経済・政治・国際

2017/10/19

「半主権国家」日本

小野寺防衛大臣はアメリカ軍が沖縄県・東村で10月11日、不時着炎上事故を起こしたヘリと同型機の飛行を再開したことについて「十分な説明がなく遺憾」だと批判しました。
「安全性に関する米側の判断の根拠について十分な説明が得られていないまま、CH-53Eの飛行が再開されたことは誠に遺憾であります」(小野寺五典 防衛相)
小野寺大臣はこのように述べて、「引き続き詳細な説明を求めている途中だ」と強調しました。
(10月18日JNN/TBS)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の大型輸送ヘリコプターCH-53Eの炎上事故で、小野寺五典防衛相は13日、機体の安全性が確認されるまで、同型機の運用を在日米軍が無期限で停止することで米側と合意したと明らかにした。防衛省で記者団に語った。在沖縄米軍は運用停止期間を「12日から96時間(4日間)」と発表したが、小野寺氏は「安全確認が最優先だ」と述べた。
小野寺氏によると、12日に在日米軍のシュローティ副司令官と防衛省で会談した際、小野寺氏は「期限をあらかじめ決めるのは適当ではない」と申し入れ、シュローティ氏も同意したという。
(10月13日毎日新聞)

11日午後5時35分ごろ、沖縄県東村高江の米軍北部訓練場付近で「米軍機が墜落し、黒煙が上がっている」と119番があった。沖縄防衛局によると、米軍のCH53大型輸送ヘリコプターが同訓練場近くで事故を起こし炎上した。住民や乗員7人にけがはないという。米軍は「飛行中に機体に火災が起きた」と発表した。現場は米軍施設外の民間地といい、消防や警察が状況を調べている。
CH53は2004年に沖縄国際大に墜落したのと同系統の機種で、1999年には沖縄県沖で墜落し乗員4人が死亡する事故も起こしている。昨年12月には米軍輸送機オスプレイが同県名護市沿岸部で不時着・大破するなど、米軍機による事故が相次いでおり、県民から改めて大きな反発が上がるのは必至だ。
沖縄防衛局や沖縄県などによると、事故を起こしたのは米軍普天間基地(同県宜野湾市)所属のCH531機。7人の乗員にはけがはなく、別のヘリで搬送されたという。
米海兵隊は11日夜、事故機は通常の訓練の飛行中に機体で火災が起き、緊急着陸を余儀なくされたと発表した。原因を調査中としている。
(中略)
沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は11日夜、東村の事故現場を視察し、居合わせた伊集盛久村長らに「こういう事故が起き極めて遺憾だ。心配をお掛けして申し訳ない」と陳謝した。同局長は、在沖縄米軍トップのニコルソン沖縄地域調整官に「安全確保に十分注意してほしい」と申し入れたとも伝えた。
北部訓練場は日米両政府の合意に基づき昨年12月、約4千ヘクタールが日本側へ部分返還された。オスプレイが使用するヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)があり、日常的に米軍機が飛行している。
(10月12日日本経済新聞)

(前略)
翁長雄志知事は記者団に対し「強い憤りを感じている」と抗議の意を表明、原因究明までの同型機の飛行中止を求めた。
安倍晋三首相は民放番組で「大変遺憾だ。安全第一で考えてもらわなければ困る」と述べ、米側に原因究明と再発防止を申し入れるよう指示したと明らかにした。これに関し、防衛省沖縄防衛局が在沖縄米軍に申し入れを行った。
(10月11日共同通信)

以上は、2017年10月11日に沖縄県東村高江で起きた米軍へり墜落事故に関する記事を遡行して掲載したものだ。
事故後の日本政府の対応とその結果をまとめると、次の様になる。
1.事故の発生を受けて11日、安倍首相は遺憾の意を表し、米側に原因究明と再発防止を申し入れるよう指示した。
2.沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は11日夜、在沖縄米軍トップのニコルソン沖縄地域調整官に「安全確保に十分注意してほしい」と申し入れた。
3.小野寺五典防衛相は13日、機体の安全性が確認されるまで、同型機の運用を在日米軍が無期限で停止することで米側と合意したことを明らかにした。
4.墜落炎上事故を起こしたヘリと同型機の飛行を再開したことについて18日、小野寺五典防衛相は「安全性に関する米側の判断の根拠について十分な説明が得られていないまま、CH-53Eの飛行が再開されたことは誠に遺憾」と述べて、「引き続き詳細な説明を求めている途中だ」と語った。

