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2024/08/30

「誹謗」の行き着く先は

米国の心理学者のオルボートによると、偏見は段階的に積み上がってゆくものらしい(東京新聞『筆洗』より引用)。
異なる集団に対する「誹謗」

相手を避ける「回避」

「差別」

暴力などの「身体的攻撃」

ジェノサイドや集団殺戮などの「絶滅」
これはナチスドイツのユダヤ人虐殺に見事に当てはまる。
そして今は、イスラエルによるパレスチナ人虐殺が進行中だ。
イスラエルはガザ地区のパレスチナ人3万人以上殺害し、今度はヨルダン川西岸のパレスチナ人への殺害を行っている。
イスラエルは自衛のためと称しているが、それならどんな理屈でも罷り通ることになる。
イスラエルの国会議員の中には、ガザ地区への核爆弾の使用を口にするものまでいる。
しかし、日本を含む西側諸国はこの問題に揃って腰が引けている。
偏に米国がイスラエルを支持し軍事援助を行っているためだ。
私はかつて旅行でパレスチナを訪れた事があるが、出会った人達は親切で優しかったし、日本の援助に感謝していた。
警官の制服が日本の警察のものを使っていて、それだけでも親しみを感じられた。
パレスチナの絶滅を許さないという国際世論が沸き上がることを期待したい。

ブログを運営している者として、批判はしても誹謗中傷のならぬよう心掛けている。
特に、自分と反対勢力や反対意見に対しては気を付けているつもりでいる。

2024/08/28

タトゥな人々

だいぶ以前の事だが、友人の紹介でタトゥ(入れ墨又は彫り物)の愛好家が集う催しに参加がしたことがあった。
その手の趣味はないが、珍しい集会なので興味があった。
部屋がいくつもに分かれていて、海外からの参加者もいて盛会だったと記憶している。
当たり前だが、私と友人を除けばタトゥがある人たちばかりで、それも全身に施している人が少なくなかった。
男性も女性もシースルーの様な衣装で、着衣の上からたタトゥが見える仕掛けになっている。女性の参加者も多かった。
会場には彫り師も来ていて、記憶では日本一と紹介されていた三代目彫辰と言う人が参加していた。
そのほかにタトゥのデザイナーが参加していて、そういう職業がある事を始めて知った。
せっかくタトゥを彫るなら、独自のデザインの図柄のものにしたいという要求があるのだろう。
デザイナーの顔ぶれを見ると、小説の挿絵でお馴染みの画家の名前が並んでおり、デザインは絵画より挿絵に近い図案が多かったように思う。
友人がその画家の一人と知り合いで、その縁でこの催しに参加したもの。
驚いたのは、全裸で横たわっている全身のタトゥの女性の絵が飾られていたことで、モデルになった本人も参加していたようだ。
この様に、タトゥを施すこと自体も大変だが、その後で絵のモデルになり、更に舞台の上で全裸になりタトゥを披露しなくてはならないらしい(そのための別の催しがあるとのこと)。
デザイナーの人が語っていたが、タトゥを彫る人は三回恥ずかしい思いをしなくてはならないそうだ。
常人には図り難い特殊な趣味の人々だという印象を受けた。

