経済・政治・国際

2009/12/16

小沢一郎が推進する「脱官僚」の正体

「脱官僚」というスローガンは、とてもヒビキがよい。
官僚連中が自分たちの利益だけを求めてムダ使いをしたり、天下りを繰りかえして多額の報酬を得ているのをやめさせるというウタイ文句が、多くの国民の共感をよんでいる。
しかし物事というのは、大義名分どおりに受け容れるのはキケンだ。真のネライがどこにあるのかを常に見定める必要がある。
特に相手が、小沢一郎の場合は。

昨日、天皇と中国の習近平国家副主席とのいわゆる特例会見がおこなわれたが、この会見のあり方をめぐって、多くの批判がなされていた。
これに対して民主党の小沢一郎幹事長は、「天皇陛下の国事行為は内閣の助言と承認で行う。それが『政治利用』となったら、陛下は何もできない」と述べ、今回の会見設定が政治利用には当たらないとした上で、憲法をよく読めと主張した。
その上で、疑問を差し挟んだ宮内庁長官の辞任を求めた。
では、天皇の国事行為とはなんだろうか。日本国憲法では第7条で次のように定めている。

【引用始め】
第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
1.憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
2.国会を召集すること。
3.衆議院を解散すること。
4.国会議員の総選挙の施行を公示すること。
5.国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
6.大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
7.栄典を授与すること。
8.批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
9.外国の大使及び公使を接受すること。
10.儀式を行ふこと。
【引用終り】

つまり、外国の賓客との会見は天皇の国事行為にはあたらないのであって、小沢一郎の主張はまったくマトハズレなのだ。
オッカナイ顔で恫喝すれば世の中何でも通ると思っているだろうが、そうは問屋がおろさない。
今回の特例会見の経緯をみても分かるように、小沢一郎らが主張する「脱官僚」というのは、政府の方針に100%従わせることにあり、従わない者はやめさせるということがナライなのだ。
いろいろと問題はありながらも、官僚というのは時の政府の暴走に対するブレーキの役割も果たしてきた。
それは時の権力者にとって目障りだったに違いない。この障害を取っ払おうというのが小沢のホントのネライだ。

民主党は現在、「政治主導」を名目に国会での官僚の答弁を禁止する「国会改革」を進めようとしている。
「脱官僚」の一環としていかにもヒビキはよいのだが、ここにも小沢一郎の「仕掛け」が隠されている。それは、内閣法制局長官を国会で答弁させないようにするというコトだ。
現在の国会では、議員以外には「特別補佐人」が答弁できるようになっているのだが、この補佐人から法制局長を排除するというのだ。
内閣法制局はいままでも時の政権の圧力に抗して、憲法解釈の拡大には慎重な態度をとってきた。
例えば小沢一郎が自民党幹事長時代の1990年に、湾岸戦争に自衛隊を派遣しようとしたのに対し、法制局が憲法解釈の変更は認められないと答弁し、自衛隊の派兵が中止に追い込まれたことがあった。
このことは小沢のプライドを痛くキズつけたのだろう。この時以来ずっと、小沢一郎は国会から内閣法制局を排除することを主張し続けてきた。

このままいけば、小沢一郎「大統領」が右を向けと号令をかければ、議員も国会も官僚もみな揃って右を向くような世の中のなってしまう。

♪おいしいエサに いかれちゃって
あとで泣いても 知らないよ♪
(「黒猫のタンゴ」より)

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2009/11/06

【機密費】平野「ウソつき」官房長官

「そんなの、あるんですか。まだ、まったく承知をしておりません」、これは9月17日午前の会見。
同じ日の午後には「私は説明を受けていないし、承知していない」と発言。
いずれも平野博文官房長官が記者会見で、内閣官房報償費(機密費)について尋ねられたときの回答だ。
しかしこれは真っ赤なウソだった。
9月17日の午前に、平野長官は河村建夫前官房長官から業務引き継ぎを受けていたことが分かっている。
その後に、平野官房長官は「報償費として引継ぎを受けたが、機密費という概念のカネがあるとは思っていなかった」と釈明したが、こんな子ども騙しが通用するはずがない。
ウソにウソを重ねているのだ。

