寄席・落語

2019/07/15

「白酒・三三・萬橘」(2019/7/14)

「三つ巴」昼の部
日時:2019年7月14日(日)13時
会場:よみうり大手町ホール
<   番組  >
三遊亭萬橘『孝行糖』
桃月庵白酒『代脈』
柳家三三『五目講釈』
~仲入り~
三遊亭萬橘『紀州』
柳家三三『転宅』
桃月庵白酒『百川』

「白酒・三三・萬橘」人気の若手による三人会。各2席ずつ演じて昼夜公演で、その昼の部へ。
白酒がマクラで、こんな事を言っていた。落語は個人で演るものなので、仕事を離れて互いに個人的に親しい人というのはいない。師匠の雲助も白酒も、普段は他の噺家とは会わないようにしており、たまたま出会ってもアイコンタクト程度で挨拶もしないと。狭い世界なのに、未だに一度も顔を見た事がない噺家もいるという。楽屋に集まっても、この日に掛けるネタの打ち合わせなんかしないと。
それは噺家だけでなく、落語好きにも言えた。昔の寄席なんて偏屈オヤジの集まりみたいだった。親しい仲間が集まってグループで寄席に来るなんて光景はなかった。落語のファン層は確実に変化してきているようだ。

一人が2席ずつ3時間の会で、しかも昼夜公演っとあって、それぞれ手慣れたネタを掛けていた。従って、適度に楽しむことはできたが、これと言った特記事項もない。それじゃあまり愛想がないので、
三三『五目講釈』について。
道楽が過ぎたあげく、勘当されて親方のところに居候している生薬(きぐすり)屋の若旦那。どこかで働きなさいと意見する親方に、若旦那は講釈師になると言い出すので、親方は長屋の連中を集め、若旦那の芸を披露させることにした。若旦那は「赤穂義士伝」の抜き読みを読み始めると、これがなかなかの腕前。処が、次第に「新選組」だの「平家物語」だのと話が飛んで行ってしまい…。
別題を『居候講釈』、古今亭志ん生は『調合』として演じていた。
他に、船中でサメに囲まれた時、乗客の講釈師が船べりで講談を演じてサメを退散させるというストーリーのものもあり、5代目三遊亭円楽はこれを『五目講釈』として演じていた。古今亭菊志んは同じ噺を『兵庫船』として演じている。
要は、有名な逸話や時に時事問題まで取り入れたハチャメチャな講談をもっともらしく語る所がミソで、講釈の腕前を聴かせるとこが肝要。
三三の講談も上手いもんだ。

余談になるが、先年イエメンを旅行した時に、初めて「鍛冶屋」を見た。『紀州』にあるようにトンテンカンと槌を打っていたが、あれは大変な作業だ。農村では、少年が村の井戸から水を汲み上げ、桶に入れて天秤に担ぎ家まで運んでいるのを見た。『水屋の富』を彷彿とさせた。
古典落語の姿も、ああした国に行かないと味わえない。

 

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2019/07/12

恵比寿まめかな寄席(2019/7/11)

「恵比寿まめかな寄席」7月公演 昼の部
日時:2019年7月11日(木)14時
会場:恵比寿・エコー劇場
<  番組  >
柳家寿伴『宿題』
三遊亭萬橘『時そば』
どぶろっく『歌ネタ』
柳家喬太郎『夜の慣用句』
~仲入り~
坂本頼光『血煙り高田馬場』
林家あずみ『三味線漫談』
桂文珍『スマホでイタコ』

「恵比寿まめかな寄席」には何度か足を運んだが、この会場での開催は今回で終了、次回は別の会場でファイナルを行うようだ。
この会でしか会えない芸人もいて貴重な存在だっただけに残念。

寿伴『宿題』
稽古不足だったかな。

萬橘『時そば』
最初のソバ屋の所でスベってしまい、会場がシーンとなる場面もあった。翌日のソバ屋の場面では盛り返して受けていた。最初の日の客は兄いで、その手口を弟分に教えて翌日・・・、という独自の演じ方。翌日のソバ屋の場面で食い終わった客が「さっき、よそで不味いの食ってきたから」に、ソバ屋が「えっ、うちより?」と返すギャグは秀逸。

