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2012/01/31

「この噺にはこの噺家」全リスト

先に連載した「この噺にはこの噺家」364席の全リストが、当ブログではアップが不可能でしたので、別のサイト「HOME-9(ほめ・く)新館」に掲載しました。
内容は既に公表したものと同一です。

2011/08/22

この噺にはこの噺家(補遺)最終回

麻のれん  入船亭扇橋 
あんま小僧  (7)橘家圓蔵 
うなぎ屋  (5)柳家小さん 
馬の田楽  (5)柳家小さん 
江戸の夢  (6)三遊亭圓生 
喜撰小僧  (8)春風亭柳枝 
紀綿散(素人易者)  (7)橘家圓蔵 
佐野山  (10)金原亭馬生 
七面堂  橘家圓蔵 
芝居の喧嘩  春風亭一朝 
虱茶屋  (8)雷門助六 
旅の里扶持  (8)林家正蔵 
茶釜の喧嘩 (2)三遊亭円歌 
鼓ヶ滝  笑福亭鶴光 
二人旅  (5)柳家小さん 

 

改めて見直したら扇橋の名前がなく、「麻のれん」を落としたことに気付きました。

ついでに他のネタについても漏れがあったことが分かり、「補遺」として表示しています。

7代目圓蔵は飄々とした佇まいで珍しいネタをかける人でした。弟子は上から初代三平、当代圓蔵、当代文楽と続きますが、芸風がみんなバラバラです。

8代目助六は落語より一席終わった後の「あやつり踊り」が楽しみでした。見る落語家です。

 

寄せられたコメントを参考に改めて聴き直したり、記事をアップ後に落語会などの高座に接した結果を踏まえ、以下のように直します。

「厩火事」志ん朝を小三冶に

「子ほめ」雲助を8代目柳枝に

「反対俥」10代目文治を遊雀に

各々変更します。

又、ブランクにしていた

「お血脈」に10代目文治を

「蛙茶番」に一朝を

「ふぐ鍋」に2代目小南を

各々加えます。

なお、訂正版については日を改めて一覧表示する予定です。

 

今回をもって本シリーズは最終回となります。

1回目に書いた通り、いち落語好きが自分の整理のために始めたもので、何かを推薦するといった大それたものではありません。

気楽な気持ちでスタートしたのですが、思った以上に手間がかかる作業でした。

「よせば良かった舌きり雀 ちょいと舐めたが身の因果」ってな処です。

最後に、ご気付きやご意見を寄せて頂いた皆様に感謝いたします。

2011/08/20

この噺にはこの噺家(や-ん)

やかん (5)春風亭柳朝 
やかんなめ 柳家小三冶 
厄はらい  (8)桂文楽 
弥次郎  (6)三遊亭圓生 
安兵衛狐  (5)古今亭志ん生 
宿屋の仇討ち (3)桂三木助 
宿屋の富  立川談志 
柳田格之進  古今亭志ん朝 
柳の馬場  (8)林家正蔵 
薮入り  (3)三遊亭金馬 
山崎屋  (3)三遊亭金馬 
夕立勘五郎  古今亭志ん輔 
雪の瀬川  柳家さん喬 
夢金  古今亭志ん朝 
夢の酒  (8)桂文楽 
湯屋番  (3)三遊亭金馬 
よかちょろ  (8)桂文楽 
四段目  (2)三遊亭円歌 
淀五郎  (6)三遊亭圓生 
寄合酒  (3)三遊亭金馬 
らくだ  (8)三笑亭可楽 
ラブレター  (4)柳亭痴楽 
悋気の独楽   
悋気の火の玉  (8)桂文楽 
六尺棒  (9)桂文治 
ろくろ首  (5)柳家小さん 
藁人形  (5)古今亭今輔 
ん廻し  (6)三遊亭圓生 

 

今回は8代目文楽の名が目立ちます。黒門町の十八番というと、「富久」「船徳」「明烏」などの大ネタが思い浮かぶのですが、ここにあげた「よかちょろ」や「悋気の火の玉」は、いかにも文楽らしさが出ていると思います。
演じ手の多い「やかん」は、談志か柳朝か迷いましたが、八五郎のいかにも江戸っ子らしい気風の良さで5代目柳朝です。但し後半の講釈だけをとれば断然金馬。
「宿屋の富」は、二番富が当たると信じている兄ぃの造形が見事な談志。
「四段目」は、蔵に入れられる小僧がなんとも可愛らしい2代目円歌。普通は圓歌ですが、この人だけは円歌。噺家の名前は難しい。
「湯屋番」はこのネタに相応しく明るくて解りやすい3代目金馬。三遊なのに「奴湯」で演っていますが。
「淀五郎」の圓生、「寄合酒」の金馬、「らくだ」の可楽は鉄板です。
面白いのは若かりし頃の志ん生が、この「ラブレター」や「桃太郎」をしばしば高座にかけていたそうですが、音源が残っておりません。