なぜ平野長官がウソをついたと断言できるのかというと、民主党は平成14年に、機密費の支払い記録作成や公表義務づけを盛り込んだ「機密費流用防止法案」を国会に提出し、上野公成内閣官房副長官(当時)に官房機密費の執行停止を求めていたからだ。
では、なぜそんな見えすいたウソをついてまで隠蔽しようとしたか。
それは「官房機密費」に対する民主党の方針が変わったからだ。

では官房機密費とはどういうものだろうか。
2001年5月の政府答弁書によれば、官房機密費は、国の事務を円滑に遂行するために「機動的に使用する経費」とされ、取り扱い責任者は官房長官となっている。
これではサッパリ分からないって、そうでしょう、分からないから「機密費」なんですよ。
でも幸いなことに、一部は公になっているし、歴代の官房長官の中には引退してからの気安さもあって、実態をバラシテいる例もある。

先ずは、宮澤内閣当時の資料の一部が2002年に公表されているので、そのデータから。
議員の背広代など国会対策費:3574万円
議員のパーティー券購入費:3028万円
もちろん、これはほんの一部。

なにせ官房長官室にある金庫の中には、常時8000万円の現金が入っていたというのだから、スゴイ。
使うと、ちゃんと翌日には補充されるのだそうで、まるでドラエモンの不思議なポッケですな。
証言などを綜合してみると、およそ次のような使い道になっていたようだ。
・国会対策費。法案を処理するために、主に与野党の国対族に渡す。
・国会議員のパーティー券の購入。こちらも与野党を問わず。
・議員が国際会議や海外視察(外遊)するときの餞別、1回に1議員あたり百万円単位というから驚く。
・マスコミ対策費。政府に都合の良い記事を書いてもらうために渡す。
ざっとこんなところで、なかには首脳会議に同行した首相夫人の買い物代約1000万円なんてぇのもあった由。
要は、表沙汰にできない金だから「官房機密費」なのだ。
どことは言わないが、一切受け取らない政党もあるそうで、一応名誉のために。

では年間でいくら位使っているのかだが、2009年度の予算は14億6165万円だ。
これからの民主党の方針だが、平野博文官房長官は11月5日午前の記者会見で、官房機密費の使途について「相手のあることであり、オープンにしていくことは考えていない」と述べ、公開しないことにした。
きっと金庫に入っている札束を見て、気が変わったんだろうね。
5日の会見で平野氏は
「国民から疑念を持たれないよう、担当であるわたしが使途について責任を持って使っていく」
「わたしを信頼していただきたい」
と述べた
ハッキリ言うが、あなたは信用できない。
ウソつきは信用しないことにしているからだ。

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2009/11/05

岡田外相の「言い訳と放言」

11月2日から始まった、鳩山新内閣のもとで始めての衆院予算委員会の質疑だが、期待に反して全般に低調だった。
先ずは民主党委員の八百長質問がいけない。
せっかく本会議で代表質問をしなかったのだから、予算委員会でも質問を見送れば良かったのだ。
これは自民党政権の時からそうだったのだが、総理というのは与党の党首がなっている。そうなると、部下が上司に質問するわけで、これでは馴れ合いになるのは当然なのだ。
それなら与党第一党の質問時間は野党に譲って、実のある議論を進めたらどうかと思う。
こういう改革なら大賛成だが。

もう一つは野党となった自民党委員のフヌケぶりだ。
与党ボケなのか戦意喪失なのかは分からないが、迫力の無いこと、見ていてイライラしてくる。
後藤田正純だったか、亀井静香に恫喝されたぐらいで怯んでいたのでは話にならない。やられたら2倍3倍にしてやり返すような気構えがないと、野党はつとまらない。
辛うじて及第点だったのは、加藤紘一ぐらいだろうか。

だらけた空気を一変させたのが共産党の笠井亮の質問だった。さすがは「万年野党」だ。
普天間基地移設の問題を中心に攻めていたが、選挙公約との違いを追求された岡田克也外相が次第にエキサイトしてきて、ついに「公約と選挙中の(党幹部の)発言はイコールでない。公約とはマニフェストに書かれたことであり、選挙の時の発言は公約ではない。」と口を滑らせた。
岡田発言をかみ砕いていえば、「選挙の時の演説は口から出かませであり、信用して貰ったら困る。選挙が終わったらみなチャラね。」ということだ。
岡田克也の「放言」通りなら、これからは民主党の議員の演説は、全て信用できないということになる。
この人は次期総理のよび声が高いのだが、自分が何を言ったのか分かってるのだろうか。