米軍側は、日本政府が求めた事故の原因究明と再発防止については無視し、機体の安全性が確保されるまでは事故と同型機の飛行を無期限で停止するという合意を一方的に破って、飛行を再開したということになる。
つまり日本政府の上に米軍がいるわけで、これでは主権国家とはいえまい。

事故にあった高江村は、米軍施政下のベトナム戦争当時に「ベトナム村」と呼ばれる軍事施設があった。
村内にベトナムに模した小屋が建てられ、徴用された幼児を含む村人がベトコンの恰好をさせられ、海兵隊員がこれを掃討する訓練が行われたいた。
その高江に今、米軍ヘリパッドが作られている。
「今回、北部訓練場の全体の51%にあたる使用できない土地を日本政府に返還するが、その代りに、新しい訓練施設を使った非常に効率的な訓練が可能となる」
(米海兵隊「戦略ビジョン2025」)

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2017/10/09

安倍首相に、先ず自身の「ファクトチェック」を

以前に見たコント集団「ザ・ニュースペーパー」の一場面を思い出した。
テーブルの上には新聞各紙が並べられていて、その前の椅子に安倍首相に扮した芸人が次々と新聞を手に取って読み始める。
「ああ、産経、いいこと書いてますね」などと言いながら機嫌よく読み進める。そのうち「朝日?」と、今度は手に取った朝日新聞をポーンと後ろに放り投げる。

昨日行われた日本記者クラブ主催の党首討論会でのことだ。
党首討論会で朝日新聞の坪井ゆづる論説委員が、今年7月の予算委員会で、安倍首相が加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは今年1月20日だったとした発言について質問した時だ。
安倍はこの問いに直接答えず、「まず、朝日新聞は八田(達夫・国家戦略特区ワーキンググループ座長)さんの報道もしておられない」と返した。
坪井が「しています」と反論すると、
「ほとんどしておられない。しているというのはちょっとですよ。アリバイ作りにしかしておられない。加戸(守行・前愛媛県知事)さんについては、(国会で)証言された次の日には全くしておられない」と述べ、坪井は再度「しています」と反論した。

これについて朝日新聞は、八田の発言に関しては獣医学部新設の決定プロセスを「一点の曇りもない」とした答弁や、「不公平な行政が正された」とする見解を掲載していたと言う。また、こうした国会での発言も含め、10回以上、八田の発言や内閣府のホームページで公表された見解などを掲載してきたとも。
加戸については、閉会中審査が開かれた翌日の7月11日と25日付の朝刊で、国会でのやりとりの詳細を伝える記事で見出しを立てて報じ、「時時刻刻」欄で加戸の発言を引用したと言っている。

こうした事実関係は少し調べてみれば直ぐに分かることで、もし調べていないなら軽々に発言しないことだ。
また、朝日の報道について批判するなら他紙との比較も必要だ。
冒頭のコントじゃないが、自分の気に入らない新聞はあまり読まないか、あるいは印象だけでものを言うから、こういう発言になるとしか思えない。
第一、党首討論会で特定のメディアに逆質問したり批判したりするのは、宰相として自らの器の小ささを天下に示すようなものだ。
「ぜひ国民の皆さんに、新聞をよくファクトチェックしていただきたい」と安倍は呼びかけていたが、その前に自身の「ファクトチェック」が必要だ。
(敬称略)

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2017/09/30

民進党から希望の党への持参金

以下、「YOMIURI ONLINE」9月30日付の記事より引用。

【希望の党の小池代表(東京都知事)が、民進党からの入党希望者に提示する条件案が29日、わかった。
集団的自衛権の行使を限定的に認める安全保障関連法の容認や消費増税凍結への賛成などに加え、民進党から支給された政党交付金の提供も求める方針だ。
(中略)
提供された政党交付金は選挙資金に充てる方向だ。