どぶろっく『歌ネタ』
初見。演目を何と書いていいのか、漫才でもないしコントとも違うので「歌ネタ」とした。かなり売れてる人気者の様で場内は盛り上がっていたが、私には最後まで面白さが分からなかった。こっちの感性なのか、相性が悪いのか。
たまにTVでお笑い番組を見ることはあるが、過去に面白いと思ったのはサンドウィッチマン、東京03と中川家ぐらいで、他は総じてつまらなかった。年かね。

喬太郎『夜の慣用句』
お馴染みの池袋ネタのマクラから、これもまたお馴染みの本題へ。なにせ数ある新作の中でも名作ですからね。この日が鈴本の夜トリ初日で、そっちで頭が一杯と、チラリと本音も。

頼光『血煙り高田馬場』
活弁を寄席芸にした功労者だ。言われて気が付いたのだが、音楽は本人が編集して入れたもので、無声映画には音楽も入ってないもんね。
映画は1928年制作のもので、主演は大河内傳次郎で、私が知った頃は『丹下左膳』をよく演じていた。「シェイハタンゲ、ナハシャゼン」の決めセリフが有名だった。ご存じ「喧嘩安兵衛」を演じて、脇役に若き日の「ばんじゅん」こと伴淳三郎が出ていたのがご愛敬。

あずみ『三味線漫談』
進歩しつつあるのは認めるが、「伊勢音頭」で♪尾張名古屋はヤンレー城でもつ♪の所で音を外すようじゃ、まだまだ。

文珍『スマホでイタコ』
時事問題など採り上げながら、いつの間にかネタにつなげるマクラは巧みだ。上方落語界では上から8番目の年齢に達したそうで、7人見送ればトップに立てる、「7人の弔い」。
スマホにイタコのソフトを入れるとあの世と繋がり、師匠の文枝(良い方の文枝と言っていた)とも会話ができる。「亡くなった先輩たちも極楽寄席で活躍している。さっきジャニーさんが通っていった。談志は地獄だからここにはいない」。そんな会話をしているうちに本人がスマホの中に入ってしまい、気が付けばあの世に着いていたといったストーリー。
ネット版『地獄八景』ともいうべき趣きであまり新鮮味はないが、面白く聴かせていた。

 

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2019/07/11

「三遊亭圓歌 独演会」(2019/7/10)

みなと毎月落語会「三遊亭圓歌襲名記念落語会」
日時:2019年7月10日(水)19時
会場:赤坂区民センター
<   番組   >
前座・立川らくぼ『権兵衛狸』
三遊亭圓歌『南国慕情』
~仲入り~
三遊亭圓歌『母ちゃんのアンカ』

この落語会は「Kissポート財団」が主催しているが、企画・制作は「立川企画」。そのせいかプログラム1枚作るでなし、囃子はテープと実にケチくさい。この規模の会場を使うなら、せめて三味線の人ぐらいは呼べばいいじゃないかと、毎度思ってしまう。
前座も立川流から出しているが、これもどうかと思う。どうせ聴いてないからいいけどさ。

永年、寄席に行ってると2代が見られるケースは多いが、3代となると数が限られる。紙切りの正楽と、落語家では三木助、柳好を3代見ていたが、これに圓歌が加わった。

このたび襲名した当代は4代目、2代目も3代目も古典と新作両方を手掛けたが、売れたのはどちらかと言えば新作の方だった。当代もその傾向の様だ。
この日の2席はいずれも鉄板ネタで、寄席に行ってる人なら何度も聴いているに違いない。
圓歌の新作の特徴は「エッセイ落語」とも呼ぶべきもので、自身の生い立ちや家族、公演で訪れた旅先での出来事などを中心に、切れ目で地口を入れて笑いを取るというスタイルだ。時に辛口のネタも挟む。この日だと歴代首相の欠点を語っていたり、安部首相夫妻がよく手をつなぐのを「それ程の女じゃない」と混ぜっ返していた。
それぞれの小咄の完成度が高いので、何回聴いても面白い。客席は爆笑につぐ爆笑だった。

 

