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2022/12/23

NHK恒例の「番宣」が始まった

毎年、この時期恒例のNHKの「番宣」が始まった。
特に年末の紅白や、来年の大河ドラマへの宣伝がすさまじい。一見、無関係とみられる他の番組にも「番宣」が仕込まれていることが多い。
視聴率が経営に影響する民放とは違って、受信料を強制的にふんだくっているNHKにとって番組の視聴率は関係ないのだ。
関係あるとすれば、番組のディレクターなどの製作者のメンツや社内での評価だけで、国民にとってはどうでもいい事だ。
しかも番組宣伝のための費用は我々の受信料から出ている。こんなバカな話はない。
そんな金があるなら、番組の質の向上に充てて貰いたい。
話題は変わるが、NHKで「いいいじゅう」という番組がある。名前のとおり都会から地方への移住を勧めるという内容で、政府の方針に沿ったものだ。
番組を見ると、地方への移住で成功した例が毎度紹介されている。それはそれで結構なことだが、実際には失敗例も多いのが実態だ。
NHKは公共放送なんだから(確かそうだったよね)、成功例も失敗例も公平に扱うべきではないか。双方の例から教訓を得て、地方移住について適正な選択が出来るようにするのがNHKの使命だろう。
政府のお先棒ばかり担いでいると、公共放送の名が泣くぜ。

2022/09/10

【統一教会と自民党の癒着】ジャーナリズムの怠慢

自民党は9月8日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と党所属国会議員の関わりについての調査結果を公表した。衆参両院の所属議員全379人から回答を得て、教団側と何らかの接点があったのは半数近くの179人だったと明らかにした。
ただ調査は自主申告させるだけで、党籍を離脱している細田博之衆院議長と尾辻秀久参院議長、銃撃事件で死去した安倍晋三元首相は調査対象から外した。
公表された内容は氷山の一角であり、旧統一教会と自民党の癒着はもっと広く根が深いものだろう。
この問題は新聞や雑誌、TV、ネットなどで大きく採り上げられてきたが、記事を見る限りかなり以前からネタは集めていたと考えられる。
ということは、多くのマスメディアはこうした実情をつかんでいたにも拘わらず、報道してこなかったことになる。
見て見ぬふりをしていたとしたら、マスメディアも共犯と言われても仕方ない。
新聞各紙でいうと、今回は朝日新聞の腰を引けた姿勢が話題になった。関係者の証言(かなり信憑性あり)によれば、朝日の記者が何者かに銃撃され死傷したいわゆる「赤報隊事件」を契機に、朝日の編集者と旧統一教会幹部との間で手打ちが行われていたという。
NHKが終始、今回の報道に消極的だったのは、恐らく総務省の顔いろを伺っていたせいだろう。
ジャーナリズムの怠慢が、ここまで問題を大きくしたと言える。

2022/05/13

新聞広告の何が問題なんだろう?

4月に日本経済新聞に掲載された、ある広告が大きな問題になった。
問題の広告は、講談社のコミック本『月曜日のたわわ』第4巻の発売を知らせる全面広告だった。”今週も素敵な1週間になりますように”というキャッチコピーがそえられている。
ネットでは、「少女を性的対象にしている」という批判が起き、炎上してしまったようだ。
さらにネット・メディア「ハフィントン・ポスト」が記事としてとりあげ、騒動が大きくなった。
日経新聞を購読していないので広告を見る機会がなかったが、たまたま別の雑誌に転載されていたので知ることができた。『月曜日のたわわ』というタイトルから想像するに、胸の大きな少女を描いたものだろう。
ただ広告では、胸は腕に隠れるように描かれていて、過激な性的描写という指摘は当たらない。
しかし、広告主の講談社は「今後の宣伝展開には十全の配慮をする」とコメントし、事実上の白旗をあげてしまった。言論や出版の自由を守るべき出版社が、こんなヤワな姿勢で良いのだろうか。
日経新聞は、今のところ事態を静観しているようだが、今度は国連女性機関からイチャモンをつけられたそうだから、なんらかの対応が迫られるかも知れない。
以前に購読していた朝日新聞には、宮沢りえや草刈民代のヌード写真が全面広告で使われていて、その時も抗議を受けたが、朝日ははね返している。
近ごろ、あれはダメこれもダメという「キャンセル文化(特定の言動や表現を排除、追放する)」が日本を覆っているようだが、憲法で保障されている表現や言論の自由を自分たちで統制していることに気がつくべきだろう。
「水清ければ魚棲まず」である。

