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2017/03/30

【ツアーな人々】旅行会社が倒産するというリスク

格安ツアーを売り物にしていた「てるみくらぶ」が、3月27日に資金繰りに行き詰まったとして破産を申請し、裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。
「てるみくらぶ」の経営破綻で影響を受けるのは3万6000件、金額にしておよそ99億円にのぼると見られている。日本旅行業協会によれば、弁済に充てることができる「保証金」は1億2000万円にとどまるため、実際には僅かしか返還されないおそれがあるという。
ざっと勘定して1件あたり30万円ほどの損害が出ても、返ってくるお金は3千円程度になるわけで、大きな損失だ。
多くは海外旅行を申し込んでいた方だと思うが、こうした経済的な損失以外に、突然旅行を取りやめざるを得なくなった事による精神的な損失も加わる。
まして、既に旅行に出発し、現地で立ち往生になった方のショックと苦労は計り知れない。

報道によれば、「てるみくらぶ」は少なくとも3年前から営業損益が大幅な赤字に陥った可能性があるにもかかわらず、黒字に見せかける決算書を作り続けていたようだ。中でも直近の去年9月期の決算では、営業損益はおよそ1億1000万円の黒字を計上していたが実際は15億円以上の赤字で、この時点で財務の状態が74億円程度の債務超過に陥っていたという。
会社はこうした深刻な経営実態を偽って、破綻直前まで1日当たり1000件から2000件の海外旅行の予約を受け付けていた。
これでは詐欺と言われても仕方なかろう。

私も、過去に何度か利用していた旅行会社が倒産したことがある。小規模ながらも他社では扱わないような企画を立てる旅行社だった。幸いな事にその時期は申し込みをしていなかったので被害はなかったが、今回の件は他人事とは思えない。

実は「てるみくらぶ」のパッケージツアーについて、昨年申し込みを検討したことがある。結論は取りやめにしたが、その理由は次の2点だった。
1.他社に比較して価格が安過ぎた。これだけ違うと何かカラクリがあるのではと疑ったのだ。
2.旅行案内に「添乗員同行」とあったが、スケジュールを確認すると添乗員は現地の空港で待つと書いてあった。それは添乗員じゃなくて、現地ガイドだろう。
こういう所に不信感を持った。

私たち外部の人間としては、旅行会社の経営状態までうかがい知ることは不可能だ。
取り敢えずは、法外な格安を売り物にしている会社は避けておいた方が無難だろう。
海外旅行には様々なリスクがあるが、これからは旅行会社が倒産してお金が戻らないリスクも加わることになってしまった。

2016/08/11

【ツアーな人々】不満や文句ばかり言うツアー客

海外へ行くと不便なことが沢山ある。日本にくらべてサービスは概して良くないし、能率もいいとはいえない。日本と違ってかゆい所に手が届くような扱いが受けられず、イライラする人も少なくない。しかし、それも含めての海外旅行なのだ。多様な生活様式や文化の違いを受け容れられないようでは、海外に行く意味がない。
特に団体ツアーでは、文句や不満ばかり言っていると他の客の迷惑になるので、やめてもらいたい。

今年1月に中国へのツアーに行ったさいに、ツアーの中に「中国嫌い」の人が一人いて、ツアー期間中ずっと中国の悪口をいい続けていた。さすがに周囲は相手にしなくなっていたが、これも一人だけ相槌を打つ人がいて、二人だけで盛り上がっていた。第1日目から機内サービスが悪い(私から見れば普通だったが)、乗り継ぎに時間がかかり過ぎる(入国審査と保安検査、空港内移動を含めて1時間は決して長くない)、ホテルのチェックインの手続きに時間がかかるだのと(これも普通)、全て共産主義が悪いからと訴えるのだ。この調子が初日から最終日まで続く。
そんなに嫌なら中国なんか来なけりゃいいのにと思ってしまうのだが、どうやらそれとこれとは別らしい。
こちらも鼻歌だと思って聞き流していたのだが、料理にいちいちケチをつけるのには参った。「不味い不味い」を連発し、これも共産主義のせいだと言う。中華料理は円卓スタイルで大皿から自分の小皿に移して食べる。だから最初に食べた人間が「不味い」だの「食えない」だのと言うと、後の人まで食べにくくなるのだ。さすがにこれは他の参加者から注意があって、本人も言うのをやめたが。
本人からしてみれば文句を言うのも旅の楽しみの一つかもしれないが、ああいう人間が一人でもいると旅行の興がそがれる。

