経済・政治・国際

2019/09/23

「ポイント、ポイント」って、やかましいわい!

10月1日からの消費税10%増税を控えて、近ごろやたら眼につくのは「ポイント」と「カード」だ。
日ごろ使っているスーパーでも、チェーン店独自のカードを作るようしつこく勧誘してくる。他のカードに比べポイント還元率が高いというのが売りこみの言葉だ。もちろん、一切無視している。
10月1日から2020年6月30日までの9カ月間は、政府が主導する「キャッシュレス・消費者還元事業」が実施されるが、対象は主に中小企業で5%や2%のポイント還元を上乗せするもの。
チェーン展開している店舗の場合、直営店だと大手企業に分類されるが、フランチャイズ店舗の場合は中小企業に分類される店舗があるなど、ややこしい事この上ない。こうした混乱を避けるために、大手フランチャイズ各社では、どこのお店でも2%の還元が行える様にしている。
これに軽減税率や、外食と持ち帰りで税率が異なるなど、結果として実質税率が、3%、5%、8%、10%に分かれる結果になってしまった。

こうした政府の政策は、消費税増税に対する不満への「目くらまし」に過ぎない。
ポイントは買わなけりゃ貯まらないし、ポイントが使えるのは買い物するときだけだ。
こんな小手先のやり方に対抗するには、買い控えが有効だ。
消費税を上げたら景気が悪くなることを、政府に実感させねばならない。そうしないと、消費税はこれから際限なく上がってゆくことだろう。
日常的に買い物をしている方ならお気付きと思うが、増税に先取りするかのように、既に日用品の価格がどんどん上がっている。
ポイントに釣られることなく、賢い消費行動が求められる。

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2019/09/11

韓国国会の「人事聴聞会」制度、日本も導入したら

韓国のナントカいう人がスキャンダルを抱えたまま法相に就任するという報道が、連日のようにメディアを賑わしている。なんで日本がそんな大騒ぎするのか理解できないが、一つだけ関心を持ったのは韓国国会の「聴聞会」という制度だ。
韓国の「人事聴聞会」とは、 選によらない任命職の職者を大統領が任命する前に、国会において、その候補者に対する検証を行うもので、 候補者の専門性、業務遂行能力、財産形成過程、学歴と経歴、人格や周囲の評判などを審議する制度のようだ。
韓国のこの制度は、どうやら対象は国会議員以外のようだが、日本で全ての大臣候補について「人事聴聞会」制度を採り入れたらどうだろうか。
与野党の議員で専門委員会を構成し、首相が予め提出した大臣候補について、一人一人その専門性、業務遂行能力、経歴、人格などを審議するのだ。
首相は審議過程を含めて、最終的に大臣を任命する。
こうして身体検査を先にしておけえば、大臣になってから色々な問題が噴出することが防げるし、国民も納得しやすいだろう。
ちょいと検討してみる価値はあると思うが。

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2019/08/19

「盗撮法」「盗撮罪」の創設は問題が多すぎる

「盗撮」の定義は次の通り。
①当人に知られないように、撮影すること。ぬすみどり。
②被写体、または対象物の管理者に了解を得ずにひそかに撮影を行うこと。
この定義を厳密に解釈すれば、私たちが普段カメラなどで撮影している行為も「盗撮」と見做される可能性がある。

スマホなどにカメラやビデオ機能がつき、超小型カメラが簡単に入手できるようになり、猥褻目的の悪質な盗撮が跡をたたない。そうした画像をネットで公開したり、販売したりするケースも増えている。
被害にあった人たちは、場合によっては一生怯えて暮らすことにもなる。
そうした盗撮を防ぐための法律は、今のところ自治体による条例のみで、全国一律に規制できる法律がないため抜け穴が出来てしまう。
そのため、盗撮法、盗撮罪の創設を訴える声が法曹界の一部にある。
また、議会でもそうした法案を議員立法で提出しようという動きもあった(例えば2005年に自民党がわいせつ目的の盗撮や盗撮ビデオなどの販売を禁じる「盗撮防止法案」を検討)。
こうした法律が制定されれば、盗撮による被害は減少し、被害者が救済されることが期待できるので、一見すると歓迎すべきことの様に思える。