「夕立勘五郎」で志ん輔が初登場ですが、どうも何を演っても志ん朝を比べてしまい、この人には点数が辛くなります。
「悋気の独楽」は、東京の落語家の市販音源が見当たらず、現役の出来も今ひとつなのでブランクにしています。どなたか推薦があったら教えてください。

これで“あ~ん”まで終わりましたが、いくつか抜けている演目がみつかり、次回に「補遺」としてリストアップします。
そこで最終回となりますので、もう一回お付き合いください。

2011/08/15

この噺にはこの噺家(ほ-も)

坊主の遊び  三遊亭圓歌 
棒鱈  (5)柳家小さん 
庖丁  (6)三遊亭圓生 
星野屋  (8)桂文楽 
堀の内  (4)三遊亭圓遊 
本膳  (5)柳家小さん 
松曳き  桃月庵白酒 
松山鏡  (8)桂文楽 
豆屋  (10)桂文治 
万金丹  (5)三遊亭圓楽 
万病圓  (3)三遊亭金馬 
木乃伊取り  入船亭扇遊 
味噌蔵  (4)春風亭柳好 
三井の大黒  (3)桂三木助 
宮戸川  (8)春風亭柳枝 
名人長二  五街道雲助 
妾馬(八五郎出世)  (5)古今亭志ん生 
目薬  春風亭小朝 
目黒のさんま  (3)三遊亭金馬 
もう半分  立川志の輔 
もぐら泥  柳家喜多八 
元犬  (5)古今亭志ん生 
百川  古今亭右朝 
桃太郎  (4)柳亭痴楽 
紋三郎稲荷  入船亭扇辰 

 

 「棒鱈」の小さん、「庖丁」の圓生、「星野屋」の文楽、「堀の内」の圓遊(志ん朝も捨て難いが)、「三井の大黒」の三木助、いずれも他の追随を許さぬ極め付けと言って良いでしょう。こうしたネタは演者の選択が楽です。
対照的なのは「妾馬」でズラリと名演が揃っていて、志ん生、圓生、先代・馬生、志ん朝と、どれを採っても超一流。なかでも八五郎の母親や妹に対する心情を不器用に演じている志ん生が優れています。酔っぱらって殿様の前で都々逸を唄うシーンが実に良い。
このシリーズで度々名前が出ている8代目柳枝ですが、この人の最大の特長は「ほどの良さ」だと思います。「宮戸川」は演じ手が多く、近ごろはまるで艶笑譚のような、くどい演出が目立ちますが、あれは邪道。やはり柳枝のように、ほど良く粋に演じて欲しいものです。

今回は初登場が目立ちます。これにはシリーズも終盤を迎え、一人でも多くの噺家を出したいという当方の思惑が反映されているのかも知れません。
先ずは4代目柳好、華やかな3代目に隠れがちですが、独特の語り口には根強いファンが多い。「味噌蔵」ではサラリとした芸を聴かせてくれます。
「名人長二」で雲助が初登場などというと、ファンに叱られそうですが、持ちネタの多くが過去の名人上手と重なっているため名前が出なかったのです。実力は現役トップクラスの折り紙つきです。
「木乃伊取り」扇遊と「紋三郎稲荷」扇辰と、入船亭二人も初で、「もぐら泥」喜多八と共に人気・実力を兼ね備えた中堅真打が並びました。
「百川」は圓生や志ん朝の名演がありますが、真打に上がり立ての右朝のあの瑞々しい高座が忘れられません。師志ん朝に先立つ数か月前に早逝してしまったのは本当に惜しい、口惜しい。

他に「目黒のさんま」も新旧あわせて多数の演じ手がいますが、これは3代目金馬が最も優れています。金馬はマクラを除く本筋をたった6分で終わらせ、しかも一番面白い。
近ごろ短くて済むネタを長く伸ばして演る傾向があり、客は中味が水増しされた薄味の噺を聴かされることになります。
それと本筋に関係ないマクラをダラダラと聴かされるのは、苦痛以外の何ものでもない。
どちらも改善の必要があると思います。

2011/07/09

この噺にはこの噺家(ひ-へ)

引っ越しの夢(口入屋)

