行政

2015/02/24

「大垣署」警察はまだこんな事をしてるのか

警察は事件や事故から私たち市民を守る有りがたい存在と思われがちだが、もう一つの顔がある。それは「公安警察」で、「公共の安全と秩序」つまり治安を維持することを目的とする警察である。戦前の特高警察の流れをくんでおり、連合軍が解散命令を出したことにより組織替えしたものだ。
警察庁警備局を頂点に、警視庁公安部・各道府県警察本部警備部・所轄警察署警備課で組織される。形式的には自治体警察の一部であるが、予算は警察庁警備局が握っており国庫から支出される。
構成員だが、東京都を管轄する警視庁を例にとると約2000人の人員である。

ではその公安警察とはどんな活動をしているのか。通常は私たちの眼には触れないが、ここでは岐阜県大垣署警備課が、風力発電所の計画をめぐって、中部電力の子会社であるシーテック社(以下シー社と略す)に特定の市民の個人情報を提供していたという件をとりあげたい。
これは大垣署警備課長とシー社との打ち合わせ議事録によって明らかになった。
建設予定地である自治会の動きと、大垣署とシー社との協議の流れは以下のようである。

2013年7月28日 住民らが風力発電の勉強会を開く
   8月7日 大垣署とシー社との第1回情報交換
2014年2月2日 自治会の総集会でシー社の調査に反対を決定
   2月4日 大垣署とシー社との第2回情報交換
   5月22日 県知事、中部電力、シー社に対し自治会が反対の意向を表示
   5月26日 大垣署とシー社との第3回情報交換
   6月26日 中部電力の株主総会で風力発電に関する発言
   6月30日 大垣署とシー社との第4回情報交換

上記のように住民らの何らかの動きがあると、大垣署とシー社は直ちに情報交換していることが分かる。
では大垣署はシー社に対してどのような情報を提供していたのだろうか。
地元の養鶏家で自治会長であるAさんと住職のBさんについては、風力発電の勉強会を開いたということで大垣署から「風力発電にかかわらず、自然に手を入れる行為自体に反対する人物」とされた。勉強会の内容が警察により監視されていたのだ。
他には大垣市内の法律事務所「ぎふコラボ」が槍玉に上がっていた。同所がかつてゴルフ場建設差し止め運動を起こしたことがあり、AさんやBさんも反対運動に加わっていたため、両者が密接につながっていると見られたようだ。「ぎふコラボ」の事務局長Cさんについては、「病気のため入院中で、直ぐに次の行動に移りにくいと考えられる」と、大垣署はシー社に個人の病歴まで伝えている。
さらに中部電力の株主総会で「シーテック社の風力発電が気になりますが」と発言したDさんについて大垣署は、「風力発電事業の反対運動に本腰を入れそうである」とシー社に報告している。Dさんが東京大学を中退しているという学歴情報までシー社に伝えていた。
今回の大垣署の行為は、風力発電に反対しそうな人物を特定・監視し、その個人情報を一私企業であるシー社に伝えていたわけで、明らかに違法行為である。

今回は風力発電をめぐる公安警察の動きの一端が明らかになったが、過去には特に原発の建設に反対した人たちを狙い撃ちして監視したり行動を妨害した前科もあり、「公共の安全と秩序」の名のもとにこうした違法行為が繰り返されてきた。
改めて監視社会の恐ろしさを感じる。

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2014/02/08

「正社員ゼロ法案」が進行中

都知事選が明日に迫った。都知事選は単に一地方自治体の首長選にとどまらず、今後の国政の行方にも影響を及ばすから結果が注目される。
選択の一つは、猪瀬前知事の選挙資金をめぐる不正疑惑を受けての選挙なので、先ずは清廉潔白な人が好ましい。政治家を評価する場合、何を主張しているかが問題ではなく、肝心なのは何をしてきたかだ。そういう基準で明日は意中の候補に投票する。

国政に目を転じて、日本をどういう国にして欲しいのかという点では、真面目に働いていさえすれば食っていけ、つましいながらも家族が持てるような暮らしが送れるという国、これが最優先されると思う。
しかし安倍内閣の政策はこれと逆行している。その一例が、いま準備中の「労働者派遣法の改正」だ。
厚労省の「労働政策審議会(労政審)」で審議が行われている。