つまり民進党から希望の党に入党する際には、持参金を持って出ることが条件とされている。
そして、その資金は希望の党の選挙資金になるというものだ。

政党交付金は政党助成制度に基き公布されるが、その「政党助成制度」について総務省のHPには以下の様に示されている。

【政党助成制度は、国が政党に対し政党交付金による助成を行うことにより、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とした制度です。】

つまり政党交付金というのは国から政党に対して支給するものであって、議員個人に支給するものではない。
民進党が解党したのなら、交付金の残金は直ちに国庫へ返納するのが筋だろう。
YOMIURIの記事が正しいなら、移籍する議員をトンネルにして民進党から希望の党に渡ることになり、「公明と公正の確保を図り」という政党助成制度の精神に反する。
こうした資金移動は違法ではないらしいが、法律に違反しなければ何をしても良いというなら、安倍晋三と同類である。

こうした不透明な資金移動が行われぬよう、私たち納税者は監視の目を強めねばなるまい。

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2017/09/29

小池ニハマッテ サア大変

民進コロコロ 転ガッテ
小池ニハマッテ サア大変
自民ガ出テキテ 今日ハ
維新モ一緒ニ 治メマショ
(「どんぐりころころ」)

希望の党から衆院に立候補予定の元文科相・中山成彬は、28日のツィッターに
「安倍首相の交代は許されない」
と投稿している。
(「産経ニュース」の記事より)
希望の党は、まあそういう党だってことだ。

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2017/09/28

「希望の党」と言うもう一つの「自民党」

選挙に出る度に所属政党を変えて「政界渡り鳥」の異名を持っていた小池百合子、しばらく自民党に納まっていたが、党籍を残したまま都知事に立候補して「都民ファーストの会」を作り、都知事に当選するや今度は国政政党「希望の党」を作った。
政治家としてこれといった実績は思い出せないが、機をみるに敏であることと、マスコミ操作が巧みなことだけで、小池百合子は今日の地位を築いたと言っても過言でなかろう。

今回もこうした才能を最大限に生かして、あっという間に政治舞台の寵児に自分を仕立て上げてしまった。
当初は、他の政党で今回の総選挙に落選しそうなメンバーばかりが集まり、まるで「選挙避難民の会」の様相を呈していたが、ここへきて何をトチ狂ったのか民進党が勝手に解党し希望の党に合流することを決めたようだ。
もっとも合流というのは民進党が勝手に思っているだけで、小池百合子側は個人面接で篩いにかけて選別すると言っている。
どっちの言い分が本当なのかは分からないが、腰砕けの前原誠司と手練手管に長けた遣り手とでは、最初から勝負になるまい。

その希望側の選別基準というのは憲法と安保政策だと公表している。つまり改憲と安保法支持の二つだ。
こう書くと、それじゃ安倍政権と変わらないじゃないかと思われるだろうが、その通りだ。
元々小池百合子の政治理念は安倍晋三に近い。
そして象徴的だったのは、安倍の永年の盟友の中山恭子が希望の党に加わったことだ。
脱原発だの情報公開だのと言っているが、所詮は付け焼刃。
立ち上げたばかりの都民ファーストの会の代表がコロコロ変わり、その過程は所属する議員でさえ公開されていない。
自分に都合のいいことだけ公開するという姿勢は、既に築地市場移転問題でも明らかだ。

選挙中は、おそらく反安倍政権を喧伝するだろうが、実はこれといった対決軸がないのだ。
今回も新党ブームが起きて(有権者もいい加減に目を覚ましたらどうか)、希望の党からはかなりの当選者が出るだろう。しかし、単独で過半数を獲得するのは到底無理だ。
一方、自民党はその影響を受けて議席を減らすだろうが、衆院の第一党は確保するだろう。
仮に、自民党が過半数を割り込むことになれば、自民・希望の連立政権が最も現実的だ。だって基本政策に違いがないことは、自民党の幹部が言っているではないか。その際には、何かと邪魔な公明党を閣外に出せる。
まさかそんな事は、と思う方もいるかも知れないが、かつての自民・社会連立政権よりよほど納まりがいい。
かくして、維新の党を加えた衆院の圧倒的多数が「改憲勢力」となる。
安倍晋三の永年の夢である憲法改正が、現実的な日程にのぼることになるわけだ。

