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2023/09/19

誰がカダフィを殺したのか

北アフリカのリビアで甚大な洪水被害が出て18日で1週間がたった。世界保健機関(WHO)は3958人が死亡し、9千人以上が行方不明だとしている。現地では遺体の身元確認を待たず、集団墓地への埋葬が始まった。国連は既に1千人以上が集団埋葬されたとした。
人口約10万人のデルナでは市内を流れる川の上流にあるダム2つが決壊し、大洪水が人々や建物を襲った。統一政府の不在でダム補修が滞り、被害が拡大した可能性が指摘されている。
また早期警報・防災システムが適切に運用されていなかったことも被害を拡大した要因という指摘がある。警報があれば事前の避難で犠牲の大半を防げていただろうと思われる。
今回のリビアの洪水被害は、直接的には地中海のハリケーンを指す「メディケーン」という低気圧が大雨をもたらしたものだが、被害がここまで拡がったのは「人災」が原因だ。
私は2005年7月にリビアを訪問しているが、遺跡の数々に目を奪われた。ローマ遺跡が残存状態といい、スケールといい、他国を圧倒していた。
現地ガイドの説明では、教育費は大学まで無料、家賃も安く、福利厚生も充実しているとされていた。豊富な石油資源を背景にした豊かな国という印象だった。
街の至る所にカダフィ大佐の肖像画が飾られていて、T-シャツにはカダフィの写真がプリントされていたのが印象的だったが。
しかし、2011年にカダフィの独裁政権に反対する反政府勢力と政府軍との間に内戦が勃発し、国内は混乱状態となった。
カダフィ独裁政権による人権弾圧が国際問題となるに従い、米国とNATOの一部の国が内戦に介入し、米英仏を中心とした多国籍軍がカダフィ政府軍への空爆を開始した。
やがてカダフィが殺害され、内戦は一応反政府側の勝利となった。
その後、親カダフィ勢力およびイスラム国の台頭を招き内戦は現在まで継続し、現在に至っている。
もともとリビアは、反目しあいがちな多数の部族をカダフィが巧みに統制することによって一国家として成立していた。カダフィというタガが外れてことにより、部族間や都市間の対立が激しくなり、収集がつかなくなっている。
「独裁=悪」という西側の常識は、常に成り立つわけではない。
最後まで責任を負えないような支援や介入は、却って相手国を不幸にすることを肝に銘じておかねばなるまい。

2023/09/10

日本は身の丈に合った海外支援を

ここの所、岸田首相は国際会議や要人との会見などで海外を飛び回ることが多い。国内では批判が多いが、海外では歓迎を受けるので気分が良いせいか表情も緩んでいるように映る。
支援を約束してくるケースも増えて、先方から感謝されるから気分が良いのだろう。自分の懐が痛むわけじゃないしね。
しかし、国民の経済実態からすると、日本は先進国とは言えない。
1人当たり名目GDPの世界ランキングでは31位で、韓国や台湾より少し上でイタリアより下だ。
1人当たり購買力平価のGDP世界ランキングでは38位で、チェコとアルバニアの間に挟まれている(以上はいずれも2022年IMF統計より)。
とても海外に大盤振る舞いする余裕などない。
先日のニュースで、ウクライナ支援についてアメリカ国内では反対が賛成を上回ったと報じられていた。
トランプはウクライナを支援しないと公言しており、そういう主張が一定程度浸透していることを窺わせる。
いま林外相がウクライナを訪れ、復興支援を約束しているようだが、戦争はどう終結するかの見通しがないまま、安易な約束は避けた方が良い。
第二次世界大戦後には日本やドイツをはじめ各国は、焼け野原の中から自力で復興してきた。誰も助けてくれなかった。ウクライナもそれは覚悟してもらわねばなるまい。
岸田は各国に福島の処理の安全性を科学的に説明しているようだが、真向から反対しているのは中国で、それも専ら政治的意図によるものだから聞く耳を持たない。
いずれ中国自身が不利な立場に追い込まれれば、方針を変えざるを得なくなる。それまで待つのが最善の策だろう。

