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2023/09/28

材料には罪はない~プラスチック、アスベスト

海洋汚染としてプラスチックが問題視されている。確かに海面に漂うプラスチック類の映像は衝撃的だ。
正確には有機性高分子物質と呼ぶべきで、プラスチックはその中の一形態に過ぎない。他に繊維、フィルム、合成ゴムなど色々な種類が混ざっている。
実は多くの物質が海洋投棄されており、その大半は海底に沈んでいたり、海水に溶けてしまっているので目立たない。
そちらの方の有害性はあまり問題にされていないようだ。
処が、有機性高分子類もは一般的に海水に溶けず、しかも軽い(比重が海水より小さい)ことが多いため海面に浮遊して目立つのだ。
これを減らすには投棄を防ぐことが大事で、有機性高分子を減らすことではない筈だ。
しかし、オツムの弱い大臣殿はレジ袋を有料化すれば改善されると考えたのだ。確かにレジ袋を受けとる人は減ったが、代わりに持参している買い物袋(トートバッグなど)を見ると、大半が有機性材料が使われている。あれでは何もならない。
因みに我が家はレジ袋派だが、1枚も無駄にすることなく活用している。
レジ袋の有料化を政策として行った以上は、海面の汚染が減少したかどうかの効果確認の義務がある。しかし政府がそうした検証を行った形跡がないのは無責任としか言いようがない。

さてアスベスト(石綿)だが、以前はコンロやストーブなどの家庭用品から学校の教材などの身近なものから、建材や工業製品まで幅広く使われていた。
20-30にかけてある時期、ほぼ毎日アスベストを仕事で使っていた。同僚たちも同じ様な状況だった。
勿論、当時から肺に吸い込んだら有害だということは知られており、防塵マスクを着用して作業をしていた。それ以外に毒性は皆無で、安心して作業ができた。
それが今ではまるで毒物のような扱いで、アスベストには気の毒になる。
どんな材料でも使い方を間違えれば危険になる。
例えばヒ素や青酸化合物は猛毒で、事件や事故で死者も出いてるが、未だに使用が禁止されていない。なぜなら、体内に取り込まなければ有毒にならないので、気をつけて使っているからだ。
アスベストは天然で産出されるのに、それに代わる材料を製造するために
多の資源とエネルギーを消費している。勿体ない話だ。
悪いのはアスベストではない。
間違った使い方をした(又は使い方を指導していなかった)人間の方だ。

2023/08/28

The Chinese government's policy of embargoes on Japanese seafood can only be viewed as a standstill.

The Chinese government has taken the step of imposing a total ban on imports of Japanese marine products following the release of treated water from the Fukushima nuclear power plant into the ocean.
The Japanese government has responded by saying that it will use scientific evidence to persuade the government to lift the embargo.
However, China's current claim is not originally based on science. It has not even clarified whether the problem is tritium in the treated water or radioactive materials that cannot be completely removed by ALPS. It merely claims that it is unacceptable to allow contaminated water from nuclear power plants to drip into the sea.
Most of the public seems to be taking the government's claims at face value so far, and they are even making harassing phone calls to various Japanese facilities asking if the Japanese people are stupid.
To this point, it is safe to say that they have reached the point of religious belief, and science cannot stand up to them anymore.
We have no choice but to remain quiet for the time being about China's state of excitement while providing some kind of compensation to Japanese fishermen.
Time will eventually tell.

Translated with www.DeepL.com/Translator (free version)

中国の海産物禁輸政策には静観するしかなかろう

福島原発からの処理水の海洋放出が始まり、中国政府は日本産海産物の全面輸入禁止という措置をとった。
これに対して日本政府は、科学的根拠に基づき禁輸を解除するよう説得するとの対応を示している。
ただ、今の中国の主張は元々科学に基づいたものではない。処理水に含まれるトリチウムなのか、あるいはALPSで完全に除去できない放射性物質が問題なのかさえ、明確にしていない。ただただ原発の汚染水を海へ垂れ流しているのが許せないと主張しているのみ。
国民の多くは今のところ政府の主張を鵜呑みにしているようだし、果ては日本の各施設に「日本人は馬鹿か」という嫌がらせ電話をかけて来ている。
ここまで来ると、もはや宗教的信念に達したと言っても良く、科学は立ち向かえない。
日本の漁業者にはなんらかの補償を行いながら、中国の興奮状態にはしばらくは静観するしかない。
いずれ時間が解決してくれるだろう。

