【寄席な人々】客席での「化粧直し」
8月18日の鈴本で私の両側の席が女性でした。二人とも独りで来られていて左側は20代、右側が40代ぐらいとお見受けしました。夜の部の開演は17時20分ですが、開演直前になって二人ともコンパクトを取り出しそれぞれ化粧直しを始めました。電車の中ではしばしば眼にする光景ですが、寄席の客席で見たのは初めてです。
私は男なので、化粧する人の心理は分からないのですが、この女性たちにとってこれから出会う人というのは高座の芸人ですよね。
「誰に見しょとて紅鉄漿(べにかね)つきょうぞ みんな主(ぬし)への心中立て」
とは、「京鹿子娘道成寺」の詞章ですが、その伝でいけば「主」は「寄席芸人」という事になりはしませんか。
落語家も高座から見て綺麗な人がいると嬉しくなり、ついつい熱演するってなこと、あるのかな。
化粧品の香料に敏感だというせいもありますが、近くで化粧や化粧直しされるのは気分が悪い。
一般に男性が、車内で女性が化粧するのを好まないのは、一つには自分が無視されている気分になるからだと思います。
化粧している女性にとって、近くに、あるいは目の前にいる男というのは存在しない相手です。この露骨な「無視」にカチンと来るんだと思います。
以前、宇都宮線の古河駅から乗ってきた隣の女性客が尾久駅までの間、化粧落としから最後の仕上げまで約50分かけて化粧し続けた時は、蹴飛ばしてやりたくなりました。もちろん、やってませんよ。
こういう事もありました。
私ともう一人の男と女性一人の3人で会食した時、私と女性が早目に席に着いていて、もう一人が10分ほど遅れると連絡がありました。女性にそれを伝えると、彼女はコンパクトを取り出し私の前で化粧直しをしたのです。この女性とは二度と会食しないと決めました。
これって年寄りのヒガミ?
美しくありたいという女性の気持ちは尊重せねばなりませんが、マナーには気を付けて欲しいものです。
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