ただ、翻ってみれば私たちは日常的に盗撮を受けている。それは全国に張り巡らされた防犯カメラ、監視カメラによる撮影だ。私たちに了解なしに撮影されているのでこれも盗撮だ。
いや、防犯や監視用のカメラが「設置中」「作動中」と表示していれば、そこを通過する人は撮影されることを了解したものと見做すという説もある。
しかし、現在の様にあらゆる金融機関、スーパーやコンビニなど店舗、公共施設、そして何よりほとんどの道路のどこかにカメラが設置、作動しているので、「強制的に了解させられている」のが実情だ。
個人の盗撮は禁止するが、防犯カメラは野放しというのは理屈に合わない。

盗撮した映像を公開や販売した場合に罪になる、というのはどうだろうか。
ここで思いつくのは、政治家などの不正行為やスキャンダルを暴いた写真が問題となる。これらの映像は100%盗撮だ。公開や販売が罪になるとしたら、撮影したカメラマンや出版社は全て有罪になってしまう。
個人が撮影した映像をSNSなどで公開した場合も、被写体が承諾していないと主張し盗撮と判断されれば罪に問われることになる。
正しい盗撮と正しくない盗撮をどう線引きするかという課題もある。
もし盗撮法や盗撮罪が法制化され、それを権力者側が恣意的に運用するようになれば、それはとても恐ろしい事態を招きかねない。

盗撮は憎むべき行為であるが、それを規制するための立法化は慎重であらねばならぬ。

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2019/08/12

【書評】”ルポ「断絶」の日韓 なぜここまで分かり合えないのか”

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牧野愛博 ”ルポ「断絶」の日韓 なぜここまで分かり合えないのか” (朝日新書–2019/6/13初版)

世の中は「嫌韓」「反韓」一色だ。「韓国とは直ちに断交すべき」といった勇ましい言説が支持を得ている。ネットにはまるで同一人物が書いたような文章がならび、識者らが少しでもこれに異論を唱えると袋叩きにあう始末。きっと戦時中もこんな雰囲気だったのかと思うと背筋が寒くなる。
日韓関係が悪化して、民間人にとって得になることは何もない。得をするのは両国の政権だ。支持率の向上には両政権とも恩恵を受けているようだ。
しかし、ポピュリズムに乗っかった外交がいかに危険かは歴史が証明している。
日韓の関係悪化に伴って、つい最近まであれほど騒がれていた北朝鮮の脅威は、すっかりどこかに飛んでいってしまったようだ。国民に避難訓練まで呼びかけ、これを批判した著名人が「国賊」と非難を受けたのがウソのようだ。
ここのところ連日のように北はミサイルを発射しているが、最初の発射に際して安部首相が「我が国の安全保障には影響しない」と語っていたのには驚いた。
先日の北朝鮮のミサイルは”KN-23”型と呼ばれるものだが、低軌道を飛び、しかも降下中に微妙に水平方向への滑空を繰り返す機能を有しているので、ミサイル防衛での迎撃がきわめて難しい。短距離だが射程800キロメートル以上は可能なので、韓国全土と日本の中国地方や九州北部を攻撃できる代物だ。
トランプはアメリカには届かないからと悠然としているが、こっちはそうはいかない。
安全保障の面でも日韓は協力しなくてはいけない。「嫌韓」を叫ぶ人々は、それが誰の利益になるのかをよく考えたほうが良い。

本書の著者は朝日新聞のソウル支局長を務め、現在は論説委員。通算して約10年韓国にいたので、内情にはかなり詳しい。加えて、国交のなかった時代から長く韓国の領事などを務めてきた町田貢と親しく、彼の知見も多く引用されている。
余談だが、アマゾンで自分の気に入らない著者の本だと片っ端から★一つを付けている者がいる。本書もその被害にあっているようだが、まったく「あの連中」にも困ったもんだ。

その町田貢の見解として、次のように記されている。
”「過去の取り決めも、現在の判断で覆して構わないという韓国の国情も大きい」。
韓国は5年間の大統領の任期が変わるたびに、政策が大きく変わる。外交分野では遠慮があるが、日本はその例外にあたる。「民族を抹殺し統治した日本への遠慮はいらないという感情が根底にある」”
このたびの日韓関係の悪化の原因となった文在寅政権の政策を端的に表したものだ。
朴槿恵政権を打倒して生まれた文在寅政権は、朴の決めた事を全て覆そうとしている。その典型が慰安婦問題であり、徴用工問題だ。
韓国では歴代大統領はいずれも暗殺、あるいは自殺、それでなければ刑務所だ。
朴前大統領は懲役24年の判決が確定し収監されている。朴政権の高官のうち60名が刑務所に入れられ、その他の人もいつ逮捕されるかビクビクしながら暮らしているとか。
ここまで来ると、司法権を使った報復にしか見えない。