これからは、こんな画像もダメなんでしょうね。
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2022/04/11

ウクライナに対するNHKの報道姿勢

休みの日に娘が家に来て、「仕事に疲れた家でTVをつけると、またウクライナのニュースでしょ。どっと疲れが出ちゃうのよね。だからニュースは見ないことにしている」と言っていた。
気持ちは分かる。
確かにウクライナの人々には同情するし、ロシアへの怒りもわいてくる。
しかし、NHKニュースの様に毎日、朝昼夜とトップニュースで、どこの村でこんな事が起きたと、微に入り細を穿つ報道を映像を交えて報道するのは行き過ぎな気がする。昼のニュースだと、いったんローカルニュースに移ったあとに、もう一度ウクライナの同じニュースを繰り返している。
公共放送にはバランスが必要だ。海外での戦争や内戦は頻繁に起きているが、過去にこれほど熱心に報道した例はないだろう。
アメリカのアフガンやイラク侵攻の時はどうだったろう?同じロシアのアフガンやチェチェン、ジョージアへの侵攻やシリア内戦への介入の時は?アメリカや欧州各国のリビアやセルビアへの爆撃は?
それらでは、民間人への被害はなかったのか?残虐行為はなかったのか?
果たして実態をNHKは正確に伝えていたのか?
そして今なお続くミャンマー軍事政権による弾圧や虐殺に対して、NHKはどれほどの熱意で報道しているか?
過剰ともいえるウクライナ報道には、政府の意向など何か他意でもあるのかと、ついつい訝ってしまいたくなる。

2022/02/12

NHKの字幕捏造について

NHKは2月10日、東京・渋谷の同局で、BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」における字幕問題について会見を行い、調査結果を報告した。これまで確認が取れず「不確か」としてきた字幕の内容を、「誤りだったと判断した」と説明した。
同局は12月放送の同番組において、ある男性が五輪反対デモに金をもらい動員されたと裏付けのないまま字幕を付けて放送していた。
問題化した1月以降に行った男性への聞き取りではデモに参加した事実確認がとれず、これまで字幕を「不確かな内容」としてきた。
調査チーム責任者の松坂千尋専務理事は、2月上旬に改めて男性にヒアリングをした結果、男性の記憶があいまいだったとし「調査チームとしては五輪反対デモに参加したと確証は得られなかったので、字幕の表現は誤りだったと結論づけた」と述べた。
同時に、番組を担当した大阪放送局のディレクター、チーフ・プロデューサー、専任部や上司ら6人の懲戒処分も発表した。
(以上は「日刊スポーツ」の記事を引用)

番組を制作した大阪放送局によると、男性の発言は、実際には「過去に(五輪以外の)デモに参加したことがあり、金銭を受け取ったことがある」との内容だった。
もともと、NHKは、五輪礼賛の空気が局全体を覆っていて、反対運動には冷ややかだったといわれる。このため、反対運動の理不尽さを訴え、五輪支持を広げる世論操作に走ったと推測する向きもあるようだ。
影山貴彦同志社女子大教授は、1月14日付毎日新聞に「NHKの側に何か意図的なものがあったと疑わざるを得ない。視聴者が、五輪反対デモはお金をもらえるからやっている、いかがわしいものだと感じる恐れがある」
中立であるべきメディアが、世論を二分したオリンピック開催の賛否について、視聴者を賛成の方向に誘導しようと受け止められても仕方がない」とコメントを寄せている。
(以上は「PRESIDENT Online」の記事より引用)

