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2018/07/03

「食べてはいけない」なんて、もう遅いぜ!

近ごろ週刊誌などで、「食べてはいけない」「体に悪い」「危険な」食品について特集記事が組まれている。
ネットにも転載されているのでいくつか記事を読んだが、まともに信用するなら昔からずっと身体に悪い食べ物を摂取し続けてきたことになる。それでも、この年になるまでこれといった大病もせず生きてきた。今さら危ないなんて言われたって、もう遅いやね。

「体に悪い」食品として「白米」を第一にあげていたケースがあったが、冗談言っちゃいけねえ。もし事実なら、私なんざあとっくに死んでなくちゃいけない。
子どもの頃は白米を食べることが夢だった。小学校低学年までは「銀シャリ」と呼ばれ、白米は憧れだったのだ。
逆に米農家で育った人に聞いたら、戦後しばらくは米しか食べられなかったそうだ。人間、米さえあれば生きていけると、その人は言っていた。

小学校は給食だったが、内容はコッペパンと、後は脱脂粉乳をお湯でといたミルクだけ。栄養バランスも何もあったもんじゃない。それでも食べるものがあるというのは幸せで、当時は登校拒否なんていう生徒はいなかった。なぜなら、学校に来れば給食にありつけたからだ。
私と同世代の人なら、みな同じような食糧事情だったと思う。
偏食がいけないなんて、本当かね。
取引先の人で、野菜が嫌いで一切口にしないという人がいた。そして肉が大好物で、肉しか食べないのだ。
でも身体はスリムだし、健康そのものだった。

むしろ問題なのは、サプリメントだの健康食品だの、そちらの方じゃないの。
塩は人間にとって無くてはならないものだが、ある量を超えて摂取すれば死に至る。それと同様に、どんな栄養成分でも摂りすぎは有害だ。
それとなく効能をうたっているものもあるが、本当に効くのであれば副作用も起きるだろう。
だから、サプリメントは信用しない。
現役当時、社命で一時期、健康食品の開発に携わったことがあるが、あの業界は半分は詐欺まがい、素人が手を出すようなもんじゃないと思った。会社も2年ほどで手を引いたが、正解だった。

病気で食事制限をされている方は別にして、要は食べたいものを食べるのが、健康への近道じゃなかろうか。

2015/03/02

「和食」が無形文化遺産に登録された理由(わけ)

月刊誌「図書」2015年1月号に「美味しいの、なんでやろ?」というタイトルで、日本料理の村田吉弘氏と地球科学の巽好幸氏の対談が載っている。この中で村田氏が「和食」をユネスコの無形文化遺産登録に尽力したとある。
私は日本料理が特に美味いから、世界的に流行ってるからという理由で文化遺産になったと思っていたが、村田氏によるとそれは全然違うのだそうだ。
我々は山紫水明に国に住んでいて北海度から沖縄まで飲めるような軟水が豊富にある。その水に浸かった稲が米になり、その米を水で炊いてご飯にする。米と水と大豆と、そこに昔からの発酵菌で醤油や味噌をつくる。四海流が流れていて世界一魚種が豊富な国で、魚獲って、野菜食べて、米食べて、それを発酵調味料で調理していたら、外国から買うもんなんかないと村田氏は主張する。うちらはうちらの国だけでやって行こうと思ったらちゃんとできるのだ。
処が米の消費量は落ちる一方、肉の消費量は20年間で5倍になった。食料自給率は39%まで落ちてしまった。
このままでは和食は滅んでしまう。そうした危機感から無形文化財に登録して保護せねばならない。これが登録した理由だと村田氏は語っている。

日本料理の特色は「旨み」が中心となっている。
この結果、懐石料理は65品目で1000キロカロリーしかない。フランス料理のフルコースでは23品目で2500キロカロリー、イタリア料理のフルコースでは19品目で2500キロカロリーだ。
旨みを中心に置くことにより、多品目の食材を使いながら低カロリーに抑えることができる。
和食の基本は「軟水」にあることを日本人は忘れている。硬水では旨みは出ない。だから海外での和食イベントでは必ずボルヴィックを使う。
ほうれん草を日本の水で湯がくとグリーンになるが、フランスの水ではグリーンにならない。
逆に日本でイタリア料理を作るときは、水に石灰を加えて硬水にしなくてはならない。
日本国内で関東と関西とでは水質が違う。関東の水で昆布の出汁(だし)を取ると昆布が膜をこしらえてしまい上手くいかない。そのため関東では出汁が鰹節中心になったという。

対談では日本料理の精神性にも触れている。
料理を食べる前に手を合わせるというのはどこの国でも一緒だが、例えばキリスト教徒の場合なら神に手を合わせる。しかし日本人は違う。我々は食べ物と食べられる物、料理を作った人に手を合わせる。このものの持っている命を自分の命として「頂きます」という。
食事の最後に「ご馳走さま」という民族も世界で日本人だけだと。

このままでは日本料理は絶滅危惧種になりかねない、という危機感は理解できた。
だからTPP交渉なんてトンデモナイのだ。
安倍さん、分かるかな?