文政権の中枢は、韓国の軍事政権の時代に民主化運動を進めた人たちが中心だ。彼らは日韓賠償協定を、日本政府が軍事政権を支援したものと捉えている。だから余計に日本政府に対して厳しい態度を取る。
日章旗を戦犯旗と決めつけたり、レーダー照射問題に対する感情的な対応もそこから来ている。
韓国の外交は対米、対日本が中心だったので、優秀な外交官はアメリカや日本の部門に集まっていた。処が、文は彼らを嫌い一斉に閑職に追いやってしまった。その結果、正確な情報が大統領府に伝わらなくなった。外交部長官(外務大臣に相当)の康京和は英語は堪能だが、外交は素人に近い。この点は、日本の河野も同様だが。
そうした事も外交が停滞している一因となっている。

悪化した日韓関係を修復するには、首脳同士が良好な関係を結ぶしかない。かつて今の様な状況に陥った際に見せた中曽根康弘や橋本龍太郎のような腹芸を、安倍晋三には期待できそうもない。
それどころか、文が安部に悪い印象を持ったのは、著者によれば次の出来事が発端のようだ。
2015年の日韓首脳会談で、安部が文に「米韓合同演習をこれ以上遅らせないで実施すべきだ」と発言した。この一言で文は顔色を変え、「この問題は我々主権の問題だ。内政問題を、安部首相がとり上げて貰っては困る」と反論した。
文が、元々は弁護士で外交的でないのに対し、安部は自分の主張をまくしたてる癖がある。そのため、二人の間で会話のキャッチボールが出来ない。
さらに困ったことに、両首脳とも関係改善の意欲を持たない。
かつて、後藤田正晴元官房長官が、「この地上に、戦争の記憶を持った中国や韓国の人が一人でも残っているうちは、我々は憲法改正の話を持ち出してはいかんのだ」と語っていた。そういう政治家が与党に誰もいないということも、問題の解決を難しくしている。

なお、著者がソウル支局長をしている際には、当局から電話の盗聴、メールのハッキング、外出すれば尾行がついていたそうだ。携帯電話が常にモニタリングされていて、人と会うのも気を遣う。
本社への大事な連絡は近くの公衆電話を使っていたが、それでも危ないと思う時もあったという。
監視は日本の記者だけが対象とされていて、他の外国の記者に対しては行われていないという。どうやら、日本の記者は防諜の対象になっているようだ。
著者が文政権に厳しい目を向けるのも、こうした事情があるからかな。

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2019/08/08

書評『9条入門』

9


加藤典洋『9条入門 (「戦後再発見」双書8)』(創元社–2019/4/19初版)
創元社の「戦後再発見」シリーズは力作揃いで示唆されることが多いので愛読しているが、今回は著者の加藤典洋の遺作となった『9条入門』をとり上げてみたい。
戦後、日本国憲法について改憲か護憲かの中心テーマは9条の解釈と改正であり、それは今日まで続いている。本書は、先ず憲法9条がどのような経緯で作られたのか、その後どのように変遷してきたのかを纏めたものだ。

「9条は押し付けか」
改憲論議の中で必ず出てくる問題として、現憲法、特に第9条が押し付けられたかどうかが論議の的になってきた。本書では9条は連合国からでも米国からでもない、連合国総司令部(GHQ)最高司令官であるマッカーサーという特異な人物によって押し付けられたものだという。

「9条と1条はセットだった」
ポツダム宣言を受け入れて敗戦国となった日本に対して、最高指導者たる昭和天皇の戦争責任と処罰を求める声は、アメリカ本国はもとより、ソ連やオーストラリアなど多数を占めていた。
しかし、マッカーサーは日本の状況を考察し、天皇を処罰するより利用した方が占領政策が順調に進むと考えた。処が、米国を始め連合国からは、天皇制を残しておけば、日本はまた再び軍国主義になって他国に戦争を仕掛けるという疑念が強かった。そこでマッカーサーは、象徴天皇制という1条と、戦争放棄という9条とを組み合わせることにより、関係諸国を説得した。