6月末からスイスのツアーに参加したのだが、一人少し前にトルコに行ったという人がいた。この人が相手かまわずトルコはつまらなかった、ブルーモスクなんて見る価値がない、料理が不味かったと言うのだ。聞いてみたらイスラム圏に行ったのはトルコが初めてとのこと。まあ、イスラム国への旅行は合う人と合わない人があるからね。
でも、このツアーの参加者の中にはトルコに行ったことがある人はその男性と私だけだったし、これから行ってみようと思っている人もいた。そういう人に対して、悪いイメージを植え付けかねない。そう思って、本人をたしなめたのだが全く意に介さないのだ。
他のツアー参加者から特定の国への旅行について感想を聞かれることがあるが、私は絶対に悪いことは言わないことにしている。なかにはあまりお薦めできない国もあるが、それはあくまで私個人の感想であって、他人に押し付けるわけにはいかない。その代り、良かった国は大いに褒める。
私は美しい女性に出会ったときは「美しい!」と言って褒めるが、そうでないときは黙っている。それがマナーだ。

クレーマーみたいな人に出会うこともある。
以前にラオスに行ったとき、第1日目のホテルの部屋が1,2階に分かれることになった。このホテルの1階が地下になっていたので窓がないということで、くじ引きになり4組の人が1階に泊まることになった。このうち2人の男性客が添乗員に怒りだし、今から窓のある部屋に変えろと要求しだした。それは出来ないと言われると、今から東京の本社に電話してホテルを変えて貰えというのだ。日本時間は真夜中だというのに。あまりの剣幕に若い女性添乗員はオロオロするばかり。
そこで2階だった私が1階に変わると申し出ると、他にも3組の客が同じ申し出を行い、ことは丸く収まった。
このホテルには深夜に着いて翌朝は早く出発するので、窓の外の景色は見られない。あの男性客二人がなぜあれほど怒ったのか、理解不能だ。その後の数日間のツアーで、気まずい思いをするのは本人たちなのに。

慣れない環境で何にちか旅行するわけで、不満や愚痴の一つも口に出したくなるだろう。
そういう時も、笑い話に変えるくらいの気持ちでいて欲しい。
それが出来ない人は団体旅行には向かないと思う。

2015/11/08

【ツアーな人々】機内で隣りの席に大きい人が

CNNニュースで、航空機内で隣の人があまりに大きく席からはみ出したので、客がほぼ「立ちっ放し」となる被害を受けたと報じている。
以下は記事の引用。

【米大手航空のUSエアウェイズのフライトで57歳の男性乗客が隣に座った体の大きい乗客に自席の半分を占領され、着陸までの7時間の間、ほぼ「立ちっ放し」となる被害を受けた。
米北西部アラスカ州のアンカレジ発、米東部フィラデルフィア行きの直行便で今年7月起きた出来事で、思わぬ災難に遭ったアーサー・バーコウイッツさんが消費者保護運動家のブログ上で明らかにした。米連邦航空局(FAA)の報道担当者はフライトの間、ずっと立ち続けるのは規定違反と説明している。
同航空は体のサイズが過大な乗客に対しては延長したシートベルト着用を求めるか、別の便に搭乗させるかの規定を持っている。これらの措置が不可能な場合は、隣席の追加購入を依頼している。バーコウイッツさんの場合は、USエアウェイズのカウンター係がこの内規を守らなかったことが災いのもととなった。
バーコウイッツさんによると、隣席は当初空いていたが、遅れて搭乗してきた乗客の体の大きさは立ち上がるためにはひじ掛け両方下ろさなければならないほどだった。ただ、この男性は非常に礼儀正しい物腰で、自らが招いている状況に恐縮していたという。
バーコウイッツさんは席を半分占領されてシートベルトも締められない苦境を乗務員に伝え、ビジネスクラスへ移ることも求めたが機内は満席の状態だった。乗務員用の席に座ることも許されないため、フライトの間、機内を歩いて時間をつぶしたという。】