【追記1】
言論の一部に処理水放出を諾とする者を「愛国」、否とする者を「反日」とする主張がなされているが、こうした無意味なレッテル貼りはやめようではないか。
この件は、科学的検証という共通の土台で議論すべきだ。

【追記2】
日本産海産物の輸入禁止について、たとえば中華人民共和国海関総署の2023年公告103号によれば、日本を原産地とする水産物の全面的な禁止は「暫停(暫定停止)」、つまり一時的と表現されているようだ。

2023/08/25

原発汚染水の処分方法に良い案があるだろうか

福島原発事故に伴う汚染水の処理について、ALPSで処理された処理水の海洋への放出が24日から始まった。
積極的に賛成する人はあまりいないだろうし、やむを得ぬという人が多数だと思われる。
反対意見も根強くあるようだが、この件については反対だけでなく、よりよい処分方法の提案が求められると思う。
汚染水の処分方法は以下の通りとなるだろう。
①現状のままバッグに貯蔵を続ける
②地層注入
③水素放出
④地下埋設
⑤水蒸気放出
⑥海洋放出
このうち①は安全面やスペースの問題があるし問題を先送りするだけ。
②③④は規制や技術的面から不可。⑤は蒸発後に放射性物質が残存してしまう。
この結果⑥のみが現実的となった。
もし新たな提案があって採用されれば、海洋放出は止められるのだが、どうだろうか。

2023/08/20

世界各国の原発排水を検査せよ

福島第一原発の処理水放出を近々実施することを政府は決めたようだ。IAEAの検査結果から安全と判断している。
一つの不安材料としては、データが通常運転のものではないことだ。予め検査が決まっている場合には、それ用のサンプルを用意することはよくあることだから。実際の運転時での検査でないと説得力は弱い。
そこで提案だが、放射性物質の海洋への影響を調べるために、各国の原発から発生している排水をIAEAに検査してもらうことにしたらどうか。
取り敢えず日本、中国、韓国の原発排水から検査を着手し、いずれ全世界に拡げる。
事前の予告なしに、IAEAが排水の抜き取り検査をして、その結果を公表する。これなら各国の納得が得られるだろう。
そんな事出来るのか、各国の了承が得られれば可能だ。
一時期、船舶の内装材にかかわる仕事をしていたが、この業界では検査官が予告なしにいきなり現場に来て抜き取り検査を行っていた(世界共通)。関係者の了解さえ得られれば十分に可能なはずだ。
海は人類共通のものだから、その汚染については各国が連携する必要がある。
もし反対する国があれば、その事実と理由をIAEAが公表すればいい。
これなら恨みっこナシだ。

2023/07/17

Fools Who Ignore Science

The IAEA has concluded that TEPCO's current plan to discharge ALPS process water into the ocean will have negligible radiation effects on humans and the environment.
The Japanese government seems to be interpreting this as an endorsement of the ocean discharge of treated water, but the IAEA only published the results of its analysis and did not say anything about the pros and cons of the discharge policy.
It is natural that there are various opinions about the IAEA's conclusion, but it is surprising that some people say, "If it is so safe, try drinking the treated water.
This may be irresponsible talk, but when it comes from the Chinese government's chief diplomat and the leader of the South Korean opposition, one can only be appalled.
These people do not even know that wastewater standards are completely different from drinking water standards.
They don't realize that such foolish statements will only serve to discourage those who oppose the ocean discharge.
The problem is that the level of trust in Tokyo Electric is in doubt.
If there is a problem or accident in the operation of the plant in the future and the radiation level of the treated water exceeds the standard, we cannot trust that TEPCO will promptly stop the release of the treated water and notify the local government and residents of the results.
Regarding the release of treated water this time, the explanation to residents and fishermen was also left to the Japanese government, which makes us doubt TEPCO's sense of responsibility to be a party to the situation.
I think that is what worries me the most.