2024/08/25

海外は右翼、国内は保守のダブスタ

ここんとこニュースは米国大統領選挙と自民党総裁選報道で持ち切りだ。
関心はあるが何せいずれも選挙権がないもんで、どうこう仕様もない。
処で、海外の政治家を語る時に右翼や極右が普通に使われているのに、国内の政治家については保守という言葉が使われている。ダブルスタンダードだ。
保守とは国語辞典では次の様に定義されている。
【保守】 旧来の風習・伝統・考え方などを重んじて守っていこうとすること。また、その立場。「—派」⇔革新。
ここで日本の政治を考える時、保守といった場合戦前の体制を対象にするか、戦後の体制を対象にするかで守るべき内容は違ってくる。
保守という定義は曖昧さが避けられない。
政治家個人あるいは政治集団の思想傾向を海外の報道並みに区分するなら、左翼は日本共産党と立憲民主党の一部となり、右翼は自民党の一部となるだろう。
今回の自民党総裁選の予定の顔ぶれからすれば、小林鷹之、高市早苗の二人は右翼政治家と呼んでも差し支えなさそうだ。
ただ、一般に右翼といわれるのを嫌う傾向がある。
理由は次の通り。
①右翼というと、街宣車で軍歌を流す街宣右翼のイメージが強い
②右翼は戦前鬼畜米英を煽っておきながら、戦後はアメリカ万歳になった節操のなさ
③左翼崩れという言葉はあるが右翼崩れはない、それだけバカにされている
欧州の一部では右翼の政権が生まれたり、極右が伸長したりしている。
左翼右翼は相対的な表現だから、呼ばれてもそれほど神経質になる必要はないだろう。

2024/08/23

「落語みすゞ亭」の開催

8月23日付「東京新聞」に「落語みすゞ亭」に関する記事が載っていた。
タイトルの通り、詩人・金子みすゞの作品をテーマにした落語会の様だ。
「金子みすゞ記念館」の館長である矢崎節夫によれば、「どの詩もちゃんとオチがある。みすゞの詩は落語だとずっと言い続けてきた」とのこと。
下記は代表的作品「大漁」。

 朝焼け小焼だ、 大漁だ
 大羽鰮(おおばいわし)の 大漁だ。
 
 浜は祭りの ようだけど、

 海のなかでは 何万の、
 鰮(いわし)のとむらい するだろう。

先ず詩が起承転結になっていることに気づく。そして最後にオチと、噺の形式を整えている。
オチも芝浜のセリフ「おっと、また夢になるといけねえ」を想起させる。
出演者の一人・柳家小満んは、みすゞの全作品512編を小咄にしたそうだ。82歳、まだまだ元気ですね。
当日は落語1席と、矢崎節夫との対談を予定している。
もう一人の出演者・春風亭柳枝は、亡くなった三遊亭圓窓の創作落語「みんなちがって」を口演する。
みすゞ最後の一日をテーマにしたもので、しんみりとした内容だそうだ。
昨年、関係者がこの噺を誰かに引き継いで貰いたいと思っていて、金子みすゞの展覧会に柳枝が訪れたのを機に、話が実現したとのこと。
恐らくネタ下しになるのだろう。
公演は9月28日午後7時より、会場は文京シビックホール・小ホールにて

2024/08/19

桂小すみ「プッチーニが聴いた『越後獅子』」

桂小すみの略歴
音楽科の教員を経て
2003年、落語芸術協会所属の寄席のお囃子となる。
2017年、三代目桂小文治門下に入門
2019年、寄席色物「音曲」に転身
2024年、第74回芸術選奨新人賞受賞
高座名の桂小すみは師匠の玉川スミに由来

長唄の「越後獅子」は、長唄や舞踊に縁がない人も、メロディを聴けばあれがそうかと思う様なポピュラーな曲だ。
落語「うどん屋」で、酔っ払いがうどん屋に絡む場面で、越後獅子の「こん小松の蔭で 松の葉の様にこん細やかに」の歌詞が出てくる。
「百年目」では番頭が花見で酔って、越後獅子の「何たら愚痴なえ 牡丹は持たねど 越後の獅子は」に合わせて踊る。
寄席の音曲では、越後獅子の替え歌として例えば「種尽くし」という曲が唄われている。
落語家の出囃子や上方落語のハメモノにも使われている。
『図書』8月号での音曲師・桂小すみによると、上方唄に「五段返し」という曲があるが、そのメロディは越後獅子に良く似てる。
五段返しが先に作られ、後から越後獅子がそのメロディをとり入れた可能性もあるとのこと。
興味深いのは、プッチーニ「蝶々夫人」に越後獅子が引用されていることで、曲は五段返しに近いそうだ。
邦楽を五線譜にすることは行われておらず、誰かが五線譜に直してプッチーニに渡したことになる。
桂小すみが調べたところ、当時ウイーンに留学していた幸田延(幸田露伴の妹)が越後獅子の曲を五線譜にしたものを、徳川頼貞を通してプッチーニに渡した模様。
当時の世界で、音楽を通して東西が交流していたことになる。