飛行機だけに「飛んだ災難」なんて洒落てる場合じゃない。立ちっ放しでは急な揺れで怪我をすることもあり危険極まりない。
この航空会社では身体のサイズが大きい人に対しは、事前に二人分のチケットを購入するか別の便に搭乗して貰うかといった措置を取ることになっていたようだが、カウンター係がこの規定を守らなかったとしている。しかし乗客が必ずしもカウンターでチケットを買ったり搭乗券を受け取るとは限らないし、チケットを購入する際に客の身体のサイズを申告させるわけにもいかないだろう。
そうすると今回の様なケースは今後も避けられない。

私もこの記事ほどではなかったが、隣に大きい人が座って窮屈な思いをしたことがある。
成田―シカゴ直行便のエコノミーで、窓側から2列の並び席だった。搭乗したら既に窓側の席に外国人が座っていた。肥った人ではなく体格のいい人でアメフトの選手のような逆三角形の体形だった。座席にはちゃんと収まっていたのだが、肩が私の席にかなりはみ出していた。普通に着席しようとすると肩がぶつかってしまう。仕方がないので私の方は体を斜めにして座ることになった。CAを呼んで事情を説明し他の席に移らせて欲しいと申し出たのだが、満席で席の移動は出来ないと断られてしまった。
仕方なく体を斜めにして座る姿勢のままシカゴまで約12時間我慢したが、後にも先にも機内であれほど辛い思いをしたことは無かった。
身体の大きな人はビジネスを取って欲しいと思ったが、こればかりは本人に自覚に任せるしかない。
何か良い知恵はないものだろか。

2015/07/25

【ツアーな人々】不快な自慢話し

人間は自慢するために生きているのか、と思えるほど団体ツアーに参加していると山のように聞かされるのが自慢話し。
「自慢高慢馬鹿のうち」という諺があるが、私は自慢話しが大嫌いで、普段はそういうヤツとは一切付きあわない。だから友人は例外なく「自虐性」のある連中だ(オット、これも自慢か?)。
でも団体ツアーのような場では嫌でも数日間は行動を共にせねばならないので、こうした話にも付きあわされる。
有名大学を出ていた、超一流企業に勤務していた、役員をしていた、海外駐在をしていた、会社を経営していた、などを実にさりげなくひけらかすのは男性に多い。現役時代の栄光が忘れられないのだ。そんなモノは捨てて旅行に来てるんじゃないのか。
こちらが感心したりするとツケアガルので、生返事しながら聞き流すことにしている。なかには大仰に「そうですか、それはスゴイですね」と相槌を打つ人もいて相手を喜ばせている。お前は幇間かと言いたくなる。
他には別荘を持ってる、子どもが海外勤務(又は留学)してるとか、こういう話題は女性に多い。
孫がいつもファーストクラスを利用していると自慢していた老婦人がいたが、そいつはよっぽど悪いことをしてるんだろう。
ツアーだからそれぞれの旅行の経験談を交わすのは当然のことだが、「ビジネスに一度乗ってしまうと、エコノミーになんか乗れませんわよね」なんて言われると、どうリアクションしていいか分からない。

近ごろ多いのは儲かったという話題。
世間では実質賃金が下がる続けてるし、年金の手取り額も年々減る一方だ。アンケートで「生活が苦しくなった」と回答した人が過去最高になったという報道もあった。
だが海外旅行に来ている人の中には「アベノミクス」の恩恵を受けている人もいるようで、株で儲かった、為替相場(FXかな?)で儲かったなどと自慢する人に頻繁に出会う。数百万円儲けたという人も珍しくなく、地元の税務署に通報してやろうかと思ってしまう。
本人たちは嬉しくて仕方なくしゃべるんだろうが、聞かされる方はあまり愉快じゃない。日々経済情報をチェックしてるらしく、朝から昨日の日経平均株価はいくらだったとか、1ドルが何円だったとか、そんな話題を振ってくる。それほど気になるなら、旅行なんぞに来ずに日本にいたらと言いたくなる。
イライラでずに、どうせ一期一会、短い間なんだから相手に合わせて和気藹々としていれば良いのだろうが、性格が悪いので我慢ができない。

定年過ぎれば誰もがノーサイド。世間の瑣事を忘れてリフレッシュするために旅行に来てるんだから、自慢話しは控えて欲しいものだ。

2014/08/07

【ツアーな人々】「枕銭」って必要なの?