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2019/07/09

2019年上半期「演芸佳作選」

2019年1-6月に聴いた演芸のうち、優れた高座を選び、
演者、ネタ、月/日、落語会(又は寄席)の名称
の順に記した。
下記の高座は、年末に発表する「My演芸大賞」の大賞、優秀賞の候補になる。

春風亭一之輔『二番煎じ』1/15「鈴本演芸場」
入船亭扇遊『鼠穴』1/19「朝日名人会」
柳家喬太郎『偽甚五郎』1/19「朝日名人会」
林家種平『居残り佐平次』1/26「国立名人会」
神田京子『与謝野晶子』2/5「国立演芸場」
入船亭扇遊『付き馬』2/17「ぜん馬・扇遊二人会」
立川ぜん馬『ちきり伊勢屋』2/17「ぜん馬・扇遊二人会」
桂吉坊『胴乱の幸助』3/2「花形演芸会」
柳家小満ん『盃の殿様』3/27「人形町らくだ亭」
五街道雲助『九州吹き戻し』4/6「名作落語の夕べ」
春風亭一朝『刀屋』4/20「三田落語会」
露の新治『抜け雀』4/20「三田落語会」
三遊亭遊雀『三枚起請』5/8「芸協仲夏祭花形」
露の新治『大丸屋騒動』5/10「露の新治落語会」
むかし家今松『水屋の富』6/7「国立演芸場」
江戸家小猫『ものまね』6/15「花形演芸会」

例年はどちらかというと下半期に優れた高座が多いのだが、今年は上半期が当りの様だ。早くも「大賞」がこの中から選ばれそうな予感がする。

 

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2019/07/05

国立7月上席(2019/7/4)

国立演芸場7月上席・4日目

前座・立川幸太『道灌』
<   番組   >
立川幸之進『寄合酒』
春風亭傳枝『持参金』
ぴろき『ウクレレ漫談』 
三遊亭笑遊『無精床』
古今亭寿輔『老人天国』
  ―仲入り―
『真打昇進披露口上』高座下手より司会の傳枝、文治、談幸、吉幸、笑遊、寿輔
桂文治『代書屋』
立川談幸『青菜』
鏡味味千代『曲芸』
立川吉幸『らくだ』

国立演芸場7月上席は芸協の真打昇進披露興行で、4日目は談幸の惣領弟子の立川吉幸のお披露目だ。
吉幸の略歴は以下の通り。
平成9年10月 快楽亭ブラックに入門「ブラ房」
平成17年8月 立川談幸門下になる「吉幸」
平成19年7月 二ツ目昇進
平成27年4月 落語芸術協会入会
平成28年4月上席まで前座として務める
令和元年5月 真打昇進
経歴から分かるように随分と回り道をしてきた人だ。特に立川流から師匠と共に芸協に移籍した時は前座修行も経験させられた。でも芸協加入後に4年で真打というのは特例で、それだけ配慮して貰えたということになる。それでも入門から真打まで24年かかったのだから、遠回りには違いない。

幸之進『寄合酒』
初見。無難な出来。

傳枝『持参金』
当代は10代目で、初代は初代談洲楼燕枝が入門時に名乗っていたというから名跡を継いだわけだ。
高座は師匠の鯉昇譲りの軽快な運び。

ぴろき『ウクレレ漫談』 
自虐ネタの後で「明るく陽気に、いきましょう」で締める。ワンパターンだがとにかく可笑しい。

笑遊『無精床』
マクラで、30代の美人理容師に髭を剃って貰う喜びを語っていた。それで思い出したのは、若いころ通っていた理髪店にバストの大きなお姉さんがいて、髭を剃る時に身を乗り出して来るので目のやり場に困った(本音は困ってなかったけど)。
ちょっと形容のしようのない不思議な芸で、楽協には絶対にいないタイプだ。

寿輔『老人天国』
こちらも楽協にはいないタイプ。この日は2列目で熟睡している客を起こさぬようにと静かにしゃべっていた。ネタは先月の中席と同じ。

『口上』では、師匠の談幸がとても嬉しそうだったのが印象的だった。行動を共にし苦労させた分、安堵した気持ちなんだろう。2年前に協会の正会員になってから一気に弟子が4人も増えたのは芸風と人柄からか。