(6)三遊亭圓生

一つ穴

(6)三遊亭圓生

一目上り

(3)三遊亭金馬

一人酒盛り

(6)三遊亭圓生

雛鍔

(3)三遊亭金馬

干物箱

(8)桂文楽

姫かたり

(5)古今亭志ん生

百年目

(6)三遊亭圓生

兵庫舟(五目講釈)

古今亭菊志ん

平林

ふぐ鍋

福禄寿

(6)三遊亭圓生

不孝者

三遊亭金時

無精床

(5)古今亭志ん生

武助馬

三遊亭圓窓

双蝶々

(6)三遊亭圓生

ふたなり

(5)古今亭志ん生

普段の袴

(8)林家正蔵

不動坊

柳家権太楼

船徳

(8)桂文楽

文違い

(6)三遊亭圓生

風呂敷

(5)古今亭志ん生

古手買い

文七元結

古今亭志ん朝

へっつい幽霊

(3)桂三木助


「船徳」や「文七元結」は一人だけ選ぶというのは難しい。こういう大ネタは3人位にしておけば良かったかなと思う今日この頃。
その「船徳」ですが、志ん朝、馬生、小さんから、現役の小三冶ら名演好演が目白押し。しかしいずれをとっても、オリジナルは八代目文楽に求めています。それだけ完成度が高いということでしょう。
「文七」は彦六の正蔵も捨てがたいのですが、このネタの見せ場である佐野槌、吾妻橋、近江屋、本所達磨横丁のそれぞれがバランス良く演じられていて、かつ長兵衛の心理描写が見事な志ん朝を選んでいます。
「百年目」は西の米朝、東の圓生で決まり。
今回も圓生の名が目立ちますが、改めて偉大さを感じます。圓生や志ん生を凌ぐ噺家は、これからも出て来ないでしょうね。

「不動坊」権太楼、「武助馬」圓窓、ともに初登場は意外に思われるかも知れません。ただ権太楼は先代小さん、圓窓は圓生とネタがかぶることが多く、いずれも師匠を凌ぐ段階に達していないと思います。それが名前が上がりにくい理由です。
実力がありながらリストアップされていない現役の噺家が沢山いますが、同様の事情だとお考えください。
他に「兵庫舟」の菊志んが初で、十八番だけあっていつも安定した高座を見せています。

改めてリストを見ると、近ごろ高座に掛けられていないネタが眼につきます。
時代に合わないなどの理由があるのでしょうが、貴重な財産なので現代に蘇えらせて欲しいと思います。

空白について、どなたか推薦がありましたら教えてください。

来週から早目の夏休みに入りますので、この連載もここで一度中断し、休み明けに再開します。

2011/07/06

この噺にはこの噺家(ね-は)

ねぎまの殿様

(5)古今亭今輔

猫久

(5)柳家小さん

猫忠(猫の忠信)

(6)三遊亭圓生

猫と金魚

橘家圓蔵

猫の災難

(5)柳家小さん

猫の皿

(5)古今亭志ん生

ねずみ

(3)桂三木助

鼠穴

(6)三遊亭圓生

寝床

古今亭志ん朝

年枝の怪談

柳家三三

野ざらし

(3)春風亭柳好

のっぺらぼう

(6)三升家小勝

のめる(二人癖)

(8)春風亭柳枝

羽織の遊び

古今亭志ん朝

化物使い

(3)桂三木助

羽衣の松

(5)古今亭志ん生

橋場の雪

柳家三三

初天神

桂文朝

初音の鼓

柳家喬太郎

花筏

春風亭昇太

花色木綿

(8)春風亭柳枝

鼻ほしい

(10)金原亭馬生

花見小僧

(4)三遊亭圓遊

花見酒

(6)春風亭柳橋

花見の仇討

(10)金原亭馬生

浜野矩随

(5)三遊亭圓楽

反魂香

(8)三笑亭可楽

反対俥

(10)桂文治

半分垢

(5)古今亭志ん生


定番の顔ぶれが並びましたが、決して手を抜いたわけではありません。これでも一応アタマを使ってるんですよ。

初登場、先ずは「初天神」文朝。10才で前座にという天才少年がそのまま成長。先年おしくも亡くなりましたが、いつも江戸前の品のいい高座を見せてくれました。
「ねぎまの殿様」の五代目今輔、新作の「お婆さん落語」で売れた人でしたが、渋い古典も聴かせてくれました。
「猫と金魚」「反対俥」は、前者が当代の圓蔵、後者が十代目文治と分け合いました。
「花見酒」の六代目亭柳橋、およそ半世紀近くにわたり芸協会長を務めた大看板でしたが、私が知った頃はかなり力が落ちていました。でもこのネタだけは他の追随を許しません。
「年枝の怪談」「橋場の雪」の三三、端正な高座姿とスケールの大きさを感じさせる若手で、将来の「柳」の看板を背負っていける人と期待しています。