ここまでくると、これは「誤り」ではなく「捏造」だ。NHKの、五輪反対デモなんていうのは、金を貰ったヤツがやっているという、勝手な思い込みが招いたものだろう。
過去にも「金を貰ってデモ」という虚偽の放送を行い、被害を受けた原告が裁判に訴え勝訴した事件があった。「DHCテレビジョン」が制作した沖縄基地問題を特集した番組だ。「反対運動の参加者に、のりこえねっとが日当を支払っている」「反対派が救急車を止めた」など、事実に基づかない内容が複数あり、反対派を「テロリスト」「犯罪」と表現し、「黒幕」として辛淑玉さんを名指しし、「在日韓国・朝鮮人の差別に関して戦ってきた中ではカリスマ。お金がガンガンガンガン集まってくる」などの発言もあった。
昨年9月の一審判決で、DHCテレビジョンに対し、損害賠償など約550万円と謝罪文の掲載を命じた。
今回の捏造は、公共放送であるNHKが行ったもので、社会的責任はより重大である。

2022/02/07

愛国は儲かる、里見修『言論統制というビジネス』

里見修『言論統制というビジネス』(新潮選書-2021年8月25日初版)
かつて私たちは、戦前の軍部暴走と弾圧で、新聞などメディアは言論統制されてやむを得ず「筆を曲げ」、その誤った情報に国民は騙されていたと聞かされていた。
しかし、実態をみればそれは間違っていて、新聞各紙は戦争を煽って部数を伸ばし、ごく一部を除き国民の大半はこれを熱狂的に迎えていた。時には、国民の熱狂が軍部の方針を曲げる時さえあった。
もちろん、権力による検閲などの言論統制は戦前行われていたが、アジア太平洋戦争の開始と同時にさらに強まっていたのは事実だ。それに応じて、新聞各社は自主統制と称して、自らが積極的に当局に迎合していった。
各紙はこぞって軍への奉仕のため読者から献金を募り、例えば朝日は兵器を献納し、毎日と讀賣は資金を献納した。変わったところでは「軍歌献納」があり、朝日は「父よあなたは強かった」、毎日は「進軍の歌」「露営の歌」など、讀賣は「空の勇士を讃える歌」をそれぞれ献納している。これに倣って全国の地方各紙も競って献納運動を展開した。
戦争のプロパガンダには映像が大きな役割を果たすと考えた新聞各社は、時事映画を製作、上映して日本軍の活躍を報じた。大手は自社で飛行機を持ち、特派員を派遣した。この一部の情報は軍に提供されていた。しかし、戦局が不利になってくると、軍部としては各社バラバラの取材は好ましくないとして、大手新聞4社が共同して「日本ニュース映画社」を設立する。映画館ではこのニュース映画を必ず上映することが義務づけられ、また国民の間でも好評だった。戦後もしばらく、劇映画の前に必ずニュース映画が上映されていたのは、この名残りだ。
1938年には「国家総動員法」が制定され、これに対応した言論統制機関として「内閣情報局」が設立されるが、この総裁として朝日の副社長である緒方竹虎と下村宏が、毎日の久富達夫が次長に、讀賣社長の正力松太郎が参与にそれぞれ就任している。
さらに、同盟通信の古野伊之助は、乱立していた各地方紙を大合併させ、1県1紙の体制を作った。
これらによって新聞各紙は部数を飛躍的に伸ばし(特に讀賣が顕著だった)、経営が安定した。文字通りの「焼け太り」だ。
敗戦後に、新聞社の幹部の一部は責任をとわれ戦犯として訴追されたが、いずれも短期で釈放されている。戦後の占領期には、戦前より厳しいといわれたGHQの検閲を受け入れ、今に至る。
戦前から温存された体制に「記者クラブ」があり、口を空けて待っていれば自動的に政府から情報が提供される。これにより、政府と新聞との「持ちつ持たれつ」の関係が維持されている。
私たちは、新聞を含むメディアの自主規制が今でも続いていることを頭に置く必要があるだろう。