2024/08/18

柳亭こみち「女性落語家増加作戦」

月刊誌『図書』8月号に、柳亭こみち「女性落語家増加作戦」の記事が掲載されている。
柳亭こみちの略歴は以下の通り。
社会人の経験を経て
2003(平成15)年 柳亭燕路に入門 前座名「こみち」
2006(平成18)年11月 二ツ目昇進
2017(平成29)年09月21日 真打昇進
高座名は大師匠小三治の「小」と師匠燕路の「路」を合わせ「こみち」から
漫才師の宮田昇と結婚し現在2児の母
2007年に現在の蝶花楼桃花が前座で出た時に、上手い女流が現れたと思いつつ、だけど「落語家は女に向かない職業」と書いて、本人からコメントを頂いた。
今日、女流落語家の活躍を見た時、いささか忸怩たる思い。
柳亭こみちが記事の中で、落語協会では約300人の噺家がいるが女性は20人と圧倒的少数。
女性が少ない理由として次の点をあげている。
1修行時代が大変
2結婚したら辞めざるを得ない
3落語という芸能が女性向きではない
1は、男女共通なので問題ない。
2は、かつて女性落語家が生まれては消えていったのは、結婚すると辞めていったからだ。こみちが結婚したころは、周囲から疑問の声があったそうだが、今はそんな空気はない。
この辺りは一般社会と同様の傾向だ。
問題は3で、女性が男性の役をどう演じるかだ。
こみちがあげているポイントは、技術と姿・体。
声は、男性演者以上に地声と、登場人物らしい声を意識的に作り出すこと。これは稽古によって訓練するしかない。
高座姿は男性以上に気を使う。着物、髪型、身体の使い方だ。例えば手を動かす際に、女性は指が細いので女性っぽく見えてしまう。
やはり、噺の中に女性が出てくるものの方が演じやすい。そういう演目を選んで演じたい。
落語に出て来る女性パターンは、妻・母、妾、花魁・芸者、幽霊。その他は端役ばかり。
その為に、古典落語を女性が主人公になるよう改変してゆくことを試みている。
例えば「らくだの女」「おきんの試し酒」「そばの清子」などで、「船徳」なら乗客を女性にするとか。
その場合、大事にしなければならないのは、「古典落語の空気」だ。
これからも女性が演じやすい演目、女性がやってこそ説得力がある噺を作っていきたいと、こみちは結んでいる。

2024/08/16

毒婦「高橋お伝」の数奇な運命

高橋お伝、名前をきいたことがある人もいるだろう。落語の「転宅」にも名前が出てきますね。
明治時代に世間では毒婦として知られているが、その人生について月刊誌『選択』の記事で初めて知った。以下はその要約。
生まれは1850年、器量良しで評判で14歳で初婚、直ぐに離縁。
再婚の相手とは相思相愛だったが、夫がハンセン氏病に罹ってっしまう。看病の甲斐もなく病状は悪化、お伝は夫を連れて東京の名医に診てもらうために上京。
東京で偶然に生き別れの姉に出会い、一緒に横浜に移り住む。
だが、姉の情夫の後藤から病に効くといって渡された水薬を夫に飲ませると、死んでしまう。
お伝はその後、生糸や茶葉の先物買いなどのビジネスを行うが借財を作ってしまう。
その頃、後藤と再会したお伝は、夫を毒殺した真相を聞き出し、犯人であることを確信する。
彼女は後藤と争う際に深手を負わせてしまい、後藤はそのまま自害する。
お伝は、「この者は姉の仇であり、よって姉の仇討をした」と書き置きを残して去る。
しかし裁判でお伝の主張は退けられ、金を得るための犯行として死刑、それも斬首の刑に処せられ。
お伝の肖像画が残されているが、美人というより男好きなタイプに思える。
ここまでが高橋お伝の生涯だが、これから先が妙な展開になってゆく。
お伝の遺体は解剖され、医師の興味でその陰部がアルクール漬けにして保存された。
陰部は論文にもなり、陸軍軍医学校に保管される。
ここで興味深いのは、彼女の陰部を保存したり研究論文に仕立てた人物が、揃ってかの731部隊の関係者だったことだ。
昭和28年には、浅草の松屋デパートでお伝の陰部を陳列する催しがあり大盛況だったが、このイベントの主催者も731部隊関係者。
その後のドサクサに紛れ紛失していた標本は、元軍医の右翼・二木秀雄が持っていたが、二木も731部隊のメンバーだった。
二木は731部隊の仲間と共に、日本初の血液バンクを創設、それが「ミドリ十字」になる。
こうして見ると、高橋お伝の毒婦伝説は彼女の生涯そのものより、死後の周囲の思惑によって脚色されていた様だ。