「寝床」は文楽ヴァージョンと志ん生ヴァージョンの両方イケテル志ん朝に。
「花色木綿」は先に出ている「出来心」と同一ですが、こちらは八代目柳枝。
「花筏」はその柳枝の十八番ですが、ここでは斬新な演出の昇太を採りました。
「初音の鼓」は永らく四代目円馬の十八番でしたが、どうも感心しないので、ここは喬太郎に。
「鼠穴」の圓生、「野ざらし」の柳好、「反魂香」の可楽は、いずれも鉄板です。

2011/07/04

この噺にはこの噺家(と-ぬ)

道灌

(3)三遊亭金馬

胴斬り

三遊亭歌武蔵

道具屋

(5)柳家小さん

唐茄子屋政談

(3)三遊亭金馬

動物園

時そば

春風亭昇太

徳ちゃん

桃月庵白酒

富久

古今亭志ん朝

豊竹屋

(6)三遊亭圓生

中村仲蔵

(6)三遊亭圓生

長屋の花見

柳亭市馬

夏泥

(3)三遊亭金馬

夏の医者

(6)三遊亭圓生

なめる

(6)三遊亭圓生

二階ぞめき

(5)古今亭志ん生

錦の袈裟

(6)三遊亭圓生

二十四孝

(3)春風亭柳好

二番煎じ

(8)三笑亭可楽

にらみ返し

(8)三笑亭可楽

人形買い

(6)三遊亭圓生

抜け雀

柳家さん喬


今回はマトモに選ぶと全てが昭和の名人上手で占められので、出来るだけ現役の人からと思ったのですが、それでも5人にとどまってしまいました。
柳から2人、三遊・古今亭・春風亭から各1人と、なんだか派閥均衡人事みたいな。

「富久」は文楽や志ん生ももちろん結構ですが、亡くなる数年前の独演会で聴いた志ん朝の高座が圧巻で、当日もう一席の「寝床」と共に私にとって生涯の宝ともいうべき口演です。

「中村仲蔵」のように名演の多いネタが一番困ります。彦六の正蔵のも良いのですが、ここは定評のある圓生に。
「唐茄子屋政談」も同じく圓生を始め多くの人が手掛けていますが、徳三郎と本所の叔父さんとの会話に江戸っ子の心意気がにじみ出ている三代目金馬を選びました。「夏泥」も金馬に限ります。この人は本当に上手い。
「二十四孝」はその金馬もいいんですが、よりリズミカルな三代目柳好に。これが圓生だと時間が2倍近く掛かってサッパリ面白くない。「なめる」や「豊竹屋」になると圓生のオンリー・ワン。得手不得手っていうのがあるんですね。
「二番煎じ」では、真冬の火の番の寒さと、番小屋での密かな宴会。この描写は八代目可楽の語りにかないません。「にらみ返し」では、今度は可楽の“目”がモノを言います。

2011/07/01

この噺にはこの噺家(ち-て)

ちきり伊勢屋

(6)三遊亭圓生

千早ふる

瀧川鯉昇

茶金(はてなの茶碗)

(10)金原亭馬生

茶の湯

瀧川鯉昇

長者番付

(3)桂三木助

長短

(5)柳家小さん

提灯屋

(5)柳家小さん

町内の若い衆

(5)三遊亭圓楽

ちりとてちん

橘家文左衛門

付き馬

(10)金原亭馬生

突落し

(6)三遊亭圓生

搗屋幸兵衛

(5)古今亭志ん生

佃祭り

古今亭志ん朝

壺算

三遊亭兼好

つる

桃月庵白酒

つるつる

(8)桂文楽

手紙無筆

(5)柳家小さん

出来心

柳家小三冶

鉄拐

立川談志

てれすこ

(6)三遊亭圓生

天狗裁き

(5)古今亭志ん生

天災

(5)柳家小さん

転失気

(3)三遊亭金馬

転宅

(3)三遊亭金馬


無銭飲食や詐欺がテーマのネタが並びます。
先ずは「付き馬」、志ん生父子3人いずれも名演で迷いましたが、好みで馬生を採りました。
より悪質なのは「突落し」で、高座にかけるのを嫌がる人もいるそうですが、ここは圓生。
「壺算」の瀬戸物屋の主が、明らかに詐欺に引っ掛かっていると分かりながら、相手に反論できないもどかしさを表現した兼好に。日常生活でもしばしばこうした事は起き、インチキ宗教に騙されて高価な「壷」を買わされるなんてぇ事件は後を絶ちません。