海外のツアーに参加したとき、現地に到着した日に添乗員から「ホテルからチェックアウトする際に部屋へ枕銭(枕チップ)を置いて下さい」と言われた経験があるかと思います。金額は一人一泊につき日本円に換算して100円程度、米ドルなら1ドル程度の現地通貨をという目安が示され、どの旅行社の添乗員も同じことを言うので業界内に共通マニュアルでもあるのかと疑っていました。
旅行者はそのために小銭に両替したりして準備することになり、なかには枕銭という言葉からベッドの枕の上に置いていたという人もいました。
処が、ここ最近になって添乗員が枕銭について言及しない例が増えています。その理由を訊いてみると、枕銭が必ずしも必要ではないという解釈になってきつつあるようです。
チップ制度がある国を含め外国人旅行者に枕銭を置くという習慣は無いそうで、むしろこうした習慣があるのは日本人に限られているらしい。

「枕銭」という発想がどうして生まれたのか分かっていませんが、どうやらルーツは日本の旅行社という説があります。
戦後、日本人が海外旅行をし始めたころ、外国にはチップという習慣があるらしい事が分かりました。添乗員がこういう場面ではこういう風にチップを渡すとツアー客に教えるなかで、ホテルでは部屋の清掃係へのチップとして枕銭を置くという発想になった模様。当時は海外へ行ける人は限られており、なに、日に1ドル程度で喜んでもらえるならと、旅行者の方もさほど抵抗がなかったんでしょう。それがすっかり定着してしまったという説が有力のようです。

日本人の枕銭には弊害も指摘されています。日本人にとっては100円程度というのは小銭でしょうが、国によってはまとまった金額になるため、従業員たちの金銭感覚を狂わせることがあるようです。
日本人旅行者がチェックアウトするとなると、客室係りが先を争って部屋に入る傾向があるようです。
私の経験でも朝食前に枕銭を置いておいたら、食事を終え部屋に戻ると消えていた事があります。朝食を終えて部屋に帰ると中に人がいたこともありあす。留守の間に他人に部屋へ入られるのはとても不快です。
こうなると完全に本末転倒です。
逆に中国のホテルで客室係りにバスタオルなどを補充して貰った際に、チップを渡そうとして断られたことがありました。僅かなことですが気分の良いものです。
チップ制度のある国でも料金の中にサービス料を含めている所もあり、知らずにチップを渡していれば二重払いになります。

枕銭はあくまで気持ちの問題ですから、各自の自由意思にまかされます。100円程度で喜んでもらえるなら払ったらという意見もありますが、上記のような弊害も考慮する必要があるでしょう。

2013/09/25

【ツアーな人々】みそ、梅干し、豆腐、コンニャクも、みな液体だって?

成田空港など国際線から搭乗するさいに、100㏄を超える液体を手荷物として機内に持ち込むことが禁止されている。
これは2006年に英国航空機に、爆発性のある過酸化水素水を飲料用ボトルに入れて持ち込もうとした容疑者による爆破テロ未遂事件が起きたからだ。
この事件を受けて2007年から液体物の持ち込みが制限され、違反した場合はその場で没収される。
問題は、その液体の定義だ。液状の物質ということなら誰でも納得できるのだが、実はかなり範囲が拡げられている。
チョコレートやチーズも液体として扱われる。その理由を訊いたところ、熱を加えると液体になるからという答だった。しかし中学の理科で習ったように、ほとんどの物質は加熱により固体―液体―気体へと変化する。加熱により液化するからダメとなれば、大半の物質が引っ掛かることになる。どこで線引きしているのか極めてアイマイなのだ。

では日本ではどんな品物が液体として規制されているかというと、国土交通省のHPに記載されている。
食品でみると通常の液体物以外に例えば、みそ、マヨネーズ。おろしショウガ、カレー、おかゆ、餡(あん)、塩から、梅干し、ラッキョウ、しば漬け、豆腐、コンニャク、プリン、ゼリーなどが例示されていて、これらは全て液体物として規制の対象になっている。
梅干しやラッキョウ、コンニャクがなぜ液体なのか、実に不思議だ、
梅干しはダメだが、カリカリ梅はOK.餡はダメだが、饅頭やモナカはOK.これも説明がつかない。
百歩譲って、それなら漬物類は全て液体として規制するということが世界共通のルールであれば、それはそれとして納得がいくかも知れない。
しかし隣国の韓国ではどうなんだろう。お土産に買ったキムチを韓国の空港で没収されたなどという話は聞いたことがない。
それから先にあげたチョコレートだが、ベルギーやオランダでは機内持ち込みが可能だ。
国際線の規制であれば、世界共通でなければ意味がない。なぜなら爆発物を仕掛けようとする人間なら、規制のない国の空港を使う筈だからだ。
日本の空港だけで漬物を規制して、果たしてどんな意味があるのだろうか。