2024/08/14

日本のウクライナ支援は立ち止まってみてはどうか

ロシアのウクライナ侵略は、ウクライナによるロシアへの侵攻という新たな段階に入った。
ウクライナ軍はクルスク州の西部と北西部に進軍したと見られる。
クルスク州のスミルノフ知事代行は、8月12日のプーチン大統領との会議の中で、ウクライナ軍が州内の28の集落を制圧し、これらの集落の住民2000人が行方不明になっていると報告した。
またスミルノフは、クルスク州の国境地帯からは約12万1000人が避難した述べた。民間人12人が殺害されたとも述べている。
隣接するベルゴロド州のビャチェスラフ・グラトコフ知事も、地元当局が国境地帯近くに暮らす住民の避難を開始したと明らかにした。
ウクライナ軍の最高司令官は12日、同軍がロシア領土の1000平方キロを掌握していると述べた。
ゼレンスキー大統領は今回の侵攻は、ロシアに奪われた領土をとり戻すためと述べているが、両国の全面戦争の様相を呈してきたのは否定できない。
日本政府は予てよりウクライナ支援を続けてきたが、ロシア領土への侵攻までも支援すべきかは、一度立ち止まって見る必要があるだろう。
日本はNATOと歩調を合わせてきたが、多くの国が友好国としてEUあるいはNATOに加盟し敵対国はロシアのみという状況に対し、周辺にロシア、中国、北朝鮮といった非友好関係(あるいは敵対)の国に接している日本とは、置かれている状況が全く異なる。
少なくともロシアへの侵攻に加担している国への支援は避けた方が利口だ。
ロシアは、海を挟んでいるとはいえ隣国であり、北方領土問題というデリケートな政治課題を抱えている。
安部元首相が二島返還という悪手を打った結果、領土問題はますます難しい状況に置かれている。
敢えてロシアを刺激するのは得策とは思えない。

2024/08/12

採点競技ってスポーツと言えるのか?

パリオリンピックが終了したが、特に陸上女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花選手の活躍が印象に残る。フィールド競技では女性初の金メダルだ。
この人を見てると心がなごむんだよね。

北口は、やり投げの先進国であるチェコに渡り修業をしてきた。
彼女のチェコ語は、会見で受け答えできるほど流暢のようで、頭も良いのだろう。
チェコの人々も彼女の活躍を自国の選手のように讃えていたそうだ。
女子マラソンでは、シファン・ハッサン(オランダ)が五輪新記録となる2時間22分55秒で金メダルを獲得した。
とりわけ、銀メダルとなったティグスト・アセファ(エチオピア)との最後ゴール前のデッドヒートは見ごたえがあった。
こういう白黒がはっきりする競技は見ていて気持ちがいい。
オリンピックに限らずスポーツというのは、早く走る、高く、あるいは長く飛ぶ、遠くへ投げる、相手を倒すといった、誰が見ても客観的に勝負がつくのが本来のあり方だと思う。
球技なら獲得点数が多い方が勝つから分かり易い。
それに対して採点競技というのは、スポーツとしてどうなんだろうか。
選手に演技をやらせておいて、誰かがそれを採点し優劣を決めるというのは、純粋なスポーツと言えるのか。
また無意味の競技が多い。例えば柔道の混合団体戦なんて、どんな意味があるのだろうか。
大会運営員は、ジェンダーと男女混合をゴッチャにしてる。
それと、軽業はスポーツとは言えないと思うのだが、どうだろうか。

