ギャンブル

2010/12/17

「カジノ」より「吉原」でしょう

警察によるカジノの摘発が頻繁に報道されている一方、地方自治体の首長らによる「カジノ」合法化の声が喧しい。
12月16日にはカジノの合法化による複合エンターテインメント施設の設置を目指す超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(通称;カジノ議連、古賀一成会長)が参院議員会館で会合を開き、大阪府の橋下徹知事や神奈川県の松沢成文知事らを招いて意見を聴いた。
橋下知事は「国の方針が示されれば、大阪はいつでも現場の声を届ける」と述べ、大阪府を含めた関西経済圏へのカジノ誘致を求めた。
松沢知事も「(カジノ合法化のための)法案をまとめ、できるだけ早く結果を出してほしい」と要請し、「神奈川県は都市、レジャーの観点から魅力をもっており、カジノを誘致するのにふさわしい地域だ」と強調した。
これに対し、古賀会長は来年の通常国会にカジノ合法化のための法案を議員立法で提出し、成立を目指すとの決意を表明した。
同じ16日には千葉県内経済界や成田空港周辺市町などで構成する成田空港緊急戦略プロジェクト会議(座長・森田健作知事)の第6回会合が開かれ、成田空港周辺にカジノを核とする複合施設を誘致する計画について、県は来年度予算に調査費を計上する方針を明らかにしている。
そういえば先年、東京都の石原慎太郎知事も、お台場カジノ構想をぶち上げていたっけ。
一方で警察(日本は自治体警察だ)が取り締まりながら、その一方で首長が誘致を目指しているんだから、ワケが分からない。
それも日ごろ、やれ道徳だ倫理だのと説教を垂れているような人物がカジノの旗振りをしている。
要は地方自治体だかその手先だかが博打(バクチ)の胴元をやって、寺(テラ)銭を稼ごうという魂胆だ。

「打つ」というなら「買う」、いっそ売春の合法化はどうなのだろう。
「吉原」の復活だ。
現在の売春防止法で禁止されているのは、勧誘、周旋、場所の提供や管理売春などであり、賭博と違って売春そのものは禁止されていない。
従って、カジノなどの賭博よりずっと合法化のハードルが低いと考えられる。
法律で禁じられていても、実際には日常公然と行われているのも賭博と同様。
合法化により、暴力団の資金源を断つこともできる。
カジノ推進の謳い文句に、外国人観光客の増加があげられているが、それだったら「吉原」の方が手っ取り早いだろう。
「吉原」の復活なら、日本の伝統文化の継承という大義名分も立つというものだ。
もちろん運営は地方自治体が行うことにすれば衛生管理は万全、料金は明朗会計、お客さんも安心して遊べる。

この意見に反対の方も多いだろう。
それなら、カジノはいいけど「吉原」はどうも、という人がいたら訊きたい。
ギャンブルと売春、どっちがより反道徳的で、どっちが社会への悪影響の度合いが大きいのかと。
カジノ合法化論というのは、どうも胡散臭い。

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2010/06/17

【野球賭博】ギャンブルの「官民格差」

相撲協会が「野球賭博」問題で連日ゆれていて、琴光喜以外にも豊ノ島や、ついには大嶽親方にまでその疑惑が及んでいる。
ただ、その報道の中で気になっていることがある。それは、野球賭博が暴力団の資金源になっていて違法だという指摘だ。
どこの資金源になっていようと、賭博は違法なのだ。
そもそも日本の法律では、賭博それ自体が禁止されている。
賭博(とばく、ギャンブル、博打)とは、一般に「偶然性の要素が含まれる勝負に財物(金銭、品物など)を賭け、その勝負の結果によって賭けた財物のやりとりをおこなう行為」をいう。
賭博の禁止については、刑法185条以下に定められている。

(賭博)
第185条 賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
(富くじ発売等)
第187条 富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。

このように日本の法律では、「籤(くじ)」を含む一切の賭博を禁止しており、賭博場を開くことや、「富くじ」に関しては取次ぎや授受さえも罪に問われることになっている。
違反すれば、いずれも最高刑は懲役だ。
全てがこの法律通りに運用されているなら、問題はない。
ところが競馬、競輪、競艇、オートレース、各種の宝くじ、サッカーくじ(toto)などは、明らかに賭博であるにもかかわらず合法とされ、堂々と開帳されている。
なぜサッカーなら合法で野球なら違法なのか、それはサッカーは「官」が行っているのに対し、野球は「民間」が行っているからだ。
全く同じ行為をしても、官がやれば合法、民がやれば違法、これが今の日本の現状だ。
これでは賭博が違法だという認識が薄れ、安易に手を出す風潮が改まらないのではなかろうか。

官が行う賭博が許されているのは、それなりに大義名分があるからだという言い訳も出来るかもしれない。
では代表的な競馬だが、戦前に当時の陸軍が軍馬の育成を名目として始めたものだ。
今では軍馬が使われることはなく、競馬を継続する理由はなくなった。
財政に寄与しているかといえば、地方公共団体が主催している競技の多くが赤字で、むしろお荷物になっている。
宝くじは、収益金が天下り官僚の高額給与に消えているなど、ムダ使いが横行していることが明確になったばかりだ。
一体、これら官で行っている賭博(ギャンブル)のどこに、公共性や公益性があるというのだろうか。
今回の事件の背景には、官が行っている公営ギャンブルを野放しにしてきた行政や司法にも責任があるのではなかろうか。

現行の法律に従って全ての賭博を禁止するか、あるいは一定の基準(規模、参加人数、金額、特区など)を設けて合法と違法の線引きをするか、とにかく官民同じ基準で法律を適用していく必要があるだろう。

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