文治『代書屋』
しゃべり方、仕草、クスグリまで全て権太楼にそっくり。きっとネタは権太楼仕込みだろう。

談幸『青菜』
江戸っ子好みのサッパリした芸とでも言うべきか。近ごろこのネタをトリに掛けるような向きがあるが、あれは邪道。談幸の様に暑い時期に軽く演じるのが正解。

味千代『曲芸』
太神楽にあるまじき、どこかのお嬢さん風な容貌。芸は堅実。

吉幸『らくだ』
しみじみ見るとなかなか凄みのある風貌だ。一昔前の東映映画にそのまま出てきそう。ちょいと固い感じだったが、屑屋が酔って兄いに啖呵を切る場面は迫力があった。それぞれの人物の演じ分けに、もっと工夫が要るかも。

 

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2019/06/30

さだまさし・らくごカフェ・武道館

歌手のさだまさしが落語ファンで、学生時代に「オチ研」に入っていたとは、以前耳にしたことがあるが、神保町にある「らくごカフェ」との意外な関係について、月刊誌「図書」7月号に本人が書いている。

さだは國學院高校の時に落語研究会に所属していた。先輩に橘家二三蔵(7代目橘家圓蔵門下)がおり、さだが在学中に鈴本演芸場で落語会を開いたほどの由緒ある落研とのことだ。OBたちが集まって「語院居の会」を作っているが、さだが会長で、後輩の青木伸広が世話人代表。その青木が「らくごカフェ」のオーナーだ。
10年前に青木が突然「寄席の席亭になります」と言い出した。周囲はどうせ長続きしないからと止めたが、青木は「多分だめでしょうが、もし10年続いたら何かご褒美をください」というので、さだは「ああ、何でもやるよ」と答えていた。それが今年で10年もっちゃたのだ。

ご存じの通り、東京の落語家には階級制度があるが、最も難しいのは「二つ目」の時と言われている。師匠の身の回りの世話が無くなるが、生活は全て自分でしなければいけない。焦りや悩みで自分を見失い、脱落してゆく人も少なくない。
そうした二つ目の噺家に勉強会や独演会の場を与えるのが小さな寄席の存在だ。
「らくごカフェ」は座席数が50席ほどで、席料は2万円。入場料1000円として20人入れば赤字にならなくてすむ。30人入れば1万円の収入となり、貧しい落語家にとっては大きな励みになる。そうした若手に愛され支えられて10年続いたのだ。

その青木が突然、10周年記念の落語会を、それも武道館でやりたいと言い出した。「先輩、約束通りご褒美をください」とさだに出演を依頼してきた。青木が予て知り合いの志の輔と談春にさだを加えての侃々諤々の議論の末、今年の2月25日に武道館の落語会が開催された。
プログラムは、第1部が若手が集まって盛り上げ、最後は一之輔が『堀の内』を演じた。
第2部は、さだまさしのライブ。
第3部は、談春が『紺屋高尾』を演じた後に、さだが『いのちの理由』を歌った。
第4部は、志の輔が『八五郎出世』を演じた後に、さだが『親父の一番長い日』を歌って、お開き。
当日は、平日の午後4時開演にもかかわらず、8000席が完売という盛況。5時間の長丁場は熱気に溢れていた由。
落語通と呼ばれている人にも好評で、出演者一同も「武道館で落語って、ありですね」とすっかり気を良くしていた。

「僕は自信ありましたけどね」と言った青木、実はこのプログラムにある仕掛けが施してあった。
それは、談春と志の輔のそれぞれの1席の後のさだまさしの歌が、ネタへの「返歌」になっているのだ。その理由は、落語とさだまさしの歌に詳しい人には分かる。
そう聞かされたさだは、そっと涙ぐんだ。

 

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2019/06/27

人形町らくだ亭(2019/6/26)

第84回「人形町らくだ亭」
日時:2019年6月26日(水)18時50分
会場:日本橋劇場
≪  番組  ≫
前座・橘家門朗『道灌』
春風亭一之輔『かぼちゃ屋』
五街道雲助『お化け長屋』
~仲入り~
三遊亭わん丈『魚の狂句』
柳家さん喬『船徳』

門朗『道灌』
二つ目が近いようだが、せりふの間の取り方に進歩が見られない。

一之輔『かぼちゃ屋』
この人の演じる与太郎は、バカというより強かさを感じる。これなら世の中十分に渡っていけそうだ。
一之輔、仲入りで自著の本を販売していた。かぼちゃ屋から本屋に変身!

