詐欺のキーワード
金属製のブレスレットを身につけると血液がサラサラになるとして、全国で8千人以上に1本数十万円で売りつけ、24億5千万円を稼いでいた男らが詐欺罪で捕まりました。
騙す方も騙すほうなら、騙されるほうも騙されるほうです。
ブレスレットで人間の血液がサラサラになるわけが無い。
血液がドロドロだのサラサラだのというのは、ほんの4年ほど前から急に言われだし、主にTV番組などで宣伝されてきたもので、医学的な根拠もアイマイです。
それと血液がドロドロという事と高脂血症とは無関係だし、血管が詰まりやすいという事とも関係ありません。
この製品に限らず、「血液サラサラ」という表現を見たら、先ず眉にツバをつけてみた方が良いでしょう。
これだけ科学の発達した世の中で、しかも多くの人が高校に進んでいる日本で、こうしたエセ科学の詐欺に引っ掛かるのはどうしてなのでしょうか。
2001年の文科省が行ったある調査では、日本人成人の科学技術への理解度が日欧米17カ国中13番目、科学技術への興味と関心は最下位という結果が出ています。
つまり中途半端な知識はあるが、科学に対する正しい知識を持っている人は少ないということが窺えます。
ここら辺りに、詐欺師が巧みにつけ込む余地があるのでしょう。
最近よく聞く言葉に、「マイナスイオン」というのがあります。この効果をうたっているメーカーのHPを見ても、どうも根拠がよく理解できません。
必ずといってよいほど書かれているのが、滝の近くで測ると「マイナスイオン」が多く、またそういう場所では人間の心が癒されるという説明です。
滝というのは繁華街のど真ん中にあるわけがなく、山間部や川の上流にあります。そした場所で静かに滝の音を聞いていれば、誰でも心が癒されるのは当然ですね。
それと人工的に作り上げた「マイナスイオン」なるものが、人間をリラックスさせるかというのは全く別物です。
「マイナスイオン」というのは定義がはっきりしていなく、どうも負の大気イオンを指すようです。
そうなると、大気汚染物質であるNOxやSOxだって負の大気イオンです。こんなものを発生していたら、大変なことになります。
「マイナスイオン」製品に出会ったら、メーカーの人にどういう物質のイオンなのか訊いてみてください。まず答えは返ってこないでしょう。
傑作だったのは、店頭で「マイナスイオン水」というのを見つけた時、成分分析表を確かめたら、Na+、Ca++、K+、など全て正のイオン(プラスイオン)が表示されていました。実際には「プラスイオン水」だったわけで、明らかな不当表示です。
「マイナスイオン」製品の大半は、こんなものでしょう。
因みに2006年に、東京都はマイナスイオン商品を科学的根拠が薄弱として、業者に対し資料提出要求及び景品表示法を守るよう指導を行っています。
「臭いを分解」「有害物質を分解」というのも要注意です。
実際に試験したら、確かに分解はしてくれるものの、分解されて生成した物質がはるかに人体に有害だったというレポートもあります。
最近、こんな表現を聞かれたことはありませんか。
・アルカリ性食品:健康に良い 酸性食品:身体に悪い
・マイナスイオン:心を癒す プラスイオン:イライラさせる
これらは全て医学的に根拠のないもので、風評に属するものです。
何も効果がなかったというなら未だ幸いで、却って健康を損ねたりしたら大変です。
今から30年ほど前に、「βカロチンががん予防に有効」と宣伝されたことがあります。覚えておられる方もいると思いますが、最近パッタリ聞かなくなりましたね。
実は1980年代に、肺がんリスクの人を対象に投与実験を行ったところ、βカロチンを服用した人の方がガン発生率、死亡率ともに高くなってしまい、実験そのものが中止になったということがありました。
健康に良い、身体に良い、病気に罹らない、回復が早い、心が癒されるなど、オイシイ表現にぶつかったら、先ずなぜそうなるのかを考え、自分で調べてみることが大事でしょう。
くれぐれも、詐欺の謳い文句に引っ掛からないように、注意が肝心です。
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