懐かしい昭和の風景
【MP】
ミニタリー・ポリスの略、進駐軍の憲兵にあたる。米兵が暴れたときは日本の警官など全く役に立たないが、ジープに乗って銃を抱えたMPが来ると、どんな米兵もおとなしくなった。MPは神様に見えた。
【浮浪児】
震災で家族を失った子どもたちをを指す。上野駅の地下道に大勢いた。やがて収容施設ができてそこで暮らせるようになる。NHKラジオで「鐘の鳴る丘」としてドラマ化される。
【傷痍軍人】
戦争で負傷した元兵士が生活のために街頭で募金活動を行った。白衣姿で二人一組、一人がアコーディオンを弾くというスタイルが多かった。
【モク拾い】
タバコの吸い殻を拾い集めて、ほぐしてから紙に巻き紙タバコとして再生させる。簡単な道具があって、タバコのカクテルが出来上がった。
【パンパン】
不特定多数の進駐軍人を相手の売春婦。派手なワンピースを着ていたので直ぐに分かった。敵国に体を売るといって蔑まれたが、彼女らのお陰で戦後に生きていけた家族も少なくなかった。
【オンリー】
特定の進駐軍人の愛人となった女性。パンパンよりちょっと格上に見られてた。
【犬殺し】
狂犬病になる野犬を増えたので、捕獲するのを職業とした人たちがいた。捕らえた犬は保健所に送り薬殺していたのでこの名で呼ばれていた。
【銀シャリ】
食べ物が無かった都会に住む人にとって、米の飯は最高の贅沢だった。米といっても外国からの米、外米が主だったが、それでも銀シャリは憧れだった。
【軍事将棋、駆逐水雷】
戦争の影は子供たちの遊びにも残されていた。「軍事将棋」は将棋の駒が将校やタンク、飛行機、軍旗、地雷、スパイなどで構成されていた。「駆逐水雷」は鬼ごっこだが、両軍に分かれて争い、艦長を取られると負けというルール。
【汲み取り】
都内でも便所はほとんどが汲み取り式だった。便壺に溜まった糞尿を柄杓で組み合あげ、樽にに入れて運びだす。集めたものは汚わい舟に乗せて、東京湾に投棄していた。
【DDT】
戦後は不衛生だったので、蚤、虱、南京虫などに悩まされた。これを防ぐためにDDTやBHCと呼ばれた消毒剤の粉末を散布した。後にこれらは有毒物質として使用禁止となるが、当時はそんな事を言ってられなかった。
近ごろ、昭和を懐かしむのが流行りのようだが、決して良い思い出ばかりでは無かった。
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