小池百合子は、希望の出現で政権選択が拡がると語っていたが、むしろ狭まったと考えるべきだ。
今日の民進党の議員総会で、前原誠司が「名を捨てて実をとる」と言っていた。
フタを開けたら、実は安倍晋三の方こそが「名を捨てて実をとる」になることを憂慮している。

ここで狂句を一句、
女狐に絡め取られて貰い水
お粗末さまでした。

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2017/09/23

「今のうち解散」という愚挙

憲法第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

その国会議員の4分の1以上の署名で国会の召集を求めて、はや3ヶ月近く経つ。憲法の条文には何日以内とは書かれていないが、精神からいえば「速やかに」召集すべきなのだ。
それを外交日程がどうだこうだとか、今は緊急事態だとか、いろんな理屈を並べて先延ばしして、ようやく国会を召集するとなったら、冒頭で解散するという。
これほど人を愚弄した話はない。
どうも安倍政権は法律に書かれてなければ何をしてもいいと思っているようだ。こういう人間に、道徳だの道義だのを語る資格はない。

安倍晋三首相は9月20日、国連総会での演説で核・ミサイル開発を続ける北朝鮮について、「脅威はかつてなく重大で、眼前に差し迫ったものだ」と強調した。
もし本当に脅威が眼前に迫っているのなら、なぜいま国会を解散し総選挙などを行う必要があるのか。
明らかな論理矛盾だ。

この度の解散は、「今のうち解散」と言うべきだろう。
自民党の支持率が高い「今のうち」
国会が開いて新大臣のボロが出ない「今のうち」
民進党がガタついている「今のうち」
北朝鮮の核やミサイルで国民が危機感を持っている「今のうち」
国民の事などどうでもよく、あるのは党利党略だけだ。
それを良しとする人は話は別だが、そうでない人は選挙で安倍政権に鉄槌を下さねばなるまい。

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2017/08/08

「丁寧」より「正直」な説明を

安倍首相は三語族だ。
「しっかり(と)」「緊張感を持って」「丁寧に(な)」の三語で、国会答弁などではこの三語を除くと、ほとんど意味のないことを語っている場合が多い。
特に近ごろは、「しっかりと緊張感を持って丁寧に説明してゆきたい」を連発している感がある。
各新大臣の会見でも、このフレーズを頻発していた。
しかし、大事なことは「正直に語る」ことであり、事実を隠蔽したり虚偽の答弁を「丁寧に」して貰っても意味がない。
多少ぞんざいでもいいから、何事も隠さず「正直な説明」こそ、いま求められている。

あの文書好きな官公庁が、大事な議事録や会議のメモを簡単に破棄することなど、あり得ない。
民間企業でも、相手の交渉については議事録やメモを残すことは常識だ。
契約交渉の場合、契約書の解釈について齟齬が生じることがあり、契約期間終了時までメモを残す。相手との話し合いがこじれた場合には、メモは解決のための有効な手段となるからだ。
まして官庁ならなおさらである。
いつまでも隠しておかないで、さっさと出しなさい。

「日本ファーストの会」とやらが設立されたらしい。
都議会選で躍進した味をしめて、いよいよ国政に進出するらしい。
だが、大量に当選者を出した「都民ファーストの会」は、未だ何も実績を残していない。数だけは揃えたが、海の者とも山の者ともつかぬ状況だ。
先日、毎日新聞が全都議を対象にアンケート調査を行ったが、「都民ファーストの会」所属都議は全員が「無回答」だっとと報じられている。どうやら本部の指示らしい。
主張や政策があって政党を結成するのであって、政党を作ってから政策を考えるというのは筋が通らぬ。

かつて泡の様に沢山の新党が生まれたが、大半は消滅するか、自民党など既成政党に呑み込まれてしまった。
その姿は、「日本ファーストの会」の未来を暗示しているかのようだ。