海外の空港の多くは、保安検査が出入国前に1度と、航空機搭乗前にもう1度検査する。検査を二度行うことで精度が上がるし、空港内で危険物を仕込むのを水際で防げるからだ。煩わしいのだが、安全のためには仕方ない。
空港内で買った液体物は、密封して証明書付きであれば機内に持ち込める。
ところが日本の空港は、出入国審査の前に保安検査を行い、あとはそのまま航空機に搭乗できる。これだと空港内で入手したものはフリーパスになってしまう。
今年の8月に「国際線保安検査員」と称する方からコメントが寄せられた。
数年前に書いた同様の記事について、「あまりにも独断と思い込みが過ぎています」とお小言を頂戴したのだ。
この人の言によれば「空港の保安区域内の売店で販売されている物品に関しては、全て保安検査済みです。」なのだそうだ。
つまり空港内の液体物に関しては全品検査をしているわけだ。
それなら、その検査機を保安検査に取り付ければ、全てが済むのではなかろうか。
そんな素晴らしい検査機があるなら、海外の空港にも売りこんで欲しい。さすれば海外でも二度検査という手間が省ける。

「国際線保安検査員」氏のコメントでもう一つ気になることがあった。
「残念ながら、日本の保安検査員は非常にレベルが低いです。
これは保安検査に非協力的な航空会社と危機感の無い旅客自身、そして保安検査の意義と社会的責任を社員に教育できない検査担当会社の問題であります。」
と、こう書かれていた。
これが事実なら日本の保安検査はずさんで、安心できないことになる。
いくら国交省で細かな規定を作ったところで、ザルだということだ。
あるいは検査係員が、液体物規制なんて元々意味がないと思っているからかも。

なんのために規制するのか、なんのために検査するのか、そこが不明瞭だから乗客としては煩わしさだけが残ってしまう。

2013/09/11

【ツアーな人々】添乗員の食事

ツアー中の添乗員の食事の仕方には二つのタイプがある。
Ⅰ.極力ツアー客と同席する
Ⅱ.ツアー客とは同席しない
添乗員付きのツアーに参加した時、彼ら(or彼女ら)から旅行にまつわる話が聞けるとというのも楽しみの一つだ。ゆっくりと話す時間となると、やはり食事時間になる。
私がよく訊く質問は、「今迄でいちばん困ったことは?」だ。「お客が死亡したとき」「お客が脳内出血を起こして開頭手術に立ち会ったとき」「列車の脱線事故でお客が負傷したとき」といった答えが返ってくると、添乗員という仕事の大変さを感じるし、自分の備えにもなる。

客の死亡の話は2例あり、一つはホテルから道路に出た際に車にはねられたというケースだ。海外では交通ルールも異なるし、第一ルール自身が無いのか又はあっても誰も守らない国があるので注意が肝心だ。
もう一つは、飛行機の中のトイレで急死したというケースで、こちらはより大変だったようだ。もし伝染性の病気だと乗客一同は機内から降りることができなくなるので、医師の診断が出るまで機内待機になるんだそうだ。体調が悪いと周囲にとんだ迷惑をかけるので、旅行は避けておこうと思う。
手術の場合、家族の同意書が必要になるケースもあるらしい。そのために家族の一人に緊急で現地に行ってもらわねばならず、そうした手配も添乗員の役目となるし、患者にも付き添っていなければならない。家族に経済的負担をかけないためにも、海外旅行保険は絶対に必要なのだ。
このツアーでは、たまたま同じコースを二つのグループに分けていて、添乗員が二人だったので対応できたが、もし一人だけだったらどうなっていたかと語っていた。
脱線事故の話では、軽傷者だけで重傷者はなかったのが不幸中の幸いだったとか。添乗員自身も軽傷を負っていた。
救急車が来るまで全員、線路わきの草むらに仰向けに寝て待っていたら、満天の星空。お客の中に星座に詳しい人がいて、星にまつわる物語を語ってくれたそうだ。お蔭で混乱もなく治療を受けた後、次の旅程に進めたとか。こういうのを聞くと、事故の大変さよりロマンチックな気分にさえなる。