「茶金(はてなの茶碗)」では骨董屋の主・茶金さんの品と風格が大事で、これは西の米朝、東の馬生です。
先代小さんと三木助、芸風が随分と違うような印象を受けますが、実はとても仲が良くてネタの交換をしています。「長者番付」の三木助と「長短」の小さんはその一例で、だから二人をそっくり入れ替えても成り立ちます。

初登場の瀧川鯉昇、ネタも勿論のこと、今日は何秒間黙っているか、マクラの貧乏噺はどれで来るのかといった楽しみもあります。気怠そうにマクラを振りながら、ネタに入ると熱演になる、喜多八との共通点ですね。何しろ他人の独演会でゲストに招かれ、40分かけて「船徳」を演っちゃう人ですから。

今回で全体の約3分の2が終りました。
残りはボチボチと。

2011/06/28

この噺にはこの噺家(た)

大工調べ

古今亭志ん朝

幇間腹

(3)春風亭柳好

代書屋

(2)桂小南

大仏餅

(8)桂文楽

代脈

古今亭志ん朝

高砂や

柳亭市馬

高田馬場

(3)三遊亭金馬

たがや

(3)桂三木助

たけのこ

柳家喜多八

だくだく

立川志の輔

竹の水仙

柳家喬太郎

たちきり

柳家さん喬

辰巳の辻占

(10)金原亭馬生

狸賽

(5)柳家小さん

田能久

(6)三遊亭圓生

煙草の火

(8)林家正蔵

試し酒

(5)柳家小さん

垂乳根

(5)三遊亭圓楽

短命

(5)柳家小さん


歌人の吉井勇や文楽から絶賛されたという向島の柳好「幇間腹」、現在私たちが聴くこの噺とはかなり違います。横暴な客と逆らえないタイコモチとのリアルな関係が表現されているのは、その世界に長く身をおいていた柳好なればこそ。
客の要求をかわしつつ座をもたせようと必死の一八の姿に、幇間の哀れさがにじみ出ている一席。

・江戸時代の両国の川開きの風景が眼の前に見えてくるような三木助「たがや」、
・大店の主人の泰然とした風格を漂わせる彦六「煙草の火」、
・数ある酒飲みのネタの中でもスケールの大きさで屈指の「試し酒」は久造の豪快な呑みっぷりが見事な小さん(「今の」じゃないですよ)、
・そして棟梁の胸のすくような啖呵が痛快な志ん朝「大工調べ」、
いずれもオンリー・ワン。

小さんは「狸賽」の他に、「狸の札」「狸の鯉」などの狸シリーズがあります。

初登場のさん喬「たちきり」は、情緒纏綿でたっぷり泣かせてくれます。
弟子の喬太郎「竹の水仙」は、もうこの人の十八番といって良いでしょう。

2011/06/23

この噺にはこの噺家(す-そ)

鈴ヶ森

春風亭一之輔

鈴振り

(5)古今亭志ん生

ずっこけ

(5)古今亭志ん生

酢豆腐

(8)桂文楽

崇徳院

(3)桂三木助

相撲風景

立川談志

水道のゴム屋

(6)三升家小勝

疝気の虫

立川志らく

ぜんざい公社

昔昔亭桃太郎

千両みかん

(5)古今亭志ん生

粗忽長屋

(5)柳家小さん

粗忽の釘

柳家小三冶

粗忽の使者

(5)柳家小さん

そば清

古今亭志ん朝

ぞめき

柳家喜多八

ぞろぞろ

(8)林家正蔵


水道のゴム屋6代目三升家小勝は、前名・桂右女助の時代に新作落語で売れて人気落語家の一人でした。ただ名跡の小勝を襲名してからは精彩を欠くようになり、人気も落ちてしまったという印象を受けています。
襲名を機に飛躍する人がいる一方、かえって低迷してしまう人もいるのは今も昔も変わりません。
なかには襲名前はパッとしなかったが、襲名後はやっぱりパッとしないという人もいますね、誰とは言いませんが。

初登場では「鈴ヶ森」の一之輔、本シリーズ唯一の二ツ目です。上手いんだから階級はどうでもいいでしょう。
「疝気の虫」志らく、「ぞめき」柳家喜多八は、共に観ないと面白さが分からない噺で、それぞれの代表作といって良いでしょう。

「鈴振り」は、志ん生には珍しいバレ噺です。

その他の演者については、いずれも余人を以って代えがたい顔ぶれとなりました。