「9条は特別の戦争放棄かorただの戦争放棄か」
9条の解釈として、自衛権を認めているか否かが論争の的だった。他国の憲法でも戦争放棄に規定はあるが、自衛権まで放棄というのは例がない。
憲法作成にあたってマッカーサーが指示した「ノート」にはこうある。
「国権の発動たる戦争は、廃止する。日本は、紛争解決のための戦争、さらに自己の安全を保持するための手段としての戦争をも、放棄する。日本は、その防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に委ねる。日本が陸空海軍を持つ機能は、将来も与えられることはなく、交戦権が日本に与えられることもない。」
マッカーサーの指示は明快で、自衛のための戦争を含む全ての戦争を放棄するという「特別の戦争放棄」だった。処が、これを憲法に文案化したGHQの担当者がマイルドに書き換え、現在の9条の形になった。その曖昧さが、時の政府によって解釈の差異を生むことになる。

「なぜ日本国民は、9条を熱狂的に支持したのか」
9条が押し付けだとして、ではなぜ当時の日本国民は熱狂的にそれを支持したのか。
今の人には想像もつかないだろうが、神と仰いできた天皇が突然人間宣言をしてしまった。信仰の対象であった天皇を失った日本人の心の空白に、9条という世界をリードする平和主義という光輝が埋めてくれたのだと本書は推測する。
一方のマッカーサーにとっては、1948年の米国大統領選挙の最有力候補だったわけで、軍国主義の日本を世界に冠たる平和国家に変貌させたという実績が必要だった。
両者はそこで完全に一致したのだ。

「9条への逆風」
マッカーサーの大統領選挙の敗北と司令官の解任と、彼の国連中心主義やソ連融和路線が否定されてゆく。
日本にとり、マッカーサーにとってかわったのが国務長官顧問のダレスで、以後はダレスが辣腕を振るうことになる。
米国内では赤狩りが巻き起こり、日本にもその影響が拡がってゆく。
・ソ連の原爆の開発
・核爆弾の国際共同管理の否定
・中華人民共和国の樹立
・朝鮮戦争の勃発
こうした世界情勢を背景にして冷戦が始まり、アメリカによるソ連や中国の封じ込め作戦が強化される。同時に、日本を共産主義の防波堤にするという米国の政策が前面に出てくる。
これに対応して日本政府も、9条は自衛権を否定していないという解釈に変え、自衛隊の前身である警察予備隊を創設する。

「平和条約と安保条約」
いよいよ占領下から独立を迎えつつあった日本だが、独立と同時に占領軍は引き揚げねばならない。しかし米国は軍隊を引き続き日本に駐留させる意向だった。
日本政府としては当初、日米は対等の立場を前提にして、日本に米軍基地を置かせるが、日本が外部から攻撃を受けたときは米国が日本を守る。基地の使用にあたっては日本の法律に基づき相互の制限を設けるという案をたてた。
アメリカは、占領下の特権をそのまま保持し、無制限の基地使用を日本に認めさせるという方針だった。ダレスが強硬に主張した。
この米国案には、吉田首相を始め日本政府は抵抗するが、ある時を境に米国案を丸呑みにしてしまう。つまり、日本がアメリカに依頼して基地を置いて貰うという前提にした。これなら米国の特権は守れる。また、沖縄は引き続き米国占領下に置かれることになった。
結果はアメリカの完勝だった。
かくして、1951年にサンフランシスコ条約と日米安全保障条約が締結される。安保と9条が併存する時代に入るわけだ。