雲助『お化け長屋』
強面の兄さんにいちいち混ぜっ返される古狸の杢兵衛の表情が良い。段々追い詰められてゆく様子がよく分かる。
せっかくこのネタを雲助が演じるなら、出来れば上で切らず下まで演って欲しかったというのは、ちと贅沢かな。

わん丈『魚の狂句』
三遊亭圓丈門下の末弟ながら、最も将来性が期待される人だ。先ず、噺家としてセンスがある。もっとも噺家だから扇子があるのは当たり前か。
ネタは上方の古典落語で、魚を織り込んだ狂句(川柳)が次々と披露されるのだが、最近は演じる人も少ないらしい。わん丈は上方の師匠から教わったそうだが、タイトルと状況設定だけ借りて、中身は本人の新作に近い。
2020年代にはこの人が伸して来る予感がするというのは、褒め過ぎかな。

さん喬『船徳』
さん喬の演じる古典には、所々独自の解釈が行われることが多い。それが当たっている時は良いのだが、時おり首を傾げることがある。
今回の高座でいえば、船に乗る二人の客の片方が日傘をさしたまま乗船していた。この船は猪牙舟だから屋根が無いから日傘という理屈だろうが、果たして日傘をさしたまま船に乗る人がいるだろうか。少なくとも船頭にとっては前方が見えにくくなるので嫌がるだろう。特にこの船は大川に出る所で3べん回るわけだから、傘をさしていたら危ない。こうした必然性のない改変は噺の面白さを減じてしまう。
徳が船を漕ぎながらいい喉を聞かせたり、乙を気取って見得を切る所は工夫されていただけに残念だ。

 

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2019/06/19

国立6月中席(2019/6/18)

国立演芸場6月中席・8日目

前座・桂こう治『桃太郎』
<  番組  >
春風亭昇市『看板のピン』
林家喜之輔『紙切り』
古今亭今輔『葛湯』
山上兄弟『奇術』
桂小文治『七段目』
~仲入り~
玉川太福『自転車水滸伝』
三遊亭右左喜『銀婚式』
チャーリーカンパニー『コント』
古今亭寿輔『老人天国』

国会で麻生副総理が年金を貰ってるかどうか知らないという発言が追及されているが、問題はそこじゃない。
麻生太郎の年金に関する過去の発言は、その時々でクルクル変わっている。正反対の意見を平気で述べている。要するに麻生太郎は年金問題になんか関心が無いのだ。国民の生活など一顧だにしないその姿勢が、政治家としての資質を欠いている所に問題があるのだ。

国立演芸場6月中席は芸協の芝居。お目当ては小文治と寿輔。

昇市『看板のピン』
ああリズムが悪くちゃ、笑うに笑えない。

喜之輔『紙切り』
初見。腕前は?ウ~~ン。

今輔『葛湯』
この辺りから寄席らしくなる。マクラで群馬県出身だと言ってたが、それなら先代とは群馬つながりになるわけだ。
祖母が葛湯や辛子湯が好きだから用意するよう言いつけられた孫の嫁が、葛風呂や辛子風呂に祖母を入れてしまうというストーリー。
この日しみじみと見ると、この人、噺家というより格闘家の様な風貌だ。

山上兄弟『奇術』
イリュージョンマジックでなかなか鮮やかなものだったが、客席の反応が今一つだったのは、分からない方がいたのかも。

小文治『七段目』
歌舞伎の所作の美しさに瞠目。とにかく身体の動きが綺麗で、女形を演じる時の顎と肩の使い方に感心した。所作の美しさでは、この人が当代一ではなかろうか。見得の切り方といい、セリフの発声といい、言う事なし。きっと『淀五郎』なんていいでしょうね。

