二度とペットは飼わないと誓う
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幼いころから犬が好きで、7才の時に親戚の人から雑種の子犬をもらい、育てました。名前を「ベル」と名付けました。
ベルは変った犬で、散歩につれていくと人の前は歩かず、いつも人より後ろを歩くのです。
家族で銭湯に行くときはいっしょに付いてきて、鎖をつけていなくても出入り口でじっと待っているような犬でした。
寂しがりやで、人なつこくって気が弱く、番犬には役に立ちませんが、とにかく可愛い犬でした。
欠点は鳴き声で、吠えるというよりは、人が寒さに震えるような声で鳴くのです。家族が留守になる日中とか寝しずまった夜中に鳴く、これが問題を起こしました。
私が11才になるころ、運わるく隣家のおじいさんが病で寝たきりになり、ベルの鳴き声のことで再三苦情が寄せられるようになりました。確かに病気になったときは近くの騒音が気になります。東京のような、家と家がくっついているような環境では、余計そうです。ベルの鳴き声が変っていることも災いしたのでしょう。
家族としてはやむなく、ベルを手放すことにしました。雑種ですしもらい手はありません。何回か捨てに行ったのですが、家にもどると、ベルは私たちより先に帰っているのです。
他に方法がなかったので、最終的に保健所に連れていって処分してもらうことにしました。
わたしが飼っていたのですから、母には付いて来てもらいましたが、わたし自身がベルを連れていくことにしました。
保健所の裏に犬の処分所がありましたが、そこには沢山の犬が檻に入れられていました。
母とわたしが前を通りかかると、いっせいに檻の前の金網に駆けよってきて吠えるのですが、その犬たちの悲しそうな眼は、今でも鮮明に思い出されます。犬といえども、きっと自らの運命を知っていたのでしょう。
今でも犬は好きですが、その時いらい半世紀以上経ちますが、いっさいペットは飼っていません。
ベルのために、わたしは生涯ペットを飼わないと決めたからです。
わたしの人生の中の苦い思い出として、心に残っています。
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