「昭和天皇と9条」
昭和天皇はマッカーサーとは頻繁に会見をしているが、憲法が公布された直後の会見は、9条で国が守れるかといった趣旨の不安を口にしている。それに対してマッカーサーの方は、「戦争をなくすには、戦争を放棄するしかありません」と、理想論で応じている。
憲法施行後の会見で天皇は、「日本の安全を図るためには、アングロサクソンの代表者であるアメリカがそのイニシアティブをとることを要するものでありまして、このため元帥のご支援を期待しております」と述べている。つまり事実上、アメリカの軍事力による日本の安全保障を求めている。
その4か月後に、マッカーサー及び米国国務長官宛に、天皇のいわゆる沖縄メッセージが出されている。
「アメリカが沖縄及び他の琉球諸島を軍事占領すること」を希望し、「その占領はアメリカの利益となり、また日本を保護することにもなる」「さらに、沖縄などへの軍事占領は、日本に主権を残しつつ、長期貸与というフィクションの形を取るべきである」。
1950年の天皇からダレス宛の文書メッセージでは、「基地問題をめぐる最近の誤った論争も、日本側からの自発的オファによって避けることが出来るだろう」としている。
こうした昭和天皇の発言やメッセージから、平和条約や安保条約の骨格には、天皇の意思が働いたと推測できる。
発言から浮かんでくるのは、冷徹なリアリストとしての天皇の姿であり、戦後最大の「政治家」だったということだ。
昭和天皇はマッカーサーが大統領選に落選すると、その後はダレスに接近する。マッカーサーが離任した際には、要請があったにも拘わらず見送りにも行かなかったという。

著者はあとがきで、こう結んでいる。
自分たちにとって、なにが一番、大切なのか。
これからどうすることが、自分たちにとって本当に必要なのか。
著者はこの後の日本の政治について書く予定にしていたようだが、残念ながら急逝によりそれは叶えられなくなってしまった。

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2019/07/18

YAHOOに安倍晋三が付いてくる

私のPCのホームページは”YAHOO!JAPAN”に設定しているが、参院選が始まるとサイトの右側に安倍晋三の大きな写真が出てくる。自民党の政党広告らしい。
そのせいで気分が悪くなる、飯が不味くなる、酒も不味くなると、いいこと無しだ。
自民党は2018年度だけで約175億円の政党助成金(政党交付金)を得ている。
なんの事はない、自分たちの税金で嫌な思いをしてるんだから、世話はない。

日本の政治を悪くしたのは、政党助成金制度と小選挙区制だ。税金で政党の資金を賄うなんて馬鹿げた制度をなぜ考えたんだろう。
調べてはいないが、恐らく共産主義国家でもこんな制度はないだろう。
政党が国民から浄財を集めて活動すれば、政党は自然と国民に顔を向ける。それが国家から金が出てくれば、国家に顔が向いてしまう道理だ。
国の金で政党が運営されるなら、それは「国営政党」だ。
政党が国家の「妾」になったんじゃ、良い政治が出来る筈がない。
この制度を導入した張本人の小沢一郎を今でも許せないのはそのためだ。
政治を良くしたいと思ったら、先ず政党助成金制度を廃止することだ。

だから選挙では、政党助成金を受け取らない、その一点で投票先を決めている。
極端にいえば、政策なんて二の次でもいい。
大事なのは政党としての、政治家としての、矜持である。

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2019/05/28

「ふるさと納税」なんて、やめちまえ!

「ふるさと納税」というのは、寄附金税制の一つで、「納税」という名前だが制度上の実態は「寄付」である。
個人が希望する自治体に寄付をして、その寄付金額を現に居住する地方自治体へ申告することにより寄付分が控除できる仕組みで、「ふるさと寄附金」とも呼ばれている。
災害にあった自治体や、自分が生まれ育った自治体に本制度を使って寄付をすることは意味のあることだ。制度の発足当時は、そうした観点から賛成した人もいただろう。
しかし、様相が一変したのは「返礼品」の登場だ。
自治体によっては、高額な返礼品を売り物にして寄付を集める手法をとるケースが現れた。「ふるさと納税」を利用し高額な返礼品を受け取れば、実質的に税金の還付が行われることになる。
その結果、運用当初からしばらくは100億円程度の規模で推移していたが、第2次安倍政権が発足し菅義偉(本制度を発足させた際の総務相)が官房長官として辣腕をふるいだすと金額は急増し、2017年度には3653億円に達した。
「返礼品」目当てに金額が一気に増えたのだ。

だいたい、寄付に返礼品を贈るという自体がおかしいのだ。
私も災害や福祉関係で年に2,3度は寄付をしているが、受け取るのは礼状だけだ。寄付ってもんは、そういうもんだろう。
返礼品を目当てなら、それはもう寄付の範疇を超えている。
制度の欠陥は当初から指摘されていたが、現状では
・返礼品の過当競争(寄付に見返りを求めるという社会精神の崩壊)
・都市部自治体の税収減(行政サービスを受ける住民が税を負担する「受益者負担の原則」からの逸脱)
・「ふるさと納税」サイトの乱立により、業者が税金の上前をはねる事態になっている
など、まさに稀代の悪法といって良い。
こんな「ふるさと納税」なんて、さっさとやめちまえ!