こうした貴重な話を聞けたのは全てタイプⅠの添乗員だ。このタイプに人は例外なくサービス精神が旺盛で、しかも優秀。
もちろん、添乗員が現地ガイドと食事しながら打ち合わせたり、他に処理すべき用事がある時は客と同席ができないことがある。それは誰しもが納得できる。

しかし、今年参加したベネルクス三国のツアーとポーランド・ドイツのツアーの添乗員は、二人ともタイプⅡで、一度も食事に同席しなかった。
なかにはレストランで客は我々のグループだけというケースもあったが、なぜか一人離れた場所に座って食事をしていた。
食事中もこれはどんな食材だろうとか、どうやって食べるんだろうという疑問もわく。飲み物をお替りで別のものを頼みたいのだがという場合もある。そうした際に、遠くにいる添乗員をいちいち呼びに行かなくてはというのは、いかにも不便だ。現にかなり不満の声があがっていた。

大手C社の社員添乗員に訊いたら、食事の仕方は会社としては指示しておらず、個々の添乗員の判断に任されているとのことだ。
それならせめて夕食の時だけでも客と同席して食事して欲しいものだ。

2013/07/02

【ツアーな人々】「空港に置きざり」は誰の責任?

最近、ある旅行社から海外パッケージツアーの案内に太字で次の文章が注意書きされていました。
日本及び渡航先国の出入国関連法により搭乗、もしくは出入国できない場合の責任は負いかねます。」
ああ、あれだなと直ぐに分かりました。
6月初めに報道された、添乗員付きツアーで男性客がロンドンの空港に置いてきぼりにされ、旅行社との間で係争に発展しているという件です。
6月5日付河北新報の記事によれば内容は次の様です。

<引用開始>
添乗員付きの欧州ツアー旅行で英国のヒースロー空港に置き去りにされ、精神的苦痛を受けたとして、
仙台市若林区の50代男性が6月4日までに、ツアーを計画した大手旅行会社阪急交通社(大阪市)に慰謝
料など計40万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
男性の代理人によると、同様の訴訟は珍しい。男性は「会社は責任を認め、過失のない旅行客の立場に
配慮した対応をしてほしい」と強調する。
訴えによると、ツアーには男性ら26人が参加。ことし1月、スペインやポルトガルを訪れ、ヒースロー空港で帰国手続きを取った。テロ警戒で手荷物検査が厳しく、男性と女性添乗員、女性客の計3人が無作為で選ばれ、再検査を受けた。
添乗員と女性客は先に再検査を終え、搭乗ゲートに移動。添乗員は男性が遅れる旨をゲートの係員に
知らせた後、係員の指示で成田空港行きの航空機に移った。男性も再検査を済ませてゲートに駆け付け
たが、出発に間に合わなかった。
添乗員は携帯電話で男性に「飛び立つので(男性は)もう乗れない。頑張って帰ってきてください」と伝えたという。
男性は現地の旅行代理店を通じてホテルを予約。英語があまり話せないため道案内などのガイドを依頼し、ホテルに1泊し、別の航空機で帰国した。宿泊費やガイド代は自分で負担したという。
被害の弁償などをめぐり、男性は旅行会社側と何度かやりとりしたが、帰国後、会社側から「会社に過失はなく、金銭の補償はしない」といった連絡があったという。
男性側は「安全に旅行できると思って添乗員付きのツアーを選んだ。添乗員は空港に残って男性の安全確保に力を尽くすべきだった」と主張。阪急交通社の担当者は「裁判になったことは誠に残念。法廷で見解を述べる」と話している。

<引用終り>

よく旅行パンフレットの後ろに「旅行約款」とか「旅行条件書」という名称で契約者が掲載されていますよね。小さな字でゴチャゴチャ書かれているので読む人は少ないでしょうが、「旅行社の免責事項」の中に「官公署の命令」や「出入国規制」による損害が例示されています。
これを文字通り読めば、空港のセキュリティチェックのために乗り遅れても、それによる損害を旅行社は補償しないということになります。