2024/08/11

Terrorism by Israel and NATO

The failure of the City of Nagasaki to invite Israel on Nagasaki Atomic Bomb Day, August 9, has caused a stir in japan, the United States, and other major NATO countries, which have absent their ambassadors.
The NATO side protested that Nagasaki City did not invite Israel along with Russia and Belarus.
NATO claims that Israel's attack on Palestine was in defense of terrorism by Hamas, and is different from Russia's aggression in Ukraine.
So what about Israel's acts of terrorism?
On July 31, Hamas supreme leader Ismail Haniya was assassinated in Tehran.
On July 3, Hezbollah commander Muhammad Nahma Nasser was assassinated in southern Lebanon.
Although no official announcement has been made, all of these assassinations are believed to have been carried out by Israel.
Furthermore, in the case of Ismail Haniyah's assassination, the perpetrator entered another country and committed the crime, making it a complete terrorist attack.
In addition, Ismail Haniyah was the target of a cease-fire agreement between Israel and Hamas, so Israel is to be blamed in a double sense.
Above all, what is NATO's response to the reality that Israeli attacks have killed many civilians in Gaza, with some 40,000 deaths?
At the very earliest stage, Israel's attacks are completely beyond the scope of defense.
After all, for NATO, Europe and the United States are at the center.
Recently, the Japanese government has been trying to deepen relations with NATO from a security perspective, but it is highly doubtful that NATO will live up to its expectations.

Translated with DeepL.com (free version)

イスラエルによるテロとNATO

8月9日の長崎原爆の日に、長崎市がイスラエルを招待しなかった事で、欧米などNATO主要国が大使を欠席させたことが波紋を呼んでいる。
長崎市がロシアやベラルーシと並んでイスラエルを招待しなかった事にに対して、NATO側が反発したのだ。
NATO側の主張は、イスラエルのパレスチナへの攻撃はハマスによるテロへの防衛として行ったものであり、ロシアのウクライナへの侵略とは異なるというもの。
ではイスラエルによるテロ行為に対してはどうなんだろうか?
・7月31日、ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤがテヘランで暗殺された
・7月3日、レバノン南部でヒズボラのムハンマド・ナーマ・ナセル指揮官が暗殺された
これらは公式発表こそしていないが、いずれもイスラエルによる犯行と見られる。
しかも、イスマイル・ハニヤ暗殺のケースでは、他国へ侵入して犯行を行ったものであり完全なテロである。
また、イスマイル・ハニヤはイスラエルとハマスの戦闘について休戦協議を行っていた相手であり、二重の意味でイスラエルは非難されるべきだ。
そして何より、イスラエルによる攻撃でガザでは多くの民間人が犠牲になり、約4万人もの死者が出ているという現実をNATOはどう受け止めているのだろうか?
最早、イスラエルの攻撃は防衛という範疇を完全に超えている。
やはり、NATOにとっては欧米が中心なのだ。
最近、日本政府は安全保障の観点からNATOとの関係を深めようとしているが、NATOがその期待に応えるかどうかは大いに疑問だ。