 

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2019/05/19

丸山穂高への辞職勧告決議には反対だ

丸山穂高議員への辞職勧告決議に反対と言ったら、「お前、アタマ大丈夫か?」と言われそうだが、議員の発言に議会が辞職を勧告することは慎重であらねばならないと言うのが私の考えだ。
確かに丸山穂高の「北方領土は戦争でなければ取り返せない」などという主旨の発言は、過去に人の手を噛んだり、今回の国後島を訪問した際に大声で騒ぎ周囲に迷惑をかけた行為を考慮するなら、国会議員失格は元より人間失格である。常人であれば自らを恥じ議員辞職するだろうが、本人は辞めないと言い張っている。
今の世間の空気からいえば「辞めろ」の声が多数を占めるだろうが、議員の発言による辞職勧告という方法を権力側が利用し出したら、どういう恐ろしい事が起きるだろうか。
実は、その典型的な実例が戦後の、つまりは現憲法下の国会で起きていた。
それは川上貫一衆院議員(当時)の国会除名問題である。

1950年に朝鮮戦争が開始されるが、時を同じくしてGHQの指令により、共産主義の思想・運動・政党に関係している者を公職や企業から追放「赤狩り(レッド・パージ))」が行われ、およそ1万数千人が公職や企業から追放(解雇)された。
こうした状況の中で川上貫一は、1949年に行われた第24回衆議院議員総選挙で大阪府第2区に日本共産党から立候補して衆議院議員に初当選する。
ところが、1951年に衆議院の代表質問を行い、その中で朝鮮戦争や吉田茂内閣の単独講和論を非難した部分が、革命を賞賛して議会政治を否認するとも受け取れる発言が含まれていたとされ、懲罰委員会にかけられて本会議での陳謝を命じられた。
川上は用意された陳謝文の朗読を拒否し、この処分の不当性を訴える演説を行ったため、衆議院本会議で賛成239、反対71となり除名処分(憲法に従って国会議員を解職)となった。
当然のことながら、この処分はGHQの命令に従った政府と、それに追随した勢力による仕業だった。
私は以前に、この時の川上貫一の演説全文を読んだが、理路整然とした内容で、名演説というべき中身だったと記憶している。
しかし、当時の国会は川上の演説を忌避し、圧倒的多数で除名処分としたのだ。

いま、安倍一強体制の中で彼らがどんな仕業を企んでくるのか。
そうした状況を考慮するなら、今回の辞職勧告決議には慎重な態度を求めるべきだろう。

【追記】5/23
その後の報道によれば、丸山穂高は「女のいる店に行きたい」などと言い出し、周囲とトラブルになっていた。
差別発言の長谷川豊といい、維新の会はよくもこうガラクタばかり集めたもんだ。

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2019/02/03

インフルエンザが世界大戦に与えた影響

いま日本でインフルエンザが流行しているが、今から100年前の1918-1919年にかけて「スペイン・インフルエンザ(スペインかぜ)」が猛威をふるった。スペイン・インフルエンザの大流行(パンデミック)による被害は甚大で、当時の世界総人口約20億人の3分の1が感染し、死者は2000-5000万人(中国とアフリカを加えると1億人という推計もある)に達した。
月刊誌「図書」2019年2月号の中で田代眞人氏が「大流行による惨劇から100年」という記事で詳細が書かれている。

大流行の第1波は1918年春にアメリカのカンザス州の新兵訓練所で発生し、折からの第一世界大戦でアメリカが参戦したため流行がヨーロッパへ、さらの世界各地に拡大した。前線で罹患した兵士が後方に移送されて戦力が低下し、後方の市民にも感染が拡がった。だが健康被害は軽く、第1波は8月には終息した。
ところが9月になってインフルエンザが再出現し、3か月間で欧州から全世界に拡がり、壊滅的な被害をおよぼした。患者の多くは20-30歳代の青壮年で、高熱、頭痛、呼吸困難、チアノーゼ、混迷、出血を呈して次々と死んでいった。
原因も予防法も不明で、医療体制は崩壊した。葬儀や埋葬も間に合わず、社会機能は崩壊してしまった。
世界大戦の最終局面で両陣営の戦力は激減し、それがドイツ降伏の一因ともいわれる。
第一次世界大戦による死者数は約1000万人だが、参戦各国のインフルエンザによる死者数はそれを遥かに上回った。重症患者はさらに膨大な数におよび、政府による報道管制にもかかわらず国民の戦意は低下し、厭戦気分が拡がった。
休戦協定が結ばれた1919年にも第3波の流行があったが、この時は被害規模は少なかった。