一方、客の立場からなぜ添乗員付きのツアーを選ぶかといえば、第一にトラブルが起きた時に添乗員が解決してくれることを期待しているからです。逆にいえばトラブルが全く無ければ敢えて添乗員の必要性が感じられない。
そうした観点から前記の「置き去り」トラブルに対する添乗員の対処ついていえば、
①ツアー客の乗り遅れがないよう、空港到着に十分な時間の余裕を取っていたか。
ヒースロー空港の場合、長距離便では出発3時間前にチェックインするよう勧められている。これが守られていればいかに保安検査に時間がかかっても乗り遅れは避けられただろう。
②男性客が手荷物の再検査が長引いていた時に、添乗員が(直接又は地上係員を通じて)検査係員に対して、出発時間が迫っているので間に合うように急いで欲しいという要望を伝えていたか。
③男性客の乗り遅れが避けられないと分かった時点で、添乗員が現地旅行社(必ずある)に対して男性客をフォローするよう連絡を取っていたか。
添乗員は出発直前に男性客に携帯で連絡しているので、現地旅行社に対しても連絡は可能だっただろう。

上記の諸点が実施されていたら、旅行社としての責任は果たしていると言えます。
もし一つでも欠けていたとしたら、客の側から求める添乗員の義務を果たしていなかったと見なし、何らかの補償を求める事になるでしょう。
裁判になるというのでどのような判決が出るか分かりませんが、恐らくそうした具体的な点を考慮した判断になると思われます。

なおネットの一部から、添乗員が乗り遅れた男性客と一緒に空港に残るべきという意見が出されていますが、それは無理です。添乗員は最終到着空港までの責任を負っていますので、25名のツアー客がいる出発便に搭乗したのは当然のことです。

付け加えれば、この男性客が海外で使える携帯電話を持っていたので自分で現地旅行社に連絡が出来たことと、40万円もの資金を持っていた(クレジットカードかも)ことは不幸中の幸いでした。
とにかく自力で日本に戻れたんですから、その点は良しとすべきでしょう。

2011/09/09

【ツアーな人々】団体ツアーは添乗員しだい

海外旅行のおよそ9割は添乗員同行のパッケージツアーを利用してきましたので、ざっと50名以上のツアコンと接したことになります。
利用旅行社は6社です。
こうしたツアーの充実度は、添乗員の出来不出来(当り外れ)によりかなり左右されます。優秀な添乗員に出あうと、旅の楽しさは倍増します。
ふつう旅行者はツアコンを選べませんが、最近は「人気添乗員同行」を売り物にしたツアーや、添乗員の名前が指定されているツアーもあります。
ただ人気添乗員というのは必ずしもアテにならず、「どこが?」と訊きたくなるようなケースもあるので、要注意です。

私が、添乗員にとって必要な要素と考えているのは、次の3つです。
①参加者が安全、快適に旅行できるようサポートする。
②不測の事態に、迅速かつ適切に対応する。
③参加者一人一人に細かな目配り、気配りができる。
添乗員によっては、食事の際に日本から調味料などの食材を持参して配ったり、ソバやソーメンを茹でてふるまったりする人もいますが、余計なことです。
大事なことは添乗員の本分を過不足無く果たすことにあります。

よくネットの掲示板などに、特定の旅行社の名前をあげて、添乗員がひどいから二度と利用しないなどと書かれていますが、一度や二度の経験だけでは断定的なことは言えません。
個人的な感想から言うと、阪急交通社のツアコンにはハズレが少ない。日本から渡航先までの距離が長いほど、アタリのツアコンに出会える。社員添乗員に比べ派遣添乗員の方が優秀だというような、大まかな傾向はあります。

それでは今までの旅行で、特に印象に残った添乗員を3名紹介します。
(渡航年月、渡航先、旅行社、添乗員氏名の順で記載)
2009年7月 オーストリア 阪急交通社  大藪和彦
2008年7月 ギリシア クラブツーリズム 福沢奈津子
2002年8月 中国・雲南省 阪急交通社  佐藤(名前は失念)

大藪和彦さんは、プロ中のプロというべき人で、全ての面で満点でした。固定ファンがいるのも頷けます。
良い点をあげればキリがないのですが、例えば自由時間。通常はツアコンはフリータイムとなるのですが、現地に不案内の人のために標準コースを作り一緒に回ってくれます。自由食のときは、安くて美味しい店に案内してくれます。
しかもサービスはさり気なく、決して押し付けになりません。
「豪華列車で行く南アフリカの旅」というツアーで100年に1度の脱線事故に出会ったとき、大藪さんの団体だけがスケジュール通りのツアーを続けられ感謝されたというエピソードも聞きましたが、この人だから出来たんだろうなと思います。