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2017/06/25

豊田真由子議員の暴力に対する河村建夫元官房長官の発言を検証する

3日前の事がらであり、本人が発言を取り消してはいるが、自民党の幹部の発言として看過できない内容を含んでいるので、改めて検証してみたい。
以下は、6月22日付産経com.の記事から引用。

【自民党の河村建夫元官房長官は22日、秘書への暴力行為などが報じられた豊田真由子衆院議員(埼玉4区)について「かわいそうだ。男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる。気持ちは分かる」と述べ、擁護した。官邸で記者団に述べた。暴力行為を容認するかのような発言として批判を浴びる可能性がある。
河村氏は、豊田氏の政策秘書だった男性が暴力行為を受けた場面の音声を録音していたとされることについて問題視。「録音して(週刊誌に)持ち込むなんてあり得ない。いくらパワハラがあったとしても、選挙をやる者なら怒る」と語った。】

先ず、河村は真田が「かわいそうだ」と語っている。
人間があることに「かわいそう」と思うのは、辞書によれば次のような場合だ。
「弱い立場にあるものに対して同情を寄せ,その不幸な状況から救ってやりたいと思うさま。」(大辞林)
つまり河村建夫は、弱い立場にいる豊田真由子に同情を寄せ、その不幸を救ってあげたいという心境にあったということだ。

次に、「男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる。」と発言している。どうやら河村の周囲の議員(恐らくは党内の同僚議員を指していると思われるが)には、同様の行為を行っている人が沢山いるらしい。
こいいうのを「語るに落ちる」と言うのだ。

「気持ちは分かる」という言い方も、通常は「自分がもし同じ立場だったら、同じ事をしただろう」という場合に使われる。
どうやら、河村自身も前記の「いっぱいいる」の中に含まれているようだ。

最後の「録音して(週刊誌に)持ち込むなんてあり得ない。いくらパワハラがあったとしても、選挙をやる者なら怒る」という発言では、被害者は豊田真由子の方であって、訴えた元秘書の方が加害者だと言わんばかりの発言だ。
河村が言うように、議員の秘書に対する暴力や暴言などといったものはザラであり、通常はそれに耐えるか、あるいは黙って辞めて行くのかも知れない。しかし今回のケースは、被害を受けた側が証拠をもってマスコミに伝え、被害届を出さざるを得ないほど、あまりに酷い内容だったと考えるべきだろう。

問題にすべきは、河村建夫の人権感覚だ。彼は官房長官を務めたほどの自民党幹部である。
こういう人物が、人を人とも思えぬような所業に同情を寄せ、被害者を非難するような感覚の持ち主であることこそが、問題なのだ。
こうした人権を無視し、個人の尊厳を平気で傷つける姿勢こそが、今の自民党の姿勢を示していると思う。

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2017/06/24

【都議選】安倍政権と小池知事の狙いは大阪府議会モデル

都議選が始まった。近ごろの選挙は期日前投票が増えてしまった関係から、公示前までに選挙運動を済ませなくてはいけないらしい。

メディアは、盛んに都議選の争点を「都民ファーストvs.自民党」の戦いとして煽っているが、果してどうだろうか。
私には、それ自体が既に政権の思惑に乗ったものとしか見えない。
小池知事の頭の中にあるのは、恐らく大阪府議会がモデルになってるのではなかろうか。つまり知事が第1党の党首を兼ね、公明党を引き込んで議会の過半数を握る。そうすれば、議会は知事の思うままだ。
併せて、小うるさい野党を少数に追い込むか、出来れば都議会から消滅させる。
これが、小池知事の思い描く見取り図だろう。

では、その大阪都議会はどうなっているだろうか。

大阪府知事 松井一郎(日本維新の会代表、大阪維新の会代表)
<大阪府議会>(2016年7月25日現在)
大阪維新の会 42人
自由民主党・無所属 25人
公明党 15人
日本共産党 3人
民進党 1人
無所属 1人
欠員 2人
------------------------
定数 88人(過半数 45人)