2022/01/20

維新にすり寄る関西メディア「維新伝新」

毎日放送(大阪市)は19日、1日放送のトーク番組に日本維新の会を創設した橋下徹氏と現代表の松井一郎大阪市長、副代表の吉村洋文大阪府知事がそろって出演したことに政治的中立性の観点から批判が出ているとして、経緯などを検証する調査チームを社内で立ち上げたと明らかにした。
この件について、毎日放送・虫明洋一社長の記者会見(1月19日)での主なやりとりは次の通り。
記者(以下Q) 放送の意図は。
虫明氏(以下A) 司会の2人が誰と話したいかというところから始まり、橋下さん、吉村さん、松井さんが出演する状況が生まれた。番組審議会で3人を出したことに厳しい意見があった。「放送である以上、不偏不党、政治的な中立という点で問題ではないか」と指摘され、なぜこの番組をこういう形で放送したか検証するため、調査チームを発足させた。
Q視聴者から意見は。
A意見は約20件。3人の起用について不満がある、問題ではないかという指摘があると聞いている。
Q放送前に社内から問題があると指摘はなかったか。
A虫明氏 ありました。
Qそれなのになぜ放送に至ったか。
A虫明氏 まさにその点を調査するよう強く命じている。きちんと調査してコメントを出したい。
Q調査結果はいつまでに出すか。
A虫明氏 3月の番組審議会で報告する。
Qネット上には「政治的公平性を欠く」という意見もある。
A虫明氏 きちんと調査してお話ししたほうがいいと思う。作り手の思いが、見る方の思いと一致しないこともある。「公平性を欠く」という意見が出ているならば、非常に残念だ。
(毎日新聞 2022/1/19 より引用)
当該番組が不偏不党に反する恐れがあることは、社内からも危惧する声があったようだが、放送はなされた。
調査結果を待ちたい。

読売新聞大阪本社がこのほど「包括連携協定」なるものを大阪府と結んだ。いったい何をしようとしているのか。
ただでさえ、在阪の主要メディアは居心地のいい府政記者クラブ、市政記者クラブなどに加盟し、府市から情報提供サービスを受けて、体よく報道コントロールされている。その距離をもっと縮めようというのである。
政治権力と一体化するかのごとき報道機関など、国民の知る権利にこたえられるはずがない。“新聞離れ”が進むなか、権力の監視という本来の役割を捨ててでも生き残りをはかろうとしているようにさえ見える。
「包括連携協定」はそんなものではないという反論もあるだろう。むろん、協定の趣旨そのものは筋が通っている。行政だけで時代の激しい変化に対応するのはむずかしい。民間企業と協力し、地域の課題を解決するのだという。
情報発信や防災対策のために、神奈川県と株式会社LINE、福岡市とYahoo!株式会社がこれを締結するなど、全国各地で取り組みが広がっているのは確かだ。地方紙が自治体と協定を結ぶケースも散見される。
では、読売新聞と大阪府は、具体的に何をどうするつもりなのだろうか。大阪府の資料には、府職員に読売記者が「読む・書く・話す」力を向上させる特別講義を行うとか、府立の小中学校へ出前授業をするとか、読売主催の文化イベントに招待するとか、たくさんの項目が並べられている。実際にどこまでニーズがあるのかはともかくとしても、決して腹に落ちる内容ではない。
ポイントになりそうなのは「大阪府の情報発信への協力」「万博に関連した情報の発信」といった項目だ。情報発信については、読売ファミリーなど無料の生活情報紙が媒体として例示されているが、当然のことながら、府が期待するのは読売本紙であろう。
しかし、万博などの情報発信のためだけに、大阪府が一つの新聞社と手を握ることは考えにくい。万博に関連した情報は、記者クラブで全加盟社向けにいくらでも発表できるからだ。役所まるがかえの記者クラブにいるだけで、放っておいても役人がネタを提供してくれるため、各社は複数の記者を常駐させている。つまり、情報発信に府が苦労するはずはないということだ。
ならば、府は何を読売新聞に期待しているのだろうか。考えられることはただ一つ。吉村府政への、紙面での援護射撃だ。東京五輪もそうだったが、万博という国家的プロジェクトを進める過程では、巨費を投じるだけにメディアからのさまざまな批判が予想される。
万博会場である人工島・夢洲には初期投資約1兆800億円でカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する予定でもあり、大阪府と大阪市は今年4月までに計画を国に提出することになっている。この夢洲の土壌汚染対策費用だけでも約800億円かかるという。カジノには府民の反発も強く、実現までには曲折が予想される。
読売新聞が今回の協定により、大阪府知事の意向を忖度するようになれば、カジノ反対派の意見は軽視され、推進派の言い分がより大きく紙面に反映されるだろう。
いうまでもなく、万博とカジノリゾートで成功するか否かは、大阪を根城とする日本維新の会の浮沈にかかわってくる。党の吉村副代表をトップとする大阪府が、発行部数ナンバーワンの読売を味方につけたいと思っても一向に不思議ではない。あたかも、読売を御用新聞のごとく利用したアベ・スガ政権のように。
とはいえ、今回の話は大阪府から持ちかけたわけではない。包括連携協定は、あくまで企業側が提案することになっている。
(MAG2NEWS 2022.01.17 より引用)
讀賣新聞の様な全国紙が、特定の地方自治体と協定を結ぶのは前例がないと思う。これが許されるなら、特定の新聞社が日本政府と協定を結ぶことさえ可能だ(もう既に協定を結んでいる社もあるかも)。
狙いはズバリ、大阪府が推進する万博とカジノを讀賣が援護することにある。
この件について某幹部が、「讀賣はやわじゃない」と答えたそうだが、「やわ」なのは今に始まったことではない。戦前は軍部にすりより部数を伸ばし、戦後の一時期は共産党の機関紙と揶揄され、社主が自民党国会議員になったり、安倍・菅政権ではご存知の様な報道姿勢になってきた。