世界大戦終結にともなうパリ講和条約では、ドイツへの賠償要求をめぐってフランスと米国が対立した。ところが穏健派の米国ウィルソン大統領が会議中にインフルエンザで倒れた。一命は取りとめたウィルソン大統領だったが、精神神経症状を呈して思考・意欲が低下し、フランスによる強硬な講和条約に病床でサインしてしまった。
スペイン・インフルエンザの流行により、労働人口不足で戦後の経済復興が遅れ、膨大な賠償金でドイツ経済が破綻。世界はその後の大恐慌を克服できず不安定化し、これがファシズムの台頭と第二次世界大戦へと突き進んでいった要因となった。
日本でもスペイン・インフルエンザによる被害は甚大で、当時の人口5500万人のうち、45万人が死亡し、市民生活・社会機能に大きな影響をおよぼした。
しかし、軍国主義的な風潮の中で、国民の士気を低下させるような情報は意図的に隠され、その惨劇は忘れさられた。

その後、インフルエンザの原因がウィルスであることが突き止められ、当時にくらべ予防や治療法には格段の進歩があった。
しかし、スペイン・インフルエンザで第1波と第3波に被害が軽くて、第3波だけが甚大な被害を出した原因は未だに解明されていない。
今後、再び起こるかもしれないパンデミックに備えて、医療面での研究と行政、双方の対策を立てることが急務だ。

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2019/01/14

ナベツネも横田滋さんも監視対象

少し古い話になるが、昨年11月に讀賣新聞の渡邊恒雄主筆の死去情報が流されたのを憶えておられるだろう。さすがにマスメディアは報道しなかったが、万一に備え予定稿作りに追われていたという。ネットでは、ジャーナリストを名乗る人物までがまことしやかに死去の誤情報を流していた。
似たような話が9月にもあり、この時は拉致被害者家族会の横田滋元代表の死亡説が流され、マスコミ各社が対応に追われる事態があった。この時も妻の早紀江さんが病院に駆けつけえたという情報まで流された。
他にも類似の誤情報が多く、月刊誌「選択」2018年12月号の記事によれば、全国紙編集幹部が次のように語っている。
「今後のこともあるから、あれは何だったのかを探ると、出所はほとんどが内閣情報調査室(内調)だった。共通しているのは、見てきたような情景を元に憶測を流す。尾行をつけて監視しているが、本当のことは分からないから、我々を走らせて確かめさせるんだ。内調情報は前から外れが多いけれど、最近は特にひどい。組織の内部事情が原因らしいけど、いい迷惑だ。」

渡邊氏や横田さんが監視対象とは解せないが、「二人とも安倍政権にとって行方を左右しかねない重要人物」(内調関係者)なのだという。
渡邊氏といえば安倍政権支持の立場だが、時に首相を諫めるご意見番でもある。反戦・反軍の意識が強く、安倍首相が戦後70年談話で戦争への反省を渋った時は、「倒閣に回るぞ」と迫ったこともあった。
こうした言動が、首相の忠実なお庭番を自認する内調には看過できないようだ。
横田滋さんは誰もが知る温厚篤実な人柄だが、妻の早紀江さんは拉致問題の集会などでたびたび「政府を信じてきて本当に良かったのか」などと公言している。
このことで内調は、「今は分別を保っているが、滋さんが亡くなったら、政権批判のボルテージを上げるかも知れない」(同前)と警戒しているのだという。
政府の無為無策を棚に上げて、被害者家族を「危険人物予備軍」視する倒錯した疑り深さに驚かされが、危機管理をはき違えるは公安警察らしいと言える。

政権に少しでも批判的な人間を監視の下に置くというのはロシアや中国だけと思ったら大間違いで、日本でも行われている。
監視社会の恐ろしくは、真綿で首を絞めるがごとく、じわじわと言論の自由を奪って行くことにある。
渡邊氏や横田さんの誤情報の拡散は、その一端を世間に知らしめることになった。

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