『百年目』の補足、番頭の金遣いについて
『百年目』の番頭が、芸者幇間を引き連れて屋形舟を仕立てて豪勢な花見の宴を催したのは、前回の記事に掲載した通り。
ここで幇間や芸者たちが番頭を名前で呼んでいる。つまり花街ではお馴染みの客であること。
花見について、当初は少人数で行う予定が噂を聞きつけた芸者たちが次々と集まり大人数となった。日頃から番頭は花街で相当な金を遣っていた証拠だ。
番頭は駄菓子屋の二階に箪笥を置き、遊びに行くときは着替えて行っていた模様。仕事帰りにちょっと寄るなんてもんじゃなくて、本格的な遊び人風情だ。
これらの原資はやはり商売、それもかなりの規模の取引をせねば得られない金額になると推定される。とても番頭のポケットマネーで済む規模ではない。
大旦那は花見で偶然に番頭と鉢合わせして豪遊ぶりがバレタのだが、今までの番頭の行状に全く気付かなかったとしたら、経営者として管理が不十分だったというしかない。
大旦那にそうした負い目があったからか、番頭の行為を頭から叱責せず穏便に済ませたという可能性もあるのでは。
« 落語『百年目』、残された疑問 | トップページ | 株の乱高下で右往左往 »
「寄席・落語」カテゴリの記事
- 「落語みすゞ亭」の開催(2024.08.23)
- 柳亭こみち「女性落語家増加作戦」(2024.08.18)
- 『百年目』の補足、番頭の金遣いについて(2024.08.05)
- 落語『百年目』、残された疑問(2024.08.04)
- 柳家さん喬が落語協会会長に(2024.08.02)
コメント