読売新聞も加盟する日本新聞協会の「新聞倫理綱領」の前文には、次のように記されている。
「国民の『知る権利』は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される」
「公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない」
毎日も讀賣も、もう一度倫理綱領に立ち返って、自らを省みるべきだろう。

2021/06/10

政府広報費が大手メディアを潤す

昨年からの新型コロナ感染拡大で、TVのCMや新聞広告が激減して経営を圧迫している。その中で政府広報予算が増大したことは、業界にとってまさに「干天の慈雨」となった。月刊誌『選択』6月号は、次のように指摘している。
新型コロナに関する広報は必要だが、それが野放図になっていると言うのだ。政府広報を担う内閣府の予算は85億円で、これはほぼ例年通り。しかし昨年実績でみると、第1次補正予算で100億円が加えられ、この他に厚労省の枠で35億円。さらに第3次補正予算で24億円を獲得している。
不可解なのは、政府広報のスポットCMの単価が、昨年度から急に値上げされたことだ。従来の単価が1億2000万円だったのに対し、昨年度から5000万円以上値上げし1億7800万円になった。通常なら発注量が増えているのだから、むしろ単価は値下げさせるのが常識だろう。この値上げの根拠について政府から詳細が明らかにされていない。
しかも政府広報の広告料は定価で支払われるから、メディアにとってこんな有難いことはない。
この他に自治体による広告がある。東京都の場合、小池都知事が登場してメッセージを朗読するCMに、10数億円の予算がつぎこまれたと言う。都知事選を前にしてCMが流され、事前運動の疑いが指摘されていた。
メディアが政府の広告費に依存するようになると、政府のメディア支配が強まる可能性が高くなる。こちらも要警戒だ。
NHKが首相記者会見を放映するとき、以前は午後6時からという慣例があったが、菅首相になってから慣例が破られ、午後7時や8時からという例が増えてきた。官邸の意向なのか、NHKの忖度なのか、気になるところだ。

話は変わるが、昨日の菅首相の党首討論で、高齢者の優先接種を7月末までに終えるという目標について、1700以上の市区町村の98%が達成できるとしていたが、本当だろうか?
確かに一部の地域では高齢者の接種を終え、64歳以下の人の接種も始まっているようだが、私の住む地域の様に人口の多い所では、かなり遅れている。私自身は7月末までをクリアーできそうだが、妻は2回目の接種が8月下旬の予約しか取れなかった。達成率は50%である。