2023/08/25

でんでん総理大臣

歴代首相の中でも安倍元総理ほど毀誉褒貶のある人は他にいないだろ。神のごとく崇める人もいれば、蛇蝎の如く嫌うアンチもいる。それは亡くなってからも続いている。
安倍についてはその政治的主張、手法に関しては種々議論があるだろうが、言葉遣いについてはおよそ総理に相応しくないと言わざるを得ない。
政治家にとって言葉は命だ。それを軽んじるなら国のトップとして鼎の軽重を問われても致し方ない。
安倍は国会で「私は立法府の長であります」と発言している。これが誤りだと中学生でも分かる。当初はこれは勘違い、言い間違いだとされていたが、安倍は同じ発言を国会で4回もしている。こうなると、「私は立法府の長」と本当に思い込んでいるんじゃないかと疑ってしまう。
国会で野党から発言の訂正を求められた際には答弁で、「訂正でんでんとの指摘は当たらない」と答弁した。これはどうやら原稿に「訂正云云」とあったのを、「云云(うんぬん)」が読めなくて「でんでん」としたようだ。読んでいて「でんでん」は変だと思わなかったのだろうか。
米国オバマ大統領の広島訪問の際には、安倍は「原爆で沢山のシイの方が亡くなった」と発言している。「市井(しせい)」が読めなかったのだ。シイなら共産党の委員長だ。
桜を見る会の件では、参加を募る文書が地元有権者に配られていたことに安倍は国会で、「募っているという認識だった。募集しているという認識はなかった」と答えている。何を言ってるのか意味不明。
長いサラリーマン生活の経験から言わせて貰うと、ビジネスの世界でも言葉がいい加減な人間は、仕事の能力も劣っていた。
安倍は屡々「美しい日本」に言及していたが、その前に「正しい日本語」を身につけるべきだった。

 

2023/07/15

何をトチ狂ったか、ゼレンスキー

米国はウクライナにクラスター爆弾を支給することになった。ウクライナが爆薬が不足している状況の中で、繋ぎとして使用するようだ。
クラスター爆弾は人間の殺傷のみを目的としたもので、被害は一般市民に及ぶ非人道的兵器として、使用、開発、製造、取得、貯蔵、保持、移譲の禁止がオスロ条約によって定められている。
日本を含む世界111ヶ国が条約に署名しているが、主な生産・保有国の米国・中国・ロシア・イスラエル・韓国・北朝鮮などは国防上の理由などのために署名していない。
欧州議会は欧州連合加盟国に対し、禁止条約への署名・批准を求める決議を採択している。
今回のクラスター爆弾の供与については、NATOの中でも異論があるのはそのためだ。
ウクライナはクラスター爆弾の使用にあたってはロシア本土には使わないとしているが、そうなると対象はウクライナの領土内ということになる。
目的のためには手段を選らばないとなるなら、ロシアとどちらが非人道的かを競うような形になる。
ゼレンスキー大統領、あなたはそれで良いと思っているのだろうか。

2023/07/13

ウクライナはNATO加盟できないだろう

ウクライナのゼレンスキー大統領が同国のNATO加盟をめぐって、NATO側がウクライナの加盟を認める方針を打ち出したが、その期限が不明確であることに不満を表明している。
ゼレンスキーとしては、各国がウクライナを支援することは当然の義務であるかの様に考えているふしがあるが、支援するかしないか、どの様に支援するかはそれぞれの国の判断だ。
それと各国がウクライナを支援しているのは、ロシアのあまりの暴虐に怒り、ウクライナへの侵攻を食い止めたいというのが本意であって、ウクライナ政府を無条件に支持しているわけではない。
そこは勘違いして貰いたくない。
ウクライナは汚職や賄賂がはびこる、国家としての態を成していない国だった。
この戦争がいずれ終結するだろうが、その後のウクライナが果たしてどれだけ正常な国になるのか、ゼレンスキー大統領がどの程度指導力が発揮できるのかは未知数だ。
それまで様子を見ようというNATOの立場は正解だ。

もし今直ちにウクライナがNATOに加盟すれば、NATO各国はウクライナ戦争に直接参加しなくてはならなくなる。
今までは兵器の供給だけだったたが、今後は各国の兵士が戦争に直接参加することになる。当然、戦死者も出てくる。
それだけは避けたいというのが各国の本音だろう。
また、ロシアとの全面対決となるので、そのリスクも負わねばならなくなる。
それやこれやで、ウクライナのNATO加盟はしばらく先延ばしになるだろう。

岸田首相は最近すっかりNATOにご執心の様子だが、仮に中国の台湾侵攻が始まってもNATO諸国が助けに来てくれるなどと期待しない方がいい。
彼らは極東の島国ことなぞ関心を持たない。
欧州を旅行して感じたのだが、有色人種への差別感情は深い。
ウクライナへの支援は、お互いに白人同士だからだ。