太福『自転車水滸伝』
通勤で自転車を使っているようで、その自転車にまつわるエピソードを浪曲に仕立てたもの。水滸伝としたのは、玉勝の『天保水滸伝』の連想からか。

右左喜『銀婚式』
昔々聴いたことがあるネタだと思ったら、3代目三遊亭円右作だった。新作も時代がズレちゃうとねえ。

チャーリーカンパニー『コント』
「おじさん、これ賞味期限をきれてるよ」「そうかい、じゃシール貼り替えておくから」なんてね。面白いネタだと思ったが、何だか二人のセリフがかみ合ってなかったなあ。

寿輔『老人天国』
一応タイトルは付いているが、中身はマクラに使う小咄の寄せ集め。人情噺を掛けようと思っていたが、声の調子が悪いのでとのことだったが、短くても良いから何か一席演じて欲しかったね。
トリが逃げたんで、何とも締まらなくなってしまった。
小文治の高座が収穫だったから、まあいいか。

 

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2019/06/16

花形演芸大賞受賞者の会(2019/6/15)

「平成30年度花形演芸大賞受賞者の会」
日時:2019年6月15日(土)18時
会場:国立演芸場

<  番組  >
前座・柳亭市朗『手紙無筆』
古今亭志ん五『魚男』
うしろシティ『コント』
坂本頼光『活弁”石川五右衛門の法事”』
三笑亭夢丸『権助提灯』
神田松之丞『扇の的』
―仲入り―
『平成30年度花形演芸大賞 贈賞式』 司会:桃月庵白酒
【大賞】 江戸家小猫(ものまね)
【金賞】神田松之丞(講談) 桂吉坊(上方落語) 三笑亭夢丸(落語) 坂本頼光(活動写真弁士)
【銀賞】古今亭志ん五(落語) うしろシティ(コント) 入船亭小辰(落語・欠席) 桂雀太(上方落語)
桃月庵白酒『粗忽長屋』
桂雀太『商売根問』
桂吉坊『胴切り』
江戸家小猫『ものまね』

マクラ代わりに全体の感想をいくつか。
受賞者の会に前座を出す意味が分からない。どうしても出すと言うなら普段の寄席の様に開演前に出すべきだろう。
審査員の講評が踏み込み過ぎていた。こういう場で、あまり個人的な感想を述べるのは感心しない。
神田松之丞が昨年銀賞だったのが(或いは今年大賞でなかったのが)不満なのか、昨年の他の受賞者に対して批判的な意見を述べていたのは頂けない。もしかしたら本人が意識的にやってるのかも知れないが、思い上がった態度に映ってしまう。
こうしたお目出度い会なんだから、万事サラリとスマートにね。

審査員の講評でも述べていたが、入賞者にいわゆる色物の芸人が目立つ反面、東京の落語家の影が薄い。ここ20年を振り返っても喬太郎から白酒、三三、そして一之輔まで次々と優秀な若手を輩出してきたが、一之輔以後がパッタリ止まってしまった。後継の若手の奮起を望みたい。

志ん五『魚男』
癒し系の噺家。この日は趣味が全て魚に関係したものという男が主人公の新作。ユッタリ、ノンビリ。

うしろシティ『コント』
初見。普段はライブ中心に活動していて、寄席の舞台で受けるかどうか心配していたようだが、受けていた。我々の様な年配者にも分かり易いコントだった。

頼光『活弁”石川五右衛門の法事”』
1930年の松竹蒲田製作の無声映画で、主演は渡辺篤、と言っても、よほどの映画ファンでなけりゃ知らないでしょうが。
五右衛門の子孫が窮地に陥ると釜の中から先祖の五右衛門が出てきて助けるという、スラップスティック・コメディ映画。頼光の活弁は所々に毒が入るのが魅力。

夢丸『権助提灯』
短いネタだが、人物の演じ分けが出来ていた。審査員からマクラが下ネタと言われていたが、決して下品ではなかった。

松之丞『扇の的』
大人気で今や飛ぶ鳥を落とす勢いとはこの人。今年度は金賞、審査員の言によれば次は大賞を狙えるとのことで、専門家の評価も高い様だ。私はこの人の高座を数回観てきたが、若手にしては上手いとは思うが、素晴らしいと感心する高座には出会えていない。だから、なぜこれ程の高い評価を受けているのか、正直良く分からないのだ。
この日も並の出来だった。

