材料には罪はない~プラスチック、アスベスト
海洋汚染としてプラスチックが問題視されている。確かに海面に漂うプラスチック類の映像は衝撃的だ。
正確には有機性高分子物質と呼ぶべきで、プラスチックはその中の一形態に過ぎない。他に繊維、フィルム、合成ゴムなど色々な種類が混ざっている。
実は多くの物質が海洋投棄されており、その大半は海底に沈んでいたり、海水に溶けてしまっているので目立たない。
そちらの方の有害性はあまり問題にされていないようだ。
処が、有機性高分子類もは一般的に海水に溶けず、しかも軽い(比重が海水より小さい)ことが多いため海面に浮遊して目立つのだ。
これを減らすには投棄を防ぐことが大事で、有機性高分子を減らすことではない筈だ。
しかし、オツムの弱い大臣殿はレジ袋を有料化すれば改善されると考えたのだ。確かにレジ袋を受けとる人は減ったが、代わりに持参している買い物袋(トートバッグなど)を見ると、大半が有機性材料が使われている。あれでは何もならない。
因みに我が家はレジ袋派だが、1枚も無駄にすることなく活用している。
レジ袋の有料化を政策として行った以上は、海面の汚染が減少したかどうかの効果確認の義務がある。しかし政府がそうした検証を行った形跡がないのは無責任としか言いようがない。
さてアスベスト(石綿)だが、以前はコンロやストーブなどの家庭用品から学校の教材などの身近なものから、建材や工業製品まで幅広く使われていた。
20-30にかけてある時期、ほぼ毎日アスベストを仕事で使っていた。同僚たちも同じ様な状況だった。
勿論、当時から肺に吸い込んだら有害だということは知られており、防塵マスクを着用して作業をしていた。それ以外に毒性は皆無で、安心して作業ができた。
それが今ではまるで毒物のような扱いで、アスベストには気の毒になる。
どんな材料でも使い方を間違えれば危険になる。
例えばヒ素や青酸化合物は猛毒で、事件や事故で死者も出いてるが、未だに使用が禁止されていない。なぜなら、体内に取り込まなければ有毒にならないので、気をつけて使っているからだ。
アスベストは天然で産出されるのに、それに代わる材料を製造するために
多の資源とエネルギーを消費している。勿体ない話だ。
悪いのはアスベストではない。
間違った使い方をした(又は使い方を指導していなかった)人間の方だ。
最近のコメント