2023/07/03

日本共産党と「1950年問題」の呪縛

ここの所、マスメディアやネットの世界でも日本共産党への批判の声が高まっている。きっかけは、古参党員による内部告発ともいえる問題指摘だ。
主な主張点は、以下の通り。
①党首の選挙が形骸化し、志位委員長時代が長期にわたっている
②「民主集中制」の組織原則が、民主が軽視され幹部による上意下達に偏っている
共産党の組織を論ずるにあたって、いわゆる日本共産党の「1950年問題」を避けて通ることは出来ない。
戦後、日本の占領下で進駐軍は思想犯として獄中にあった共産党の幹部を解放した。共産党もこれに応えるように進駐軍を「解放軍」と位置づけ、しばらくは両者の蜜月状態が続いた。
やがて米国とソ連との冷戦が始まり、朝鮮戦争が起き、日本国内の労働運動が活発になるに従い、進駐軍は反共に舵を切る。
共産党の非合法化やレッドパージが行われ、一気に共産党潰しが進行する。
幹部の一部は地下に潜行したり、中国に逃れたりした。
中国に渡った幹部から指示が出る一方、兄貴ズラしたソ連共産党からは別の指示がくる。
日本共産党内部は混乱し、幹部が二つの組織に分裂し、それぞれが党員に別の指示を出すことになった。
その一方が暴力革命を企図し、武装闘争を仕掛ける。
しかし、これが当局による弾圧に口実を与え、日本共産党は壊滅的な打撃を受ける。
その後、もう一方の幹部が中心となって共産党の再建が行われる。
これが、いわゆる「1950年問題」だ。
ここから日本共産党は教訓を得て、次の基本的原則を置く。
①内部の派閥は認めない
②外国の党からの干渉は許さない
③極左勢力を排除する
かくして現在の組織原則が定められたが、時代の変化に合わせることも必要かも知れない。
特に「民主集中制」の原則は、ソ連や中国の状態からみて、どこへ導くのかは答えが出ている気がする。
日本共産党に期待を寄せている者の一人として、これからの対応に注目したい。

 

2023/07/01

被侵略国への殺傷能力のある兵器の輸出には反対だ

自民・公明の与党は、このほど被侵略国への殺傷能力のある兵器の輸出を認めるとの方針を固めたと報じられている。
いま、ウクライナ戦争で欧米各国がそろってウクライナへの武器支援を行っているが、かなり特殊なケースと言えよう。
例えば、今回のウクライナ戦争によく似た侵略戦争が、第二次世界大戦の開戦直後に当時のソ連によって引き起こされている。
ドイツへの進軍を企図したソ連が、フィンランド占領すべく同国へ一方的に侵入した。
ソ連とフィンランドとは国力も戦力も大人と子供ほどの差があり、勝敗は目に見えていた。
フィンランドとしては欧州各国からの支援を期待したが、結果はどの国も支援をしなかった。欧州の各国は対ドイツへの防衛に力を注がれ、他国への支援どころではなかったからだ。
ソ連からフィンランドへ侵入するルートが限られていて、道幅もあまり広くなかった点に注目したフィンランドは、進入路の道に穴を掘り兵士を潜めさせて、近づいたソ連の戦車のキャタピラの下に爆弾を投げ付けて動くけなくした。投げた兵士も即死するという過酷な作戦だったが、動けなくなったソ連の戦車隊をフィンランドはサイドから攻撃を加え、侵入を阻止した。
この戦いは何年も続き、フィンランドは一部の領土を割譲したが、第二次世界大戦を通じて欧州で一度も占領されたことがない数少ない国となった。
今度はソ連への侵攻を図ったドイツがフィンランドに攻めこんだが、これも撃退し、ユダヤ人をドイツに引き渡すことを阻止した.
フィンランドは大きな犠牲を払ったが、独力で戦ったためにフィンランドの戦後の中立政策が実現できたとも言える。
だから、被侵略国への殺傷能力のある兵器の輸出の方針など軽々に決めるべきでない。
アメリカが起こしたアフガニスタン戦争やイラク戦争では、日本はどっちの国に武器支援することになるのだろう。
被侵略国のアフガニスタンやイラクへの武器供与をするつもりだろうか。