2014/04/07

【捕鯨禁止】他人の食卓に口を出すな

食べ物で、ある人が大好物なのに別の人にとっては大の苦手ということはよくあることだ。その時「俺が嫌いだからお前も食うな」と言われたら誰でもムッとし反発するだろう。
南極海での日本の調査捕鯨が国際捕鯨取締条約に違反するとして、オーストラリアが国際司法裁判所(ハーグ)に差し止めを求めた訴訟で、同裁判所は3月31日、豪州側の主張を全面的に認めたが、この判断は正に「お前も食うな」という食の押し付けだ。
19世紀から20世紀中葉にかけてアメリカやオーストラリアなどは鯨油を採取する目的の捕鯨を世界的に行い、絶滅寸前に瀕した鯨種もいた。しかし、それらの国ではクジラを食料とする習慣が根付かなかった。捕鯨に反対している国はいずれもそういう国だ。
一方、日本をはじめロシア、ノルウェー、アイスランド、カナダなどは伝統的食文化としてクジラを食料とし、捕鯨を行ってきた。これらの国はいずれも捕鯨に賛成している。
つまり捕鯨に賛成か反対かというのは、クジラを食べる習慣があるのかないのかという立場の相違に過ぎない。
現状では「食べない派」が多数派になっていたので、捕鯨が禁止されてしまったというわけだ。
もちろん捕鯨禁止論には様々な理屈が付けられているが、その大半は根拠が薄いものだ。はじめに結論ありきで、理由は後付けというのが実状なのだろう。
クジラが可愛いとか頭が良いからなどの理由は噴飯ものでしかない。

海外に行くと実に様々な食文化があり、こんなものを食べるのかと驚くこともあるし、逆に宗教上の理由などから私たちが日常的に食べているものが禁止されている国もある。
それは、お互いに尊重されなければならない。
ヒンドゥ教を信奉する国が牛肉を食べないことを理由に、他国に対して牛の飼育を禁止する法令を出したらどうなるだろうか。理由は何とでも付く。例えば牛のゲップが地球温暖化の原因だという言いがかりでもいい。そんな主張をする国は出ないだろうし、他国が受け入れるとも思われない。
豚を食べないイスラム教国が世界で多数を取ったら、豚の飼育を禁止する国際法を作るだろうか。それも有り得まい。
捕鯨禁止も同じことだ。
捕鯨禁止を主張する国は、クジラを食す国の伝統的食文化を壊すことが目的だと思われる。現に、こうした状況が続けばやがて日本人もクジラを食べなくなるだろう。
とにかく「他人の食卓に口をだすな」と言いたい。

2007/11/20

【ミシュラン騒動】アテにならないグルメ本

Mishuran2年ほど前に妻と二人で久々に銀座に出る機会があり、たまには昼飯をハリコムかという事になって、銀座でも有数の有名寿司店に入りました。
先ず店内に入った瞬間に、シマッタと思いました。それほど店内の空気が澱んでいるのです。午後1時を回っていましたので、昼時の雑踏が一区切りついていたのでしょうが、一口にいえば店員が揃ってダレテいるのです。
入店した以上は仕方なく、昼のメニュウから「ちらし寿司」を注文しました。値段は確か4000円位だったと記憶しています。カウンターの向こうに3-4名の寿司職人が、いかにも手持ち無沙汰な様子で、ただボーっと立っていました。
店員のしつけからいけば、寿司チェーン店の方がよほど上です。
少しすると注文の「ちらし寿司」が出てきましたが、味がやたら甘ったるいだけで、ただ不味いというしかありません。
店内は、客が私たち夫婦ともう一人だけで、妻と「これじゃあ客は来ないよな」と話していました。
ネットでこの店の口コミを見ると、私と同じような感想が載っていましたので、やはりそうかと思いました。

その店の名は、「銀座寿司幸本店」です。
世界でもっとも権威のあるレストランガイドとされている「ミシュランガイド東京2008」に掲載される“星つきレストラン”150軒が19日発表されましたが、その中にその「銀座寿司幸本店」が入っていたのは驚きです。
昼飯の、しかも「ちらし寿司」を食っただけでトヤカク言うなという声もあるかも知れませんが、どんな時間帯でもどんな料理でも、それなりに満足させるのが一流店の価値ではないでしょうか。
料理はともかく、店の雰囲気や店員のマナーなどは、時間帯に関係無いはずです。

世の中に、グルメ本ほどアテにならないものはありません。
20代の頃、会社の同僚と、当時最も権威のあったグルメ本に掲載されている有名店を食べ歩きしようと相談がまとまり、1軒ずつチャレンジしたのですが、余りに書いてある事と現実が違っていたので、数軒で取りやめました。
以来、こうしたグルメ本は一切信用しないことにしています。
理由は簡単で、取材にくると店側が特別のもてなしをするのです。有名人が推薦する店には絶対行くなという教訓があるのと一緒です。

ミシュランの場倍、欧州人3人と日本人2人の覆面調査員が昨年5月から1年半かけて調査したとのことですが、ミシュランのこうした動きは、事前に業界内部では知れ渡っていたでしょう。
いくら覆面調査といっても、単なる客か、それとも店を調査に訪れたのかは、店側は直ぐに様子で分かります。
特定の上客だけにもてなしが良いという店が、選ばれやすいのだと思われます。
結局は、その5名の調査員の主観で判断した格付けです。
料理が美味いか不味いかや、店の良し悪しに対する評価というのは、個人差が大き過ぎるのでしょう。

グルメ本で私が唯一参考になると思っているのが、「ZAGAT」(ザガットサーベイ)です。
こちらは特定の人物が選考するのはなく、多くの利用者の口コミを集計していますので、あまり大きく外れることはありません。高級店から庶民的な店まで網羅しているので便利です。
それでも最終的には自分の目で見て、自分の味覚で判定するしかないわけで、権威に踊らされて嫌な思いをするのは避けたいものです。