"Translated with www.DeepL.com/Translator (free version)"

2023/07/16

科学無視のおバカさん

先にIAEAは、東電が現在計画しているALPS処理水の海洋放出が人及び環境に与える放射線の影響は無視できるものと結論付けた。
政府は、これを以って処理水の海洋放出にお墨付きを得たように解釈しているようだが、IAEAは解析結果を公表しただけで、放出政策の是非については何も言っていない。
IAEAの結論について様々な意見があるのは当然だが、「そんなに安全というなら処理水を飲んでみろ」という声があるのには驚く。
それも飲み屋でのホラ話ならともかく、中国政府の外交責任者や韓国の野党指導者らの発言とあっては呆れるしかない。
この人たちは排水基準と飲料水基準とは全く別のものだという知識さえ有していないのだ。
こうしたおバカな発言は、かえって反対派の足を引っ張ることになるのも分からないだろうね。
問題は、東電への信頼度に疑念があることだ。
今後、運転の中でトラブルやアクシデントが起きて、処理水の放射線濃度が基準を超えるような事態になった場合、東電は速やかに処理水放出を止め、結果を自治体や住民の告知するかどうか、怪しいものだ。
今回の処理水放出に関しては、住民や漁業関係者への説明も政府任せで、東電の当事者意識を疑ってしまう。
一番の不安はそこだと思うのだが。

2023/01/16

アスベストに罪はない

20代から30代前半にかけて、ほぼ毎日にようにアスベストを扱ってきた。当時は仕事で使う手袋がアスベスト製だった。もちろん、当時から肺に吸い込むと危険だとされていたので、極力防塵マスクを着けての作業だったが、完全に防げたかどうかは疑わしい。
30代のある時期には、アスベストに代替できる材料をさがす仕事に取り組んだことがある。驚いたのは、アスベストは実に多数の分野で使われていたことだ。家庭用の器具から学校の教材まで、自動車の部材にも使用されており、およそ熱を扱う場所にはアスベストは無くてはならぬ存在だった。
色々な材料を取り寄せて試験したが、試験が進めば進むほどアスベストの性能の素晴らしさ気づかされた。
いまアスベストに代替されている材料も一通り試験したが、アスベストの足元にも及ばないものばかりだった。
アスベストの特性は次の通り。
①耐熱性、高温に強く特に燃えないこと。
②繊維としての「しなやかさ」を持っていること。これは他の鉱物性繊維には無い。
③アルカリによる浸食がない。長期使用しても劣化が起きない。
④電気絶縁性が高い。電機部品に広く使われていたのはそのためだ。
アスベストには毒性がない。誤って飲み込んでも危険性はない。ただ肺に吸引した時だけが有害となる。長期にわたって吸引すると肺がんや中皮腫などの疾患をはじめとした健康被害を引き起こすこともあり、日本では使用禁止となっている。
どんな材料でも、使い方を間違えれば危険にさらされるし、時には生命が奪われることになる。

石綿病に似た症状に「珪肺症(けいはいしょう)」がある。私の若い頃は専らこの病気が問題とされてきた。もちろん、今でも恐い病気だ。
珪石(石英、シリカ)の粉塵を吸入したことが原因となって肺が永久的に瘢痕化してしまう病気で、運動中に呼吸困難をきたしたりするほか、悪化すると安静時でも息切れがするようになる。肺が損傷を受けているため酸素の血液中への取り込み能力が低下することから、心臓にも負担をかけることになる。
しかし、珪石は使用が禁止されていない。今でも多くの産業で使われている。
この差はどう生じているのだろうか。
青酸化合物は猛毒で知られており、微量でも人を殺すことができ、過去の犯罪でも殺人に使われてきた。
しかし、一部の産業では無くてはならない材料なので使用禁止にはなっていない。
和歌山カレー事件で脚光を浴びたヒ素も同様で今でも使われている。
アスベストは100%天然品だ。
いま、その代替物質を別の資源とエネルギーを使って製造し、しかも性能は遥かにアスベストに及ばない。
材料を活かすも殺すも使う人間次第だ。
材料には罪がないのだ。