笠井亮が、かつて岡田外相が「普天間基地の県外、国外への移設に政治生命をかける」という発言をしたことを問いただすと、「あの時と今とでは状況が違う」と言い出す始末。
もはや答弁不能。
あとは鳩山首相と並んで、言い訳のオンパレード。
最後には、「これでは自民党と同じではないか」と一喝されていた。

岡田外相の放言は、これから高くつくことになるだろう。

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2009/10/27

「核廃絶」についてチョット嬉しいニュース

嬉しいニュースが一つ。
日本が主導して、国連総会第1委員会(軍縮)に提出した核廃絶決議案の共同提案国数が、既に70カ国に達したもようで、過去最多になったことが明らかになった。
今までに最高だったのは昨年の58カ国で、今年は初めて米国が共同提案に加わったこともあり、関係者は「軍縮に向けた国際社会の機運はかつてなく高い」と期待を高めている。 
日本代表団は引き続き28日に行われる委員会採決での賛成票の上積みを目指し、各国への働き掛けを継続する方針だ。

もう一つは、広島と長崎の被爆者が世界の人たちに被爆体験を伝える様子を描いたドキュメンタリー映画「フラッシュ・オブ・ホープ」が、26日ニューヨークの国連本部の会議場で上映された。
コスタリカのエリカ・バニャレロ監督(28)の作品で、今回が初上映。
被爆者103人が非政府組織(NGO)「ピースボート」の主催で世界各地を巡った船旅を追い、被爆者の肉声を通じて核廃絶の重要性を訴える内容とのこと。

嬉しいじゃありませんか。
太平洋の反対側にある国コスタリカの、それも若い28歳の監督が、日本の被爆者をテーマにした映画を製作したんですよ。
国連での核廃絶決議も、年々少しずつだけど共同提案国が増えてきて、今年は核保有国のアメリカも加わるという、これも新しい動きですね。
20世紀に開発された悪魔の兵器「核」、21世紀には廃絶できるよう何とか知恵を絞りたいものです。
国連決議も即効性は期待できないものの、同じ主張を繰り返すことにより、核兵器の保有そのものが悪だという国際世論を形成していくことが大事なのでしょう。
「核核しかじか」と。

こんどは嫌なニュースを一つ。
新体制となる日本郵政の社外取締役として、作家の曽野綾子氏(78)が同社の社外取締役に就任する方向だそうですな。
なんでまた、悪名高いアノ曽野綾子なんですかね。
どうも民主党の考えていることはよく分からないねぇ。

こんなこと書いてると、また暴言・妄言ブログと批判されちゃうかも。

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2009/10/26

ハローワークで仕事はみつからない

失業率は高どまりに、求人倍率が過去最低水準を記録するなか、新聞やTVの報道番組で、ハローワークで就職先を探す人の姿をしばしば目にする。
なかなか適当な仕事先がみつからないという人が大半のようで気の毒に思うのだが、反面ハローワークで仕事が見つかるのだろうかという疑問がわいてくる。
5年ほど前にリタイアーするまで40年以上サラリーマン生活を送った経験からいうと、
・勤務先をはじめ、取引先、下請け、外注先の企業で
・友人、知人、親類の人たちで
ハローワークを通して従業員を採用したり、就職や転職をした例はごく稀だ。
ほとんど期待できないと言ったほうが正確だろう。

先ず、採用する側からすると、ハローワークに求人募集をかけても応募する人がいない。
たまに応募してきても、大半が雇用保険(失業保険)受給のための回数稼ぎであり、最初から就職の意志のない人なのだ。
手間がかかるだけなので、次からは求人をかけなくなる。
私自身の経験では、短期間の軽作業でハローワークから数名紹介を受けたことがある。ところが目を離すと直ぐにサボり始める人ばかりで、一度でコリゴリした。
地元のハローワークからは、「何とか求人募集をお願いしますよ」と頼まれても、事情を話して断ることになる。
企業の側からすれば、ハローワークはあてに出来ないのだ。