この形が、知事は松井→小池
第1党は 大阪維新→都民ファースト
に変われば、小池知事にとり都議会選挙後の最も望ましい構成になる。
それは政権の思惑とも合致する。
これで国政での野党共闘がご破算にでもなれば、もう願ったり叶ったりだ。

将来、都民ファーストが国政に進出したらどうなるか。
これも日本維新という立派なお手本がある。自民党批判の受け皿になりながら、国会では政権与党と歩調を合わせる。
特に安倍首相が目標としている憲法改正では、いずれも改憲勢力となって推進側に立つことになるだろう。
そりゃ、都議会や府議会では自民党と摩擦があるだろうが、そんなもの政権からすれば所詮はコップの中の嵐。
せいぜい、安倍首相の掌の上で踊って貰えばいい。

メディアの「都民ファーストvs.自民党の対決」なんて宣伝に惑わされず、投票には冷静な判断が必要だろう。

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2017/06/19

小池知事の「築地ブランド」というマヤカシ

以下、6月18日付朝日新聞digitalより引用。

【築地市場(東京都中央区)の移転問題について、小池百合子・東京都知事が同市場を豊洲市場(同江東区)に移転する方針を固め、今週中に「基本方針」を示すことが分かった。移転後も「築地」のブランド力を生かす意向で、跡地活用策などの検討を進める。
小池氏は17日、築地市場業者との会合で「これまで育ててきたこの(築地)ブランドをどう守るか」「(築地市場の)歴史をあっという間に消し去ることなどできない」などと発言。将来にわたり、何らかの形で「築地ブランド」を維持したい考えを示した。
都は豊洲市場運営費の赤字を年92億円と試算しており、小池氏は将来の収支の安定性を重視。小池氏が設けた都の「市場のあり方戦略本部」は今月、移転後に築地の跡地を民間などに貸す案、移転後に跡地を売却する案、築地での再整備案のうち、跡地を貸す案が収支見通しで優れているとする検討結果を小池氏に示した。同本部は跡地を「食文化の発信拠点」とする案なども示しており、小池氏はこれらを参考に、築地ブランドを生かす具体策や収支安定化策を検討する。
小池氏は昨年8月の知事就任直後、豊洲市場の安全性の確認などを理由に、同11月の予定だった移転の延期を表明。豊洲市場では今年1月以降、地下水から環境基準値を上回る濃度で有害物質が検出されている。豊洲市場の安全性をどう確保するかは大きな課題で、同本部は今月、追加の土壌などの汚染対策を提案。小池氏は今後、有害物質の検出状況などの情報を公開しつつ、汚染対策を進め、都民らの理解を得ていきたい考えだ。】

小池都知事が就任以来、見直しをかかげてきた築地市場の移転問題は、結局振り出しに戻ってしまった。
東京オリンピックの費用見直しを含めれば、全ては元の木阿弥だ。
取って付けたような「築地ブランド」の維持は、浅知恵に見えてしまう。
「築地市場あっての築地ブランド」なのであって、市場が移転してゆけばブランドも移転する。
築地残留と豊洲移転を足して2で割ったような政策だが、言葉のマジックにしか見えない。
豊洲の赤字を築地の跡地の貸し出し料で埋めるという試算も、今まで散々体験してきた「捕らぬ狸の」ナントヤラ。

小池百合子が都知事に就任して約10ヶ月経つが、目に付くのはパフォーマンスとメディア操作だ。元々メディア出身だけにこの分野だけは長けている。しかし、それ以外に何か実績があっただろうか、どうも思い出せない。
唯一、都民ファーストの会という政治団体を立ち上げ、自らが代表の座についたことぐらいか。
しかし、直接選挙で選ばれた行政のトップである知事が、自らがコントロールできる政党を作るという行為は、果して民主主義のルールに適合するものだろうか。
都民Fの立ち位置も不明確だ。都議会自民党と戦うといいながら、小池と安倍首相との関係は良好だ。
仮に都議会選挙で自民党として後退しても都民Fが伸びてくれれば、安倍政権としては痛くも痒くもないだろう。
ちょうど、大阪における維新の会と同様だ。

2代続いてお粗末な都知事が続いたため、その反動からか小池人気は高いが、その行き先は視界不良好だ。

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