、漱石の小説はほぼ全部読んだことになる 
ただ面白いと思ったのは「坊つちやん」「三四郎」「野分」「こゝろ」で、他は中学生では面白さが理解出来なかった
・親との関係に悩んでいたので ヘッセ「車輪の下に」 ツルゲーネフ「父と子」を読んだ
・小学高学年から中学にかけて ケストナー「飛ぶ教室」 ラーゲルレーヴ「ニルスのふしぎな旅」などの児童文学を夢中で読んだ

最近の若い人はどんな本を読んでいるのだろうか?

2024/06/07

日本はギャンブル天国

2024/6/5付東京新聞に、精神科医で作家の帚木蓬生が、ギャンブル依存症について下記のようにインタビューに答えている。
厚生労働省の2021年の調査によれば、国民の2.2%がギャンブル依存症が疑われている。換算すれば日本全体で196万人に達する。、
周囲に迷惑を蒙る人が5倍ほどいるので、およそ1千万人の人がこの疾患の迷惑を蒙っている。
依存症の本人は妻や子どもの財布から金を盗み、ウソで逃げる。ギャンブルで作った借金はギャンブルで返すという妄想にとらわれる。
帚木が診た患者では1億6千万円の借金を作り、家族が返した。それでも依存症は治らなかったし、かえって酷くなったと言う。
ギャンブルは、身を滅ぼし身内を滅ぼし国をも滅ぼす。
だから国家は法律で禁止してきた。
ところが、今の日本では公営の競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、スポーツ振興くじが認められている。
さらにパチンコ店が全国で9000店もある。
これらの総売り上げは年に20兆円を超えている。
世界有数のカジノを持つマカオの売り上げが3兆円で、日本はカジノをおよそ7か所を有していることになる。
加えて大阪では新しいカジノを作ろうとしている。
しかも各々のギャンブルが別々の組織の管轄になっていて、各組織の利権につながっている。
例えば、警察とパチンコ業界の癒着は有名だ。
日本はギャンブル依存症を亡くすどころか、官庁や地方自治体の利益を優先させ、ギャンブル依存症の人を増大させているキャンブル天国なのだ。
大谷選手の通訳がギャンブルの穴埋めのために大金を横領し問題となっているが、これの小型版は日本全国津々浦々で日々おきている。
政府が本気でギャンブル依存症を無くそうとすれば、先ずは各ギャンブルを統合して総合的に規制する機関を設け、依存症を克服しようとしている活動を支援すべきだ。
ギャンブル依存症の行く末は、家族や周囲に散々迷惑をかけて、最悪は刑務所行きとなることを肝に銘じて置かねばならない。

 

2024/06/05

四代目「紫紺亭志い朝」

四代目紫紺亭志い朝は俳優というよりコメディアンの方が通りが良いか、「三宅裕司」が明治大学落語研究会に所属していた当時の高座名だ。
もちろん古今亭志ん朝の名前からもじったもので、紫紺亭は明大のスクールカラーから、志い朝は「C調」(調子の良いこと、又は人物)から採ったもの。
かつて松竹歌劇団(SKD)に所属していた母親の影響で幼い頃から日本舞踊、三味線、長唄、小唄などを習う。中学時代から落語を始めた。
結局、三宅は進路を落語ではなく喜劇を選び、劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)を旗揚げし、現在に至るまで座長を務めている。
その後、明大落研の後輩から紫紺亭志い朝の高座名は、五代目の立川志の輔、六代目の渡辺正行に引き継がれた。
明大出身の落語家は多く、五街道雲助もその一人だ。入学した翌年に飛び級で卒業したとマクラで語っていた。
もし三宅裕司が落語の道に進んでいたら、今ごろは看板の噺家になっていたかも。

2024/06/03

蓮舫は東京をどうしようとしているのか?

小池百合子都知事の任期満了に伴う東京都知事選挙が6月20日に告示、7月7日に投開票される。
既に何人かが立候補の意思を表明しており、今後は例によって売名を目的(近ごろは金のために立候補する人間も現れている)とした人物が名乗りをあげてくるだろうから、候補者はかなりの数に達するだろう。
その中でも注目されているのは蓮舫の出馬表明だ。現職の参院議員としての実績と知名度の高さが売り物だ。
最終的は小池百合子も立候補する可能性が高く、そうなると実質的に二人の一騎打ちという選挙選になるかも。
小池百合子の虚飾に満ちた人生を考えると、いつまでもこうした人物に都知事を続けさせることは出来ない。
そうなると蓮舫に期待したいのだが、今のところ蓮舫が東京をどうしようとしているのかが見えてこない。
例えば、蓮舫は小池都知事が前回の立候補の際に掲げた重要政策がひとつも実現していないと批判している。
これはその通りだ。
しかし、その小池の掲げた政策に自身は賛成なのか反対なのかが不明だ。
もし政策その物に反対であるなら、実現しなかった事は喜ばしい事態で歓迎すべきだ、となる筈だ。
実現しなかった事を批判するというなら、小池の政策を引き継ぐつもりだろうか。
蓮舫は意気込みが先行し、肝心の政策が明らかでない。
都心の住宅価格が高騰し、普通の人が住めない街になっている。
住居費の高騰は、子どもを産み育てる経済力を削ぎ、結果として少子化が更に進む。
外苑再開発に見られるように、自然がどんどん破壊され、都全体が人造都市になりつつある。
課題は山積している。
蓮舫は応援したいが、政策待ちで今は躊躇している。

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