1985年に派遣法はできた時は、派遣は例外的な働き方と定義されていた。
1999年に、派遣が使える業務が自由化される。
私が現役時代の途中までは、労働者は少なくとも真面目に働いていれば職を失うことなく、困窮しない程度の賃金を得ていた。
それが崩れ始めたのを実感したのは今から30年ほど前だから、派遣法が施行された時期とほぼ一致する。
2003年の改正で派遣は製造業にも解禁になり、「専門26業務以外は最長3年」という縛りを設け、3年以上使う場合は直接雇用を促す仕組みになった。
2008年のリーマンショックを機に「派遣切り」が大きな問題になった。
これを受けて民主党政権下の2012年に、日雇い派遣の禁止、ピンハネ率の公表、違法派遣を受け入れた企業の直接雇用義務などの規制強化の改正が行われた。民主党も少しは良い事をしたわけだ。

ところが安倍政権になって事態は一変しつつある。
財界からの要請で、派遣法を一気に変えようとしているのだ。
今回の検討を進めている改正案の主要点は次の通り。
・現行の専門26業務の制約を外し、全ての業務で無期限の派遣を可能にする。
・派遣会社が無期限に雇用しているスタッフの派遣は無制限に認める。
・一部が届け出制だった派遣会社を全て原則許可制にする。

派遣社員の年収は、賃金構造基本統計調査によると、200万円以下の人が77%だ。
これに対する正社員の平均年収は約523万円といわれているので、総合的には約200万円~300万円の格差がついていることになる。
一般に年収200万円以下をワーキングプアと定義されているが、派遣社員のおよそ8割が該当することになる。推定では既に1000万人を超えている。さらに男女の賃金格差もあり、女性では昼間の仕事を終えて夜に別のアルバイトをせざるをえない人が増えている。
賃金だけではない。
労働災害の発生率も派遣の場合は、正社員より50%高い。慣れない人を危険な作業に回すからだ。
もし審議中の改正案が通るようであれば、企業は派遣社員を何年でも使い続けられるようになるので正社員から派遣への切替が進み、やがて生産現場のほとんどが派遣という事態になりかねない。

「自由に使って、いつでも切れる」というこの改正案だが、労政審の最終報告がまとまり、今通常国会で法案を通し、2015年の施行を目指している。
労働界から厳しい批判も出ているが、政府はどこ吹く風。
財界や大企業の利益を優先する安倍政権の下では、残念ながら法案成立の流れは目に見えている。

ネットには安倍首相応援サイトが数多あるが、彼らはこうした法案をも歓迎しているのだろうか。訊いてみたいものだ。

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2012/11/16

役所の「振替」詐欺にご注意

国民健康保険の今年度下半期の納付書が届いた。
こういう文書か同封されていた。
「国民健康保険料は口座振替が原則です」。
ほー、いつからそんな事が決まったんだろうと、区役所の国民年金課へ電話で問い合わせた。

-口座振替が原則と書かれていますが、その根拠は?
「根拠はありません。そのほうが便利だということでお願いしているだけです。」
-お願いするのと、原則とは違うでしょ。
「ええ、・・・」
-原則というのは規則に基づくという意味ですよ。どういう規則が決まったんですか?
「規則は何もありません」
-規則が無ければ原則という表現は出来ませんよ。
「はい、・・・」
-口座振替にすると便利だと言いますが、便利かどうかは納付者が決めることじゃないんですか?
「はい、・・・」
-私のように毎月きちんと期限を守って納付している者に口座振替を勧める理由は?
「ありません・・・」
-私の言ってること、何か間違ってますか?
「いえ、・・・」
-では、原則というのは誤りですから、今後はこうした文書を入れないように。
「分かりました」

つまり「国民健康保険料は口座振替が原則です」は真っ赤なウソだったということだけはハッキリした。
では何故こんなウソまでついて口座振替を促すかといえば、一つは取りっぱぐれが無くなること、それに彼らの事務処理が楽になることだろう。
年金受給者ならお分かりだと思うが、近ごろは地方税や介護保険も年金から差っ引かれるようになった。天引ですね。
サラリーマン当時は、全ての税金、社会保険料も天引きだ。
そうすると払っている(or取られている)という実感が薄くなる。
下手をすれば年末調整を見て、なんだこんなに取られていたのかと腹を立てることになる。
消費税も買い物をするたびに自動的に支払う仕組みだから、やはり税金を払っているんだという感覚がなくなる。
よく国民の政治意識が低いと言われるが、政治意識とは言い換えれば納税者意識だ。払っている税金がいかに公正に再分配されているかに尽きる。
そのためには、本来は税の天引制度は廃止し、一人一人の国民が自分で納税するよう改めるべきなのだ。
その天引制度だが、元々は戦時中人手が足りないからと始まったことで、これが何故か戦後もそのまま続けている。だから元へ戻すのが筋論なのだ。

安易に口座振替などせず、こんなに取られるのかと思いながら毎月納付に出かけるのが正解だと思う。
でも「天引制度撤廃」を公約に掲げる政党は一つもない。不思議だなぁ。

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