2023/01/14

原発は廃止できるか

川口マーン恵美「ドイツの脱原発がよくわかる本」(草思社2015/4/11初版)
本書は現在の脱原発を批判しており、当面は原発稼働に頼ざるをえないと結論づけている。
類書と異なるのは、
①著者はドイツと日本の発電所や電力会社の現場を見てまわっていること。そのため主張が観念的ではなく実証的。
②著者は究極的には原発は廃止すべきだという立場だが、いま性急に進めるのはリスクが多すぎると主張。
本書が発売された当時、ドイツは脱原発に大きく舵を切っていた。同時に再生可能エネルギーの増設を進めていた。
著者は、こうしたドイツのエネルギー政策はいずれ破綻するだろうと予測していたが、不幸にもその予測が的中してしまった。
ロシアからのLNG供給がストップしてしまうと、一気に電力不足になった。原発を再稼働し、石炭火力発電を増設して急場を凌いでいる。
電力化会社の使命は「必要な時に必要な電力を供給すること」にある。
不足すれば停電になり、過剰に流せば設備のトラブルを引き起こす。
再生エネルギーの泣き所は、自然の気象条件任せで供給が安定しないことだ。必要な電力は時々刻々と変化するので、電力会社はそれに対応すべく神経を尖らせている。
電力というと発電にばかり目がいくが、送電線の能力も大きな問題だ。
供給が不安定な再生エネルギーには、バックアップの電源が不可欠だ。
日本の場合、バックアップには揚水発電が行われている。簡単にいえば、水力発電に使った水を下部ダムにためておいて、その水をポンプで上部のダムに汲みあげて発電させるという方法。この方法の弱点は、揚水のポンプを動かすのも電力を消費することで、実際には赤字とある。
再生エネルギーの実用化には、大規模で経済的な蓄電設備の開発を待たねばならない。
さらにドイツと比べて日本のエネルギー問題の深刻さがある。
①自国にエネルギー資源が皆無である。ドイツは石炭が豊富だ。
②電力を譲りあえる近隣の国がない。ドイツはフランスとの間で頻繁に電力を交換している。
当面、日本は原発を稼働せざるを得ないというのが著者の見解だ。

2022/09/04

「SDGsの大嘘」読後感

池田清彦「SDGsの大嘘」(宝島新書 2022/6/20初版)
少々大げさなタイトルだが、生物学者が今流行りのSDGsについて批判的に書いている。専門の生物学の観点から科学的に検証し、矛盾を指摘し、これからの進め方について提案をしたものだ。
主な点をいくつかピックアップしてみた。
1.地球温暖化の原因がCO₂の増加によるという定説について疑問を投げかけている。地球の歴史を振り返れば、温暖化と寒冷化の繰りかえしだ。最も大きな要因は太陽の活動であり、17世紀から18世紀にかけて起きた寒冷化はマウンダー極小期と呼ばれる太陽の活動低下が原因とされている。
また、火山の大噴火も大きな要因で、近い例でいえば1991年のフィリピン・ビナトゥボ火山の噴火により、翌年の世界の気温が0.5℃下がった。日本もこの影響を受けて冷夏になり、農作物が不作となった。気温はこうした様々な要因の影響を受けるので、一義的にCO₂濃度で決まるわけではないというのが著者の主張。
温暖化とCO₂の関係は、環境問題の根幹を成す問題であり、科学的な検証が必要だろう。
2.我々が必要としているエネルギーは、詰るところ太陽エネルギーに依存している。つまり地球全体のエネルギーは有限だということだ。食糧もまた太陽のエネルギーに依存している。このエネルギーを分け合って人類全体が幸せに暮らすためには人口の抑制が必要だ。いま進めているSDGsには、人口問題が抜けている。
3.船を使って漁をして得られる世界の漁獲量は、毎年900万トンとほぼ一定だ。しかし漁業の技術は格段に進歩していることを考えるなら、水産資源が枯渇していることを示している。残りは養殖で補っているが、効率を上げるために大量の抗生物質が投与されている。こうした魚を長期にわたって食べていたら、人体に何かしらの影響があると考えるべきだろう。SDGsに「海の豊かさを守る」というスローガンがあるが、この状況でどうやって水産資源を守るつもりだろうか。水産資源も有限であり、ここにも根本に人口問題がある。
4.再生エネルギーとして太陽光発電が推進されているが、一度、農地の上にソーラーパネルを設置すると、その土地は二度と農地として使えなくなる。土壌が死んでしまうからだ。通常の発電設備にはメンテナンスなどの規制があるが、ソーラーパネルには何もない。ソーラーパネルには寿命があるが、その交換や撤去について何も規制がない。このままだと、いずれ使えなくなったソーラーパネルが放置され、その撤去に自治体が頭を悩ますことになる。
日本の食糧自給率を上げるためにもソーラーパネルなどやめて、農地を有効活用すべきだ。
再生エネルギーについては、日本の地形をいかした小規模な水力発電を沢山設置したり、地熱発電技術の開発を進めるべきだ。
この他、多岐にわたって著者からいくつもの指摘や提案が示されている。自然との共生という視点を重視しており、参考になる点があった。