会社を定年退職してから、雇用保険を受給するために数ヶ月間ハローワークに通った。
求職のフリをするだけだし、また実際にこれといった特技のない高齢者の就職先などない。
ハローワークの職員も事情はわかっているので、職業紹介も形だけで済ませる。
同僚で新たな企業に就職した者もいたが、いずれもハローワーク以外で仕事先を見つけている。
ここ数年で劇的な変化がないとすれば、今もハローワークは職業紹介所としての役割は期待できないと思われる。

マスコミはそうしたハローワークの実態を隠して、失業や求職難の「絵」作りのために利用している、そんな気がしてならない。
それよりハローワークに職業紹介の機能を持たせるためにどうしたら良いかを、真剣に考えるべきではなかろうか。
ハローワークに行けばいい仕事先がみつかる、ハローワークに求人を出せば優秀な人材が確保できる、そういう役割が持てないなら存在意義が問われる。

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2009/09/17

千葉景子新法相の資格を疑う

今回の新政権で新たに法務大臣に就任した千葉景子法相が17日行った記者会見には疑義がある。
先ず官邸での会見で、死刑執行について「人の命にかかわるので、法相の職責を踏まえながら慎重に取り扱う」と述べ、執行に消極的な姿勢を示した。
続いて法務省内で開いた会見では、「そういう方向(死刑廃止や凍結の方向)がつくられていけばいいなあというのが、個人的な気持ち」と述べた上で「制度の趣旨と大臣の職務を考えて慎重に対処したい」と繰り返した。
執行命令書に署名するかどうかについては明言を避けた。

発言を聞いていると、千葉新法相は果たして日本の法制度の基本を理解しているのだろうかという疑問がわいてくる。
裁判で確定した刑の執行は、「刑事訴訟法」によって、死刑のみ法務大臣の命令で、それ以外の刑は検察官が指揮すると定められている。
もし裁判で確定した刑を、法相または検察官が恣意的に執行しないとすれば、これは明らかな不法行為である。司法の結論を、行政が拒否したことに等しい。
例えばある検察官が無期懲役は非人道的だという個人的信念から、いつまでも刑の執行(収監)を拒んだとしたらどうだろう。そんなことが許される筈がない。
死刑についても同じことだ。

千葉法相は超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」(亀井静香会長)のメンバーの一人だ。
「そういう方向(死刑廃止や凍結の方向)がつくられていけばいいなあ」というのは立法の課題であり、それと行政の長の職務と混同すべきではない。
国民の声というのであれば、今は全体として厳罰化を望む方向に動いており、死刑制度についても存続の声が強い。
将来的には終身刑の導入や、死刑制度の見直しは課題ではあるが、それと現実の刑の執行とは全く別の問題だ。

このように千葉景子法相の発言は、三権分立の原則を踏み外している。
法の上に個人の信条を置くようでは、法務大臣としての職務がまっとうできるのか、不安だ。

今回のような死刑をめぐる法相の対応は、過去の自民党政権でも起きていて、それが今まで放置されてきた。
したがって民主党新政権でおきた問題というよりは、過去の悪弊を引きずっていると考えたほうが良い。
誰だって喜んで死刑を命令したくはないだろうし、できれば避けたいという気持ちはあるだろう。
しかし自分の時はサインしないというのは、結局イヤなことを先送りしているに過ぎない。
そんな意志薄弱な人間が、法務大臣では困るのだ。

【補足】
昨日のTV番組で、出席していた自民党議員が本記事と同趣旨の理由で千葉法相を批判していたが、この件について自民党には批判する資格はない。
過去の自民党政権下の法相の中にも、自らの信念で死刑執行命令書にサインしないことを言明した大臣がいたが、自民党はこれを黙認してきたからだ。
いずれにしろ、どうしても自己の信念を貫きたければ、法務大臣の就任を断れば済むはなしである。
(9月22日加筆)