2024/08/09

遺言の届け出

先日、遺言の届け出に公証役場に初めて出向いた。東京法務局の組織で各地方ごとに公証役場という役所がある。
ここでは様々な登記や届け出を扱っているが、遺言もその一つで、今回「自筆証書遺言書保管制度」に基づき届け出を行ったもの。
もう80代になったから何があってもおかしくない。
いま住んでいるマンションの部屋以外に大した資産がないのだが、残された家族、特に妻に面倒がかからぬようにと思ったからだ。
先ずは本人名義の預金などが、死後に口座が封鎖される恐れがあるが、正式な自筆証書遺言書があれば直ぐに解除されるそうだ。
それと私の死後に家族間がもめないように、家族の同意を得て遺言にして置いた方が後顧の憂いもなくなる。
・遺言として定められた書式の作成
・そのために必要な資料の準備(これが結構手間だった)
そうした書類を作成するために行政書士に依頼し、以後はそのアドバイスに従って遺言を作成した。
当日は、役場の職員、当方、行政書士、立会人がテーブルを囲み、
・印鑑証明書で本人確認(ここは他の役所と異なる)
・予め提出していた遺言を役場でタイプアップしたものを確認
・最終的に書類に本人が署名捺印して提出
・遺言は法務局で保管し、原本と謄本は本人に渡される
を確認。
デジタル化した書類は法務局で保管するので、災害その他に遭っても書類は残る。
そういった分けで無事終了したが、遺言の届け出が終わると何となく思い残す事が無くなったような気分にはなる。
ガックリ来ないよう気をつけよう。

【訂正】一部「遺言」が遺書となっていましたので訂正します

2024/08/07

株の乱高下で右往左往

先週から今週初めにかけて、日本の日経平均株価が史上2番目の下げという暴落に見舞われたが、翌日には史上最高の上げ幅を記録し乱高下が続いている。
経済的要因として
・日銀の金利(公定歩合)が上昇したのと、今後さらに上がる可能性があること
・米国の経済指標が低下傾向にあること
・為替が円高に振れたこと
などが重なったと見られる。
金融引き締めにより株が下がるというのは常識であり、株価は理屈通りに動いている。
加えて日本の株価は今年の年初から一貫して上昇しており、ここで株式市場全体として調整場面に入ったと思われる。
株式の格言に「山高ければ谷深し」とある通り、急激な上昇には急激な下落は避けられない。
それに、短期の売買により利ザヤを稼ぐ投資家にとっては、株価が上下するのは大歓迎だ。
短期の変動は、そうした投資家の思惑にも左右される。
TVのインタビューを見ると、投資家の中には今回の変動に当惑したり、不安を持ったりする人もいるようだが、投資にリスクはつきものだ。
この程度で動揺するようなら、投資はやめた方がいい。
滑稽なのは、この株の乱高下について国会で審査しようという動きがあることだ。
いったい何を審査するつもりだろうか、議員はそんなにヒマなのかね。

2024/08/05

『百年目』の補足、番頭の金遣いについて

『百年目』の番頭が、芸者幇間を引き連れて屋形舟を仕立てて豪勢な花見の宴を催したのは、前回の記事に掲載した通り。
ここで幇間や芸者たちが番頭を名前で呼んでいる。つまり花街ではお馴染みの客であること。
花見について、当初は少人数で行う予定が噂を聞きつけた芸者たちが次々と集まり大人数となった。日頃から番頭は花街で相当な金を遣っていた証拠だ。
番頭は駄菓子屋の二階に箪笥を置き、遊びに行くときは着替えて行っていた模様。仕事帰りにちょっと寄るなんてもんじゃなくて、本格的な遊び人風情だ。
これらの原資はやはり商売、それもかなりの規模の取引をせねば得られない金額になると推定される。とても番頭のポケットマネーで済む規模ではない。
大旦那は花見で偶然に番頭と鉢合わせして豪遊ぶりがバレタのだが、今までの番頭の行状に全く気付かなかったとしたら、経営者として管理が不十分だったというしかない。
大旦那にそうした負い目があったからか、番頭の行為を頭から叱責せず穏便に済ませたという可能性もあるのでは。