2021/03/27

「報ステのWebCM」への批判は的外れでは

テレビ朝日の報道ステーション(以下報ステ)が制作したCM動画が炎上し、陳謝とCM削除に追い込まれた。その謝罪文が更に批判を浴びているようだ。
このCMは3月22日にYouTubeなどで公開された。仕事から帰宅した女性が「会社の先輩、産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごいかわいくって。どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的に掲げてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」と話しかけるシーンが描かれていた。
これについて、主に「ジェンダー平等が達成されているという間違った認識に立っていること」といった指摘が行われている。
私はYouTubeを見ていないので文章から判断するしかないが、上記の指摘は的外れだと思う。
最初のフレーズで「会社の先輩、産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど」と言っている所から、この女性の職場では出産しても女性が仕事を続けていることが分かる。むしろツッコミどころは、コロナのこの時期に職場に赤ちゃんを連れて来ることの是非ではなかろうか。
次のフレーズの「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的に掲げてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」の後半部分が専ら批判の的となっている。
しかしCMの女性は「ジェンダー平等をスローガン的に掲げてる」ことが時代遅れと言っているのだ。今はお題目のように「ジェンダー平等」を繰り返すだけではなく、どう具体化するかが問われている。
この文脈からすれば、「ジェンダー平等が達成されているという間違った認識」という批判こそ間違えだと思う。
五輪組織委員会で森元会長が失言すれば、会長と担当大臣を女性にして、あたかも「ジェンダー平等」の様に見せる。それも菅首相の「誰か適当な女性はいないか」の一言で森側近の橋本を後任の会長に。野党議員に汚いヤジを飛ばすことで安倍前首相に取り立てられていた丸川を五輪担当大臣に。
そんな見せかけだけの「付け焼き刃」な対処こそ問題なのだ。
こうした世の中の風潮に一石投じたとすれば、このCMに意義があるのでは。

2021/02/28

「無理心中」の用語を使うな

メディアで「無理心中」という用語を見るたびに腹が立つ。
例えば次の様なニュースだ。

「鹿児島市ホテルで幼児2人の遺体 無理心中図ったか」
鹿児島市のホテルで26日夜、幼児2人の遺体が見つかり、父親とみられる男が4階から飛び降りてけがをしました。ホテルの部屋で見つかった遺書には、3人での自殺をほのめかす内容が書かれていて、警察は男が無理心中を図ろうとしていたとみて捜査しています。
現場のホテルには27日、午後から捜査員が入り、およそ4時間かけて現場検証が行われました。警察によりますと、26日午後7時すぎ、鹿児島市のホテルの一室で、幼い子ども2人が死んでいるのを捜査員が見つけました。この時、父親とみられる男が4階のベランダから飛び降りて重傷となっていて、病院で治療を受けています。
この前日、福岡県飯塚市の団地の一室で9歳の男の子が遺体で見つかり、警察は41歳の父親と、2歳の娘、3歳の息子の行方を捜していました。その後、警察は3人が鹿児島市内のホテルに滞在しているのを特定しましたが、部屋で見つかった幼児2人の遺体に傷があったことから、警察は殺人容疑事件として捜査しています。
3人は、福岡から宮崎を経由して鹿児島に来たとみられ、捜査関係者によりますと、宮崎県の串間市で乗り捨てられたレンタカーからは未使用の練炭が見つかったということです。
ホテルの室内では3人一緒での自殺をほのめかす走り書きの遺書も見つかっていて、警察は、男が無理心中を図ろうとしていたとみて、けがの回復を待って詳しいいきさつなどを聴く方針です。また、遺体で見つかった子ども2人の身元や死因についても調べを進めています。
(MBC南日本放送)

未だ身元確認が済んでいないので確定的なことは言えないが、前後の状況からして、この父親が福岡の自宅で長男を、鹿児島のホテルで2歳の娘と3歳の息子を殺害し、自身は自殺を図ったものと思われる。又この父親は長男に対して身体的虐待を繰り返していたようだ(東京新聞)。
こういう事件を「無理心中」と称するメディアの感覚が分からぬ。一方的に殺しておいて何が無理心中か。
心中の本来の意味は「まごころをつくすこと。相愛の男女が、合意のうえで一緒に死ぬこと。」であり、これに「無理」を付けるのは元々無理があるのだ。
メディアで「無理心中」という用語が使われのは、親子では親が子を殺す場合が全てであり、男女では男が女を殺す場合が大半だ。
つまり、子は親の、女は男の所有物として扱うから、相手の人格や意思を無視して「心中」という言葉を平気で使っている。
こんな前時代的な感覚を未だに持ち続けているメディア、森喜朗を笑えない。

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