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2009/09/11

「高速無料化」は間違っている

民主党がマニフェストにかかげている「高速道路料金の無料化」政策は、根本的に間違っている。
民主党は口を開けばヨーロッパ諸国は高速料金が無料だと主張しているが、これは事実の一面しか見ていない。
先ず、今まで旅行でまわってきた印象からすると、全ての道路が無料になっているわけでは決してない。
次に、欧州の多くの国では、公共交通機関を充実させる政策をとっている。これが「自動車産業至上主義」のわが国の政策とは全く異なる。
もう一つは、環境保護の観点から有料化する動きが出ていることだ。高速料金の有料化もあるが、国によっては高速から都市に入る際に通行料を徴収するケースもある。
ヨーロッパの交通政策をモデル化するというのであれば、正確な調査が必要ではなかろうか。

これからの交通政策を考えるばあいに、環境保護の観点が最も大切だ。
戦後の交通政策の基本はモータリゼーション、すなわち国民に自動車を買わせる政策だった。
鉄道やバスでの不採算路線を切り捨て、その一方道路だけは拡充していく。過疎地の多くは、車が生活に欠かせない移動手段になってしまった。
加えて景気対策と称して新車を買うのに補助金を出す、さらにこれから高速を無料化するとなれば、結果としては自動車産業を喜ばすだけだ。

民主党やその関連サイトなどでは、高速無料化のメリットを盛んに宣伝しているが、あまりに我田引水の強引な理屈が目立つ。
希望的観測がならぶ一方、不都合な部分には目をつぶっているとしか思えない。

高速料金の総額は、年間およそ2.0-2,5兆円とされている。
これを無料にする財源があるのなら、第一に公共交通機関を充実させるべきではなかろうか。
都市部での路面電車の復活や、過疎地の不採算路線への補助も必要だろう。
大都市の繁華街では、乗用車の乗り入れ禁止を実施したらどうか。
アメリカの一部の都市で行っているような、街の中心部への車の乗り入れ制限と、同時にその区域内では公共交通を無料にするといった試みもあって良い。
要は、国民が車に頼らない生活が成りたつようにしていくこと、これが大事である。

民主党政権は2020年までに、温室効果ガスの25%削減を目標に掲げるとしている。
この目標を本気で達成しようとするなら、国の在り方、国民生活のスタイルを根本的に転換させねばなるまい。
先ずは、自動車のためにせっせと全国に道路を造るという政策を改めることが肝要だ。
交通政策、道路政策もそうした長期的観点にたって立案すべきだと思う。
高速無料化は、弱者救済や環境保護の流れに明らかに逆行している。

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2009/08/31

クヤシイけど「小沢一郎」の一人勝ち、だが・・・

ここ15年間の日本の政治は、小沢一郎を軸にして動いてきた。
小沢一郎の戦略はハッキリとており、議会の大半を保守二大政党で構成させ、その二党で政権交代を行いながら政治を進めるというものだ。
つまり55年体制を壊すことが最大の政治目標だった。

55年体制というのは、保守党である自民党と革新政党である社会党が議席の多くを分け合い、その比率が概ね2:1の割合で推移した時代である。それはおよそ40年間にわたる。
この間、自民党の一党支配が続いたのだが、当時の関係者らの証言によれば、実際には社会党の言い分を3割程度をとりいれる国会運営を行い、共存共栄を図っていたというのが実情らしい。
支配層としても、冷戦構造の中では穏健な革新政党である社会党をほどほどに立てておいた方が得策だったのだろう。
つまり55年体制と言うのは、日本のムラ社会を反映したものだったといえる。
日本は20世紀に成功した唯一の共産主義国家などと揶揄された時代でもあった。

小沢一郎にとっては、こうしたぬるま湯に浸かったような政治がガマンできなかった。
一つは、ソ連の崩壊と冷戦構造の終結を受けて、議会から革新政党を消してしまおうということ。彼が考えた国の形にとって、足手まといになるだけの存在だからだ。
二つ目は、その結果として保守二大政党体制にするということ。一方が失政で国民の信頼を失っても、片方に受け皿となる政党があれば、政府が変わっても国の基本方針が揺らぐことはないからだ。
三つ目は、官僚機構を弱体化して、政党が官僚を支配するということ。官僚政治こそムラ社会の象徴であり、小沢一郎が目指す政党政治にとって好ましくないからだ。

