食品業界の懲りない面々
岐阜県養老町の食肉卸売会社「丸明」による「飛騨牛」偽装問題で、6月24日吉田明一社長が岐阜県や農林水産省の調査に対し、ブランド要件を満たさない格下の牛肉を飛騨牛として売るよう従業員に指示したことを認めた。最初は否定し最後は不正を認めて謝罪という、相も変らぬお定まりのパターンの繰り返しだ。どうせバレルのだから始めから不正を認めりゃ良いものを、学習能力が無いというか、往生際が悪いというか。
ここ数年に起きた国内食品業界の不正事件だが、主なものだけでも下記の通りで、中国からの輸入食品の不正事件など加えれば、この数倍に達する。
2002年1月 「雪印食品」の牛肉偽装
2002年6月 「日本食品」の牛肉偽装
2002年8月 「日本ハム」の牛肉偽装
2004年5月 「ハンナン」の牛肉助成金詐取
2004年10月 「フジチク」の同上
2007年1月 「不二家」の賞味期限偽装
2007年6月 「ミートホープ」の牛肉偽装
2007年8月 石屋製菓「白い恋人」の賞味期限改ざん
2007年10月 「赤福」の消費期限不正表示
2007年10月 「比内鶏」の偽比内地鶏
2007年10月 「船場吉兆」の菓子の賞味期限偽装
2007年11月 牛肉・鶏肉の偽装
2008年5月 食べ残し料理の使い回し
2008年6月 「丸明」の飛騨牛偽装
なぜ食品業界にこう不正が多いのか、理由を考えてみたい。
①企業体質 食品業界というのは名の知れた大手といわれる企業でも、一般に品質管理などがズサンであり、企業体質が脆弱な会社が多い。
②利権構造 不正事件の中でも食肉偽装に関する不正が多いのは、それなりの理由がある。
BSE(牛海綿状脳症)対策の国産牛肉買い上げ事業をめぐる不正で逮捕された「フジチク」グループ会長の藤村芳治と「ハンナン」会長の浅田満は、それぞれ全国同和食肉事業協同組合連合会(全同食)の副会長と専務理事だった。両者は共謀して農水省の担当を抱き込んで助成金を詐取していた。
全ては利権のためで、消費者の安全など二の次三の次だったのだ。
③消費者のブランド偏重 消費者の一部に、味の良し悪しよりブランドを有り難がる傾向がある。味覚というのは主観的なもので、元々個人差が大きい。「ミシュラン」騒動に見られたように、専門家を自認する人間でもアテにならない。
④不正が発覚し難い 他の商品と異なり、食品は使用(摂取)した段階で消えてしまうため、不正がみつかり難い。
これは食品業界に限ったことではないが、およそ不正に一切係わったことがない企業などというのは皆無だろう。多かれ少なかれ、スネにキズを持っている。企業の不正が明るみになるきっかけは、殆んどが内部告発だ。
では、なぜ最近になって内部告発による不正の発覚が増えたのかという理由だが、主に次の点があげられるだろう。
①企業がコストダウンのために、従業員の終身雇用制度を事実上やめてしまった。この結果、会社に対する忠誠心が薄れ、内部告発が出やすくなった。
②ネット社会になって、今まで秘密にしてきた情報が、ネットを通して瞬時に大量に伝わるようになった。
不正が明らかになれば、企業の信用が失われるだけでなく、時には会社が倒産や廃業に追い込まれるケースも少なくない。
だけど、分かっちゃいるけどヤメラレナイのだ。
こうした環境の変化に気付かず、いつまでも従来通りの姿勢を続ける企業経営者がいる限り、これからも「不正は続くよ、どこまでも」。
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