福沢奈津子さんは細かな気配りの人でした。
旅行者がいま何に困っているのか、何を求めているのかを的確につかみ、対処してくれます。
ツアーの最終日に参加者全員がお金を出し合い、感謝の記念品を贈ることが自然に決まったことからも、仕事ぶりが想像して貰えると思います。
福沢さんはかつてツアー客の一人が事故で亡くなるというピンチがあった際に、他のメンバーに誰も気づかれずに最後までツアーを続けたというエピソードを持っています。
優しそうな外見のかげに、芯の強いプロ根性があります。

佐藤さんはツアー参加者の中に、自閉症と思われる少年がいたのですが、実に良く面倒を見ていました。
現地ガイドが案内する旅行社の指定店に入る時、「この店は偽物が多いですから注意して」と全員に耳打ちしてくれました。こんなツアコンは他にいません。
この時の旅行で、私は一日高熱を発したのですが、佐藤さんは一晩に3回もポリ袋に氷を入れて部屋に持ってきてくれ、助かりました。
こういう時は、しみじみと添乗員同行のツアーで良かったなと思います。

これらとは反対の、ハズレの添乗員の話もありますが、それはまた別の機会に。

2010/12/07

【ツアーな人々】(続)ここにもアメリカの横暴

W.S.J.日本版12月5日号に、ペギー・ヌーナン氏(ウォール・ストリート・ジャーナルのコラムニスト)署名入りの“大統領に「普通の感覚」求む、空港での新たな身体検査は屈辱”という主張が掲載されているが、下記にその一部を紹介する。
【引用開始】
迷惑ではありません。屈辱です。新型スキャナーと身体検査では、国民は股を開いて立ち、腕を横に上げろと言われるのです。これは絶対服従の態度――警官が加害者を「米国一のお尋ね者」のように扱う時と同じ――です。公衆の面前で絶対服従の姿勢を取らされた挙句、身体の微妙な部分に触られる。これはプライバシーの侵害です。気持ちとしては、もうぐったりですよ。これは、人間を魂ではなく、肉の袋として扱うような社会です。人間は元来、人間同士距離を置いて生活するものです。その空間が侵された時、驚き、抗議するのです。
常識に従うのです。「自由な男性と女性は、粗末に扱われない権利がある。より良い道を模索しよう」です。
【引用終了】

従来からからアメリカの入国時の保安検査については、
・明確な理由が示されないまま入国を拒否されることがある
・指紋の採取と顔写真が撮られる
・過去にイランなど特定の国へ旅行した人は別室で事情を訊かれる
・これらは米国への入国者だけでなく第三国への乗り継ぎにおいても適用される
などの問題があった。
私も南米への乗り継ぎの保安検査で3時間以上待たされ、その間トイレにも行かせないということで旅行者と係員が押し問答になったという経験がある。
それでも乗り継ぎにギリギリ間に合ったが、なかには出発に間に合わなかったケースもあると聞く。
最近これに加えてスキャナーの導入や身体検査の強化がなされている。
冒頭の記事のように、アメリカ国内でも問題視されているのだ。

加えて、今年米議会で、観光のPRや電子渡航認証システム(ESTA)システムの経費を捻出する目的で「旅行促進法案」が可決された。
これにより米国を短期の観光や商用で訪れる際、今後は10ドルの手数料を支払うことになりそうだ。
米国を経由して第三国への乗り継ぎ客も対象となる。
日本やEUからは、手数料は実質ビザ代にあたるということで、米国政府に懸念を表明しているが、アメリカ政府はビザではなく入国手続きの一環だと反論している。
しかし手数料の徴収が、短期滞在者を対象にビザを相互免除する取り決めに反していることは明らかだ。
手数料は一定の周知期間を経て徴収が始まるようだ。

こうした米国の姿勢に対して日本の旅行社の中には、米国での中南米への乗り継ぎを避けるため、カナダ経由にするというコースを売り出している。
やむを得ぬ自衛策である。
いくら安全のためとはいえ、人間性を無視したような保安検査は見直すべきだろう。