今回の総選挙の結果は、小沢一郎が目指してきた政治手法の集大成であり、彼が目標としている国家像へのスタートとなるだろう。
では、小沢一郎の次の一手はなんだろう。
先ずは来年の参院選で民主党が過半数を握り、旧社会党左派の流れをくむ社民党を切り捨てること。同時に民主党内に小沢シンパを増やし、党内にいる旧社会党右派の残党の影響力を弱めること。
次に、衆議院の議員定数を減らすという名目で比例の定数を削減し、ジャマな少数政党を議会から排除すること。
とまあ、だいたいこんな道筋になるだろう。

さてここまでは概ね小沢一郎が考えたシナリオ通り進んできたが、これから先、彼が想定している国の形や政策が国民に受け入れられるかどかは、未知数である。
調子にのってゴリ押ししていると国民の反発を招き、次の選挙で思わぬしっぺ返しがくることになるだろう。
性急で唯我独尊の小沢の性格からすれば、その強引な手法が民主党の命取りになるかも知れない。
まあ、どっちでもいいけど。

来るべき民主党政権、首相は鳩山由紀夫だが、いうなれば小沢一郎大統領の下での政権ということになろう。
小沢も鳩山も金にまつわる疑惑を抱えているので、これから与党となればさらに厳しい眼が注がれることになる。不祥事で新閣僚が辞任にでも追い込まれれば、初っ端から政権運営につまずいてしまう。
民主党が公安と警察を握るのが早いか、それとも新たなスキャンダルが表面化するのが早いか、その競争だ。
まあ、どっちでもいいけど。

敗れた自民党もお先真っ暗だ。
先ずは資金、議員が181人減ということは、政党助成金がおよそ72億円減額されることになる。
金と権力をいっぺんに失うのだから、党内の結束はますます大変になる。
民主党を攻めようにもなにせ野党としてのノウハウを持っていないので、苦労するだろう。
おまけに公明党との連携も白紙だろうから、孤立無縁の状態が続くことになる。
臨時国会の首班指名で麻生太郎と書くことになれば、それこそ世間の笑い者。
まあ、どっちでもいいけど。

勝っても地獄、負けても地獄。
まあ、どっちでもいいけど。

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2009/08/30

「期日前投票」制度は見直すべきだ

私は20歳で選挙権を得て以来数十年、国政、地方を問わず選挙を棄権したことは一度もない。
そのうち期日前投票(当時は不在者投票と呼んでいたが)は、長期出張にぶつかった1回だけで、あとは全て投票日に投票している。
選挙は国民が政治に参加する事実上の唯一の機会であり、それだけに投票日に投票ができるように最優先でスケジュールを調整してきた。
きちんと投票を行うよう努力することは、国民としての責務だと考えるからだ。

今夏の衆院選挙では、公示の翌日19日から28日までに期日前投票を行った人は1094万人で、これは有権者のおよそ10.5%に相当するという。
期日前投票について法律では、公職選挙法第48条の2で次のように定められている。
【引用開始】
第48条の2 選挙の当日に次の各号に掲げる事由のいずれかに該当すると見込まれる選挙人の投票については、第44条第1項の規定にかかわらず、当該選挙の期日の公示又は告示があつた日の翌日から選挙の期日の前日までの間、期日前投票所において、行わせることができる。
1.職務若しくは業務又は総務省令で定める用務に従事すること。
2.用務(前号の総務省令で定めるものを除く。)又は事故のためその属する投票区の区域外に旅行又は滞在をすること。
3.疾病、負傷、妊娠、老衰若しくは身体の障害のため若しくは産褥にあるため歩行が困難であること又は刑事施設、労役場、監置場、少年院若しくは婦人補導院に収容されていること。
4.交通至難の島その他の地で総務省令で定める地域に居住していること又は当該地域に滞在をすること。
5.その属する投票区のある市町村の区域外の住所に居住していること。
【引用終り】

選挙の投票は投票日に行うことが原則で、例外として上記要件1~5に該当した者だけが期日前投票が出来ると法律では定められているわけだ。
今回期日前投票を行った1094万人の中で、法に定められた要件を満たしていた人が果たしてどの位いるだろうか。
投票をし易くして投票率を上げることだけを考え、公選法を無視して期日前投票が実施されているとすれば、これは大いに問題だ。
むしろ過去の実態をみれば、期日前投票が悪用されている恐れが十分にある。