2023/06/11

マイナンバーカード騒動に見る官僚の劣化

河野太郎デジタル担当大臣は6月7日、「マイナンバーカードに、本人ではない家族名義の口座が紐付けられている事例が見つかり、件数はおよそ13万件あると確認された」と明かした。全く知らない他人名義の口座が登録されているケースも748件あった。
原因としては、
①乳幼児など銀行口座を持っていない国民がいる
②銀行口座は氏名が「かな表記」であるのに対しマイナンバーカードでは「漢字表記」になっているため照合ができない
などがある。
起こるべくして起きたミスなのだ。
マイナンバーカードと銀行口座を紐付けるには、
①予め国民全員に銀行口座を設けさせる
②そのためには乳幼児など本人自身が口座開設できない様な場合のルールを作っておく
③マイナンバーカードの氏名は漢字とかなの双方を表記させる
この様にしておけばミスは防げた筈だ。
問題は、こんな誰でも分かることが何故できなかったかだ。
一口でいえば日本の官僚の劣化だ。自分の頭で考えずに上から言われたことだけを実行しているからこういう結果になるのだ。
恐らくはこうした手直しのために、場合によてはシステム自身の作り直しなどで何兆円もの予算がかかることになろう。
やれやれ。
責任者出てこい!

 

 

2023/06/07

「入管法改正」難民を受け容れる覚悟はあるか

現在国会では「入管法改正」いついて審議が行われているが、議論が隔靴掻痒の感がある。つまり本質論に踏み込んでいないのだ。
従来の日本政府の方針は「難民を受け容れない」というものだった。だから難民認定を渋り、彼らをなかば犯罪者扱いにしてきた。暴力を振るい嫌がらせをして「来るな!」サインを送っていた。国民の多くはこれを気にもとめず、結果としては黙認してきた。審議はここから出発すべきだった。
理由としては、難民の多くが中東やアフリカの人たちで、極東の島国である日本は蚊帳の外の位置にあったこと。旅行者以外の外国人を移入させることに抵抗感が国民にもあったことなどがあげられる。
しかし近年ではアジア諸国でも難民が発生しており、とりわけ今後は
①中国の台湾への軍事侵攻
②北朝鮮の金王朝の崩壊による(例えば斬首作戦)混乱
といった事態になれば、日本としてかなりの数の難民を受け容れることになるだろう。
それでなくとも、人道上の観点からも先進国として相応しい役割が求められているのだ。
その一方、難民受け容れ時に政権を揺るがすような大きな問題に発展する可能性もある。難民の人々の住居の確保から始まり、生活を維持してゆくための援助が必要だ。
これらを巡って国民の間に不満が高まり、欧米では世論の分断や極右勢力の台頭を招いている。
そうした覚悟を含めて、これからの難民政策の転換について国会では基本的な掘り下げた議論が必要だ。

2023/04/15

左翼の退潮とポピュリズムの台頭

4月9日に行われた統一地方選前半の結果は、維新の会の台頭と共産党の退潮が顕著となった。
この傾向はここ数年続いており、今後も同様の状況が続くと思われる。
日本共産党の選挙結果では、県議選で95から75議席に後退し、議員ゼロの府県議会が1から5に増えた。
特に牙城と言われていた京都で、府議が12から9議席に、市議は18から14議席と大幅に後退したのが特徴的だ。
欧州各国でも左翼の退潮と、対照的に極右ポピュリズム政党の躍進が目立つが、日本もその流れになってきたようだ。
米国のトランプ旋風もその一環としてみて良いだろう。

共産党の退潮の原因としては、次の理由があげられる。
①ソ連の崩壊や中国の強権的な政治により、社会主義や共産主義への幻滅が、拡がった。
②それに代わる、日本における新たな社会主義や共産主義像が明確に描けていない。
③若い層が少なくなっている一方、党員の多くが1960~1970年代に入党した人たちで、高齢化により組織力が弱体化している。
もう一つ注目したいのは、私の住む地域で行われた共産党地方議員団による住民のアンケート調査結果だ。
全住民を対象にしたアンケートだが、実際に返信した人は共産党支持者が多数を占めていたものと思われる。
①設問は全部で11問になっていて、殆どの回答は共産党の主張に近い.
②ただ憲法9条の改正だけは、賛成が38.5%で反対が34.3%と、共産党の主張とは真逆の結果になっている。
共産党支持者でも安全保障政策は、不安を抱えている層があるということだ。
共産党は外交努力により平和を保つという政策で、これは正しい。
問題は、外交は相手のあることなので、相手が話し合いに応ずる意志が全く無い国だったらどうするのか。
そこまで一歩踏み込まないと、国民の大多数は納得しないだろう。
極右ポピュリズムは、いずれ強権政治に結びつく可能性が高い。
日本共産党にはまだまだ頑張って欲しい。

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