2024/08/04

落語『百年目』、残された疑問

落語『百年目』は上方落語の大ネタとされ、演者には相当な力量が求められる。
東京でも6代目三遊亭圓生らの口演があるが、このネタだけは上方、特に桂米朝の名演が飛びぬけている。
難しいのは大旦那の「腹」で、特に最後の場面で番頭を説諭する際の風格が出せるかがポイントだ。
ストーリーは、大店の一番番頭は堅物で知られ、今日も今日とて部下の奉公人たちに一通り小言を言ってから得意先を回るといって外出する。
ところが、番頭は特別誂えの高価な着物に着替えて、芸者、幇間を連れて屋形舟を借り切り豪勢な花見に出かける。
扇子で顔を隠していたが、酔って「鬼さんこちら」をやっている最中に、偶然花見に来ていた店の大旦那と鉢合わせ。信用は丸つぶれ。
悪くすればお暇(解雇)、30年間奉公してきた努力がいっぺんに水泡に帰すとしょげかえった番頭。
翌朝、大旦那に呼び出されビクビクしていると、大旦那は一晩かかって帳簿を調べたが一切穴が開いてない。
つまり、番頭は自らの甲斐性で稼いだ金を使ったということになる。
これからは番頭だけが楽しむのでなく、奉公人たちにも露を下すように、上司と部下は持ちつ待たれたでゆくよう諭す。
「それはそうと、あのとき何で『長らくご無沙汰してます。』て、長い事会うてないような言い方したが、どないしたのじゃ」「顔見られて、『しもた、これが、百年目』と思いました。」でサゲ。

一件落着と言いたい処だが、さてこの番頭はどんな甲斐性で金を稼いだのか、という疑問が残るのだ。
番頭が芸者幇間含めを10数人を連れて、屋形舟一艘を貸し切り花見に繰り出すとなると相当な金額になる。
とてもじゃないが、奉公人である番頭のポケットマネーで賄える金額ではない。
番頭が何らかの商売、それも店に内緒で商売し利益を得ていたに違いない。
恐らくは勤務時間中に商売をしたのだろうから、本来は店の売上や利益に繰り入れるべきものだろう。
であれば、番頭の行動は商家のコンプライアンスに著しく違反したことになる。
もし商家の経営者が、奉公人にこうした個人的な取引を許していたなら、経営は成り立たず、店は潰れる。
大旦那としては、今回の件は大目に見ることにしても、番頭に二度と繰り返さぬようクギを刺すか、あるいはいっそ暖簾分けをして本家の経営から切り離すか、いずれかの選択が必要だったではと思う。
露を下すという大旦那の懐の深さには感心するが、経営者としてはどうなんだろうか。

2024/08/02

柳家さん喬が落語協会会長に

報道によれば、この6月に「柳家さん喬」が落語協会会長に就任したとのこと、協会のニュースを見逃していたようだ。
前任の会長・柳亭市馬の5期10年の後を受けての就任だ。
極めて順当な人事というよりはむしろ遅すぎの感さえある。
この25年ほど、協会の寄席を支えてきたのは柳家さん喬と柳家権太楼だ。
そりゃ、小三治や小朝といった人気落語家もいたが、彼らは寄席に出演する機会が限られたいた。
そこいくとさん喬と権太楼は常に二人どちらか、あるいは二人揃って寄席に顔付けされていた。
お盆興行では、さん喬と権太楼が交互にトリと中入りを務め、番組の眼玉にしていた。
二人が踊ることもあったが、さん喬は踊りの名取りだけあって上手い。この人の所作が綺麗なのはやはり舞踊で鍛えられたいるからだろう。
さん喬は人情噺が得意とされているが、私はどちらかというと浅い出番での短い滑稽噺が好きだ。
例えば「徳ちゃん」は、さん喬らしいユーモアに包んでいて楽しめる。
弟子の喬太郎の人気に嫉妬したことがあると本に書いていたが、こういう事を公表するのもさん喬の率直な人柄のせいだろう。
会長としてどんな色を出すのか楽しみだ。

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