前回の選挙では、ある宗教団体系候補の街頭演説が終わったあと、集まった聴衆にそのまま期日前投票所に向かうよう呼びかけたということが報道されていた。
明らかな違法行為であるが、現状では止めさせる方法がないし、選挙違反として告発することもできない。
替え玉投票や、二重投票が容易にできるのも制度の欠陥の一つだ。
実際の期日前投票所の現場では、投票所入場券を持参しなかった有権者について、身分証明書の提示を求まれえることは殆んどなく、宣誓書の提出と生年月日などの口頭での確認だけで投票させている例が多いという。
これだと、その気になればいくらでも不正投票ができてしまう。

公選法では公正な投票を守るために、投票日の選挙運動に制限を加えている。
公選法129条では選挙運動期間を【候補者の届出のあつた日から当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない。】と定めている。
しかし選挙運動が真っ最中に行われる期日前投票では、この条文は守られない。

投票の利便性だけの理由から、法の精神を無視し、不正選挙を助長するような現状の期日前投票制度は、見直しが必要である。
大事なことは人為的に投票率を上げることではなく、選挙の公正性を保つことだ。

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2009/08/28

近ごろ捜査情報のリークがひどすぎないか

東京地方検察庁は酒井容疑者が覚せい剤を隠し持っていたことが裏付けられたとして、28日中に覚せい剤取締法違反の罪で起訴する方針を固めたもようだ。
ここのところ酒井法子容疑者に対するマスコミの報道は過熱する一方で、スポーツ新聞などは「酒井法子」新聞と化し、TVのワイドショーはまるで「酒井法子」ショーと化している有りさまである。
報道内容の大半は各社が捜査関係者から聞きだしたもので、事実かどうかの検証がないまま情報を垂れ流している。
こうした捜査関係者でしか知りえない情報を非公式な形でリークするのは、明らかに公務員の守秘義務に違反している。

公務員には法律で守秘義務が定められており、違反した場合は厳しい罰則がもうけられている。
その法律はどうなっているのか、以下に国家公務員法の規定を示すが、地方公務員についても同様の規定がある。
【公務員の守秘義務と罰則】
第百条  職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。
2  法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表するには、所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又はこれに相当する官職の所轄庁の長)の許可を要する。
(3項以下省略)
第百九条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
十二  第百条第一項若しくは第二項又は第百六条の十二第一項の規定に違反して秘密を漏らした者
(十二以外は省略)
第百十一条  第百九条第二号より第四号まで及び第十二号又は前条第一項第一号(途中省略)に掲げる行為を企て、命じ、故意にこれを容認し、そそのかし又はそのほう助をした者は、それぞれ各本条の刑に処する。

要約するとこういうことだ。
(1)公務員が職務上知りえた秘密をもらしてはならない。これは退職した後も同様。
(2)違反した場合は、一年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。
(3)秘密をもらすことを企てたり、命令したり、故意に認めたり、そそのかしたり、ほう助した場合も同罪。
この他に公務員としての服務違反で、免職などの厳しい処分もある。
捜査段階で本人がどのような供述を行ったというのは、文字通り取り調べにあたった警察官や検察官しか知りえない秘密情報だ。
漏洩が事実なら、関係者は厳正に処分されねばならない。
本来ならこうした違法行為を監視すべきマスコミが全くこれを問題とせず、それどころか秘密漏洩に積極的に手を貸しているのは解せない。

こうしたことが許されるなら、他の刑事事件でも捜査関係者は思いのままに捜査情報をマスコミに流し、情報操作が容易になってしまう。
特にこれから裁判員制度により一般の国民が裁判に参加するようになると、容疑者に不利な情報だけが報道され続けられるならば、その影響で偏った判断により判決が左右されないとも限らない。
歯止めをかける意味で、捜査情報にかかわる記事については全て、記者の名前を明らかにする署名記事を義務づけたらどうだろうか。そうすれば、無責任な報道はあるていど規制できると思われる。

有名人のスキャンダルやプライベートが日々暴かれるというのは見ていて楽しいだろうが、あまり面白がってばかりいられないのだ。

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