白酒『粗忽長屋』
時間に追われて急いだ高座だったが、噺の勘所は押さえていたのは、さすがだ。

雀太『商売根問』
大賞の小猫を別にすれば、この人の高座が最も良かった。短い時間ながらテンポ良くサゲまで演じた。会話の間の取り方も巧みで、大器を予感させる人だ。

吉坊『胴切り』
上方落語の本寸法と言っていいだろう。何を演じても合格点に達する技量の持ち主だ。反面、この噺はこの人という決定打に欠ける憾みがある。そこを打ち破れるかがこれからの鍵だろう。

小猫『ものまね』
色物としては、花形演芸大賞史上3人(組)目の大賞受賞となった。個人では初となる。審査員も全員が満点だったそうだが、物真似の技量だけでなく、トークや構成に至るまで完成度が高い。
私は猫八三代の高座を観ているが、全ての面でこの人が最も優れていると思う。

 

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2019/06/13

鈴本6月中席・夜(2019/6/12)

鈴本演芸場6月中席夜の部・2日目

前座・三遊亭歌つを『子ほめ』
<  番組  >
金原亭馬太郎『元犬』
翁家勝丸『太神楽曲芸』
春風亭㐂いち『やかん舐め』
古今亭菊丸『親子酒』
すず風 にゃん子・金魚『漫才』
桂藤兵衛『相撲風景』
柳家喬太郎『そば清』
─仲入り─
柳家小菊『粋曲』
春風亭正朝『悋気の火の玉』
林家楽一『紙切り』
金原亭馬治『片棒』

犬や猫にマイクロチップを埋め込むことが法案化したようだ。この分じゃ次は人間か。こんな事が冗談では済まない状況になってる気がする。

政府・与党は、公的年金以外に2千万円の蓄えが老後に必要と試算した金融庁審議会の報告書を、夏の参院選に悪影響とみて撤回した。
政府の審議会なんてもんは、政府の方針にお墨付きを与えるだけの代物だ。何のことはない、テメエでやらしといて、テメエで引っ込めたわけで、とんだ茶番だ。それにしても麻生太郎のツラって、どうにかならないもんかね。

鈴本の6月中席、春風亭㐂いちの二つ目昇進と、仲入りが喬太郎、トリは馬治という顔づけ。
開演の時はかなり空席が目立ったが次第に客が増えてきて、落ち着かない雰囲気だった。

歌つを『子ほめ』
歌奴の弟子、高知県出身だから「かつお」と洒落たのか。

馬太郎『元犬』
今年2月に二つ目昇進。随分と真面目そうな容貌だ。踊りのサービスあり。

勝丸『太神楽曲芸』
今回で3度目だが、未だ技量が不足してる。

㐂いち『やかん舐め』
上手く演じていたが、ちょいと硬かったかな。

菊丸『親子酒』
この人の登場で俄然寄席らしい雰囲気になってきた。軽く演じていたが客席をしっかり掴んでいた。

にゃん子・金魚『漫才』
いつも思うのだが、このコンビって何が面白いんだろう。

藤兵衛『相撲風景』
サラリと、ベテランの味。

喬太郎『そば清』
立ち食いそばのマクラだったので、もしや『時そば』かと思ったが、こっちだった。もう夏だもんね。20枚、30枚、50枚の時のそばの食べ分けで沸かせる。

小菊『粋曲』
歳を重ねても声が落ちないとこが凄い。よほど鍛錬してるんだろう。
I ♡ Kogiku.

正朝『悋気の火の玉』
この人を含め、この日はベテランの味が光っていた。それぞれが自分の役割をわきまえているのは、さすが。

楽一『紙切り』
客席からのリクエストで「子育て幽霊」に、「それってなんですか?」と訊き返していた。他は「美女と野獣」「ラグビーワールドカップ」、紙切り芸人は大変だ。

馬治『片棒』
このネタ、一朝が演じると祭り囃子の口真似で拍手が起きる。そうした盛り上がりもなく平凡な出来だった。
トリネタとしては物足りなかったかな。

 

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